平成21年11月定例会(12月18日) 粉川議員(討論)

平成21年11月定例会(12月18日)
粉川議員(討論)
◆23 番(粉川清美さん)
公明党を代表して、議第 219 号議案および請願第 25 号の各常任委員長報告に賛成する討論を行
います。
まず、議第 219 号議案の滋賀会館の設置および管理に関する条例を廃止する条例案についてで
す。
私は9月議会で、文化施設の廃止については、滋賀県文化振興条例や県民の活動拠点に県有施
設等の有効活用をとする、これまでの県の考え方との整合性が求められること、また、今後の見
直しについては、県民の皆さんや文化芸術振興にかかわる人たちとの協議を重ねて、納得がいく
結論、また、文化芸術活動に希望と意欲を持って取り組む環境づくりになるように、知恵を出し
合いながら進めていくべきと、県に対して要望してまいりました。しかし、その努力の結果が示
されないまま廃止の結論が出され、利用者や多くの県民の皆様から、納得できないとの声が寄せ
られていることは、本当に残念に思っています。
今回、知事は、外郭団体および公の施設見直し計画について、県民との対話の場を設けたいと
しておられるとおり、本来は、まず県民や関係団体、利用者との対話を通し、県民の理解と納得
を得ることが重要で、今回のように結論ありきで、その上で問題が噴出すれば対話というのでは、
方法が逆転していると言えます。対話を重ねて結論を導き出す、その努力が県に求められている
と思います。
また、滋賀会館の文化機能をまず廃止し、建物の活用策はその後に検討するという県の考え方
は、利用者や県民には到底納得できるものではありません。廃止後の活用策や県民の文化活動拠
点はどうするのかなど、今後の方針を打ち出し、議論をし、県民の理解と納得をいただき、結論
を出すべきと考えています。
一方、県は現在、県庁周辺にぎわいプロジェクトを立ち上げ、県庁周辺の老朽化した公有財産
の活用策などを県立大学に委託していて、来年1月にアイデアがまとまると聞いています。滋賀
会館も含めた周辺のまちづくりをどうするのか、その議論も重要だと考えます。
まずは、滋賀県文化振興条例の理念にのっとり、県の文化振興のあり方や、県民の文化活動、
特に活動拠点の構想、そして滋賀会館廃止後のビジョンや方向性、また、滋賀会館も含めた県庁
周辺のまちづくりなどの構想を示し、利用者や県民の皆さんとの対話で知恵を出し合い、理解と
納得で結論を出していくような県の取り組みを要望し、賛成討論といたします。
次に、請願第 25 号滋賀医科大学附属病院に入院中の中学生に病弱養護学校の分教室の開設を求
めることについてです。
私は本年3月の予算特別委員会において、入院中の児童生徒の教育、病弱教育について質問、
要望させていただきました。入院した子供たちは、病気への不安や、学習のおくれ、家族や友達
から離れることによる孤独感など、身体的にも精神的にもさまざまな困難に陥りやすい状況にあ
り、病弱教育は単に学習を保障するだけでなく、子供たちの精神的な安定と成長をもたらす大き
な役割を果たしてきました。
滋賀県では、特別支援学校としての病弱児養護学校、特別支援教室としての院内学級、そして
巡回訪問指導教員派遣事業などに取り組んでいただいておりますが、現在の制度は、子供の状況
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に合った対応というよりは、入院した病院によって教育環境の対応が決まっていて、しかも、そ
の対応に大きな差があります。本来、どの病院でも同じような教育を受けられるように配慮すべ
きと指摘させていただきました。
今回、滋賀医科大学附属病院小児科親の会の請願の中でも、滋賀医科大学附属病院に入院中の
中学生は、5教科の巡回訪問指導を受けている。しかし、長期入院が多く、学習面の支援ととも
に、仲間と一緒に学習することで学び合う喜びを感じ、病気に立ち向かっていく勇気を持つこと
ができる教育の環境を望まれています。
そして、そのような思いから、平成 15 年から要望を続けてこられ、また、今回、滋賀医科大学
附属病院の御理解のもと、小児病棟に教室のスペースが増改築されました。
親の会の皆様のこれまでの要望活動の中で、特別支援学級としての院内学級設置主体の市は、
中学校は教科別なので、病院の近くの中学校から各教科の先生を派遣するのは現実には難しい、
入院という継続した病気の状況からすれば、院内学級ではなく、大津赤十字病院のように特別支
援学校の分校舎、分教室として対応するべきで、特別支援学校から指導者を派遣してほしいとの
見解を示されています。
一方、県は、学校教育法施行令や文部科学省の通知を参考に作成されました、障害の種別およ
び程度区分表の中で、病弱の対応として、慢性の呼吸器疾患、肝臓疾患および神経疾患、悪性新
生物その他の疾患の状態が継続して医療または生活規制を必要とする程度の者への対応は、特別
支援学級ではなく病弱養護学校として対応するとしています。このことから考えても、病弱養護
学校の分教室としての対応が望まれると思います。
滋賀医科大学附属病院の小児病棟に暮らすのは、悪性腫瘍など重い病気と戦う子供が多いと聞
いています。教育委員会におかれましては、ぜひ滋賀医科大学附属病院小児科病棟の現場の状況
を実際に見ていただくとともに、子供たちの思いも聞いていただきたいと思っております。
そして、病気と戦う子供たちが、仲間と一緒に学ぶことで、病気に立ち向かう勇気と希望を持
つことができるように、滋賀科医科大学附属病院に入院中の中学生のために病弱養護学校の分教
室の開設を一日も早く実現していただきたいことを要望し、賛成討論といたします。
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