ニュースレター No.18号

子育て支援を考える
第18 号
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「 子 育 て フ ェ ス テ ィ バ ル 」 ご 報 告
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2007 年 10 月 20 日 (土 )、桜 総 合 体 育 館 アリーナにおいて、第 3 回 子 育 てフェスティバルを
開 催 しました。当 日 は、9 時 30 分 と早 い時 間 からの開 始 でしたが、お天 気 にも恵 まれ、昨 年 を
上 回 る 430 名 の方 が来 場 されました。参 加 者 のなかには、お母 さんとお子 さんたちはもちろん
のこと、64 名 のお父 さんも参 加 してくださいました。
運 営 に当 たっては、今 年 度 よりこども課 内 に設 置 された子 育 て支 援 室 を通 じて、公 ・私 立 保
育 所 の 職 員 の 方 々か ら の 理 解 や 支 援 を 得 る こと がで きま し た 。ま た、 か るが も・ ね っ と や 筑
波 大 学 の 皆 さ んに は 、 前 日 の 準 備 か らご協 力 い ただ きま した 。 当 日 は 、 皆 さ んの ご協 力 を 得
て設 置 したパネル・パンフレット等 の掲 示 物 ・展 示 物 で、アリーナの広 い壁 面 もいっぱいにな
り、フェスティバルの花 となりました。加 えて、30 名 以 上 の子 育 てサークル関 係 者 がボランティ
アスタッフとして参 加 してくださり、たくさんの来 場 者 の方 と共 にフェスティバルを盛 り上 げてくだ
さいました。これも皆 さまのご協 力 のおかげと感 謝 の気 持 ちでいっぱいです。本 当 にありがとう
ございました。
なお、当 日 参 加 された方 達 からは、次 のような感 想 が寄 せられました。
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昨 年 より内 容 が充 実 してよかった。
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土 曜 日 の実 施 なのでパパも参 加 でき、よかった。
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子 育 てサークルや保 育 所 の様 子 がパネルを通 して見 えた。
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救 急 法 はとても勉 強 になった。
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食 育 に関 する展 示 や相 談 (保 育 所 の栄 養 士 さんが担 当 )、保 健 師 さんに
よる発 達 相 談 等 は、スタッフの受 け答 えが丁 寧 でとてもよかった。
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手 作 りおもちゃのコーナー(筑 波 大 の学 生 さんや飯 田 先 生 、松 田 さん、星 埜 さんたちが担
当 )は一 番 の人 気 で、大 人 も楽 しめた。
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他 の地 域 でも同 じことをやってほしい
こ の よ う に 、 フ ェ ス テ ィ バ ル は 、 参 加 さ れ た 方 々 が 楽 し む だ けで は な く 、 つ く ば 市 内 の 子 育 て
の状 況 や子 育 て情 報 を知 る機 会 となっていたようです。
また、次 のような要 望 も寄 せられました。
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ベビーマッサージをまたやってほしい
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パネルシアター(かつらぎ保 育 園 の小 沢 先 生 と保 育 士 さんが担 当 )は大 勢 の子 ども達 でい
っぱいになってしまったため、もう少 し広 い場 所 を確 保 してほしい
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保 育 所 の主 任 保 育 士 さんが助 言 進 行 役 で進 めてくれた年 齢 別 によるおしゃべりコーナー
は、時 間 をもっと長 くしてほしい。
人 気 のあるコーナーでは、場 所 や時 間 の確 保 が問 題 となったようです。他 にも、各 コーナー
への流 れにのれずに戸 惑 っている親 子 の誘 導 等 といった課 題 もみえてきました。
今 後 は、参 加 者 のニーズを踏 まえ、皆 さまのお力 を借 りながら内 容 の充 実 に向 けてステップ
アップしたいと思 っております。今 後 とも、ご協 力 をよろしくお願 いいたします。
(喜 多 )
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育児雑誌による情報提供について
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― 第 17 回 「 か る が も ・ ね っ と 」 学 習 会 よ り ―
2007 年 9 月 27 日 ( 木 )、「 育 児 雑 誌 か ら 、 今 の 子 育 て を 考 え る 」 を テ ー マ に 、 第 17
回学習会を開催しました。今回は、前回から続く「子育てにおける情報」を考える手がか
りとして、母親たちにとって欠かせない情報源となっている育児雑誌を取り上げました。
当 日 は 15 名 ほ ど の 方 が 参 加 さ れ 、 現 在 発 行 さ れ て い る さ ま ざ ま な 育 児 雑 誌 を 実 際 に 手 に
取りながら、子育て中の父親・母親が持っている母親像、父親像、子育て観について話し
合いました。このような会の流れを踏まえ、ここでは、学習会で出された、雑誌読者とな
る母親像、ならびに支援者が母親たちにできる支援のあり方についての意見をご紹介して
いきます。
(1)育児雑誌の内容について
①
育児雑誌の歴史
まず、育児雑誌について考える前提として、コロボックルの五
十嵐泉さんから、育児雑誌の歴史が紹介されました。
育児雑誌が発行されるようになったのは、戦後間もなくのこと
です。当時の雑誌には、洋風家庭料理に代表されるような欧米風
の子育てのライフスタイルが紹介されていました。育児雑誌は、
新しい子育てのあり方を取り入れるための情報媒体として、家庭に入っていったのです。
そ の 後 も 、 雑 誌 の 発 行 部 数 は 順 調 に 伸 び 、 1970 年 代 に は 戦 後 当 初 の 6 倍 ま で 増 加 し ま す 。
内 容 と し て は 、1980 年 代 頃 か ら 、読 者 の 投 稿 に よ る 記 事 が 増 加 し て い き ま し た 。現 在 発 行
されている雑誌にも、読者の悩み相談や子どもの写真といった投稿をもとにした記事を掲
載するものが多くあります。このような「読者参加型」という形は、現代の育児雑誌の 1
つの特徴といえます。
②
雑誌投稿をする母親たちとその背景
こ う し た 育 児 雑 誌 の 歴 史 を 踏 ま え 、そ の 後 の 学 習 会 で は 、実 際 に 雑 誌 を 手 に 取 り な が ら 、
読者となる母親像について話し合いました。その結果、現代の母親たちにとって、育児雑
誌は育児不安を解消し、本音を出せる場としての意味があることがみえてきました。
実際、雑誌の記事をみてみると、読者投稿欄には毎月のように、子どもを愛せないこと
に悩む母親の声が寄せられています。また、学習会に参加した支援者からは、子育てをす
る自信がないため、保育所に子育てをしてもらおうと働き始める母親がいるという話も出
されました。育児雑誌は、こうした不安を抱える母親たちが自分の気持ちをありのままに
出すことができる場所、また、そうした気持ちを受け止めてくれる場所となっているので
す。
それではなぜ、母親たちは、育児雑誌でしか本音を出せないのでしょうか。そこには母
親 た ち の 抱 え る 、「 人 間 関 係 の 煩 わ し さ 」 が 関 係 し て い る よ う で す 。
実 際 、現 在 子 育 て を し て い る 支 援 者 か ら は 、母 親 た ち の 気 持 ち と し て 、
「顔をみて相談し
たいのは山々だが、人間関係の煩わしさから、匿名での投稿をしたくなる」という話が出
さ れ ま し た 。日 常 的 に 顔 を 合 わ せ る 人 に 相 談 し た い と い う 希 望 は 抱 き つ つ も 、
「アドバイス
通 り に で き な か っ た ら ど う し よ う ? 」と い っ た 不 安 や 、そ の 場 合 に 、
「今度声をかけてもら
ったら、何て答えればいいだろう?」といった心配が先に立ってしまうようです。また、
知 り 合 い に 相 談 す る 場 合 は 、当 然 の こ と な が ら 、
「こんなことを言ったら相手がどう思うだ
ろう?」といった気遣いが必要になりますが、雑誌を通じた顔が見えない関係であれば、
そうした心配や気遣いは不要になります。匿名の関係では、後腐れなく、楽に話ができる
のです。こうした「人間関係の煩わしさ」が、育児雑誌への投稿を促しているようです。
さらにいうと、こうした「人間関係の煩わしさ」を避ける傾向は、他の場面でもみられ
ます。例えば、昨今では、送迎バスのバス停への到着時間をメールで知らせてくれる私立
幼稚園が人気を博しているようです。到着時間が事前にわかることで、待ち時間がなくな
り、他の園児の親と話す必要がなくなることが、その理由とのことです。こういった「人
間関係の煩わしさ」を避けようとする姿勢こそが、育児雑誌への投稿に結びついていると
いえそうです。
( 2) 雑 誌 の 抱 え る 限 界 と 、 支 援 の 場 で で き る こ と
このように、育児雑誌は、子育て中の母親たちにとって欠くことの
できない存在となっているようですが、こうした育児雑誌も限界を抱
えています。それが「個別対応ができない」ことです。
例えば、育児相談にのる場合でも、投稿を通じての相談では、母親
や子どもの様子を詳しく聞いたり、直接みたりすることは難しくなり
ます。したがって、相談に対する回答は、個別の情報に応じたアドバ
イスではなく、最終判断を読者にゆだねる形をとることになります。読者にしてみれば、
一時的には気持ちを吐き出したという満足感が残りますが、結局のところ、自らの問題は
残 さ れ た ま ま と い う 状 況 に な る の で す 。顔 の 見 え な い 相 談 の 限 界 は こ こ に あ る と い え ま す 。
そして、こうした雑誌の抱える限界を超えることができるのが、実際の支援の場である
と い え ま す 。実 際 に 顔 を 合 わ せ る 関 係 だ か ら こ そ 、一 人 ひ と り の 状 況 に 合 わ せ た 対 応 策 を 、
共に考えることが可能になるのです。現在の子育て支援の場には、育児雑誌からの情報に
囲まれた母親たちが多く訪れています。顔のみえる関係のなかでの相談は確かに難しいこ
ともありますし、疲れる部分もありますが、雑誌にはない人間関係の温かさがあります。
こ う し た 点 を 踏 ま え る と 、今 後 の 支 援 者 の 役 割 と し て は 、育 児 雑 誌 を 否 定 す る の で は な く 、
その存在も認めつつ、人間関係のなかで子どもが育っていくことを伝えることが必要であ
ることが確認されました。また、人が集う場所を設定することも、支援者の役割として重
要ではないかという意見も出されました。
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①
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* お知らせ ****
第 18 回 学 習 会 を 開 催 し ま す 。 ぜ ひ ご 参 加 下 さ い 。
次回の学習会では、まつぼっくり保育園前園長の山崎ひと子さんをお迎えして、親を支
援する保育園の営みから、それぞれの支援の場に生かせるような知恵を学びたいと思いま
す。お忙しいこととは存じますが、みなさまどうぞご参加下さい。
テーマ: 保育園における親育ち,親育てに学ぶ
日 時 : 2008 年 1 月 28 日 ( 月 ) 13: 00∼ 15: 00
場所: 桜庁舎2階 第 1 会議室
問 い 合 わ せ : TEL: 857− 9037( つ く ば 市 地 域 子 育 て 支 援 セ ン タ ー け や き 広 場 )
E-mail: [email protected]
②
平 成 19 年 度 文 部 科 学 省 家 庭 教 育 支 援 総 合 推 進 事 業 公 開 講 演 会 を 開 催 し ま す 。
幼児∼小学生をもつ保護者の方,子育て支援者を対象に、講演会を企画いたしました。
ぜひご参加ください。
日 時 : 2008 年 2 月 17 日 ( 日 ) 14: 00∼ 16: 00
場所: つくばカピオホール
参加費:無料
※ 保 育 あ り / 無 料 ・ 定 員 12 人 ・ 要 予 約 ・ ご 希 望 の 方 は お 問 い 合 わ せ く だ さ い 。
講師:富田富士也氏(子ども家庭教育フォーラム代表)
講演テーマ:親子で盛り上がる
レッツゴーカウンセリング
−苦しい今を笑って話せたら、きっと元気が近づいてくる−
問い合わせ:つくば市教育委員会生涯学習課社会教育係
Tel: 836− 1111( 内 線 4156)
筑波大学共生教育学(教育社会学)研究室
E-mail: kakyou_kouza@ yahoo.co.jp/ TEL・ FAX: 853− 4599
かるがもの羽音−編集後記−
「 ニ ュ ー ス レ タ ー № 18 」 を お 届 け し ま す 。 少 し 遅 れ た 年 賀 状 と と も に 郵 便 箱 に 投 げ 込 ま れ た
のではないかと思 います。発 行 が、丁 度 、年 明 けとなりました。
あけましておめでとうございます。
窓 か ら 見 下 ろ す 池 に、 30 羽 ほどの 鴨 が 飛 来 し てい ま す。 「かる が も」かどう か、 「 鴨 」と 他 の
鳥 の区 別 をつけるのが精 一 杯 の私 には残 念 ながらわかりませんが、毎 朝 、ブラインドを上 げて
見 るのが楽 しみになっています。水 面 をわずかに波 立 たせて泳 ぎ回 り、時 に頭 を水 に潜 らせ、時
に背 伸 びするように羽 を広 げ、互 いにちょっと近 づいては、また、離 れ、と思 うと、そろって空 へと
舞 い上 がる。締 め切 った窓 の外 に飛 び立 ちの羽 音 を想 像 し、1日 の始 まりとしています。
今 年 もよろしくお願 いいたします。
(ひ)
発行:つくば市子育て支援ネットワーク
かるがも・ねっと
「かるがも・ねっと」は、つくば市にある子育て支援に関わる
機関・団体・サークル・ボランティアのネットワークです。
発 行 日 : 2008 年 1 月 4 日
編集:飯田浩之・岩村一代・喜多路江・丹治恭子
連 絡 先 :【 E-mail】 [email protected]
【 FAX】 029− 853− 4829(筑波大学共生教育学(教育社会学)研究室)