カトリックではさまざまな仕事に守護聖人がいる。自然環境保護に携わる

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1386.カトリックではさまざまな仕事に守護聖人がいる。自然環境保護に携わ る人を守るのは…
毎日新聞「余録」2013.3.15.
(傍線:吉田祐起引用)
カトリックではさまざまな仕事に守護聖人(しゅごせいじん)がいる。自然環境保護に携わる人を守
るのはアッシジの聖フランシスコである。この人は動物と話せて、鳥に説教し、オオカミを回心させ
たとの伝説がある。神の造ったものすべてに愛を注いだのだ
▲キリスト教史での彼はフランシスコ修道会を創設した清貧の聖者として崇敬(すうけい)を集めて
きた。富裕な家に生まれながら貧者や病者の中に身を投じた彼は、托鉢僧(たくはつそう)として弱
者救済に力を尽くし、ローマ教会を訪ねた時には当初そのみすぼらしい姿に門前払いされた という
▲「フランシスコよ、崩れかけている私の家を修理しなさい」。聖人が信仰に目覚めたのは、ある日
キリストの化身の呼び声を聞いたからだという。当初は文字通り教会の修繕のことと考えた彼だっ
たが、そのなし遂げた信仰の再建は豪壮な建物とは無縁の事柄だった
▲このアッシジのフランシスコに由来するという新しいローマ法王の名前である。約600年ぶりに
退位したベネディクト16世の後継を決めるコンクラーベは、実に1272年ぶりに欧州以外の地域か
ら法王を選び出した。アルゼンチン出身のフランシスコ1世である
▲名前にふさわしく新法王は貧困対策に尽力してきた人という。ただ、その率いるカトリック教会は
人々の価値観の激変のただ中にあって、聖職者の性的虐待はじめスキャンダルが相次ぐありさま
である。教会改革は前法王が退位表明後に後継へ託した宿願でもあった
▲バチカン内の権力闘争とも一線を画す南米出身の法王に期待されるものは大きい。すでに「私
の家を修理しなさい」という声はその耳に届いていよう。
ヨシダコメント:
新法王が冠した「フランシスコ」は「アッシジの聖フランシスコ」。裕福な家に生まれながら清貧に甘
んじた聖人。その聖人がキリストの化身の呼び声「私の家を修理しなさい」を聞いた時、文字通り教
会堂の修理と考えたとか。しかし、かれが成し遂げたことは「信仰の再建」で、建物とは無関係のも
のでした。
そのフランシスコの全てを名実ともに戴したうえの「フランシスコ1世」。それだけに、新法王のこれ
からに大きな期待を寄せるのは当然でしょう。
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