研究計画書(PDFファイル)

(ver. 2013.02)
研 究 計 画 書
(平成26年 8月 3日作成)
研
究
課
題
名 重症心身障害児を対象とした保育実施の効果の評価に関する研究
研 究 者 代 表 者 氏名:堀口 寿広
( 主 任 研 究 者 )
所属:精神保健研究所 社会精神保健研究部 職名:家族・地域
研究室長
研究における役割:研究代表者(調査の統括、分析、研究報告書の作成)
共
同
研
究
者
氏名:秋山千枝子
所属1:重度心身障害児生活支援協議会 職名1:会長
所属2:医療法人社団千実会 職名2:理事長
所属3:神経研究所 疾病研究第一部 職名3:研究生
研究における役割:研究分担者(質問項目の作成、医学的評価の実施、回答の受領、
集計と入力、解析結果の考察、研究報告書の作成協力)
本研究計画の実施予 重度心身障害児生活支援協議会
定共同研究機関
研
究
期
間 倫理審査承認後 ~ (西暦)
2016年 3月 31日
重症心身障害者(児)とは、18 歳未満に障害の原因となる状態が生じ、重度の知的障害(IQ35 以下)と
背景
身体障害(座位保持まで)とを合併して持つものを指し、わが国では全人口当たりの数 1)は人口1万人あた
り 3~9 人と推計されている。児童 1,000 人あたり 1~1.5 人であり、全国で 19,000~28,500 人がいるとされ
る。うち、医療的ケアを日常的に必要とする在宅の児童は全国で 10,000 人から 15,000 人とされる。
重症心身障害者の生活の場は、医療的ケアの必要性から医療施設に幼児期から入所するか、通所施
設での療育を利用しながら在宅で暮らすかに大きく分かれる。入所のための医療施設は当センター60
床、国立病院機構 73 箇所 7,601 床、公・市立病院等 125 か所 12,537 床あるが、利用が長期間となり、児
のための施設が者の施設となっている現状がある。家族との関係性の構築、医療経済的な側面(重症心
身障害児(者)を守る会は「世の中の役に立たず、社会復帰もできぬ子に金をかける必要があるのか」との
声のある中で生まれたとしている)などから、地域生活への移行が試みられているが、現在長期に入所して
いるものの地域移行と併行して、現在在宅で生活している対象児が、医療技術の発展による益を受けつ
つ、施設入所となることなく家族とともに生活し続けられることが望まれる。このことは、様々な理由から地域
社会との接点をもちにくい入所施設に重度の障害者が集まることで、一般市民と接する機会が得られず、
結果として障害および障害者への理解が広がらず共生社会の実現の障壁となっているという問題の打開
策ともなるものである。したがって、厚生労働省では、それまで実施してきた関連事業をさらに充実させ「重
症心身障害児者の地域生活モデル事業」として平成 24 年度から公募により様々な試みを実施している。
(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000045312/.html)
国連障害者権利条約は第 24 条「教育」で「障害者を包容するあらゆる段階の教育制度及び生涯学習を
確保する」ことを締約国に求めている。ここで、「包容する」の原語「インクルーシブ(inclusive)」は、障害の
ある児童生徒を含んだ児童生徒全体のための利益を考える立場を指すために用いられる語である。わが
1
国では「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」による社会福祉士及び
介護福祉士法の一部改正に伴い、平成 24 年 4 月より一定の研修を受けた特別支援学校の教員が、吸た
ん等の医療行為を実施できるようになり、従来、より重度で利用の対象外であるとされてきた児童生徒の学
びと生活の場が広がってきている。さらに、障害のある児童生徒が同じ教室で過ごすことにより、他の児童
生徒における障害および障害者への理解が広がるといった事例の報告も相次いでいる。保育の場は、一
般的な児童の状態から、教育の場である学校に比べて、医療との関わりが従来から強いと言え、インクル
ーシブ教育を、さらに早期から開始してインクルーシブ保育を実施できるのではないかという考え方が生ま
れるのは道理である。
地域の医療機関が支援の中心的な役割を担い医療的なケアを必要とする障害児を一般の保育所で保
育することは、当該児童を障害のない同世代の子どもたちの集団の中でともに生活させ、機能回復維持の
訓練等に限定せずに年齢に相応した対人関係を保証するものである。このことは、当該児童にとって益と
なるばかりでなく、保護者にとっては日中の預け先が増えるということにもなり、レスパイト(生き抜き)となり
得、保護者の働く機会を増やすことで、家族全体の生活の質を向上することにもなるものである。ひいて
は、我が国の経済活動全体への貢献も期待される。
しかし、北住
1)
によると、より重度な重症心身障害児(者)の施設入所を維持するためには「少なく見積も
っても 1 人 1 日 40,000 円の経費が必要とされるという試算がある」という。また、栃木県の 3 市 1 町(宇都宮
市等)で実施されている日中レスパイトケア事業(小児科診療所が主体となってモデル事業を経て開始)で
は、より重度の児童で 1 人あたり 24,000 円(4~8 時間の利用)の予算を設けたが、費用としては不足してい
るという。インクルーシブな社会を目指した保育を試行にとどめることなく行政の実施する正式な事業として
いくためには、事業内容を構築するだけでなく、事業成果の評価を行い、どのような状態の児童が対象と
なり得るのかを示し、また、必要な予算額の根拠を示す作業が必要である。
このような背景と動機から、重症心身障害児地域生活モデル事業の一つとして、本申請課題の共同研
究者である秋山氏のもと、東京都三鷹市と武蔵野市両市の協力を得て、一般の保育所等における保育が
実施されることとなった。申請者である堀口は、重症心身障害児のための医療施設をもつ当センターの職
員として、モデル事業実施に当たり設置された重度障害児地域生活支援協議会の委員の委嘱を受け、同
協議会での検討を経てモデル事業の効果の測定をじっするための調査を実施することとなった。
本申請は、同事業の実施に当たり、事業をニーズに即したものとし、事業の成果を評価し、他の市町村
でも事業として実施可能な普遍的なものとするために必要な各種評価を、科学的見地から実施することを
目的とした研究のためのものである。
目的
重症心身障害児地域生活モデル事業にもとづき、東京都下 2 市の保育施設におけるインクルーシ
ブ保育に向けた準備状況を調査するとともに、同事業に参加する一般保育所等で行われる重症心
身障害児を対象とした保育について、保育の実施により保育所、保育士、保護者にどのような変化
が生じるか評価を行う。
対象:モデル事業の実施地域である東京都三鷹市と武蔵野市にある認可保育所および都認証以上の保
対象
(選択基準、除
外基準など)
育施設(三鷹市の認可保育所 33 箇所と都認証保育所 14 箇所、認定こども園 1、武蔵野市の認可保育所
16 箇所と都認証保育所 13 箇所)、および、同所に勤務するすべての保育士(合計 800 人)、モデル事業に
より児童につきそう看護師(参加児童数による)とコーディネーター(協議会登録者は 8 人)、事業に参加し
て保育所を利用する重症心身障害児とその保護者(人数は現時点では未定、児童数で 20 人を目標とす
る、したがって児童 20 人と保護者 20 人)を対象とする。すなわち合計 77 施設、848 人の合計 925 施設・
人を対象とする。
選択基準:
保育所については、地域内にある都認証保育施設以上のすべての施設 77 箇所を対象とする(悉皆調
2
査)
保育士については、同地域内の保育所等に勤務するすべての保育士を対象とする(合計 800 人)(悉
皆調査)
看護師については、すべてのものを対象とする(悉皆調査)事業の一環で実施する調査であることか
ら、必ず回答はするものとする
回答を返送することで調査への協力に同意したものとみなす
重症心身障害児とその保護者については、同事業への参加を希望し、担当者からの説明を受け同意
しモデル事業を利用(保育を利用し)ているものについて担当者が十分な説明を行い、同意したも
のを対象とする。なお、保護者と児童にとって同事業への参加は、保育所における保育の利用であ
る
除外基準
保育所等ならびに保育士については、調査に対し回答しなかったもの
重症心身障害児とその保護者については、事業への参加とは別途、調査への協力について同意しな
かったもの、または、質問紙等に回答しなかったもの
事業の実施の流れと研究(各調査)の関係は下図のとおりである。
方法
保育所等ならびに保育士については、地域内のすべての施設と対象者に対して、一括して、保育所等の
施設長宛てに質問紙 AB を郵送する。
モデル事業に参加し重症心身障害児が利用することとなった(当該児童を受け入れる)保育所ならびにそ
の保育所等の保育士については、保育の終了時に質問紙 CD を、担当するコーディネーターから直接届
けて、直接回収する。
看護師については、協議会から調査票 E 直接届けて、直接回収する
重症心身障害児とその保護者については、保育の開始前に質問紙 F と終了時に質問紙 G を担当する看
護師から直接手渡し、郵送または手渡しで回収する。
調査項目は、次のとおりである。
3
 すべての保育所等には、重症心身障害児が利用することを想定したハード面とソフト面の対応の有
無を尋ねる(調査 A)。調査用紙は施設長(職名)宛てで発送する。また、すべての保育所等に勤務す
る保育士や看護師といった職員を対象として、重症心身障害児という語の知識の有無と、関連した資
格の有無、重症心身障害児が勤務先の保育所等を利用することを想定し必要な対応について意見を
求める(調査 B)。調査用紙は A に同封して発送する。
 事業において重症心身障害児を受け入れた保育所等には、ハード面とソフト面の整備状況に加え
て、重症心身障害児を受け入れてみた感想を求める(調査 C)。また、そこに勤務するすべての保育士
等の職員を対象として、重症心身障害児を受け入れてみた感想を求める(調査 D)。
 事業に参加することに同意して保育所等を利用することとなった保護者については、保育開始時(調
査 F)と終了時(調査 G)の 2 回、QOL の尺度である SF-36 と、介護負担度を見ることのできる燃え尽き
尺度への回答を求め、保育の利用前後の変化をみる。調査用紙の発送および受け取りはコーディネ
ーターによる。
 保育の実施中、重症心身障害児に付き添った看護師等には、実施したケアの内容について、毎時 0
分と 30 分の時点で何をしていたかの基準で記録を行うとともに、その間の当該児童の笑顔を観察でき
た回数を数えておき記録に記す(調査 E)。記録用紙は協議会から直接支給され、記入した用紙は協
議会へ提出する。
調査 ABCD の回答の返送は同封の返信用封筒を用いて郵送等で回収する。
回答は、協議会事務局において入力を行い、申請者(堀口)は、入力され電子化されたデータセットの提
供を受ける。
保育所等からの回答については、単純集計により、質問項目ごとに実施している施設の数と率を示すこと
で分析する。
保育士からの回答については、単純集計により、質問項目ごとに、回答内容を類似度に沿って分類する。
重症心身障害児およびその保護者からの回答については、質問尺度ごとに得点を得て、回答者全体のデ
ータにおいて、当該児の各属性との関連性を見る。
公開を行う媒体は、調査結果の報告書、学会誌への論文の掲載等による。
共同研究者である秋山氏は、事業の利用に希望し同意した児童の診察の実施、質問項目の作成、結果の
解析方法の検討、研究報告書の作成に協力する。
4
※ 有害事象の確認、発生時の対応について
回答する保育所等においては、事業報告書等の資料から必要な情報を抜き出して転記するものであ
り、利用者に関する情報は一切含まない。申請者が得る回答は、回答する保育所等の事業に関する
数値化された、あるいは、個人情報を含まないデータである。したがって、今回の調査の実施において
いわゆる有害事象が発生する可能性はきわめて低いといえる。調査への協力について回答する保育
所等による公告を実施する。有害事象については、回答する保育所等は発生時には遅滞なく事務局
に報告するものとし、申請者と事務局で協議して対応を行う。
回答する保育士等においては、自身の知識や経験等に基づいて回答するものであり、利用者に関す
る情報は一切含まない。回答者自身の情報については取得免許・資格と経験年数等であって、それ以
上の個人を特定し得る情報を収集しない。したがって、今回の調査の実施においていわゆる有害事象
が発生する可能性はきわめて低いといえる。調査への協力について回答する保育所等による公告を
実施する。有害事象については、回答者は発生時には遅滞なく事務局に報告するものとし、申請者と
事務局で協議して対応を行う。
重症心身障害児については、モデル事業に参加して利用する保育の中で、体調の変化等が生じる可
能性があるが、それらは事業において対応するものであって、本申請の調査は実施したケアや保育全
体の内容を振り返りで記録するものであり、他の情報と連結させるために個人名などの個人情報を担
当者である看護師等およびコーディネーターが得るが、それ以上の個人を特定し得る情報を収集しな
い。したがって、調査の実施においていわゆる有害事象が発生する可能性はきわめて低いといえる。
調査への協力について回答する保育所等による公告を実施する。有害事象については、回答者は発
生時には遅滞なく事務局に報告するものとし、申請者と事務局で協議して対応を行う。また、保護者を
通じて、いつでも参加の中止を申し出ること、自身に関する情報を使用しないよう(情報の破棄を含む)
申し出ることができる。
重症心身障害児の保護者については、他の情報と連結させるために個人名などの個人情報を担当者
である看護師等およびコーディネーターが得るが、それ以上の個人を特定し得る情報を収集しない。し
たがって、調査の実施においていわゆる有害事象が発生する可能性はきわめて低いといえる。調査へ
の協力について回答する保育所等による公告を実施する。有害事象については、回答者は発生時に
は遅滞なく事務局に報告できるものとし、申請者と事務局で協議して対応を行う。また、自身の判断とし
て、および、児の代弁者として、いつでも参加の中止を申し出ること、自身に関する情報を使用しないよ
う(情報の破棄を含む)申し出ることができる。
※ 研究実施のモニタリング、データマネジメントの実施について
調査で収集した情報は、共同研究機関である事務局において回答用紙原本と元データを管理する。
回答用紙原本はネットワーク事務局にて施錠保管し研究期間終了(平成28年3月31日を予定)後に破
棄する。データは事務局と申請者の他、外部記憶媒体等で室外に持ち出さず、回答用紙原本は事務
局にて施錠して保管する。共同研究者は分析方法について検討し結果について考察を行い、研究報
告書の作成に協力する。申請者は、入力後のデータセットを受領し解析する。
※ (研究、介入、観察の)中止、中断、変更の基準
回答する施設、または、重症心身障害児とその保護者等からの申し出があった場合に中止、中断、変
更する。
※ 統計解析計画
保育所等に対する質問については、質問項目として提示した各種対応について、実施されているもの
と、準備されているものとをそれぞれ計数する。
保育士に対する質問については、回答内容を類似度に沿って集計して計数する。
重症心身障害児とその保護者に対する質問については、使用する尺度の集計方法にしたがって集計
し、合計点数等の数値情報を事業の利用前後で比較する等の分析をする。
※ 公表方法
など
調査結果は事業成果報告書等に記載するとともに各施設には冊子を寄贈する。学術集会等での報告
や学術雑誌等での発表を行うことで公表する。なお、モデル事業の成果は、厚生労働省ホームページ
5
で公開される。
研究等に
おける医学
倫理的配
慮
1)インフォームド・コンセントの方法とその説明事項
(研究等の対象者に理解を求め同意を得る方法)
本研究の対象者は、まず、保育所等という施設および法人と、その職員である。ただし、回答用紙に記入を
する作業は職員個人が実施するものである。調査の実施にあたり必要な手続きがある場合はその指示に従
うものとする。
(インフォーム
また、本研究の対象者は、児童および保護者である。調査の内容は担当するコーディネーターから十分な
ド・コンセント、
説明を行うとともに、質問紙等に回答の方法を記載し、不明な点などがあればコーディネーターおよびネッ
プライバシーの
トワーク担当者が質問を受け付けて、遅滞なく申請者へ内容が転送され、コーディネーターから回答するも
保護、安全性/
不利益への配
のとする。なお、本研究では、児童および保護者は、説明と同意(書面による)を経て、モデル事業として実
施される保育を現に(調査時点で)利用しているものである。(なお、事業による保育の開始は平成26年9月
を予定)
慮、被験者へ
の結果説明な
2) 研究等の対象とする個人の人権擁護(プライバシーの保護など)
ど)
※匿名化の方法

保育所等を対象とした調査は、施設に対するものである。回答は無記名であり、個々の施設が回
答したかどうか確認や照合をされることはない。

保育士を対象とした調査は、回答は無記名であり、個々の職員が回答したかどうか確認や照合を
されることはない。
※資料、解析結果の保存、管理法、保存期間について

資料は、回答用紙原本については共同研究者(秋山氏)の監督の下、事務局で施錠保管し、研
究終了後に機械裁断など再現できない方法で破壊する。入力された数量的なデータは、研究報
告書の執筆の他、研究終了後も、学術雑誌への論文の投稿、学会での発表などで利用するが、
調査結果を報告するものである。
※研究者が保有する個人情報の開示

研究者のうち申請者(堀口)は、調査によって個人情報を収集することはないため、個人情報を保
有することはない。

共同研究者(秋山)は、事業の実施において利用者名など個人情報を保有するが、協議会の定
める要綱に規定された利用の範囲を超えることはしない。
3) 研究等によって生じる個人の安全性・不利益に対する配慮

保育所等に対する質問は、保育所の施設長が、自法人等の実施している業務について回答を
記入するものであり、利用者等(重症心身障害児だけでなく同施設を利用する児童とその家族)
への侵襲性はない。

保育士に対する質問は、保育士が、自身の経験や認識について回答を記入するものであり、利
用者等(重症心身障害児だけでなく同施設を利用する児童とその家族)への侵襲性はない。

回答を記入する作業において、作業する職員には疲労が生じることが予想されるが、一般常識の
程度を著しく超えるものではないと推測される。また、回答する保育所等には、回答を記入するこ
とを中断し、研究への協力を拒否することが保証される。

重症心身障害児およびその保護者に対する質問は、自身の心身の状態に関する認識を回答す
るものであり、回答時に、回答する作業自体が疲労等の負担をもたらす可能性がある。したがっ
て、回答する障害児および保護者には、回答を記入することを中断し、研究への協力を拒否する
6
ことが保証される。
4) 被験者への結果説明
※研究成果の説明
 研究成果は補助金に基づく研究報告書、学会発表、学術雑誌等への投稿等によって発表され
る。また、事業全体の成果は厚生労働省のホームページにて公開される。調査結果について、
協力した法人等において公告を行う。
5) その他
本研究は、平成 26 年度重症心身障害児地域生活モデル事業(申請者:秋山千枝子)の補助金をもって実
研究費用
施する。
【重症心身障害と重度心身障害】
用
語
の
解
説
重症心身障害は主として医療または福祉の用語であるが、重度心身障害児は、福祉制度(例:重度心身障害児医療
助成制度)を規定する際の行政上の用語である。
【大島分類】
府中療育センター元院長大島一良氏が副院長時代(昭和46年)に発表した重症心身障害児の区分。分類表の1から
4までを重症心身障害児と定義している。
東京都立府中療育センターホームページより引用改変
【改訂大島分類(横地分類)】
大島分類の考え方をもとに、下図の通り30に分類したもの。
7
聖隷三方原病院ホームページより引用
【医療必要度】
厚生労働科学研究費口分田班(平成18から20年度)で提案された、重症心身障害者(児)の医療的ケアの必要度を
表すための指標。下図の通り22項目について4段階で評価し、医療度を5段階に分ける。
口分田班報告書より引用
8
【SF-36】
「SF-36®は、健康関連QOL(HRQOL: Health Related Quality of Life)を測定するための、科学的で信頼性・妥当性を
持つ尺度です。 SF-36は、米国で作成され、概念構築の段階から計量心理学的な評価に至るまで十分な検討を経
て、現在、170カ国語以上に翻訳されて国際的に広く使用されています。」
iHopeInternational株式会社ホームページより引用
質問紙の使用に当たっては利用目的等を明らかにして同社に利用申請の上、定められたライセンス料(使用料)を支
払う。
【燃え尽き尺度】
Pinesらの作成した燃え尽き(burnout)尺度をもとに、精神保健研究所研究員であった宗像らが翻訳作成したもの。21
項目からなり、申請者らのこれまでの研究で、専門職より家族の方が高いこと、専門職においては障害児のケアに関
わる機会の多さや専門職としての経験年数が燃え尽き状態に関連することなどを明らかにしてきている。
1) 日本小児科連絡協議会(日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児保健協会)重症心身障害児
文献
(者)委員会中間報告書,平成26年4月13日.
9