建物の特徴 旧 朝 倉 家 住 宅 は 、 木 造 2 階 建 て で 、 ほ ぼ 全 室 が 畳 敷 き 、 屋 根 は 瓦 葺 [か わ ら ぶ き ] 、外 壁 は 下 見 板 張 [し た み い た ば り ] 、一 部 が 漆 喰 塗 と な っ て い ま す 。明 治 時 代 か ら 昭 和 30 年 頃 ま で に 建 設 さ れ た 大 き な 邸 宅 の 特 徴 を 顕 著 に あ ら わ し て い ま す。 主 屋 は 2 階 建 て の 大 規 模 な 建 築 で す 。 1 階 南 側 に 10 畳 の 仏 間 、 12 畳 の 中 の 間 (居 間 )、 10 畳 の 寝 間 (現 在 は こ の 三 間 を 一 室 の 会 議 室 に 改 造 )、 北 側 に 納 戸 、 女 中 部 屋 、 事 務 室 が そ れ ぞ れ 並 ん で い ま す 。 2 階 は 15 畳 、 12 畳 半 の 二 間 続 き の広間があります。 主屋1階は家族の日常生活の場であり、年中行事などで正式に客を迎えると き は 、 玄 関 左 手 の 応 接 間 (和 室 )を 用 い 、 玄 関 右 手 の 洋 間 は 、 来 客 や 執 事 の 事 務 のためのスペースでした。これに対し北側の部屋は、家族や使用人が使用して いました。2階は虎治郎が公職にあった際、会合などに使用されていたと思わ れます。 西側の廊下の先に杉の間 (三 間 )が あ り ま す 。 杉 の 木 目 を意匠のテーマにした趣味的 な数奇屋座敷で、当主はここ で陳情など私的な客を応接し ました。 家政を司るために、奥に2 階建の大きな土蔵を造りまし た。また、後に子供が増えた とき、北側に台所や食堂、家 族 室 (面 皮 [ め ん か わ ] 部 屋 、 現 在 は 管 理 事 務 室 )を 増 築 し ま 庭園から見た主屋 した。 洋間 旧朝倉家住宅に洋館はありませんでした。華族や財閥とは違い、洋式の大規 模な宴を開く必要がなかったからです。しかし、立派な洋間を一部屋だけ玄関 脇につくりました。来客用に洋式の接待が出来るようにとの配慮からです。一 部にだけ洋間を持つ邸宅は 多く存在しました。 この洋間は、家や商売に 関わる日々の来客への応対、 執事の事務のための部屋と して使われていました。当 時 の 床 は 板 張 り で 、開 き 窓 、 折 上 格 天 井 [お り あ げ ご う て ん じ ょ う ]な ど 洋 風 意 匠 の 特 徴が見られます。 洋間から玄関を望む
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