すこやか健保2013年8月号 COML[電話相談の現場から]vol.99 薬に対する不安 【相談】 私(60歳・男性)は、20代後半にうつ病になり、抗うつ剤と向精神薬を 処方されて症状のコントロールをしていました。ところが、40歳のときに交 通事故に遭い、脳挫傷で3週間意識不明の状態が続いたのです。 なんとか持ち直し、3カ月で退院することができました。ところが、入院中 ずっと薬を服用することができませんでした。そればかりか、退院後もしばら くリハビリなどに専念しないといけなかったので、結局、半年間薬を絶つ結果 になってしまいました。その結果、耳鳴りが続き、不安感が高まったのです。 どの病院に行っても「薬のコントロールが難しい」と言われたため、病院を転々 としました。ようやくある大学病院で合う薬を見つけてもらうことができ、耳 鳴りも不安感も治まりました。それから約20年、その薬の量は増え続けてい ます。 3カ月ほど前、薬を飲み続けることが怖くなって、自分の判断で1カ月半薬 を絶ちました。すると3週間後ぐらいから、さまざまな症状が出始めたのです。 ドクターに正直に打ち明けると、「急にやめるとそうなるんですよ」と言われ、 新たな薬が出されました。でも、やはり不安で薬が飲めないのですが…。 【コメント】山口育子(COML) 薬の量がどんどん増えてくると、「こんなに飲み続けて大丈夫だろうか」「薬 が原因で内臓が悪くならないだろうか」と不安になり、自己判断で薬をやめて しまう方がいます。しかし、薬のなかには、突然絶つと危険な薬もあります。 それだけに、まずは薬に対する不安を正直にドクターに伝え、相談することが 大切だと思います。 新たな薬が出たことも不安で飲めない、とのご相談でしたが、飲まないこと で症状が悪化し、さらに強い薬でないと対処できないほうが危険です。それだ けに、新たな薬にも不安があることをドクターに伝え、どのような薬なのか、 いつまで飲み続ける予定なのか。さらには、症状が改善すれば薬の量を減らし たり、効き目の弱い薬に変更したりすることが可能なのかといったことを確認 して薬への不安を少しでも減らす努力をしてみてはどうかとアドバイスしまし た。
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