『いやなこと』 島田陽子 錦城愛佳 島田陽子作の、『いやなこと』は大阪弁が使われていることがこの詩の特徴です。島田は東京都出身で、11歳に 大阪府にざいじゅうしていました。『ぶんしょう倶楽部』などで小説を書いた後、1960年ごろから、どうようのそうさく を始めた作者です。この詩は大人と子供の意見の違いを表現している詩です。大人のお母さんは『いやや いわんと お かあちゃんは やるんやて』『よのなか そやから うまいこと いくんや おぼえときや やて』と言う意見を持って いる中、正反対の意見をもつ子供は、『いややから いやや いうのん なんで いかんのやろ』との考えで、物事への 考え方に違いが見られます。この詩を読み、子供ながらの私も、そのそぼくな意見をもったことはもちろんあります。長 い人生を生きていない子供は、人生である苦労や、苦しみが知らないため、こんな考え方への違いが見られる詩でありま す。 この詩では『いややから』が何度も繰り返されています。反復を使う事で、子供がしたくないそぼくながんぼう が、伝わってきます。一行目と二行目はお母さんの大人びた考えですが、最後の『いややから いややいうのん なんで いかんのやろ』はまだあまり、色々な『いやなこと』をしてことのない子の考えであると思います。この最後の段落は、 シンプルに終わっていますが、この子供の素直な意見が強く伝わってきます。 いやだから、やらないことはおさない子供たちからよく聞く言葉です。ですが、大人になっていくうち、昔みた いに自分かってや、やりたいことばかりではないと築いていくものです。それをお母さんの『いやや いうても おかあ ちゃんには つうじへん』で伝えています。この詩の特徴は関西弁が使われていることです。この方言を使うことで、暖 かな家庭をイメージさせられます。『いややから』や『いわんと』は、よりこの詩の情景を表しています。この方言のイ メージを伝わりやすくするため、島田はひらがなを使っています。ひらがなを使うことで、より会話の情景が想像できま す。この技法は男の子のつぶやきで、お母さんからの教えがこの子供の中のどこかで、違いを感じているのが表現されて います。 『いやでも なんでも やらんならんことは やるもんやて』『いやや いわんと おかあちゃんは やるんや て』は、大人の子供への教えです。人生では自分のしたいことだけではなく、嫌なこともいないといけないことをこの詩 でつたえています。 島田がよく知られているこの方言をつかってこの短い詩はすごく大切なことを教えてくれています。『いややか ら』は自分かってな事ばかりするのではなく、人にしてあげたり、いやなことでもする大切さを作者は伝えています。
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