2007/7 武藏工大 学長車運転手解雇事件の顛末について 東京地裁で和解成立 実質全面勝訴 前職を定年退職して 4 年前に学長車運転士として採用された組合員の解雇問題が、この 度(2007 年 7 月)中央法律事務所の江森民夫(私大教連顧問弁護士)・渕上隆両弁護士のご尽力 の下、東京地裁で和解成立した。 運転士は採用後暫くしてより、時間外労働を含む労働条件が採用時の条件とかなり相違 しているため、勤務条件の改善を直属の上司に要求していたが、一向に改善されないばか りか、要求するたびに有給休暇の取得を不必要に妨害したり、賞与の査定を不当に低くさ れたりしてきた。そのため、ついに昨年 12 月に組合として未払い時間外勤務手当の支払い と勤務条件改善を要求する団体交渉を行うに至った。しかしながら、交渉の席上、採用時 の契約書により時間外手当は毎月上限 10 時間で抑えることを了解しているのだから未払い 金は発生していないとの言こそ撤回し、妥当な額については支払うと発言を修正したもの の、こともあろうに、団体交渉に持ち込んだからには学長との信頼関係がなくなり、今後 学長車の運転業務は担当しなくて良いし、他に適当な職場もないので翌年(今年)3 月末で退 職してもらいたいと言い出す始末だった。 正式な書類として解雇理由を提示して欲しいとの組合からの要請に対し、約 1 ヵ月後に 事実を歪曲しあるいは捏造した解雇理由を並べ立てた書類を提出してきたが、妥当な時間 外勤務手当については梨の礫であった。2 月初旬に解雇撤回要求の団交を行ったが、一切組 合側の主張を聞き入れることはなかった。その後、時間外勤務手当を算定するための勤務 時間の考え方を、渋谷労働基準監督署に双方同行して確認したが、3 月中旬になっても支払 いについて一切連絡がなく、下旬には 4 月末の解雇予告通知が届けられた。 このため 4 月はじめに詳細な勤務日誌を持参して渋谷労働基準監督署に時間外手当未払 い申告を行ったところ、法人側(実際は大学事務局)は、労基署の指導に従って、2 月の双方 同行での確認にも拘らず勤務実績を一部不当に削減してだが、2 年間の時効後に対する時間 外勤務手当の支払額回答を行ってきた。 5 月下旬に、解雇に対する地位保全申立書を東京地裁に提出したところ、解雇理由の不当 性に関する当方の論拠に対して、法人側は相も変わらず根も葉もない反論を提出してきた が、裁判官には認められず、結局は裁判官の和解勧告に従うこととなった。和解内容は、 法人都合による解雇ではなく依願退職とし、和解金で解決するものであったが、内容的に は時効前を含む 4 年分の時間外勤務手当の総額+賞与のこれまでの減額分総額+本年夏の 一時金といえるものであり、これまでの損失分を全て取り戻すものであった。 最後に、労基署ならびに弁護士との相談に際しては、2 月末に加盟した私大教連の前田副 委員長には大変お世話になりました。両弁護士に対するとともに、厚くお礼申し上げます。 柿崎・手塚の両氏を初めとして応援していただいた私大教連の方々ならびに渋谷労基署の 担当者の方にもお世話になりました。本組合としては初めての闘争であり、衷心より感謝 申し上げます。 なお、後日談だが、責任者の前局長、現局長、直接の上司らは謝罪もせず、表面的には 何も責任を取らず、上役の意向を汲んで運転士に対してせっせと不当な行為を繰り返した 一番下役の事務職員のみが、昇格ではなく配置移動されたのが事務局側の実態である。
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