文法(上級) 宮本 大平:著 Christina Tang:英文校閲

文法(上級)
宮本
大平:著
Christina Tang:英文校閲
1
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Contents
P.3
挿入の使い方
P.7
様々な種類の強調
P.11
省略(日常英会話、各文法での省略)
P.17
省略(共通要素の省略、共通構文)
P.20
関係代名詞(前置詞+whose、主格の省略)
P.25
関係代名詞(二重限定・挿入節)
P.27
名詞、代名詞、所有格の一致
P.30
名詞の慣用表現
P.34
冠詞+抽象名詞、文字、記号の複数形とその例外
P.39
指示代名詞、such、so、same の用法
P.44
of と所有格の’s の使い分け(独立 /二重所有格)
P.49
名詞構文
P.52
冠詞の位置や反復、省略
P.59
不定冠詞と定冠詞の特別用法
2
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挿入の使い方
挿入とは、説明や注釈などを加えるときに使われます。主に文中に入れられ、書き言葉な
どでよく見られる文法です。ここでは、さまざまな種類の挿入を見ていきます。
挿入語句
これは慣用的なものであり、以下のものがあります。
・ 実は in fact / as a matter of fact
・ つまり
in short
・ その反面 on the other hand
・ その結果
・ 例えば
as a result
for example / for instance
・ それどころか
on the contrary
・ 一般的に
in general
・ ええっと
let me see
・ 結局は
・ ある意味
after all
in a sense
・ 言い換えれば
in other words
など
それでは、例文を見てみましょう。
あなたはその事件について何も知らないとおっしゃっていますが、実際はそれに関与して
いたという報告もあります。
You say you don't know anything about the case, but in fact it is reported that
you had something to do with it.
このように、文中に in fact が挿入されます。ちなみに、in fact は「実は」という意味の
ほかに、「要するに」という意味や前述したことを言い直して強調するときにも使われま
す。
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彼はイケメンで誠実でやさしい。要するに、私のタイプだ。
He is handsome, sincere and kind. In fact, he's my type.
(要約)
私は彼が嫌いだ。もっと言えば、彼はうそつきで不誠実だ。
I don't like him. In fact he's a liar and dishonest.
(強調)
挿入節
節が文中に挿入される形もあります。この場合、接続詞の as や if, though, whether,
what などが使われます。例文を見てみましょう。
彼はいわば歩く辞書だ。
He is, as it were, a walking dictionary.
彼女は、もしあるとしても、一人でファミレスに行くことはめったにない。
She rarely, if ever, goes to a family restaurant.
I think, I suppose などが文中に挿入されるパターン
これは普通、文章の一番最初にきますが、文中に挿入される場合もあります。
この国の経済は、私が思うにもうすぐ悪化するだろう。
The economy of this nation will, I think, become worse.
独立不定詞や分詞構文の挿入
これらも挿入として使われる場合があります。
彼は正直なところ、私のタイプではない。
He is, to tell you the truth, not my type.
その家は30年前に建てられたので、リフォームをしなければいけない。
The house, built 30 years ago, needs to be renovated.
4
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Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.その一方で、地元住民らによるダムの建設に対する激しい反対運動が行われた。
2.その議員は質問に対し、適切な回答をしなかった。もっと言えば、彼はその質問をう
まくかわそうとしたのだ。
3.要するに、政府は銀行の貸し渋りに対処をしなければいけない。(挿入)
4.ある意味、記者会見でその記者が投げかけた質問は彼を動揺させたかもしれない。
5.その結果、その少年は留置所行きとなった。
6.概して、私はやたらと利率の良い投資案件を勧めてくるセールスマンを疑っている。
(挿入)
7.例えばその集団は、牢屋内での拷問活動について(Twitter で)ツイートしたことに
対してその人権活動家を激しく非難した。
5
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8.正直なところ、彼はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対してかなり消極的で
ある。(挿入)
Answer
1.On the other hand, local people waged a severe campaign against the
construction of the dam.
2.The lawmaker didn't give a proper answer to the question. In fact, he tried
to artfully dodge it.
3.The government, in short, is obliged to address banks' credit crunch.
4.The question posed by the reporter at the press conference might have
upset him in a sense.
5.As a result, the boy was detained.
6.I am in general suspicious of sales people who recommend investment with
unreasonably high interest rates.
7.For example, the group came down on the human rights activist for tweets
about torture practices in a prison.
8.He is, to be honest, significantly negative about the TPP.
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さまざまな種類の強調
ここでは、さまざまな強調の用法について学習していきます。
強意語句による強調
・形容詞・副詞の強調
これは very と同類の語と考えてよいです。強意語句の後ろにくる副詞や形容詞によって
使われる単語が変わってきますので、コロケーションとして覚えておくとよいでしょう。
とても暑い
awfully hot
= very hot
とても野心的な
highly ambitious
= very ambitious
とても難しい
extremely hard
= very hard
私たち日本人がスピーキングで使う場合、very や so、really などを使う方が簡単です。
・比較級・最上級の強調
比較級を強めるときは、a lot, even, far, much, still などが使われます。また、くだけ
た会話では a lot や way が使われます。例文を見てみましょう。
私はもっと上手くできる。
I can do a lot better.
彼は私よりずっと賢い。
He is much smarter than I am.
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最上級を強めるときは、the+最上級の前に much, far, by far などが使われます。
彼はこのクラスの中でずば抜けて頭がよい。
He is far / by far the smartest in this class.
また、最上級の後ろに関係代名詞をつけて強調する方法もあります。これは日常会話でよ
く使われる用法です。この場合、関係詞は that を使い、関係詞節の中に ever を入れま
す。また、時制は現在完了形と一緒に使われることが多いです。
彼女は私が今まで見てきた中で一番の美女だ。
She is the most beautiful girl that I have ever met.
この料理は過去 10 年間(食べてきた中)で一番おいしい。
This is the most delicious dish that I have ever had for the past ten years.
・疑問詞の強調
疑問詞の直後に ever, in the world, on earth などをつけて、疑問詞を強調することが
できます。
一体あなたは何をしていたの?
What ever (= Whatever) were you doing?
これはおもに女性が使います。
なぜそんなことを言ったんだ?
Why in the world / on earth did you say that?
また、くだけた会話では the hell なども使われます。the hell を和らげた表現として、
the heck もよく使われます。
お前は一体なにをやってるんだ?
What the hell / the heck are you doing?
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・再帰代名詞の強調
強調したい名詞や代名詞の直後に再帰代名詞を置きます。例文で確認してください。
彼女は幸せそのものだ。
She is happiness itself.
・同一語句の繰り返しによる強調
同じ単語を and で結んで強調する用法です。
彼女は何度も何度もその手紙を読み返しました。
She read the letter again and again.
彼はゴールに向かってひたすら走った。
He ran and ran toward the goal.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.その出来事はこれまでの私の人生の中で一番の驚きだった。
2.一体どうやって犯人はこの部屋に忍びこんだのか?
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3.彼女は神に何度も祈りを捧げた。
4.この災害は、今後の日本に対する一番の警告だった。(最上級の強調)
5.富士山は、なまで見るよりも写真で見た方がずっときれいだよ。
Answer
1.The event was the biggest surprise (that) I have ever had in my life.
2.How in the world (= on earth, the hell, the heck) did the culprit sneak into
this room?
3.She prayed and prayed for the God.
4.This crisis was by far the biggest wake-up call to Japan in the future.
5.Mt. Fuji is a lot (= much) more beautiful in picture than in person.
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省略(日常英会話、各文法での省略)
文中の語句を省くことを省略と言います。これは主に、その語句を使わなくても意味が分
かると判断された場合に省略されます。
日常会話でも書き言葉でもよく使われ、とくに日常会話では決まり文句として使われます。
ただ書き言葉で省略を使う場合は、少し練習が必要です。理屈を理解し、正しく使えるよ
うになりましょう。
日常会話での省略
会話の中では、省略は頻繁に見られます。決まり文句となっているので、文法は考えずに
そのまま覚えてしまって問題ありません。
ごめん!大丈夫?
(I am) Sorry! Are you all right?
明日は雪だと思う? そう思うよ。
Do you think it will snow tomorrow? (I) Think so.
はじめまして。
(It's) Nice to meet you.
足を捻挫してしまった。ついてないね。
I twisted my ankle. (That was) Bad luck.
・1 人称代名詞の省略
もう一度言ってください。
(I) beg your pardon?
彼は誰? 知らない。
Who's he? (I) Don't know.
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・2 人称代名詞の省略
楽しかった?
(You) Had a good time?
飲むか?
(You) Wanna drink?
wanna は want to の省略形です。
・3 人称の省略
(彼 / 彼女は)具合が悪そうだね。
(He / She) Doesn't look well.
・it の省略
雨になりそうだ。
(It) Looks like rain.
・there の省略
外に彼の彼女がいるかもしれない。
(There) Maybe his girlfriend outside.
・助動詞の省略
もう行ったほうがいいよ。
You (had) better go now.
had better+動詞の原型で、「~したほうがよい」という意味です。
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主語+be 動詞の省略
これは主に when や while, though, if の副詞節の中で省略されることが多いです。例文
で確認しましょう。
私たちは学校時代は親友だった。
We were close friends when (we were) in school.
つまらなかったが、私たちは最後までその映画を見ていた。
Though (we were) bored, we watched the film until the last.
また、慣用的な省略もあります。
誤りがあれば訂正しなさい。
Correct errors if (there is) any.
この表現は試験問題などでよく見られます。
どんなに難しくても、最後まで諦めるな。
Don't give up however hard (it is).
= Don't give up no matter how hard it is.
独立分詞構文での意味上の主語の省略
独立分詞構文では、通常主節と従属節の主語が異なるために意味上の主語が必要です。し
かし例外として、一般的な人を指す one, we, you などが意味上の主語の場合は省略する
ことができます。
それを問題を考慮に入れると、この計画は中止にするべきだ。
Taking that into consideration, this plan should be cancelled.
従属節(Taking ~ consideration まで)の主語は we ですが、このように省略すること
ができます。
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クリスマスなので、ここはカップルでいっぱいだ。
(It) Being Christmas, I see a lot of couples here.
関係代名詞+be 動詞の省略
これは主に日常会話で使われる用法です。関係代名詞だけが省略される形は一般的ですが、
そのあとの be 動詞も省略できることを知っている人は少ないようです。例文を見てみま
しょう。
昨日私が会った男性は詐欺師だった。
The man (who / that) I met yesterday was a swindler. (関係代名詞の省略)
これは彼女にとって大事な情報だ。
This is the information (that is) important for her. (関係代名詞+be 動詞の省略)
広告での省略
これは街中でよく見かける用法です。以下に例を挙げます。
立ち入り禁止
NO TRESPASSING (is allowed)
前方に学校あり
SCHOOL (is) AHEAD
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
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2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。]
Question
1.「彼は今日くると思う?」 「どうでもいいよ」
2.ドライブに行かない?
3.どんなにここが心地よくても、6時前には帰ろう。
4.今日できることをしておいた方がいいよ。
5.迷ったら左へ曲がれ。
6.私がある情報筋から手に入れた秘密を考慮に入れると、私たちは中小企業を買収する
べきだ。
7.これは、その国との外交関係を全面的に回復するために必要な手段だ。
Answer
1."Do you think he'll come today?" "(It) doesn't matter."
2.(Do you) wanna go for a ride?
3.Let's go home before six however comfortable (it is) here.
4.You (had) better do what you can (do) today.
5.When in doubt, turn left.
6.Taking a secret I got from a source, we should acquire small and mediumsized companies.
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7.This is a measure (that is) necessary to restore full diplomatic relations
with the country.
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省略(共通要素の省略、共通構文)
ここでは同じ単語が2回使われるときに省略される共通要素の省略と、共通構文について
学習していきます。会話や書き言葉でも使われる用法なので、理論を理解して使いこなせ
るようにしましょう。
共通要素の省略
1つの文章に 2 つ以上の同じ語句が使われる場合、どちらかを1つだけ残してあとは省略
することができます。例文を見てみましょう。
私はアメリカで演劇を、イギリスで会計学を学んだ。
I studied Theater in the U.S. and (studied) Accounting in the U.K..
彼女は東京で何かをしていたが、何をしていたかは分からない。
She was doing something in Tokyo, but I don't know what (she was doing).
彼は私にりんごを渡し、彼女は私にバナナを渡した。
He gave me some apples and she (gave me) some bananas.
彼女はどのくらいジムに行くの? 週に3回です。
How often does she go to the gym?
(She goes to the gym) three times a
week.
このように、品詞は動詞、主語、目的語などが省略されます。
共通構文
これも 2 つ以上の同じ語句は省略されるという基本的なルールがありますが、省略されな
い語句もあります。そのため、この構文を使いこなすためには決まり文句のように覚えて
しまった方がよいです。例文を見てみましょう。
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・助動詞と本動詞
(太字の部分が決まり文句です)
それはうそかもしれないし、そうでないかもしれない。
It may or may not be a lie.
この元の文章は、It may be a lie or it may not be a lie.となります。may が 2 回使
われているので、「may or not be a lie ではないか」と思うかもしれません。しかしこ
れは決まり文句になっているので、may は省略されません。
彼は今までうそをついたことはないし、これからもないだろう。
He has not and will not tell a lie.
・前置詞と目的語
名古屋の行きかえりに静岡に寄った。
I dropped in Shizuoka on my way to and from Nagoya.
・動詞と副詞
彼は韓国語を私と同じくらいか、もっと上手く話す。
He speaks Korean as well or better than I do.
・動詞と前置詞つきの句
彼は右を見て、そして左を見た。
He looked at the right and at the left.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
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スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.彼は息子におもちゃをあげ、娘に人形をあげた。
2.彼は何らかの方法で競合に勝つことができたが、どうやったのかは分からない。
3.どのくらい上司に報告しますか? 1日に数回です。
4.私はこれまで成功への道を歩んできたし、これからもそうするつもりだ。
5.この製品の性能は、あの製品と同等か少しだけ優れている。
Answer
1.He gave his son a toy and (gave) his daughter a doll.
2.He was able to beat his competitors in some fashion, but I don't know how.
3.How often do you report to your boss? Several times a day.
4.I have and will walk the path to success.
5.The performance of this product is as good or better than that one.
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関係代名詞(前置詞+whose、主格の省略)
ここでは、前置詞+whose の用法、that の用法、そして関係代名詞の主格の省略につい
て学習していきます。日常会話でも書き言葉でも使われる表現ですので、何度も音読して
自分のものにしましょう。
前置詞+whose の用法
これは、前置詞+which, who, whom と同じ使い方です。堅い話し言葉や書き言葉でお
もに使われる用法となります。まずは例文を見てみましょう。
あれは私がずっと居眠りをしていた授業だった。
That was the class during which I was sleeping.
(前置詞+which)
次に、前置詞+whose の用法を見てみます。
私はトムを長い間知っていたが、その家で私は彼の妻に会った。
I had known Tom for a long time, at whose house I met his wife.
これを日常会話では以下のように話されます。
I had known Tom for a long time and I met his wife at his house.
先行詞は Tom であり、at his house が at whose house に変わって I met の前に置か
れるという形となります。最初はややこしいですが、慣れてしまえばそれほど難しくはあ
りません。
関係代名詞 that のその他の用法
以下のような場合は、that が好まれる傾向があります。しかし、規則というわけではな
いので、which や who などを使っても構いません。
・先行詞が最上級の形容詞や、first, only, very などで修飾されている場合
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これは私が今まで食べた中で一番おいしい食べ物だ。
This is the most delicious food (that) I have ever had.
彼はこの問題を解くことができる唯一の人だ。
He is the only person that / who can solve this problem.
・先行詞が all, anything, everything, much, little などの場合
私が他にできることはありますか?
Is there anything else (that) I can do?
そのお店では、赤ちゃんの興味をそそるものがほとんどなかった。
There was little that interested babies in the store.
・先行詞が人の地位・職業・性格などで補語になる場合
この場合は制限用法として使われ、that は補語として働きます。
彼は以前のようなピアニストではない。
He is not a pianist (that) he used to be.
・who, which などの疑問詞が直前にある場合
演劇の分かる人で誰が彼の演技がよかったと言えるだろう?
Who that could understand theater could say his acting was good?
この場合、疑問詞が関係詞の前にあるので Who who could understand とは言えませ
ん。
関係代名詞の主格の省略
目的格の場合、関係代名詞は省略されていることはよく知られています。
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私が昨日会った男性
The man (who / that) I met yesterday
一方、主格でも関係代名詞が省略されることもあります。特に日常会話で使われる場合が
多いです。
・There is (was) / Here is (was)に続く場合
それについてはどうすることもできない。
There is nothing (that) can be done about it.
・It is (was)に続く場合
チャンスをすべての人が得られるとは限らない。
It is not every person (that) gets a chance.
・関係詞節に there is がある場合
彼女はあらゆるチャンスに恵まれている。
She has every chance (that) there is.
・関係代名詞の直後に I think などの挿入節がある場合
彼は、私が思うにあなたを裏切る人だ。
He is the person (who) I think will betray you.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
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スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.私は道で少女とすれ違いましたが、彼女の目には涙があふれていました。
2.その国は無慈悲な独裁者によって支配されており、彼の利益のためだけに村人たちは
昼夜働かされていました。
3.イギリスに行ったことある人で誰が英語をスラスラ話せますと自信を持って言えます
か?
4.あらゆるチャンスをつかめ。
5.それは私が思うに、唯一のやりがいのある仕事だよ。
6.私を(やる気を起こさせて)頑張らせる何かを感じる。
Answer
1.I passed the girl on the street, in whose eyes there were full of tears.
2.The nation was ruled by merciless dictator, only for whose benefits
villagers were forced to work day and night.
3.Who that has been to the U.K. can say with confidence (that) they can
speak English fluently?
4.Seize every opportunity (that) there is.
5.That is the only job (which) I think is meaningful.
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6.I feel something (that) keeps me going.
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関係代名詞(二重限定・挿入節)
ここでは、関係代名詞の二重限定と挿入節について学習していきます。最初はなかなか使
いずらい用法ですが、何度も練習をして会話や文章などで使えるようにしましょう。
二重限定用法
二重限定用法とは、2つの制限用法の関係代名詞が、接続詞を伴わないで同じ先行詞を修
飾することを指します。最初の関係代名詞は省略されることが多いです。例文を見てみま
しょう。
彼は私が知っているなかで唯一この試験に合格した人です。
He is the only person (that) I know who passed this exam.
これは、「私は色んな人を知っているが、その中でも彼が唯一合格した人である」という
意味になります。では、次の文章だとどういう意味になるでしょう。
He is the only person (that) I know and who passed this exam.
これは and である等位接続詞によって結ばれているので、意味が少し異なります。「私
の知り合いは彼だけであり、そしてその彼がこの試験に合格した」という意味になります。
関係代名詞+挿入節
関係代名詞の後ろに、I think や it is said などが挿入される場合があります。限定用法
の場合は関係代名詞を省略することができます。例文を見てみましょう。
戦争で死亡したと思われる男性に会った。
I saw a man (who) I thought had been killed in the war.
私の記憶では、彼は2週間前にどこがで会った男だ。
He is a man (who) I remember I saw somewhere two weeks ago.
Practice
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ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.あなたが今まで経験してきた中で、もう2度と経験したくないことは何ですか?
2.フランスは私が唯一行ったことのある国であり、そこに住みたい。
3.私は夢を叶えるのに何年もかかったが、それによって私は継続する大切さを学んだと
感じた。
Answer
1.What is the experience that you have ever had which you don't want to
anymore?
2.France is the only country that I have been to and which I want to live in.
3.It took me many years to make my dream come true, which, I believed,
made me learn how important to continue was.
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名詞、代名詞、所有格の一致
ここでは、名詞と代名詞の一致について学習していきます。細かいところなので意識しな
いとかなり見落としがちな文法ですので、しっかりと理屈を理解して正しく使えるように
なりましょう。
性の一致
原則として、性の区別のある単数名詞は he, she と使い分け、物に関しては it を使いま
す。しかし、これには例外もあります。いくつか例文を見てみましょう。
・赤ん坊
赤ん坊は自分のおもちゃで遊んでいた。
The baby was playing its toy.
その赤ん坊のことを知らない人が言う場合、its を使う傾向があります。母親など親しみ
を感じている人が言う場合は his や her を使います。
・ペット
私は猫を飼っている。名前はキキだ。
I have a cat. Her name is Kiki.
一般的には its を用いますが、飼い主が言う場合や、雄か雌かはっきりしている場合は
his や her を使います。
・擬人化
これは私の車だ。美しいだろう?
This is my car. She is beautiful, isn't she?
物に愛着がある場合、このように擬人化する傾向があります。
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不定代名詞を受ける代名詞の一致
everyone, someone, each, either, no one などは、堅い言い方では he or she とい
う形を用います。しかし、会話では they を使うことが多いです。he で受ける形もあり
ますが、今は差別と考えられるので避けるのが普通です。
皆は自分自身の仕事に満足している。
Everyone is happy with his or her / their own work.
誰かが昨日ここに来ましたよね?
Someone came here yesterday, didn't they?
一般の人を表す one は、アメリカでは he / his で受け、イギリスでは one / one's で受
けます。しかし、これは現在ではあまり使われない傾向にあるようです。
人は最善を尽くすべきだ。
One should do his / one's best.
現在は one の代わりに、you や we を使うことが普通です。
You / We should do your / our best.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
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Question
1.その赤ちゃんは鏡で自分自身を見た。
2.私は犬を飼っている。とても従順なんだよ。
3.これが昨日買ったクルーザーだ。きれいだろう?
4.誰かが独り言を言っていた。
5.みんなはもっと自分の健康に気をつかうべきだ。
Answer
1.The baby looked at itself / himself / herself in the mirror.
2.I have a dog. It / He / She is very obedient.
3.This is the cruiser I bought yesterday. She / It is beautiful, isn't she / it?
4.Someone was talking to themselves.
5.Everyone should be more careful of their health.
29
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名詞の慣用表現
ここでは、さまざまな名詞の慣用表現について学習していきます。話し言葉と書き言葉の
両方があるので、それぞれの場面に適した表現を使えるようにしましょう。
前置詞+抽象名詞の慣用表現
これは前置詞+抽象名詞で副詞や形容詞の働きをするものです。of と with が使われるこ
とが多く、of+抽象名詞だと形容詞になり、with+抽象名詞だと副詞になります。例文を
見てみましょう。
この辞書は役に立つ。
This dictionary is of use / useful.
彼は有能な人だ。
He is a man of ability / an able man.
彼女は英語を流暢に話す。
She speaks English with fluency / fluently.
前置詞の後に所有格をつけることで、「~のような」という意味になります。
私は彼のような有能な人になりたい。
I want to be a man of his ability.
= I want to be an able man like him.
動詞+名詞の慣用表現
これは主に会話でよく使われる表現です。例文を見てみましょう。
私たちは長いこと話しました。
We had a long talk.
= we talked for a long time.
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英語では動詞+名詞として表現することが多く、これは日本語にはあまりない発想法です。
私たち日本人がスピーキングで使う場合、日本語の「話した」をそのまま訳して talked
としてしまったほうが簡単です。しかし慣れてきたら、had a long talk という言い方を
するとよりネイティブらしくなります。
それでは、have 以外の動詞を使ったパターンも見ていきましょう。
彼女は湖の周りを散歩した。
She took a walk around the lake.
= She walked around the lake.
彼らは交代で眠った。
They took turns sleeping.
赤ちゃんは大声で泣いた。
The baby gave a loud cry.
= The baby cried loudly.
私たちは右へ曲がった。
We made a right turn.
= We turned right.
形容詞+-er の表現
これは会話でよく使われる表現です。慣れないうちは、動詞+副詞の形を使ったほうが英
文を作りやすいです。
彼は泳ぐのが上手い。
He is a good swimmer.
= he swims well.
彼女は負けっぷりがよい。
She is a good loser.
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これらを使いこなすには、大体言い方が決まっています。そこで、決まり文句として覚え
てしまうとよいでしょう。
all+抽象名詞、抽象名詞+itself
これらはどちらとも、very の同等の意味となります。
彼は全身を耳にしていた。
He was all attention / all ears.
= He was very attentive.
彼女は親切そのものだ。
She is kindness itself / very kind.
all+複数名詞の形もあります。これも very と同じ意味です。
彼は不器用だ。
He is all thumbs.
彼らは大喜びだった。
They were all smiles.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
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Question
1.私は彼女みたいな有能な人になるための努力を惜しまない。
2.ちょっとだけ話をしよう。
3.彼はあまりにも落胆したのでため息をついた。
4.私は早起きだ。
5.彼女は不器用だ。
6.通訳者は、スピーカーの話を聞くときは全身を耳にして聞く。
Answer
1.I spare no efforts to be a woman of her capability (= ability).
2.Let's have a talk for a second.
3.He was so depressed (that) he gave a sigh.
4.I am an early riser.
5.She is all thumbs.
6.Interpreters are all ears when listening to speakers.
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冠詞+抽象名詞、文字、記号の複数形とその例外
ここでは、抽象名詞に冠詞がつくパターンと、名詞の種類を変化させる方法について学習
していきます。名詞の変化とは、例えば抽象名詞から普通名詞に変化させる方法などを指
します。細かい部分ですが、ライティングで正しい英文を書く上での必須の知識となりま
す。
冠詞+抽象名詞、抽象名詞の複数形
・不定冠詞が some と同じ意味になる
抽象名詞は普通、冠詞をつけずに用います。しかし、不定冠詞をつけると some と同じ
意味になります。
彼はドイツ語が少しできる。
He has a / some knowledge of German.
これは、at a distance「少し離れて」や for a while「しばらくの間」などと同じ用法で
す。
・the+抽象名詞+of+(代)名詞
抽象名詞の後に of+(代)名詞がつく場合、抽象名詞の前に the をつけます。
エベレストを登る難しさをたった今知った。
Only now have I known the difficulty of climbing Mt. Everest.
・行為や事柄、種類などを個別に表す場合
抽象名詞の前に冠詞を置いたり、抽象名詞を複数形にしたりすることで普通名詞のように
扱うことができます。
彼女はバイオリニストとしての成功者だ。
She is a success as a violinist.
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彼は彼女に色々と親切をした。
He has done her many kindnesses.
・抽象名詞を数える場合
この場合、抽象名詞の前に a piece of / an item of をつけます。
私は彼女から有用なアドバイスを得た。
I got a piece of advice from her.
・冠詞+形容詞+抽象名詞
抽象名詞に形容詞が付く場合、そのまえに冠詞をつけることが多いです。
彼は幸せに暮らした。
He lived a good life.
しかし、冠詞をつけない抽象名詞もあります。
彼はそのタスクを着実にこなしている。
He is making steady progress in carrying out the task.
これを使いこなすには、英文を読む中で「形容詞+抽象名詞」を意識し、冠詞をつける名
詞とつけない名詞を一つずつ覚えていくことが必要です。
文字・記号などの複数形
文字や記号などの複数形の作り方は、それらの後ろに('s)をつけます。ただ、単に(s)
をつけるだけの場合もあります。例文を見てみましょう。
彼の3は 8 に見える。
His 3's look like 8's.
彼は沢山のCDを持っている。
He has a lot of CD's / CDs.
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1980年代に
in the 1980's / 1980s.
敬称などの複数形
Mr や Mrs などのフォーマルで使われる複数形を知っている人は少ないです。ここで暗記
して、使いこなせるようになりましょう。
単数形
複数形
Mr.
Messrs.
Mrs.
Mmes.
Ms.
Mses, Ms's
Miss
Misses
Dr.
Drs.
現在では、あまり上記の複数形は使われません。例えば、Mr. Smith と Mr. Bob がいる
場合、Messrs. Smith and Bob とはあまり言いません。代わりに、Mr. Smith and Mr.
Bob とするのが普通です。
漠然と多数を表す名詞
hundred や thousand などを複数形にすることで、「何百もの、何千もの~」と表すこ
とができます。「何万、何十万」と表す場合、tens of thousands of や hundreds of
thousands of とします。
公園には何百 / 何万 / 何百万もの人々がいた。
There were hundreds of / tens of thousands of / millions of people in the park.
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「数十もの~」には、tens of のほかに dozens of を使います。dozen とすると「1 ダー
ス」という意味になります。
数詞+名詞が他の名詞を修飾する場合
数詞+名詞だけの場合、名詞は下記のように複数形となります。
彼は 15 歳です。
He is fifteen years old.
一方、「彼は15歳の少年です」という場合は、year を単数形にしません。
He is a fifteen-year-old boy.
このように、数詞+名詞が他の名詞(boy)を修飾するときは、名詞(year)は単数形と
なります。また、上記のように数詞+名詞+形容詞をハイフンでつなぎます。他にもいく
つかの例を見てましょう。
築 30 年の家
a thirty-year-old- house
1000 円札
a one-thousand-yen bill
2 桁のインフレ
two-digit inflation
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
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スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.少しの間外に行って気分転換しよう。
2.その少年はノートに「7」を書く練習をたくさんしている。
3.一万円札は何枚あるか数えてくれる?
4.この大学は最新鋭の施設を誇る。
5.ブレーキが上手く機能しなかったため、何十万台もの車がリコールの対象となった。
Answer
1.Let's go outside for a change for a while.
2.The boy is practicing writing 7's in his notebook a lot.
3.Can you count how many ten-thousand yen notes there are?
4.This university boasts a state-of-the-art facility.
5.Hundreds of thousands of cars were subject to be recalled because of the
malfunction of brakes.
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指示代名詞、such、so、same の用法
ここでは、指示代名詞と such, so, same の様々な用法について学習していきます。会話
でもよく使われる表現なので、しっかりと覚えていきましょう。
this~and that や this~or that の用法
これは、「あれやこれの~、あちこちの~」という意味を表します。例文を見てみましょ
う。
彼女はあれこれの洋服を試着した。
She tried on this clothes and / or that.
彼はあれこれ試してみた。
He tried this and that.
this, that の副詞的用法
これは口語的な表現で、「これほどの~、これだけの~、それだけの~」という意味で使
われます。
彼女の家はどのくらい大きいの? (手で表して)これくらい。
How big is her house? This big.
そんなに簡単じゃないよ。
It's not that easy.
私もそれくらい(の距離)なら走れるよ。
I can go that far as well.
that / those which と those who
that / those which は「~するもの」を表し、those who は「~する人々」を表します。
会話では、that / those which の代わりに what を使います。
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彼らが言うことはうそだ。
That which they say is a lie.
= What they say is a lie.
成功したい人は多大な努力が必要だ。
Those who want to succeed need a lot of efforts.
= People who want to succeed need a lot of efforts.
those who に関しては、who の代わりに形容詞がくることもあります。
その少年たちは選ばれた子たちだ。
The boys are those (who are) chosen.
such の代名詞としての用法
such は通常、形容詞として使われることが多いですが、代名詞として使われて「そのよ
うなもの / 人」という意味になります。やや固めの表現であり、書き言葉でよく使われま
す。
会議で彼に反対をした者はいたが、そう多くはなかった。
Some people in the meeting disagreed with him, but there were not many such.
= Some people in the meeting disagreed with him, but there were not many
people who disagreed with him.
多くの若者は年金をもらうことができなくなる。それが彼の意見だ。
Many young people will not be able to get pensions. Such / That / Which is his
opinion.
which は通常、関係代名詞の非制限用法として「~to get pensions, which is his
opinion」となりますが、上のように That と同じ指示代名詞のように使われることもあ
ります。
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such を含む慣用表現
これらは書き言葉でよく使われる表現です。
彼は金持ちで、皆にそのように知られている。
He is a rich guy and is known as such to everyone.
彼の状態はそれほど心配するものでなかった。
His condition was not such as to be worried.
たいしたことはできないが、ベストを尽くそう。
I will do my best, such as it is.
補語として名詞や代名詞の代わりに使われる so の用法
これもよく書き言葉で使われる用法です。例文を見てみましょう。
彼は彼女に対して協力的であるし、これからもずっとそうだろう。
He is cooperative with her and will remain so forever. (形容詞 cooperative の代
わり)
彼はナルシストだが、彼も自覚している。
He is a narcissist, and he thinks himself so. (名詞 a narcissist の代わり)
また、文頭に so がくる形もあります。
彼女は彼がその試験に合格することを期待したし、そうなった。
She expected him to pass the exam, and so it turned out.
same の慣用表現
これはどれも会話でよく使われる表現です。何度も音読して使えるようになりましょう。
彼らはほとんど同じものを食べている。
They are eating much the same thing.
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前にインタビューされた男と昨夜警察が逮捕した男は全くの同一人物であることが分かっ
た。
It turned out that the guy who was interviewed before and the one the police
arrested last night was one and the same person.
彼は向こう見ずだが、それでも彼女は彼を応援した。
He was reckless, but she rooted for him all the same.
今日やっても明日やってもいいよ、結局同じことだから。
You can do it today or tomorrow; it comes to the same thing.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.私たちはあっちこっち行ってみた。
2.彼が答えたことはそんなに的外れではない。
3.この事件に関してはニュースで大々的にとりあげられたが、それほど大騒ぎするよう
なことでもなかった。
4.この花は外見に特徴があったので、このような名前がついている。
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5.これは最大手企業であるし、これからもずっとそうであろう。
6.彼はほぼ同じ手口で万引きをしている。
7.私の邪魔をする者には容赦はしない。
Answer
1.We went this way and that.
2.What he answered was not that far off the mark.
3.This incident, although reported in the news on a massive scale, was not
such as to make a fuss.
4.It was named as such because this flower has a unique feature on
appearance.
5.This is a leading company and will remain so forever.
6.He is shoplifting by much the same method.
7.I will show no mercy to those who get in my way.
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of と所有格の's の使い分け(独立 /二重所有格)
ここでは、「~の」という意味の of とアポストロフィー(’)s の使い分けについて解説
していきます。これにはさまざまなルールがあるので、1つずつ解説していきます。
's をつける場合は、基本的には人間か動物です。一方、of を使う場合は無生物の場合に
なります。例文を見てみましょう。
私の妹の彼氏
my sister's boyfriend
その建物の建設
the construction of the building
次に、's の例外を見ていきます。以下の場合は、全て's で表現します。
・地名
日本の将来
Japan's future
アメリカの希望
the United States' hope
・天体、地域、施設
地球の神秘
the earth's mystery
世界の人口
the world's population
・時間、距離、重量、価格
5 分のドライブ
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(a) five minutes' drive
=(a) five-minute drive
1000 円の価値
a thousand's worth
・慣用表現
間一髪で
by a hair's breadth
お願いだから
for pity's sake
このように、's は様々な場所で使うことができます。特に最近では、上記で説明したこと
以外でも無生物に's を使う傾向が増えてきているようです。「of を使うとどこかフォー
マルに聞こえてしまう」ということが理由のようです。
しかし、of 以降の名詞に長い修飾がある場合は、's を使うべきではありません。例えば、
「先月 1 億円の損失を出した会社の将来」と言う場合は以下のようになります。
the future of the company that caused a serious loss of 100 million yen last
month
また、's を使うか of を使うかで意味が変わってしまうこともあります。
今日の雑誌
today's magazine
現代の雑誌
magazines of today
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このように、何でも's を使って表現しようとすると意味が違ってしまう場合があります。
それを避けるには、別の単語を使いましょう。例えば、「現代の」には recent や
current を用います。
recent / current magazines
独立所有格
独立所有格とは、所有格('s)のあとの名詞を省き、所有格が単独で使われることを指しま
す。例文を見てみましょう。
私の車はボブの車より高い。
My car is more expensive than Bob's (car).
このように、同じ単語が 2 回使われる場合はあとの単語が省略される傾向にあります。し
かし、以下の場合では名詞は常に省略されます。
house, home, shop, store, office, hotel, restaurant, theater, church, hospital な
ど、場所や建物を表す名詞
例文で確認してください。
彼女はトムの家に泊まっている。
She is staying at Tom's (house / home).
名詞の前に the がつく場合、's は省略されることが多いです。
美容院で、
at the hairdresser
二重所有格
指示代名詞(this, that など)や不定代名詞(some, any など)と一緒に所有格の's を
使うことはできません。そのため、以下のように表す必要があります。
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あのトムの車
that car of Tom's
トムの何台かの車
some cars of Tom's
このように、指示代名詞や不定代名詞は通常通りの位置につけますが、所有格は名詞の後
ろにつけて of+所有格とします。これを、二重所有格と言います。
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.日本の不景気はいつまで続くのだろう?
2.世界の人口は増え続けていくだろう。
3.現代の若者は、いまだ投票に行く人が少ない。
4.ボブは終電を逃してしまったので、同僚の家に泊まりました。
5.この彼女の資料はとても細かく説明されている。
Answer
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1.I wonder how long Japan's economic slowdown will last.
2.The world's population will be increasing.
3.Few young people of today still go to vote.
4.Since Bob missed the last train, he stayed at his colleague's.
5.This document of hers is very detailed.
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名詞構文
名詞構文
名詞構文とは、文中の動詞や形容詞を名詞に変えることにより、「主語+述語」の部分を
「所有格+名詞」の形で表現することを指します。これはフォーマルなスピーチや書き言
葉でよく使われます。頻繁に見られる構文ですので、しっかりと学習してください。
・自動詞と形容詞の名詞構文
まずは以下の例文を見てください。
父は娘の到着に安心した。
Her father was relieved that his daughter (had) arrived.
名詞構文にする場合、arrive という動詞を名詞化します。それに対する意味上の主語であ
る his daughter を、所有格に変えて his daughter's とします。そうすると、以下のよ
うになります。
Her father was relieved at his daughter's arrival.
次に、形容詞を名詞に変えた名詞構文を見てみましょう。
彼女は彼の無知を心配している。
She is worried that he is ignorant.
= She is worried about his ignorance. (名詞構文)
副詞がついた「主語+述語」を名詞構文にする場合は、副詞を形容詞に変えます。例文を
確認してください。
父は娘が遅く到着したことに心配していた。
Her father was worried that his daughter (had) arrived late.
= her father was worried about his daughter's late arrival.
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・他動詞の名詞構文
他動詞を名詞構文に変える場合、その動詞の目的語を所有格で表現します。つまり、意味
上の目的語が所有格となります。例文を見てみましょう。
その猫の救出に成功した。
They rescued the cat successfully.
= The cat's rescue was successful. (名詞構文)
また、意味上の主語と目的語が 1 つの文章で表現される場合があります。そのとき、意味
上の主語は所有格で、意味上の目的語は of を使って表します。
先生は生徒を厳しく教育した。
The teacher educated the students strictly.
The teacher's education of the students was strict.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.首相の突然の発表は、日本市民を混乱させた。
2.彼がリーダーとしての立場を自覚することは、今後のチームワークに大きく影響を及
ぼすだろう。
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3.彼はその町を発展させたことにより、多くの人々から感謝された。
4.その犬を救助することは、かなりの困難が伴うだろう。
Answer
1.The prime minister's sudden announcement caused confusion for Japanese
citizens.
2.His awareness of his position as a leader will greatly influence future
teamwork.
3.His development of the town was appreciated by many people.
4.There will be considerable difficulty in the dog's rescue.
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冠詞の位置や反復、省略
冠詞は日本人にとって馴染みづらい文法の一つです。これを使いこなすには何年もの練習
が必要になります。ここでは、冠詞を置く場所や反復、そして省略が起こるパターンにつ
いて解説していきます。ライティングで必要な知識となりますので、しっかりとマスター
してください。
冠詞の位置
冠詞は普通、後ろに副詞+形容詞+名詞を置きます。
彼はとても幸せな男だ。
He is a very happy man.
・such, what, many, half, rather, quite
ところが例外的に、such, what, many, half, rather, quite が置かれる場合は、冠詞を
それらの後ろに置きます。
とても楽しい時を過ごしました。
I had such a great time.
なんて良い日なのだろうと思った。
I thought what a nice day it was.
多くのファンが彼に会いにきた。
Many a fan came to see him. (強調したいときに使われます)
新宿駅まで30分かかる。
It takes half an hour to get to the Shinjuku station.
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ちょっと暑い日だ。
It is rather a hot day.
最近では a rather の方がよく使われます。
彼はかなり良い人だ。
He is quite a nice guy.
・as, how, so, too
この場合、冠詞は形容詞の後ろに置かれます。例文を見てみましょう。
彼は彼女と同じくらい良い人だ。
He is as nice a guy as she is.
どのくらいの高さの棚が欲しいですか?
How high a shelf would you like?
そんなに怖い話を聞いたことがない。
I have never heard so scary a story.
この場合、such a scary story の方がくだけた言い方です。
これは彼にとっては高価な時計だ。
This is too expensive a watch for him.
・all, both, double ,twice, half など
これらが置かれる場合、the を後ろに置きます。
私は駅までずっと歩きました。
I walked all the way to the station.
その猫たちは二匹とも 2 歳です。
Both the cats are two years old.
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彼は 2 倍の額を払うよう命じられた。
He was ordered to pay double the amount.
半分の生徒が学校をサボった。
Half the students played truant.
冠詞の反復
名詞が and や or で結ばれる場合、以下によって反復するかどうかを決めます。
・同一のもの、別のものを表す場合
同一のものを表す場合は、冠詞は最初の名詞だけにつけます。一方、別のものを表す場合
は各名詞の前につけます。
彼は弁護士でもあり作家でもある。
He is a lawyer and writer.
彼らは弁護士と作家である。
They are a lawyer and a writer.
白と黒ぶちの犬
a black and white dog
白い犬と黒い犬
a black and a white dog
・2つのものが1組になっている場合
この場合、最初の名詞にだけに冠詞をつけます。
受け皿つきの茶碗
a cup and saucer
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バターつきのパン
a bread and butter
ソーダ割のラム
the soda and rum
例外的に、上記で述べたルールが守られないこともあります。
その弁護士と作家は二人とも仲が悪い。
The lawyer and (the) writer were both on bad terms.
both という単語が使われているので、2人とも別の人物だということが分かります。
無冠詞、冠詞の省略
通常の単数普通名詞には、冠詞が付かない場合があります。
・家族関係、神、悪魔、季節、曜日、月、呼びかけ、身分、官職、補語として用いられる
場合
上記の場合、通常冠詞はつきません。
ママはどこ?
Where is mom?
神 / 悪魔は存在する。
God / Devil exists.
私は冬 / 金曜日が好きだ。
I like winter / Friday.
私は春にアメリカに行きました。
I went to the U.S. in Spring.
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私は 2004 年の春にアメリカに行きました。
I went to the U.S. in the Spring of 2004.
この場合は冠詞が使われます。
おまわりさん助けて!
Officer, help me!
警察だ!
Police!
スミス氏がいらっしゃいます。
Mr. Smith is coming.
彼らはボブをキャプテンとして選任した。
They elected Bob captain.
彼はアメリカの大統領だ。
He is president of America.
Practice
ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
56
Copyright © 2015 ネイティブ英語のススメ:ビジネス英語塾 All rights reserved.
1.昨日はとても良い天気だった。
2.昨日の地震がどれほど大きかったかということを思い出しただけで体が震えてしまう。
3.半世紀後に、私たちが住む国はどのような変化を遂げているだろう。
4.これを1日で終わらせることはかなり骨の折れる仕事だ。
5.その夫婦は、101匹の白と黒ぶちの犬を飼っている。
6.私は、女優でもありビジネスオーナーでもある女性と結婚した。
7.パパはどこへ行ってしまったの?
8.彼はイギリスからはるばるやってきました。
9.両国は平和協定を結びました。
Answer
1.It was such a nice day yesterday.
2.Remembering what a big earthquake it was yesterday makes me shake.
3.I wonder how the country where we live will change in half a century.
4.Getting this done in a day is quite a chore.
5.The couple has 101 black and white dogs.
6.I got married to an actress and business owner.
= I got married to a woman who is an actress and business owner.
7.Where has dad gone?
8.He came all the way from England.
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9.Both the countries signed a peace agreement (= accord).
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不定冠詞と定冠詞の特別用法
ここでは、不定冠詞と定冠詞の上級用法について解説していきます。使いこなせる人は少
ないですが、翻訳者などを目指すような上級レベルのライティング力を身につけたい人は
必須の知識ですので、しっかりと暗記しましょう。
「ある~」(a certain)
彼女はクリスマスのある年に家を去った。
She left home on a Christmas.
「いくつかの」(some)
数学の知識があると時に役立つ。
A knowledge of math is sometimes useful.
knowledge は通常不可算名詞です。
不定冠詞+固有名詞
固有名詞に冠詞がつくことは意外かもしれませんが、こういった形も存在します。会話で
もよく使われているので、ここでしっかりと覚えましょう。
・「~という人」(a certian)
タカシと言う人があなたのことを待ってるよ。
A Takashi is waiting for you.
・「~のような人」(one like)
彼は外見に関してはブラット・ピットのようだ。
He is a Brad Pitt in appearance.
・「~の作品、製品など」
彼はフェラーリを買った。
He bought a Ferrari.
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不定冠詞+形容詞の最上級
形容詞の最上級に不定冠詞をつけると、very と同じ意味になります。
彼にはとても美しい妻がいる。
He has a most beautiful wife.
不定冠詞+序数(another~)
これは、さらにもう1つ加わるという意味を表します。
私は(3 回やったあとで)もう一度壁を登ろうとした。
I tried to climb the wall a fourth time.
不定冠詞+抽象名詞
通常、抽象名詞には冠詞が付きません。しかし、個別的な行為や実例を示すときに不定冠
詞をつけることがあります。
我が家にはストーブは必需品だ。
A stove is a necessity in our house.
抽象名詞の前に形容詞が付くと、不定冠詞もよく一緒につきます。
長い沈黙があった。
There was a long silence.
不定冠詞+物質名詞
不定冠詞が物質名詞の前につくと、その物質の種類や製品などを表します。
これは彼女が昨日買ったお茶とは違うぞ。
This is a different tea from the one she bought yesterday.
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定冠詞+形容詞 or 分詞
形容詞や分詞に定冠詞をつけることによって、「~の人々」という意味になります。これ
は主に書き言葉で使われます。
金持ち
the rich
= rich people
老人たち
the old
= old people
・抽象的な意味「~なもの、こと」
これは、thing が省略された形です。
最も重要なことをあなたは忘れている。
You forget the most important (thing).
catch など+人+by+the+体の部分
これは会話でも使われる表現です。例文を見てみましょう。
彼は私の腕をつかんだ。
He grabbed me by the arm.
= He grabbed my arm.
これはどちらとも正解ですが、2文目は状況によって「私の(切り離された)腕をつかん
でいる」というニュアンスにもなりえます。
彼女は頬にキスされた。
She was kissed on the cheek.
Practice
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ライティングの学習法
以下の和文を見て、声に出しながら書いて英訳しましょう。その後に答え合わせをし、間
違えた箇所はなぜ間違えたのかを考え、もう一度同じ方法で英訳しましょう。
スピーキングの学習法
1.まずは力試しとして、和文を口頭で英訳してください。
2.その後に解答を見て、文法を理解してください。
3.文法を理解した上で、30~50回音読してください。
4.次の例文に行き、1~3を繰り返してください。
Question
1.日本では集団行動が重要であると考えている。
2.スミスという人からあなたあてに電話がありましたよ。
3.彼はベンツを売った。
4.若者や教育をうけた人々は、今は有利な立場にある。
5.彼女は私の頬をビンタした。
6.警察は、強盗の心臓を撃ち抜いた。
7.生存者たちは、一時的な幸福を感じていた。
Answer
1.We consider Japan puts an importance on a group action.
2.A Smith called you.
3.He sold a Mercedes.
4.The young and the educated has got the upper hand now.
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5.She slapped me on the cheek.
6.The police shot the robber through the heart.
7.Survivors were feeling a temporary happiness.
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