超弾性形状記憶合金線材のばねを用いて

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曽根
彰
教授 機械工学系
形状記憶合金を用いた免震装置
超弾性形状記憶合金線材のばねを用いて
■キーワード
機械力学 振動工学 耐震工学 形状記憶合金 超弾性 免震装置 座屈ばね
■研究の概要
形状記憶効果と超弾性
形状記憶合金は形状記憶効果と超弾性
という二つのユニークな性質を持つスマ
ート材料です。
このうち超弾性とは、負荷過
程において生じた非線形ひずみが除荷の
みによって回復するという性質です。また、
超弾性形状記憶合金は負荷過程において
応力がひずみに対して飽和するという性
質を持つので、
これをばねとして用いると
力の伝達を制限することができると考えら
れます。
■研究・技術のプロセス/研究事例
①超弾性形状記憶合金線材を用いたばね
超弾性形状記憶合金を用いたばねとして
円環型ばねと座屈型ばねの二種類を考案
しました。
これらのばねは変形量が大きく
なるにつれて剛性が低下するという幾何
学的な非線形性を持つため、変形量に対
する復元力の飽和がより顕著に表われ、力
の伝達を制限する能力に優れると考えら
れます。
②超弾性形状記憶合金ばねの復元力特性
円環型ばねの復元力特性より、
このばねは
ほぼ線形であることがわかります。
これは、
円環の直径が大きいために線材がほとん
どヒステリシス領域に入っていないためで
あると考えられます。座屈型ばねの復元力
特性では復元力が変形量に対して飽和し
ている様子が顕著に表われています。
■セールスポイント 超弾性形状記憶合金を用いた研究の多くはその応力−ひずみ曲
線におけるヒステリシスに起因したエネルギー散逸能力を用いて減衰要素として使用
することを目的としていますが、本研究では超弾性形状記憶合金のソフトニング特性に
よる加速度応答の低減を目的としています。