「水溶液と金属」の計算問題・徹底攻略

す ぐ るゼ ミ・ 理 科・ 徹底 攻 略シ リ ーズ (2)
「水溶 液と 金属」 の計 算問 題・徹 底攻 略
「 水 溶 液 と 金 属 」 の 計 算 問 題 は , 入 試 で も か な り よ く 出 題 さ れ る 。 だ が ,「 も の の と け 方 」
や 「 水 溶 液 の 中 和 」 の 計 算 問 題 と 同 様 , 苦 手 な 人 が 非 常 に 多 い 。 こ の 手 の 問 題 に な る と ,「 む
ず か し い から ど う せ 解 け な い」 と か 「 他 の人 も で き な い から , 差 が つ か なく て い いや 」と か ,
そ う いう ネガ テ ィブ な考 え 方に な って しま う 人も 多い だ ろう 。
で も ,「 苦 手 な 人 が 多 い 」 問 題 こ そ , 他 の 人 と 得 点 の 差 を つ け ら れ る ,「 ラ ッ キ ー 」 な 問 題
な の だ 。 記号 で 答 え る 問 題 では , 適 当 に 答え て 「 当 た っ てし ま う 」 人 も いる わ け だか ら, あ ま
り 差 は つ けら れ な い 。 で も ,計 算 問 題 で は, 適 当 に 答 え て当 た っ て し ま うこ と は ほと んど 考 え
ら れ ない から,「 本当 の実 力」 が 現れ る ,と 考え て よい だろ う 。
「 水 溶 液と 金 属 」 の 計 算 問題 で 大 切 な こと は ,(ワン パ ター ンだ と 笑 われ るか も知 れ ない が)
きちん と式を 書く
と い う こと だ 。 算 数 の 問 題で も 言 え る こと だ が , き ち んと 式 を 書 く こ とに よ っ て, 自分 が ど
こ ま で わ かっ て い る の か は っき り す る し ,目 で 見 て 確 認 する こ と も で き る。 ま た ,自 分が ど こ
ま で 理 解 して い る の か も は っき り す る か ら, さ ら に ど ん なこ と を す べ き なの か も わか って く る
の だ 。 理 科の 計 算 問 題 で は ,わ か り に く そ
う に書 い て あ る 問題 が 多 いか ら ,式 を書 い て
整 理 する こと が ,と ても 大 切に な って くる の だ。
し か も 都 合 が よ い こ と に ,「 水 溶 液 と 金 属 」 の よ う な , 計 算 問 題 の 理 解 が ポ イ ン ト に な っ て
い る 範 囲 で は ,「 覚 え る べ き 」 こ と が 少 な い 。 よ っ て , 短 時 間 で マ ス タ ー す る こ と が で き る 。
必 要 最 小 限の こ と を 覚 え た ら, あ と は 問 題練 習 あ る の み 。い ろ い ろ な レ ベル の 問 題を たん ま り
用 意 して あり ま すか ら, ど うか し っか りつ い てき てね 。
で は,ま ず「 必要 最小 限」の「 覚 え るべ き」こと がら を,超 ウル トラ 簡 単に ま とめ てお こ う。
覚 え るべ き こ と が ら
金属
水溶 液
塩
酸
水酸 化 ナト リ ウム 水溶 液
アル ミニ ウ ム
○
○
あ えん
○
○
マグ ネシ ウ ム
○
×
鉄
○
×
銅
×
×
(加熱 )
1. 上 の表 の ○で は, 水 素発 生 。水 素は 「 水溶 液」 の 方か ら 出る 。
2. 水 素は 空 気よ りず っ と軽 い 。水 にと け にく いの で ,水 上 置換 。
ポン と音 を 出し て 燃え 水が で きる 。
3. 速 くと か すに は「 温度 を高 く」
「 水溶 液を 濃 く」
「 金 属を 細 かく」
4. 「 塩酸 」 は,「 塩化 水 素」 とい う 気体 を水 に とか し たも の。
5. 塩 酸 + 炭 酸カ ル シウ ム (石 灰 石) → 二酸 化 炭素
6. 塩 酸と 硫 酸は ,同 じ はた ら き。
7. ア ルミ ン 酸ナ トリ ウ ム, あ えん 酸ナ ト リウ ム
必 要最 小限 の 覚え るべ き こと が らは これ だ け。
-1-
ど う ?少 な かっ たで し ょ?
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-水溶液と金属-
で は, じっ さ いに 問題 を 解い て みよ う。
例題1
右の グ ラフ は, 同 じこ さの 塩 酸 20cm3 に , い ろ
い ろな 量 のア ルミ ニ ウム をと か した と き発 生す る
気 体の 体 積を 調べ た もの です 。
(1)
発生 し た気 体は 何 です か 。
(2)
塩酸 20cm3 と 過 不足 なく 反 応す る のに
必 要な ア ルミ ニウ ム は何 g です か。
(3)
塩酸 を 80cm3 に した とき , 過不 足 なく
反 応す る のに 必要 な アル ミ ニウ ムは 何 g
で すか 。
(4)
(5)
(3)の とき , 発生 した 気 体は 何 cm3 で す か 。
同じ こ さの 塩酸 100cm3 に ,ア ルミ ニ ウム を 0.6 g 加え る と, 気体 は 何 cm3 発 生 しま
す か。 ま た, 発生 が 終わ っ たあ とに は ,塩 酸と ア ルミ ニ ウム のど ち らが どれ だ け残
り ます か 。
解説
も っ とも 大切 な こと は ,式 をき ち んと 書く こ とだ っ たね 。で も その 前に , やら ね ば
な らな いこ と があ る。
ポイ ン トA
わか ってい る 条件をグラフに書 きこむ
この 問題 で は,「 同じ こさ の 塩酸 20cm3 に 」 と
書 いて あっ た 。こ のこ と をグ ラ フの 上部 に ,右
の 図の よう に 書き こむ わ けだ 。 これ で, か な~ り
わ かり やす く なっ たで し ょ?
さて さて そ れで は, グ ラフ を しっ かり 見 てい
き まし ょう 。 グラ フに は ,横 軸 と, たて 軸 とが
あ るが ,そ れ ぞれ が何 を 表し て いる のか , しっ
か り確 認し よ う。
横軸 は,「 アル ミ ニウ ムの 重 さ(g )」だ 。
たて 軸は,「 気体 の体 積(cm3 )」 だ。
よっ て, こ のグ ラフ は ,ア ル ミニ ウム の 量を
増 やし てい く と, 気体 の 体積 が どの よう に 増え
て いく かを 表 した グラ フ なの だ 。
塩酸 20cm3
さて ,こ の グラ フを 見 ると , グラ フの 線 が途
中 で折 れ曲 が って いる こ とに 気 がつ く。
こ の ,折 れ 曲 が っ て い ると こ ろ が , 塩酸 も ア ル ミ ニ ウム も 過 不 足 な く反 応 し てい ると こ ろ
な のだ 。
-2-
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-水溶液と金属-
つま り, 塩 酸 20cm3 に , アル ミ ニウ ム は 0.2 gあ れ ば, 過不 足 なく 反応 す る。
この こと を 式に する と ,
塩酸
+
アル ミ ニウ ム
→
0.2 g
20cm3
気体
400cm3
とな る。 こ のよ うに ,
ポイ ン トB
ぴっ たり反 応 の式を書く
のが,「水 溶液 と 金属 」の 問 題の 基 本だ 。
(1)
「 水溶 液と 金 属」 の問 題 では , 発生 する 気 体は 間違 い なく 水 素。
そ の他 の気 体 を答 える 問 題は 出 題さ れな い と考 えて よ い。
(2)
ぴ った り反 応 の式 であ る ,
塩酸
+
アル ミ ニウ ム
→
0.2 g
20cm3
気体
400cm3
を その まま 使 える 問題 。 塩酸 20cm3 と ぴ っ たり 反応 す るア ル ミニ ウム の量 は 0.2 g だ 。
(3)
ぴ った り反 応 式の 下に , この 問 題で の塩 酸 の量 を書 こ う。
塩酸
+
アル ミ ニウ ム
→
0.2 g
20cm3
気体
400cm3
80cm3
す ると ,塩 酸 の量 は4 倍 にな っ てい るこ と に気 づく 。 80 ÷ 20 = 4, と いう こ とだ 。
過 不足 なく 反 応す るた め には,アル ミ ニウ ムの 量 も4 倍に な って い なけ れば な らな い。
塩酸
+
20cm3
↓4 倍
80cm3
アル ミ ニウ ム
0.2 g
↓4 倍
→
気体
400cm3
↓ 4倍
よ って ,ア ル ミニ ウム の 量は , 0.2 × 4 = 0.8(g)
(4)
とな る 。
発 生し た気 体 の量 も4 倍 にな る ので ,400 × 4 = 1600(cm3 )。
-3-
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(5)
-水溶液と金属-
ぴ った り反 応 式の 下に , この 問 題で の塩 酸 やア ルミ ニ ウム の 量を 書こ う 。
塩酸
+
アル ミ ニウ ム
20cm3
0.2 g
100cm3
0.6 g
→
気体
400cm3
す ると ,塩 酸 の量 は5 倍 ,ア ル ミニ ウム の 量は 3倍 に なっ て いる 。
100 ÷ 20 = 5, 0.6 ÷ 0.2 = 3, と いう わ けだ 。
塩酸
+
アル ミ ニウ ム
→
0.2 g
↓3 倍
0.6 g
20cm3
↓5 倍
100cm3
気体
400cm3
こ こか らあ と の考 え方 が,「水 溶液 と 金属 」の 問 題に お ける 最も 大 切な 考え 方 だ。
考え 方 に 慣 れ る ため に ,「 こん に ゃく 」 と「 がん もど き 」で 「 おで ん」 を 作る とい う ,
お で ん 作り 作 業 を や っ てみ よ う 。 下 の図 の▲ が「 こ んに ゃく 」, ●が 「が ん もど き」 だ 。
この図では,▲は5個あり,●は3個。
何 個の おで ん を作 るこ と がで き るか ,
考 え てみ よう 。
正 解は ,そ う ,3 個の お でん だ 。
こ のよ うに , いく ら「 こ んに ゃ く」 が
5 個 もあ って も,「が んも ど き」 が3 個 し
か な けれ ば, お でん は3 個 しか で きな い。
▲ が 20cm3 の 塩 酸, ● が 0.2 g の アル ミニ ウ ムだ と すれ ば ,▲ と● とで 400cm3 の 気 体
が 作 られ ると い う風 に考 え るこ と がで きる 。 する と,「 お でん 」の 場 合と 全く 同 じよ う
に 考 えて ,
い く ら塩 酸が 5 倍も あっ て も, ア ルミ ニウ ム が3 倍し か なけ れ ばし ょう が ない ね。
と 考 える わけ だ 。つ まり ,
おで んのネ タ が少ない方に合わ せる
ポイ ン トC
と い うこ とだ 。 この 問題 で は, 3 倍の 方に 合 わせ るこ と にな る から ,
塩酸
+
アル ミ ニウ ム
20cm3
↓5 倍3 倍
100cm3 60cm3
0.2 g
↓3 倍
0.6 g
→
気体
400cm3
↓3倍
と な り, 発生 す る気 体の 体 積は , 400 × 3 = 1200(cm3 ) とな る 。
ま た ,塩 酸は 60cm3 だ け あれ ばよ い のに 100cm3 も あ っ たの だか ら ,
100 - 60 = 40(cm3 ) の 塩酸 が残 る こと に なる 。
答
(1) 水 素
(2) 0.2 g
(3) 0.8 g
(4)
-4-
1600cm3
(5) 1200cm3 , 塩酸 が 40cm3
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
今ま での 考 え方 がし っ かり 理 解で きて い るか どう か ,類 題 をや って み よう 。
はじ めは 解 説を 読ま ず に, 自 分の 力だ け でや って み るこ と 。
類題1
5 g の あえ んに , 同じ こさ の 塩酸 を 加え たと きの , 塩酸 の 体積 と 発生 する 気体 の 体積 と
の 関係 を 調べ ると , 表の よう な 結果 に なり まし た 。
塩 酸 の体 積
(cm3 )
0
10
20
30
40
50
60
70
発 生し た 気体 の体 積 (cm3 )
0
300
600
900
1200
1500
1500
1500
(1)
あえ ん 5 g と過 不 足な く反 応す る のに 必要 な 塩 酸は 何 cm3 で す か。
(2)
あえ ん を 15 g にし た とき ,過 不 足な く 反応 する の に必 要な 塩 酸は 何 cm3 で す か。
(3)
(2)の とき , 発生 した 気 体は 何 cm3 で す か 。
(4)
あえ ん 20 g に 塩酸 を 300cm3 加 え たと き に, 気体 は 何 cm3 発 生 しま す か。 また ,
発 生が 終 わっ たあ と には , あえ んと 塩 酸の どち ら がど れ だけ 残り ま すか 。
(5)
あえ ん 25 g に ,こ の 実験 で使 っ た塩 酸 の2 倍の 濃 さの 塩酸 を 200cm3 加 え たと き
に ,気 体 は何 cm3 発 生し ま すか 。
(解 説は 次 ペー ジ)
-5-
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-水溶液と金属-
解説
こ の 問 題 で は グ ラ フが 書 い て い な い の で , ど こで 過 不 足 な く 反 応 す る か が わ か り に く
い 。「 グ ラ フ が 書 い て い な い の で わ か り に く い 」 の だ か ら ,「 自 分 で グ ラ フ を 書 け ば よ い 」
こ とに 気づ く わけ だ。
グラ フを 書 く前 に, 表 の数 値 をし っか り 点検 して お こう 。
+ 10 + 10 + 10 + 10 + 10 + 10 + 10
塩 酸 の体 積
(cm3 )
0
10
20
30
40
50
60
70
発 生し た 気体 の体 積 (cm3 )
0
300
600
900
1200
1500
1500
1500
+ 300 + 300 + 300 + 300 + 300
+0
+0
塩酸 の体 積 は同 じよ う に増 え てい る。
気体 の体 積 は, 1500cm3 ま で は 300cm3 ず つ同 じ よう に増 え てい る が, その あ とは ずっ と
1500cm3 の ま まだ 。
つま り, 塩 酸の 体積 が 50cm3 の とこ ろ で, 気体 の 体積 は 1500cm3 に な り ,そ こで グ ラフ
は 折れ 曲が る こと がわ か る。
以上 のこ と から ,右 の よう な グラ フを
5 gの あえ ん
書 くこ とが で きる 。
あえ んの 重 さも ,グ ラ フの 上 部に しっ
か り書 いて お く。
グラ フを 書 いて みる と ,ぴ っ たり 反応
式 も大 変書 き やす くな る ワケ だ 。
あえ ん
5g
+
塩酸
50cm3
→
気体
1500cm3
では ,実 際 の問 題を 見 てい こ う。
(1)
ぴ っ た り 反 応 式 を 見 れ ば わ か る よ う に , あ え ん 5 g と 過 不 足 な く 反 応 す るの に 必 要 な
塩 酸 は, 50cm3 に な る。
(2)
あ えん の重 さ は 15 g 。ぴ っ たり 反応 式 のと き の
重 さ は 5 g だ った か ら,ち ょう ど 3 倍 にな っ てい る。 あ えん + 塩酸 → 気体
よ って,必要 な 塩酸 もち ょ うど 3 倍 にす れ ばよ い。
5g
50cm3
1500cm3
3
50 × 3 = 150(cm )。
↓3倍
↓3倍
↓3倍
15 g
(3) (2)と 同 じよ うに , 気体 の 量も 3 倍 にな る。
1500 × 3 = 4500(cm3 )。
-6-
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(4)
-水溶液と金属-
ぴ った り反 応 式に 条件 を 書き 加 える と, 右 の表
の よ うに なる 。
あ えん は4 倍 ,塩 酸は 6 倍に な って いる 。
お でん のネ タ が少 ない 方 に合 わ せる のだ か ら,
こ の 問題 では あ えん の方 に 合わ せ るこ とに な る。
右の 表 のよ うに , 塩酸 は 4倍 必要 , 気体 も
4 倍 発生 する か ら, 1500 × 4 = 6000(cm3 )。
必 要な 塩酸 は ,50 × 4 = 200(cm3 )だ けだ から ,
300 - 200 = 100(cm3 ) の 塩酸 が残 る 。
(5)
あ えん + 塩酸 → 気体
5g
50cm3
1500cm3
↓4倍
↓6倍
20 g
300cm3
あ えん + 塩酸 → 気体
5g
50cm3
1500cm3
↓4倍
↓6倍4倍 ↓4倍
20 g
300cm3
ま ず, 2倍 の 濃さ の塩 酸 200cm3 と は どう いう 意味 な のか ,よ
た とえ ば, 塩 酸で はな く て, 2 倍働 く人 だ った らど う だろ う 。
く 考 えよ う。
2 倍 働く 人が 2 00 人い た とす る 。こ れは , ふつ うに 働 く人 で は何 人分 に あた るか 。
2 倍働 く人 は ,1 人で 2 人分 働 く。
そ うい う人 が 20 0人 い たら , 200 × 2 = 400(人 分)
同 じよ うに 考 えて ,
2倍 の濃 さ の塩 酸 200cm3 =
ふ つう の 濃さ の塩 酸 400cm3
と 考え るわ け だ。
ぴ った り反 応 式に 条件 を 書き 加 える と, 右 の
表 のよ う にな る。
あ えん は 5 倍, 塩 酸は 8 倍 にな っ てい る 。
お でん のネ タ が少 ない 方 に合 わ せる のだ か ら,
こ の 問題 では あ えん の方 に 合わ せ るこ とに な る。
右の 表 のよ うに , 塩酸 は 5 倍必 要 ,気 体も
5 倍 発生 する か ら, 1500 × 5 = 7500(cm3 )。
答
(1) 50cm3
(2) 150cm3
(3)
にあ た るよ ね 。
4500cm3
(4)
-7-
あ えん + 塩酸 → 気体
5g
50cm3
1500cm3
↓5倍
↓8倍
25 g
400cm3
あ えん + 塩酸 → 気体
5g
50cm3
1500cm3
↓5倍
↓8倍5倍 ↓5倍
25 g
400cm3
6000cm3 , 塩酸 が 100cm3
(5)
7500cm3
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
次 に, もう 少 しむ ずか し い問 題 を解 いて み よう 。
例題2
右 の グラ フは ,
同じ こ さの 塩酸 30
cm3 に ,い ろ いろ な
量の ア ルミ ニウ ム
をと か した とき に
発生 す る気 体の 体
積と , 気体 の発 生
が終 わ った あと に
残っ た 固体 の重 さ
を調 べ たも ので す 。
(1)
この 塩 酸 60cm3 に , アル ミ ニウ ム を 0.9 g加 え たと き, 発 生す る気 体 の体 積 は何 cm3
で すか 。
(2)
(1)の あと , 塩酸 かア ル ミニ ウ ムの どち ら かを 加え て 過不 足 なく 反応 さ せる とき ,
ど ちら を どれ だけ 加 えれ ば よい です か 。
(3)
(2)の とき , 発生 する 気 体の 体 積は 何 cm3 で す か 。
(4)
この 塩 酸 120cm3 に ,ア ル ミニ ウム を 0.9 g 加 えて 気体 を 発生 させ た あと , 残っ た
固 体の 重 さは 何g で すか 。
(5)
この 塩 酸 150cm3 に ,ア ル ミニ ウム を 2.5 g 加 えて 気体 を 発生 させ た あと , 残っ た
固 体の 重 さは 何g で すか 。
(6)
この 塩 酸 180cm3 に ,ア ル ミニ ウム を 2.7 g 加 えて 気体 を 発生 させ た あと , 残っ た
固 体の 重 さは 何g で すか 。
解説
問 題 を 見 て 誰 で も すぐ 気 づ く こ と が あ る 。 そ れは , グ ラ フ が 2 つ あ っ て , 複 雑 そ う に
見 える こと だ 。で も, 1 つず つ しっ かり 見 てい けば , 恐れ る こと はな い 。
ま ず 1つ 目 の グ ラ フ だ が, こ れ は 今 まで の グ ラ フ と 同じ 。 だ か ら , ぴっ た り 反応 式を 書 く
こ とは もう 簡 単に でき る はず だ 。も ちろ ん ,塩 酸 30cm3 と い う条 件 を, グ ラフ の 上部 に書 い
て から ぴっ た り反 応式 を 書く こ と。
塩酸 +
30cm3
アル ミ ニウ ム
0.3 g
→
水素
400cm3
次 に ,2 つ 目 の グ ラ フ を見 て み よ う 。横 軸 は , い つ もの よ う に ア ル ミニ ウ ム の重 さだ ね 。
でも ,た て 軸が 違う 。 残っ た 固体 の重 さ にな って い る。
実は ,塩 酸 とア ルミ ニ ウム が 反応 した と きに ,水 素 が発 生 する 以外 に 固体 が残 る んだ 。
覚 え る べ き こ とが ら に あ っ た のだ が , 塩 酸 の中 に は , 塩 化 水 素と い う 気体 が とけ てい る 。
塩酸 は, 本 当は 塩化 水 素水 溶 液, のこ と なん だね 。
-8-
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
だ か ら, 塩 酸 と ア ル ミ ニウ ム と の 反 応は , 塩 化 水 素 とア ル ミ ニ ウ ム の反 応 , と言 った 方 が
正 しい 。そ の とき ,あ る 固体 が でき る。 式 にし てま と めて み ると ,
塩 化水 素
+
アル ミニ ウ ム
→
水素
+
あ る固 体
とな る。
塩化 水素 の 塩化 を▲ , 水素 を ■で 表し , アル ミニ ウ ムを ● で表 すと ,
▲■
+
●
→
■
+
あ る固 体
とな るか ら ,あ る固 体 は▲ ● にな るね 。 これ は, ▲ は塩 化 ,● はア ル ミニ ウム だ から ,
塩 化ア ルミ ニ ウム とい う 物質 だ 。
よっ て, ぴ った り反 応 式は , 次の よう に グレ ード ア ップ し たこ とに な る。
塩酸 +
30cm3
ア ル ミニ ウム
0.3 g
→
水素 +
400cm3
塩 化ア ルミ ニ ウム
さて この と きの ,あ る 固体 の 重さ は, 2 つ目 のグ ラ フを 見 れば わか る 。
グラ フの 折 れ曲 がっ て いる と ころ は 1.2 g だね 。 だか ら,
塩酸 +
30cm3
ア ル ミニ ウム
0.3 g
→
水素 +
400cm3
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
とな るわ け だ。
こ こ で, ち ょ っ と 疑 問 をも っ た か い ?い や , 疑 問 を 持た な け れ ば , ちゃ ん と グラ フを 見 て
は いな かっ た こと にな る よ。
2 つ目 の グラ フは , なぜ 折 れ曲 がっ た あと に水 平 にな っ てい ない の だろ う?
とい う疑 問 だ。 この 疑 問に 対 する 答え は 簡単 に
わ かる 。
アル ミニ ウ ムは 何g で ぴっ た りか わか っ てい るね 。
そ う, 0.3 gだ 。 0.3 g よ り多 く のア ルミ ニ ウム を加 え
て も, アル ミ ニウ ムは 残 るだ け 。
そう 。ア ル ミニ ウム は 残っ て しま うの だ 。
たと えば , 0.5 g の アル ミ ニウ ムを 加 えて も ,必 要
な アル ミニ ウ ムは 0.3 g だ けだ から ,
0.5 - 0.3 = 0.2(g )のア ル ミニ ウ ムが 残っ て しま う。
だか ら, 折 れ曲 がっ て いる と ころ の「 残 った 固体 の
重 さ」 であ る 1.2 g よ りも ,0.2 g だけ 多 く残 って ,
1.2 + 0.2 = 1.4(g )に な って いる わ けだ 。
では ,(1)~(6)の問 い に答 え てい こう 。
-9-
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
(1)
-水溶液と金属-
ぴ った り反 応 式に (1)の 条 件を 書き 加 える と, 以 下の よ うに なる 。
塩酸 +
30cm3
↓2倍
60cm3
ア ル ミニ ウム
0.3 g
↓3倍
0.9 g
→
水素 +
400cm3
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
お でん のネ タ が少 ない 方 に合 わ せる のだ か ら, 2 倍 の 方に 合 わせ て,
塩酸 +
30cm3
↓2倍
60cm3
ア ル ミニ ウム → 水素 +
0.3 g
400cm3
↓3倍2倍
↓2倍
0.9 g 0.6 g
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
↓2倍
よっ て ,発 生す る 気体 (水素 )の体 積 は, 400 × 2 = 800(cm3 )。
(2)
(1)で , アル ミニ ウ ムは 0.6 g だけ 使 った か ら, あと 0.9 - 0.6 = 0.3(g )だ け 残っ て
い る 。こ のア ル ミニ ウム を 過不 足 なく 反応 さ せる ため の 塩酸 の 量を 求め れ ばよ い。
ぴ った り反 応 式の 下に (2)の条 件を 書 いて ,
塩酸 +
30cm3
↓
ア ル ミニ ウム
0.3 g
↓
0.3 g
→
水素 +
400cm3
↓
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
↓
す ると , アル ミニ ウ ムの 量 が全 く同 じ だか ら塩 酸 の量 も 全く 同じ , 30cm3 あ れば よ い
こと がわ か る。
(3)
発 生す る気 体 (水 素 )の 量 も, ぴ った り反 応 式と 全く 同 じで 400cm3 。
(4)
次 のよ うに な る。
塩酸 +
30cm3
↓4倍
120cm3
ア ル ミニ ウム
0.3 g
↓3倍
0.9 g
→
水素 +
400cm3
↓
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
↓
おで ん ネタ の少 な い方 に 合わ せる の だか ら, 3 倍の 方 に合 わせ て,
塩 酸 + ア ル ミニ ウム
30cm3
0.3 g
↓4倍3倍
↓3倍
120cm3 90cm3
0.9 g
→
水素 +
400cm3
↓3倍
1200cm3
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
↓3倍
3.6 g
水素 1200cm3 は 気 体だ か ら, 固体 と して は残 ら ない 。
また , 塩 酸 は 120 - 90 = 30(cm3 )が 反 応 し な い で残 っ て し まう が ,塩 酸は 塩 化水 素
と いう 気 体が とけ た もの だ から ,こ れ も固 体と し ては 残 らな い。
残る の は, 反応 の 結果 で きた 塩化 ア ルミ ニウ ム 3.6 g だけ と いう こ とに なる 。
- 10 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
(5)
塩酸 +
30cm3
↓5倍
150cm3
ア ル ミニ ウム → 水素 +
0.3 g
400cm3
↓ 約 8.3 倍
2.5 g
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
おで ん ネタ の少 な い方 に 合わ せる の だか ら, 5 倍に 合 わせ て,
塩酸 +
30cm3
↓5倍
150cm3
ア ル ミニ ウム → 水素 +
0.3 g
400cm3
↓ 約 8.3 倍 5 倍 ↓ 5 倍
2.5 g 1.5 g
2000cm3
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
↓5倍
6.0 g
発 生し た水 素 2000cm3 は 気体 な ので ,固 体と し て は残 らな い 。
塩 化ア ルミ ニ ウム 6.0 g は ,固 体 とし て 残る 。
他 に, 反応 し なか った ア ルミ ニ ウム 2.5 - 1.5 = 1.0(g )が , 固体 と して 残る 。
よ って ,残 っ た固 体の 重 さは , 6.0 + 1.0 = 7.0(g ) と なる 。
こ の解 き方 で ,も ちろ ん 大正 解 なの だが , 実は もっ と ラク な 解き 方が あ る。
そ れは ,グ ラ フを 見て 解 く方 法 だ。
この方法をしっかりマスターすると,解く時間もあまりかからずミスもしにくい,と
い う ,と ても お 得な 方法 だ。「お 得に 解 く」 とい う こと だ ね。
お得に 解く
塩 酸 30cm3
いま 知 りた いの は ,塩 酸 150cm で ア ルミ ニウ ム 2.5 g
の 場合 。 とこ ろで 右 のグ ラフ は 塩酸 30cm3 の 場 合。
3
知 り たい
グラフ
塩酸
150cm3
ア ル ミニ ウム
2.5 g
固体
?
30cm3
塩酸 の 量は 5 倍 にな っ てい る から ,ア ルミ ニ ウム も
固 体も 5 倍 にな っ てい れ ばい い ね。
知 り たい
グラフ
塩酸
150cm3
↑5倍
30cm3
ア ル ミニ ウム
2.5 g
↑5倍
固体
?
↑5倍
よっ て ,グ ラフ で ,ア ルミ ニ ウム の 量が 0.5 g の と
こ ろを 見 れば よい 。
知 り たい
グラフ
塩酸
150cm3
↑5倍
30cm3
ア ル ミニ ウム
2.5 g
↑5倍
0.5 g
固体
?
↑5倍
グラ フ を見 ると , 残っ た固 体 の重 さ は 1.4 gに な っ
て いる 。 知り たい の はそ の 5 倍の 重 さだ った か ら,
1.4 × 5 = 7.0(g )。
- 11 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
(6)
-水溶液と金属-
ま ず, マト モ な解 き方 で やっ て みる 。
塩酸 +
30cm3
↓6倍
180cm3
ア ル ミニ ウム
0.3 g
↓9倍
2.7 g
→
水素 +
400cm3
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
おで ん ネタ の少 な い方 に 合わ せる の だか ら, 6 倍に 合 わせ て,
塩酸 +
30cm3
↓6倍
180cm3
ア ル ミニ ウム → 水素 +
0.3 g
400cm3
↓9倍6倍
↓6倍
2.7 g 1.8 g
2400cm3
塩 化ア ルミ ニ ウム
1.2 g
↓6倍
7.2 g
発 生し た水 素 2400cm3 は 気体 な ので ,固 体と し て は残 らな い 。
塩 化ア ルミ ニ ウム 7.2 g は ,固 体 とし て 残る 。
他 に, 反応 し なか った ア ルミ ニ ウム 2.7 - 1.8 = 0.9(g )が , 固体 と して 残る 。
よ って ,残 っ た固 体の 重 さは , 7.2 + 0.9 = 8.1(g ) と なる 。
お得に 解く
塩 酸 30cm3
いま 知 りた いの は ,塩 酸 180cm で ア ルミ ニウ ム 2.7 g
の 場合 。 とこ ろで 右 のグ ラフ は 塩酸 30cm3 の 場 合。
3
知 り たい
塩酸
180cm3
グラフ
ア ル ミニ ウム
2.7 g
固体
?
30cm3
塩酸 の 量は 6 倍 にな っ てい る から ,ア ルミ ニ ウム も
固 体も 6 倍 にな っ てい れ ばい い ね。
知 り たい
グラフ
塩酸
180cm3
↑6倍
30cm3
ア ル ミニ ウム
2.7 g
↑6倍
固体
?
↑6倍
よっ て ,グ ラフ で ,ア ルミ ニ ウム の 量が 0.45 g のと
こ ろを 見 れば よい 。
知 り たい
グラフ
塩酸
180cm3
↑6倍
30cm3
ア ル ミニ ウム
2.7 g
↑6倍
0.45 g
固体
?
↑6倍
グラ フ を見 ると , 残っ た固 体 の重 さ は 1.35 g に なっ
て いる 。 知り たい の はそ の 6 倍の 重 さだ った か ら,
1.35 × 6 = 8.1(g )。
答
(1) 800cm3
(2) 塩 酸を 30cm3
(3)
400cm3
- 12 -
(4)
3.6 g
(5)
7.0 g
(6)
8.1 g
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
で は, いよ い よ入 試問 題 を解 い てみ よう 。
入試問 題1
う す い塩 酸 50cm3 に い ろ いろ な長 さ のマ グ ネシ ウム リ ボン を加 え て, 発 生す る気 体の
体積 を はか りま し た。 結果 は ,下 の 表の よう に なり まし た 。問 い に答 えな さ い。 答え は ,
小数 点 以下 第 2 位を 四 捨五 入 して 答え なさ い 。
マグ ネシ ウ ムリ ボン の 長さ [cm]
5
発 生し た気 体 の体 積 [cm3 ]
62.5
10
15
20
125
150
150
問1
こ のと き 発生 し た気 体の 性 質と して 適 当な も のを ,次 の ア~ エか ら 選び , 記号 で
答 えな さい 。
ア 石 灰水 を 白く にご ら せる 。
イ 鼻 をつ く よう なに お いが す る。
ウ こ の気 体 の中 では 線 香が は げし く燃 え る。
エ 試 験管 に 集め たこ の 気体 に マッ チの 火 を近 づけ る とは げ しく 燃え る 。
問2
マ グネ シ ウム リ ボン を 7cm 加 えた と きに 発 生す る 気体 の体 積は , 何 cm3 で す か。
問3
マ グネ シ ウム リ ボン を 17cm 加 え た とき に 発生 する 気 体の 体積 は ,何 cm3 で すか 。
問4
こ のう す い塩 酸 50cm3 か らで きる だ け多 くの 気 体を 発 生さ せる た めに は, 最 低何
cm の マ グネ シ ウム リボ ン が必 要で す か。
問5
同 じ濃 度 のう す い塩 酸を 使 って ,気 体 を 250cm3 発 生さ せ よう と思 い ます 。 うす い
塩 酸と マグ ネ シウ ムリ ボ ンは , それ ぞれ ど れだ け用 意 すれ ば よい です か 。
(栄東 中 )
(解 説は 次 のペ ージ )
- 13 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
解説
-水溶液と金属-
ま ず はぴ った り 反応 式 を書 くた め に, 表を バ ッチ リ 観察 しよ う 。
マグ ネシ ウ ムリ ボン の 長さ [cm]
5
発 生し た気 体 の体 積 [cm3 ]
62.5
10
15
20
125
150
150
この 表 は, 実は 不 完全 な んだ 。と い うの は, マ グネ シ ウム リボ ン の長 さが 0cm の
と きの 数 が書 いて い ない か らな んだ 。
マグ ネ シウ ムリ ボ ンが 0cm の と き は, マグ ネ シウ ムが な いん だ から ,も ち ろん 水
素 は全 く 発生 しな い よね 。 だか ら, 次 のよ うな 表 にな る ワケ だ。
マ グネ シウ ム リボ ンの 長 さ[cm]
0
5
発 生 した 気体 の 体積 [cm3 ]
0
62.5
グラ フ にす ると , 右の よ うに なる 。
( ち ょっ と赤 い 点が 見 にく いが。)
ここ で 大切 なこ と は,
点と 点 を線 で結 ぶ だけ で はい けな い
とい う こと なん だ 。
もし , 右の グラ フ の点 と 点を ,線 で 結ぶ と,
右の グ ラフ のよ う に, 2 か 所 で折 れ
曲 がっ て しま う。
この よ うに ,2 か 所で 折 れ曲 がる グ
ラ フは あ りえ ない 。
何と か して ,1 か 所で の み折 れ曲 が
る よう に した い。 そ のた め には …
- 14 -
10
15
20
125
150
150
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
右の グ ラフ のよ う に, 両 側か ら線 を 伸ば して
い って , ……
ぶつ か った とこ ろ だけ で 折れ 曲が る グラ フを
書 けば よ いわ けだ 。
折れ 曲 がっ てい る とこ ろ は, マグ ネ シウ ムリ
ボ ンの 長 さが 10cm と 15cm の 間だ 。 とい って
も ,10cm と 15cm の ちょ う どま ん中 と は限 らな
い よね 。 その 長さ を 求め る ため には , ……
マグ ネシ ウ ムリ ボン が 5cm 長 く なる と ,
発生 す る気 体の 体 積は 62.5cm3 増 え るこ
とを 利 用す ると い いね 。
5cm 長 く なる と ,62.5cm3 増 える 。
い ま ,150cm3 に した い 。
5cm で 62.5cm3 増 える のだ か ら,
1cm あ たり ,62.5 ÷ 5 = 12.5(cm3 )増 える 。
150cm3 に す る には ,
150 ÷ 12.5 = 12(cm)あ れ ばよ いこ と がわ か る。
- 15 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
よっ て, グ ラフ は右 の よう に なる 。
この グラ フ から ,ぴ っ たり 反 応式 を書 く こと がで
き るね 。
塩酸
50cm3
+
塩 酸 50cm3
マ グネ シウ ム リボ ン → 水素
12cm
150cm3
で は ,問 題を 解 いて いこ う 。
問1
水 素 の性 質 を答 える 。 覚え るべ き こと が らで も書 い た通 り,
水 素 は空 気よ り ずっ と 軽い 。水 に とけ にく い ので , 水上 置換 。
ポ ン と音 を出 し て燃 え 水が でき る 。
よっ て ,エ (マッ チの 火 を近 づ ける とは げ しく 燃え る )が正 解。
問2
マ グ ネシ ウ ムリ ボン 1cm あ た り ,12.5cm3 の 水素 が 発生 す るの だか ら,
マ グネ シウ ム リボ ン 7cm で は ,12.5 × 7 = 87.5(cm3 ) の水 素が 発 生す る 。
問3
マ グ ネシ ウ ムリ ボン が 12cm より 長 くて も ムダ に なる 。
気 体の 体積 は 150cm3 。
問4
ぴ っ たり 反 応式 その も のだ から , 正解 は 12cm。
問5
塩酸
50cm3
↓
+
マ グネ シ ウム リ ボン → 水素
12cm
150cm3
↓
↓
250cm3
250 ÷ 150 =
250 5
=
(倍 )
150 3
だ から , 塩酸 もマ グ ネシ ウム リ ボン も
5
倍 する 。
3
理 科 で は ,「 何 倍 」 な ど の 割 合 を 答 え る と き は 分 数 で よ い が , 単 位 つ き の 値 (cm,
g な ど)は 必ず 整数 か 小数 。 もし 割り 切 れな かっ た 場合 は ,四 捨五 入 のし かた が
問 題 に書 いて あ るは ず。 書 いて な かっ たら , 自分 の考 え 方ミ ス や計 算ミ ス を疑 え。
塩 酸…
答
50 ×
問1→ エ
5
1
= 83 = 約 83.3cm3
3
3
問 2 → 87.5cm3
マ グ ネシ ウム リ ボン …
問 3 → 150cm3
- 16 -
問 4 → 12cm
12 ×
5
= 20(cm)
3
問 5 → 83.3cm3 , 20cm
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
で は, 次の 入 試問 題だ 。
入試問 題2
はく
同 じ 大き さに 切 った アル ミ ニウ ム 箔を 用意 し まし た。 フ ラス コ を 5 個 用 意し
, それ ぞ
はく
れの フ ラス コに あ る濃 度の 塩 酸A を 40cm3 と りま した 。 塩酸 にア ル ミニ ウ
ム箔
を投
入し ,
はく
最初 だ け軽 く加 熱 する と気 体 が発 生 しま した 。 この とき の アル ミ ニウ ム箔 の 枚数 と気 体
の発 生 量を 調べ る と表 1 の よ うに なり まし た 。ま た ,異
なる 濃 度の 塩酸 B を 5 個の フ ラ
はく
3
スコ に それ ぞれ 30cm ず つ とり ,加 え たア ル ミニ ウム 箔 の枚 数と 気 体の 発 生量 を調 べる
と表 2 の よう に なり ま した 。 これ らの こと を もと に 次の 問い に 答え なさ い 。
表 1 塩 酸 Aと
発 生し た気 体 の量
はく
アルミニウム箔
発生 し た気 体 の
の 枚数
体積 [cm3 ]
1
187
2
374
3
561
4
748
5
748
表 2 塩酸 Bはく
と発 生 した 気体 の 量
ア ルミ ニウ ム 箔
発生 し た気 体の
の 枚数
体積 [cm3 ]
1
187
2
374
3
561
4
748
5
748
はく
(1)
(2)
アル ミ ニウ ム箔 と 塩酸 の 反応 で生 じ た気 体の 性 質と し て最 も適 当 なも のを 次 の
ア ~オ よ り選
び記 号 で答 え なさ い。
しげきしゅう
ア と て も刺 激臭 が 強く , 鼻が ツー ン とし た。
イ 赤 茶 色で 水に と けや す い。
ウ 都 市 ガス とま ぜ ると 爆 発す る。
エ 最 も 軽い 気体 で ある 。
オ 酸 性 雨の 原因 の 一つ で ある 。
塩酸 A の濃 度は , 塩酸 B の何 倍で す か。
はく
(3)
塩酸 B をフ ラス コ に 45cm3 と り ま した 。こ れ にア ルミ ニウ ム 箔 5 枚を 加 えた とき
発 生す る 気体 は何 cm3 で す か。 小数 第 1 位 を四 捨五 入 して 答え な さい 。
(4)
塩酸 A を 20cm3 , 塩 酸 Bを 30cm3 と り, よ く混 ぜ 合わ せ塩 酸 Cを 作り ま した 。 塩
酸 Cは 塩 酸A の何 倍 の濃 度 です か。
(5)
塩酸 C をフ ラス コ に 20cm3 と り ま した 。こ れ にア ルミ ニウ ム 箔 4 枚を 加 えた とき ,
発 生す る 気体 は何 cm3 で す か。 小数 第 1 位 を四 捨五 入 して 答え な さい 。
はく
(本郷 中 )
(解 説は 次 のペ ージ )
- 17 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
解説
(1)
-水溶液と金属-
はく
ア ル ミニ ウム 箔 とい うの は ,ア ル ミニ ウム を うす い板 状 にし た もの 。
塩 酸 は, アル ミ ニウ ム・ あ えん ・ マグ ネシ ウ ムを とか し ,水 素 を発 生さ せ る。
水 素 は気 体の 中 で最 も軽 い ので , エが 正解 。
はく
(2)
表 1 は, 塩酸 A
40cm3 と 反応 する ア ルミ ニ ウム 箔に つ いて の表 。
はく
ア ル ミニ ウム 箔 が 1 枚の と きは ,気 体の 体 積は 187cm3 。
2 枚 のと きは , 気体 の体 積 も 2 倍 の 374cm3 に な っ てい る。
3 枚 のと きも , 気体 の体 積 は 3 倍 の 561cm3 に な っ てい る。
4 枚 のと きも , 気体 の体 積 は 4 倍 の 748cm3 に な っ てい る。
し か し 5 枚 の とき は ,気 体 の体
積は 4 倍 の 748cm3 の ま ま。
はく
こ の こ とか ら , アル ミニ ウ ム箔 が 4 枚の と きに , 塩酸 A 40cm3 と ぴ っ たり 反応 す るこ と
がわ か る。
塩酸A
40cm3
+
ア ルミ ニ ウム
4枚
→
水素
748cm3
表 2 もま った く 同じ よう に 考え る と, 次の よ うな ぴっ た り反 応 式に なる 。
塩酸B
30cm3
+
ア ルミ ニ ウム
4枚
→
水素
748cm3
ア ル ミ ウニ ム 4 枚 を ぴっ た り反 応さ せる の に, 塩 酸A なら 40cm3 も 必 要だ った が ,塩 酸
Bは 30cm3 で ぴ った りだ っ た。 この こ とか ら ,A の方 が Bよ りも う すい こ とが わか る。
30
よ っ て, Aは B の, = 0.75(倍 )であ る こと がわ か る。
40
30
40
注意 そ の 1
倍を , 倍 にし て しま うこ と が多 い 。ま ちが え ない ため に は, A はB よ
40
30
りも 濃 いの かう す いの か を考 えれ ば よい 。濃 け れば 1 よ り大 き い答 え ,う す
けれ ば 1 よ り小 さ い答 え。
3
注意 そ の 2 「 何倍 」 とい う答 え は, 分数 で もか ま わな い。 こ の問 題の 場 合は , 倍 で
4
も 正解 。cm, g など の単 位つ き の数 値 の場 合は , 分数 で書 い ては い けな い。
(3)
ま ず ぴっ たり 反 応式 を書 い てか ら 考え るこ と 。
塩酸B +
30cm3
↓ 1.5 倍
45cm3
ア ルミ ニ ウム →
4枚
↓ 1.25 倍
5枚
水素
748cm3
塩 酸 はぴ った り 反応 式の 1.5 倍あ り ,ア ル ミニ ウム はぴ っ たり 反 応式 の 1.25 倍 。
お で んの ネタ が 少な い方 に 合わ せ るの だか ら ,1.25 倍 の 方に 合 わせ る 。
塩 酸 B + ア ルミ ニ ウム
30cm3
4枚
↓ 1.5 倍 1.25 倍 ↓ 1.25 倍
45cm3 37.5cm3
5枚
→
水素
748cm3
↓ 1.25 倍
935cm3
発 生 する 水素 は ,748 × 1.25 = 935(cm3 )に な る。
- 18 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
3
倍の 濃 さだ っ た。 Aと B の濃 さの 比 は 3: 4 に なる 。
4
よ っ て, Aを 3 % , Bを 4 % と考 え て解 く と簡 単だ 。
A
B
C
ア
イ
ウ
(4)
A は Bの 0.75 倍 =
+
20cm3
3%
=
30cm3
エ
4%
オ
ア… 20 × 0.03 = 0.6(cm3 )
イ… 30 × 0.04 = 1.2(cm3 )
ウ… 0.6 + 1.2 = 1.8(cm3 )
エ… 20 + 30 = 50(cm3 )
オ… 1.8 ÷ 50 = 0.036 → 3.6(%)
C は 3.6 % , Aは 3 % だか ら ,3.6 ÷ 3 = 1.2(倍 )。
※ 濃さ を求 め ると きは , 体積 で はな く重 さ で計 算し な けれ ば なら ない 。
こ の よう な , 体 積 で 濃 さを 計 算 す る 問題 は , 本 当 は 出題 し て は い け ない ん だ 。で も, 実 際
には 出題 さ れる わけ だ 。
(5)
塩 酸 Aの ぴっ た り反 応式 は ,下 の よう にな っ てい た。
塩酸A
40cm3
+
ア ルミ ニ ウム
4枚
→
水素
748cm3
い ま,塩酸 Cが 20cm3 あ る。(4)で求 め たよ うに,塩酸 C は塩 酸A の 1.2 倍 の濃 さ だか ら,
塩酸 C 20cm3 と 同じ 働 きを する 塩 酸A は, 20 × 1.2 = 24(cm3 )。
塩酸A +
40cm3
↓ 0.6 倍
24cm3
ア ルミ ニ ウム
4枚
↓1倍
4枚
→
水素
748cm3
お で んの ネタ が 少な い方 に 合わ せ るの だか ら ,0.6 倍 の方 に 合わ せる 。
発生 す る 気体 の体 積 は, 748 × 0.6 = 448.8(cm3 )。
小数 第 1 位を 四捨 五 入し て, 449cm3 に なる 。
答
(1)→ エ
(2)→ 0.75 倍
(3)→ 935cm3
- 19 -
(4)→ 1.2 倍
(5)→ 449cm3
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
で は, 次の 入 試問 題だ 。
入試問 題3
あ る 濃さ の塩 酸 を 10cm3 と り ,こ れ にマ グ ネシ ウム を 加え て気 体 を発 生 させ まし た。
加え た マグ ネシ ウ ムの 重さ と 発生 し た気 体の 体 積と の関 係 を調 べ ると ,表 の よう な結 果
にな り まし た。 次 の問 いに 答 えな さ い。
マ グネ シウ ム の重 さ(g )
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
発 生し た気 体 の体 積(cm3 )
0
200
400
500
500
500
(1)
マグ ネ シウ ムと 塩 酸と の 反応 によ っ て発 生す る 気体 の 名称 を答 え なさ い。
(2)
①
③
⑤
⑦
発生 し た気 体の 性 質を 表 して いる も のを ,す べ て選 び 番号 で答 え なさ い。
空 気 の重 さの 約 1.1 倍
② 空 気 の重 さの 約 0.6 倍
空 気 の重 さの 約 0.07 倍
④ 水 にほ とん ど とけ な い
水 に とけ やす い
⑥ 助燃 性 (他 の 物質 を燃 や す性 質)が ある
可 燃 性(燃 える 性質 )が ある
⑧ 助燃 性 も可 燃 性も ない
(3)
マグ ネ シウ ムの か わり に なる 金属 を すべ て選 び 番号 で 答え なさ い 。
① 鉄
② 金
③ 銀
④ 銅
⑤ アル ミ ニウ ム
(4)
上の 表 の結 果を も とに , マグ ネシ ウ ムの 重さ と
発 生し た 気体 の体 積 との 関 係を グラ フ にし て右 に
表 しな さ い。
(5)
マグ ネ シウ ム 0.9 g を加 えた と き, 塩 酸と 反 応
し ない で 残っ てい る マグ ネ シウ ムは 何 gで すか 。
(6)
マグ ネ シウ ム 0.8 g に十 分な 量 の塩 酸 を加 え る
と ,発 生 する 気体 の 体積 は 何 cm3 で す か。
(7)
マグ ネ シウ ム 1.6 g が全 部な く なる ま で, 気 体を 発生 させ ま した 。 この とき 加 えた
塩 酸の 体 積は 最初 に 用意 し た体 積(10cm3 )の何 倍 です か。
(獨協 埼 玉中 )
解説
(1)
マ グ ネシ ウム は ,塩 酸と は 反応 し て水 素を 発 生す るの だ った ね 。
(2)
発 生 し たの は 水 素 だ っ た。 水 素 は 空 気よ り ず っ と 軽 く (空 気 の 0.07 倍 ), 水 にと け にく い
ので 水 上置 換で 集 め, ポン と 音を 出 して 燃え (可燃 性 ), 水 がで き るの だっ た 。
(3)
ア ル ミニ ウム と あえ んは , 塩酸 に も水 酸化 ナ トリ ウム 水 溶液 に もと ける 。
鉄 と マグ ネシ ウ ムは ,塩 酸 には と ける が水 酸 化ナ トリ ウ ム水 溶 液に はと け ない 。
金 ・ 銀・ 銅は , 塩酸 にも 水 酸化 ナ トリ ウム 水 溶液 にも と けな い 。
よ っ て,マグ ネ シウ ムの よ うに 塩 酸に とけ る 金属 は,アル ミ ニウ ム・ あ えん ・ 鉄に なる。
- 20 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
(4)
-水溶液と金属-
表の結果通りグラフに点を打っていくと,下の図1のようになる。1か所だけで折れ曲
がる よ うに 線で 結 ぶと ,図 2 のよ う にな る。
折 れ 曲が って い ると ころ は,マ グ ネシ ウ ムの 重さ が 0.5g で ,発 生 した 気 体の 体積 が 500cm3
のと こ ろ。
図1
図2
(5)
マ グ ネシ ウム は 0.5g あれ ば ぴっ た り。 この 問 題で は 0.9g あ る の だか ら,
0.9 - 0.5 = 0.4(g) が 残 って し まう 。
(6)
(4)で折 れ 曲が った と ころ が ,ぴ った り 反応 した と ころ だ 。
ぴ っ たり 反応 式 をし っか り 書い て おこ う。
塩酸
10cm3
+
マ グ ネシ ウ ム
0.5g
→
水素
500cm3
い ま はマ グネ シ ウム を 0.8g 加 え た のだ から ,
塩酸
10cm3
+
マ グ ネシ ウ ム
0.5g
↓ 1.6 倍
0.8g
→
水素
500cm3
発 生 する 水素 の 体積 も 1.6 倍 にな る ので , 500 × 1.6 = 800(cm3 )。
(7)
マ グ ネシ ウム が 1.6g ある の だか ら ,1.6 ÷ 0.5 = 3.2(倍)。 塩酸 も 3.2 倍 あれ ば よい 。
塩酸
10cm3
答
+
マ グ ネシ ウ ム
0.5g
↓ 3.2 倍
1.6g
→
水素
500cm3
(1)→ 水 素
(2)→ ③ ,④ ,⑦
(3)→ ① ,⑤
(4)→ 右 のグ ラフ
(5)→ 0.4 g
(6)→ 800cm3
(7)→ 3.2 倍
- 21 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
次 は, 女子 御 三家 の女 子 学院 の 入試 問題 だ 。
入試問 題4
と
鉄 の 板に うす い 塩酸 を加 え たと こ ろ気 体が 出 てき て, 板 は完 全 に溶 けて 見 えな くな っ
てし ま った 。
(1)
この 気 体に つい て ,次 の 中か ら正 し いも のを す べて 選 びな さい 。
ア こ の 気体 は塩 酸 の中 に 入っ てい た もの であ る
イ 色 は 黄色 であ る
ウ に お いは ない
エ 物 が 燃え るの を 助け る 性質 があ る
オ 石 灰 水を 白く に ごら せ る
(2)
A. 鉄 を溶 かす 前 の塩 酸
B. 鉄 を溶 かし た あと の 塩酸
A, B をそ れぞ れ 容器 に 入れ ,ガ ス バー ナー で 加熱 す ると どう な りま すか 。
ア 何 も 残ら ない
イ 鉄 の 粉が 出て く る
ウ さ び た鉄 の粉 が 出て く る
エ 黄 色 いね ばね ば した も のが 残る
オ 白 ~ 黄色 の固 体 が残 る
(3)
鉄の 重 さ, 塩酸 の 濃さ , 塩酸 の体 積 を変 えて 実 験を し たと ころ , 鉄が 溶け き れず
に 残る 場 合が あっ た 。そ れ をま とめ た のが 次の 表 であ る 。ア ,イ に あて はま る 数字
を 答え な さい 。(割 り切 れ ない 場 合は 小数 第 2 位 を四 捨五 入 しな さい 。 )
鉄の 重さ (g)
塩酸 の 濃さ (Aを 基準 と する )
塩酸 の体 積 (cm3 )
溶 け 残っ た鉄 の 重さ (g)
1
A
5
なし
3
3
9
イ
Aと 同 じ A の半 分 A の 2 倍 Aの 3 倍
5
5
ア
25
1
2
1
12
(4)
アル ミ ニウ ムに う すい 塩 酸を 加え た とこ ろ, 鉄 のと き と同 じよ う に気 体が 発 生し
た 。鉄 に 加え ても 変 化が な いが ,ア ル ミニ ウム に 加え る と変 化が あ る薬 品を 1 つ 書
き なさ い 。
(5)
ある 濃 さの
塩酸 5cm3 に い ろ いろ な重 さ のア ル ミニ ウム の 板と 鉄の 板 を入 れ 反応 さ
ず
せ た後 , 上澄 み液 2cm3 を 容 器 に取 って 加 熱し , 残っ たも の の重 さを は かっ た 。結 果
は 次の グ ラフ のよ う にな っ た。
グラ フ から 考え て ,正 し いも のに A ,間 違っ
て いる も のに B, グ ラフ か らは どち ら とも いえ
な いも の にC を書 き なさ い 。
1. ア ル ミニ ウム 0.8 g と 鉄 1.5 g をそ れ ぞれ 入
れ た液 を蒸 発 させ て残 る もの の 重さ は等 し い。
2. ア ル ミニ ウム の ほう が鉄 よ り反 応 する のが 早
い。
3. 塩 酸 5cm3 に 1.5 g の アル ミ ニウ ム を加 えた と
き と 1.5 g の鉄 を加 え たと きに 使 われ た 塩酸 の
量 は等 しい 。
(女 子 学院 中 改 )
- 22 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
解説
(1)
正しいものをすべて選ぶ問題では,正解が何個あるかわからないので慎重に,慎重に。
塩酸は,塩化水素という気体が水にとけたもの。塩化水素は,塩素と水素が合体した
も の だ と考 えれ ば よい 。よ って , 塩酸 の 中に ,水 素 が入 って い たと 考 えら れる 。
さ ら に, 塩 化水 素の 中 の塩 素と 鉄 が合 体 して ,塩 化 鉄と いう 物 質が でき る 。
イ 気 体 はほ とん ど が無 色透 明。 色 がつ い てい るの は ,黄 緑色 の 塩素 ぐ らい 。
エ 物 が 燃え るの を 助け る性 質(助 燃 性)が ある のは 酸 素。
水 素 は水 素自 身 が燃 える (可燃 性 )。 燃 えて 水が で きる 。
オ 石 灰 水を 白く に ごら せる はた ら きが あ るの は二 酸 化炭 素。
ア
(2)A. 塩 酸は 塩 化水 素と い う気 体が 水 にと けた も のだ か ら, 加熱 して も 何も 残 らな い 。
B. 鉄 を溶 か した あと の 塩酸 は,
塩酸
+
鉄
→
水素
+
塩化鉄
水素 と塩 化 鉄が で きる 。水 素 は気 体だ か ら加 熱 して も残 ら ない 。
塩 化 鉄 は 固 体 な の で 加 熱 す る と 残 る 。 し か し , こ の 固 体 は 鉄 で は な い し , さ び た 鉄 (酸
化鉄 )でも ない 。
(3)
表 を しっ かり 見 て, 何が わ かる の かを きち ん と整 理す る こと が 大切 だ。
鉄 の重 さ (g )
塩 酸 の濃 さ(A を基 準 とす る )
塩 酸の 体 積(cm3 )
溶 け残 った 鉄 の重 さ (g )
1
A
5
なし
3
3
A と 同じ Aの 半 分
5
5
1
2
A の 半分 の濃 さ の塩 酸が 5cm3 あ ると い うこ と は, Aの 濃 さの 塩酸 が 5 ÷ 2 = 2.5(cm3 )あ
るの と 同じ 働き だ 。よ って , 表は 次 のよ うに 簡 単に なる 。
鉄 の重 さ (g )
塩 酸の 体 積(cm3 )
溶 け残 った 鉄 の重 さ (g )
1
5
なし
3
5
1
3
2.5
2
溶け残った鉄がないときは,鉄が本当にぴったりあったのかどうかわからない。ひょっ
とす る と,もっ と 鉄を 入 れて も,全 部溶 け たか も知 れ ない。そ う いう よ くわ から な い表 は,
とり あ えず 無視 。
それにくらべて,溶け残った鉄があったら,鉄はもうそれ以上は溶けないことがはっき
りし て いる 。
こ の 表の 場合 は ,鉄 の重 さ が 3g で 塩酸 の体 積 が 5cm3 の と き に, 鉄は 1g 溶 け残 る こと が
わか る から ,3 - 1 = 2(g)の 鉄が 使 われ た 。よ って , 次の よう な ぴっ た り反 応式 に なる 。
鉄
2g
+
塩酸
5cm3
→
水素
さ ら に表 を見 る と, 鉄の 重 さが 3g で 塩 酸の 体 積が 2.5cm3 の と き に, 鉄は 2g 溶 け 残る こ
とも わ かる 。3 - 2 = 1(g)の 鉄が 使 われ た 。鉄 1g と ,塩 酸 2.5cm3 が ぴ っ たり 反 応す るこ と
がわかったが,これはぴったり反応式のちょうど半分になっている。つまり,ぴったり反
応式 の 確か めが で きた こと に なる 。 (新 し いこ とは 何 もわ か らな かっ た )
そ れ で は, いよ い よ表 のア やイ に あて は まる 数字 を 求め よう 。
- 23 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
鉄 の重 さ (g )
9
イ
塩 酸 の濃 さ(A を基 準 とす る ) A の 2 倍 A の 3 倍
塩 酸の 体 積(cm3 )
ア
25
溶 け残 った 鉄 の重 さ (g )
1
12
ま ず はア につ い て考 えよ う 。鉄 は 9g あっ て ,1g が溶 け 残っ たの だ から ,9 - 1 = 8(g)
が使 わ れた こと に なる 。ぴ っ たり 反 応式 に書 き こむ と,
鉄 +
2g
↓4倍
8g
塩酸
5cm3
→
水素
よ っ て, 塩酸 も 4 倍 必要 に なり ,5 × 4 = 20(cm3 )。
し か し , 表に は 塩酸 の濃 さ がA の 2 倍と 書 いて あ った 。よ っ て, 塩酸 は 20cm3 も 必要 が
なく , 20 ÷ 2 = 10(cm3 )で OK であ る こと が わか る。 こ れが アだ 。
次 に , イ に つ い て 考 え よ う 。 A の 3 倍 の 塩 酸 が 25(cm3 )あ っ た 。 こ れ は , A の 濃 さ の 塩
酸が 25 × 3 = 75(cm3 ) あ るの と同 じ 働き 。
鉄
2g
+
塩酸 →
5cm3
↓ 15 倍
75cm3
水素
鉄 は ,2 × 15 = 30(g)が 溶け た こと にな る 。表 を見 る と, 溶 け残 った の が 12g ある の だ
から , はじ めに 30 + 12 = 42(g)あっ たこ と にな る 。
(4)
水酸化ナトリウム水溶液は,鉄に加えても溶けないが,アルミニウムに加えると溶けて
水素 が 発生 する 。
(5) 1.
ア ルミ ニ ウム 0.8g の と きと , 鉄 1.5g のと き では , 残っ た粉 の 重さ はど ち らも 1.1g で 等
し い。 よ って この 文 は正 し い。
2. 早 い か 遅 い か は , 時 間 に 関 す る グ ラ フ が な い 限 り 判 断 で き な い 。 よ っ て グ ラ フ か ら は
わ か らな い 。
3. アル ミ ニウ ムの グ ラフ で ,折 れ曲 がっ て いる の は 0.8g の と ころ 。
鉄 の グラ フで , 折れ 曲が って い るの は 2.5g の と こ ろ。
よっ て, 次 のよ う なぴ っ たり 反応 式に な る。
塩酸 +
5cm3
アル ミ ニウ ム
0.8g
→
水素
塩酸 + 鉄
5cm3
2.5g
→
水素
塩酸 + 鉄 →
5cm3
2.5g
↓ 1 倍 ↓ 0.6 倍
5cm3
1.5g
水素
い ま ,塩 酸 は 5cm3 , アル ミニ ウ ム は 1.5g, 鉄 は 1.5g あ っ た。
塩酸 +
5cm3
↓1倍
5cm3
アル ミ ニウ ム
0.8g
↓ 1.875 倍
1.5g
→
水素
割 合の 小 さい 方に 合 わせ る のだ から ,
- 24 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
塩酸 +
5cm3
↓1倍
5cm3
-水溶液と金属-
アル ミ ニウ ム →
0.8g
↓ 1.875 倍 1 倍
1.5g 0.8g
水素
塩酸 + 鉄 → 水 素
5cm3
2.5g
0.6 倍 ↓ 1 倍 ↓ 0.6 倍
3cm3 5cm3
1.5g
よ っ て ,ア ルミ ニ ウム のと きに は 塩酸 は 5cm3 全 部 使わ れ たが ,鉄 の とき には 塩 酸が 3cm3
しか 使 わ れな かっ た 。よ って ,使 わ れた 塩 酸の 体積 は 等し くな い こと が わか った 。
答
(1)→ ア ,ウ
(2)A →ア , B→ オ
(3)ア→ 10,イ → 42
(4)水 酸 化ナ トリ ウ ム水 溶 液
(5)1 → A, 2 →C , 3 → B
こ こか らは , むず かし い 問題 2 題。 しっ か り解 いて い こう 。
入試問 題5
同 じ 重さ の 2と 種類 の 金属 が あり ます。そ こ に同 じ濃 度 の塩 酸 60
を 加え ると , ど
ちら の 金属 も溶 け それ ぞれ 気 体を 発 生し ます。一 方の 金 属(金 属① )から は 10
の気
体が 発 生し,も う一 方の 金 属(気 体② )から は 30
の 気体 が発 生 しま し た。 (実験 1)
次 に ,金 属① ② の重 さを 2 倍 に して 同じ 実 験を 行 った とこ ろ 金属 ①は す べて 溶 けて
20
の 気体 が発 生 しま した 。金属 ② は一 部の 金 属が 溶 け残 り,気 体が 45
発生し
まし た 。金 属① を 溶か した 塩 酸に さ らに 金属 ① を加 えて も ,ま っ たく 溶け ま せん でし
た。 (実験 2)
実 験 1 と実 験 2 に つい て 以下 の問 い に答 え なさ い。
(1)
発生 し た気 体名 を 漢字 で 答え なさ い 。ま たこ の 実験 で ,そ の気 体 を集 める と きの
集 め方 を 何と
いい ま すか 。 次の ア~ ウ から 一つ 選 び記 号 で答 えな さ い。
ち か ん
ア 上 方置 換
イ 下 方置 換
ウ 水 上 置換
(2)
実験 2 で塩 酸 60
重 さの 何 倍で すか 。
と 完全 に 反 応し た金 属 ②の 重さ は, 実 験 1 で用 い た金 属② の
(3) 塩 酸 60
に 実験 1 と 同じ 重 さの 金属 ① を溶 かし た 後, 金 属② を加 え たと き溶 け
る 重さ は ,実 験 1 で用 い た金 属② の 重さ の何 倍 で すか 。ま た, 金 属② を加 え たと き
発生する気体は何
で す か。
(4)
金属 ① と金 属② を それ ぞ れは じめ の 重さ の 2 倍に し て合 わせ た もの をす べ て溶 か し
きるには塩酸は何
必 要 です か。
(豊島 岡 女子 学園 中 )
- 25 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
解説
(1)
塩酸とアルミニウム・あえん・鉄・マグネシウム,水酸化ナトリウム水溶液とアルミニ
ウム ・ あえ ん(加 熱)で 発生 す る気 体 は水 素。水 素は 水 にと けに く いの で 水上 置換 で 集め る。
(2)
金 属 ②に つい て の, 実験 の 内容 を 整理 して み よう 。
実 験 1 で は , 金 属 ②は す べ て 溶 けた 。 金 属 ② をす べ て と か す と ,30
の水素が発生す
るこ と がわ かっ た 。
実 験 2 で は , 45
の 水素 が発 生 し たこ れは , 実験 1の ,45 ÷ 30 = 1.5(倍 )だ 。
と い うこ とは , 金属 ②も , 実験 1 の 1.5 倍の 重 さが 反応 し たこ と にな る 。
(3)
ま ず ,金 属① に つい て考 え てみ よ う。
実 験 1で は,
塩酸
60
+
金属①
1
→
水素
10
これ は ぴっ たり 反 応式 と は限 らな い 。
金属①は全部溶けたが,塩酸は全部使ったとは限
ら ない 。
実 験 2で は,
これ は ぴっ たり 反 応式 だ 。
金属①は全部溶けた。しかも,さらに金属①を加
えても,もう溶けなかったということは,塩酸を全
部 使い 切 った とい う こと だ 。
次 に ,金 属② に つい て考 え てみ よ う。
実 験 1で は,
これ は ぴっ たり 反 応式 で はな い。
塩酸 + 金属② → 水素
金属②は全部溶けたと書いてあるが,塩酸は全部
60
1
30
使 った と は限 らな い から だ 。
塩酸
60
+
金属①
2
→
水素
20
実 験 2で は,
塩酸
60
+
金属②
2
→
水素
45
塩酸
60
+
金属②
1.5
→
水素
45
これもぴったり反応式ではない。金属②がぴった
り 使わ れた わ けで は なく ,一 部 が溶 け残 っ たと 問 題
文 に書 いて あ るか ら だ。で も,(2)で求 めた よ うに,
金 属② は 1.5 だ け使 われ た はず だ 。だ から ,
これ が ぴっ たり 反 応式 だ 。
金 属 ①と 金属 ② のぴ った り 反応 式 は, 次の よ うに なっ た 。
塩酸
60
+
金属①
2
→
水素
20
こ の 問題 では ,ま ず塩 酸 60
塩酸 +
60
↓1倍
60
塩酸
60
+
金 属②
1.5
→
水素
45
に 金属 ① を1 だけ 溶か し たの だ から ,
金属① → 水素
2
20
↓ 半分
1
- 26 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
割 合 の小 さい 方 に合 わせ る のだ か ら,
塩酸 + 金属① → 水素
60
2
20
↓ 1 倍 半分 ↓ 半分
60
1
30
よっ て, 60 - 30 = 30
塩酸 +
60
↓ 0.5 倍
30
金属②
1.5
→
の 塩酸 が 残る こ とに なる 。さ ら に金 属 ②を 加 える と,
水素
45
塩酸 の体 積 が 0.5 倍だ か ら, 金属 ② の溶 け る重 さ も 0.5 倍 に な り, 1.5 × 0.5 = 0.75。
また ,発 生 する 水素 の 体積 も 0.5 倍 に なり , 45 × 0.5 = 22.5
とな る。。
(4)
金 属 ①と 金属 ② のぴ った り 反応 式 は, 次の よ うに なっ た 。
塩酸
60
+
金属①
2
→
水素
20
塩酸
60
+
金 属②
1.5
→
水素
45
い ま は , 金 属 ① も ② も , は じ め の 重 さ (1 )の 2 倍 , つ ま り 2 に す る の だ か ら, 金 属 ① の
ぴっ た り反 応式 は ちょ うど O K。 金 属② のぴ っ たり 反応 式 は,
4
4
4
2 ÷ 1 .5 = (倍 )に す る 。 必 要 な 塩 酸 も 倍 に な る の で , 6 0 × = 8 0
になる。
3
3
3
よ っ て , 必 要 な 塩 酸 の 体 積 は全 部 で , 6 0 +8 0 = 1 4 0
に なる 。
答
(1)気 体 →水 素,記号 →ウ
(2)→ 1.5 倍
- 27 -
(3)→ 0.75 倍,22.5
(4)→ 140
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
入試問 題6
ふく
次 の 5 種類 の 固体 ア ~オ を すべ て含 む粉 末 状の 混 合物 Aが 6.0 g あ る 。
ア 鉄
イ 鉄を 燃 やし て でき た固 体
ウ 銅
エ アル ミ ニウ ム
オ ア ルミ ニ ウム を燃 や して で きた 固体
よう
混 合 物A の 3.0 g にじ ゅ うぶ んな 量 のこ い 水酸 化ナ トリ ウ ム水 溶 液を 加 える と, 気体
を発 生 しな がら 混 合物 の一 部 がと け た。 ① 発 生し た気 体を 集 めて , ② そ の体 積を はか る
と 105cm3 で あっ た 。 ③ とけ ずに 残 った 固体 B をわ け取 り ,じ ゅう ぶ ん乾 燥 させ てか ら そ
の重 さ をは かる と 2.0 g で あっ た。 こ の実 験 とは 別に ,混 合 物A の 3.0 g にじ ゅ うぶ ん な
量の う すい 塩酸 を 加え たと き 発生 し た気 体を 集 める と, 体 積は 160cm3 で あ っ た。 この と
き, と けず に残 っ た固 体C を わけ 取 り, じゅ う ぶん 乾燥 さ せて か ら重 さを は かる と 0.6 g
であ っ た。
な お ,固 体ア ~ オに つい て ,次 の Ⅰ~ Ⅳの こ とが わか っ てい る 。
Ⅰ . 固体 イは , こい 水酸 化 ナト リ ウム には と けな いが , うす い 塩酸 には と けて 水溶 液
に なる 。こ の とき 気体 は 発生 し ない 。
Ⅱ . 固体 オは , うす い塩 酸 にも , こい 水酸 化 ナト リウ ム 水溶 液 にも とけ て 水溶 液に な
る が, どち ら の場 合も 気 体は 発 生し ない 。
Ⅲ . 固体 ア~ オ の中 で, う すい 塩 酸と こい 水 酸化 ナト リ ウム 水 溶液 のど ち らに もと け
て 気体 を発 生 する 固体 が ある 。 どち らの 場 合も 発生 す る気 体 の体 積は 固 体の 重さ に
比 例し ,0.10 g の 固 体か らは 140cm3 の 気体 が 発生 した 。
Ⅳ . 固体 ア~ オ の中 で, う すい 塩 酸を 加え た とき だけ 気 体を 発 生す る固 体 があ る。 こ
の 場合 ,発 生 する 気体 の 体積 は 固体 の重 さ に比 例し , 0.10 g の固 体 から は 44cm3 の
気 体が 発生 し た。
問1
下 線部 ① につ い て, 発生 し た気 体の 名 まえ と ,そ の気 体 を集 める の に適 す る方 法
の 名ま えを 書 きな さい 。
問2
下 線部 ② につ い て, 集め た 気体 の体 積 をは か るの に適 す るガ ラス 器 具の 名 まえ を
書 きな さい 。
問3
下 線部 ③ につ い て, 固体 を 水溶 液か ら わけ 取 る方 法の 名 まえ を書 き なさ い 。
問4
固 体B に 含ま れ てい るも の をア ~オ か らす べ て選 び, 記 号で 答え な さい 。
問5
固 体C は ア~ オ のう ちの ど れで すか 。 記号 で 答え なさ い 。
問6
混 合物 の A 3.0 g 中に 固 体オ は何 g 含ま れて い まし た か。
問7
混 合物 の A 3.0 g 中に 固 体ア は何 g 含ま れて い まし た か。
問8
混 合物 の A 6.0 g 中に 固 体イ は何 % 含ま れて い まし た か。
(灘 中 )
- 28 -
す ぐ る ゼ ミ ・ 理 科 ・ 徹 底 攻 略 シ リ ー ズ (2)
-水溶液と金属-
解説
問1
問2
問3
問4
問5
問6
水酸 化 ナト リ ウム 水溶 液 は, アル ミ ニウ ム をと かし , 水素 を発 生 する 。
水 素 は水 にと け にく いの で ,水 上 置換 で集 め る。
体積 を はか る には ,メ ス シリ ンダ ー を使 う 。
水に と けて い るも のと と けて いな い もの を 分け る方 法 を, ろ過 と いう 。
水酸 化 ナト リ ウム 水溶 液 はア ルミ ニ ウム を とか し, ア ルミ ニウ ム を燃 や して でき た 固
体 (酸 化 アル ミ ニ ウ ム )も とか す と 書 い て あ った (Ⅱ )の で , と けず に 残 った も のは ア・ イ ・
ウ。
塩酸 は 鉄も ア ルミ ニウ ム もと かし , 鉄を 燃 やし てで き た固 体(酸 化鉄 )や アル ミニ ウ ム
を燃 やし て でき た固 体 (酸 化 アル ミ ニウ ム)も とか す と書 い てあ った (Ⅰ・ Ⅱ )の で ,と け
ずに 残っ た もの はウ だ け。
問題 を しっ か り読 んで , 書い てあ る こと を まと めて お こう 。
A3.0g に 水 溶 液を 加え たと き の 変化
水 酸化 ナト リ ウム
水 溶液
塩
と け るか
ア
イ
ウ
エ
鉄
酸 化鉄
銅
アルミニウム
オ
酸化
アルミニウム
×
×
×
○
○
水 素 発生
×
×
×
○
×
と け るか
○
○
×
○
○
酸
水 素 発生
○
×
↑
3
0.1g あ たり 44cm 発 生
×
○
×
発生
した
水素
105
3
cm
160
cm3
残 っ
た量
B
2.0g
C
0.6g
↑
3
0.1g あ た り 140cm 発 生
上 の表 の ,水 酸化 ナ トリ ウ ム水 溶液 に とか した と きの よ うす を見 る 。
3
3
水 素は エか ら だけ しか 発 生し な かっ た。 発 生量 は1 0 5 cm で ,0 .1 g あ たり 1 40 cm
発 生す るか ら,1 05 ÷ 14 0= 0 .75 (倍)。エの 重 さは,0 .1 ×0 .75 = 0.0 7 5(g)。
と こ ろ で , 残 っ た 量 は 2 g だ か ら , と け た 量 は , 3 - 2 = 1 (g)。 と け た の はエ と オ だ か
ら,エと オ の和 が1 g。エは 0 .07 5 g だっ た。オの 重さ は,1- 0 .07 5 =0 .9 25 (g)。
3
問 7 水 酸化 ナ トリ ウム を 加え た とき は, 水 素は 10 5 cm 発 生 した 。
塩 酸を 加 えた とき は ,水 素 は1 60 cm3 発 生し た。
塩 酸を 加 え た と き の 方が 発 生 量 が 多い の は , 塩 酸 を加 え た と き は アも と け て水 素を 発 生
する から 。
ア は, 塩 酸に とけ て 1 6 0- 1 05 =5 5 (cm3 )の水 素 が発 生す る こと がわ か った 。
3
と ころ で ,ア は, 0 .1 g あた り 44 cm の 水 素 が発 生す る 。
3
い ま, 5 5 cm 発 生 した のだ から , 55 ÷ 44 =1 .2 5(倍 )。
ア は, 0 .1× 1.2 5 =0 .1 25 (g)の 重 さ。
問 8 塩 酸 を 加 え た と き , と け 残 っ た 0 .6 g と い う の は , ウ の 重 さ 。 (ウ だ け が と け 残 っ た )
A 3 g の うち,ア は 0.1 25 g で (問7 ),ウ は 0.6 g,エ とオ の 和は 1 g(問 6の 解説 )。
よ って , イの 重さ は ,3 - (0 .1 25 +0 .6 +1 )=1 .27 5 (g)。
イ は A 3 g 中 に1 .2 75 g 含 まれ て いる の 。1 .27 5 ÷3 =0 .4 25 → 42 .5%
も ち ろん ,混 合 物A 6.0 g の 中に も ,イ は 同じ 割合 でふ く まれ て いる 。
答
問 1(気 体)水素 (方 法 )水 上 置換 (法)
問 2 → メス シ リン ダー
問 3 → ろ過
問 4 →ア , イ, ウ
問 5 →ウ
問 6 → 0.925 g
問 7 → 0.125 g 問 8 → 42.5 %
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