独立行政法人 情報通信研究機構(NICT) 北陸StarBED技術

NETWORK SUCCESS STORY
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)
北陸StarBED技術センター
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)北陸 StarBED 技術セ
ンターは、最先端の大規模テストベッドと長年培ったネットワーク・エ
ミュレーション技術によって、新世代の ICT(情報通信技術)システ
ムに関する研究開発を推進している。ここでは、第 3 期プロジェクト
『StarBED3』を支えるネットワークインフラとして、ブロケードの超高
密度スイッチング・ルータと 100 ギガビットイーサネット・モジュール
を導入し、きわめて複雑なネットワークトポロジをとる高度な実験にも
柔軟に対応可能なテストベッドを実現した。
100GbE による
超高密度レイヤ 3 ネットワーク
課 題
NICT 北 陸 StarBED 技 術センターは、日々進
化を遂げている ICT 技術の研究開発プロセスを
支援するために、複雑なネットワーク構成への対
応、大容量トラフィックに対する安定的な処理、
そして最先端テクノロジの早期導入という使命を
担っている。同センターは、第 3 期プロジェク
ト『StarBED3』に向けた最新のテストベッドを
構築するにあたり、こうした数々の技術要件を満
たすネットワークを構成する必要性に迫られてい
た。ここでは、多数のサーバを少数の筐体で集約
可能な超高密度設計と最先端の 100 ギガビット
イーサネット技術をいち早く導入できる次世代型
のスイッチング・ルータに着目した。
導入製品
• Brocade MLXe-32 スイッチング・ルータ
ソリューション
多数のサーバを相互に接続するコアルータとして
Brocade MLXe-32 スイッチング・ルータを配
置することで、きわめて高いルーティング性能を
備えたレイヤ 3 ネットワークを構成
メリット
• 多数のサーバを遅延なくスピーディーに接続で
き、カスケードを持たない超高密度のネットワー
ク環境を実現した。
• スイッチング・ルータ間は、最も先進的な 100
ギガビットイーサネットによる接続環境をいち早
く導入できた。
• 地球規模のネットワークを模倣した、きわめて
複雑なトポロジーを構成するネットワーク実験
もスムーズに実施できるようになった。
100GbE 接続をいち早く導入。
複雑かつ大規模な実験に耐える
高性能テストベッドを構築
独 立 行 政 法 人 情 報 通 信 研 究 機 構( 以 下、
NICT)は、ICT(情報通信技術)分野の研究
開発と事業振興を手がけており、全国にさまざま
な研究所や技術センターを構えている。NICT は、
通信・放送機構だった 2002 年当時に、512 台
のサーバからなる大規模インターネットシミュ
レータ「StarBED」を構築し、インターネットの
研究開発を支援するテストベッド(実際の運用環
境に近づけた試験環境)として活躍してきた。
2006 年には、研究領域をユビキタスネットワー
クへと拡大した第 2 期プロジェクト「StarBED2」
に移行し、段階的なサーバ増設によって 1000
台以上に達する国内最大規模のテストベッドへと
発展していった。
2011 年には、NICT テストベッド研究開発推進
センターの研究機関として北陸 StarBED 技術セ
ンターが開設され、それと合わせた第 3 期プロ
ジェクト「StarBED3(スターベッド・キュービッ
ク)
」がスタートしている。この StarBED3 では、
新世代の ICT システムへの対応や R&D ライフ
サイクルサポートを目標に掲げ、552 台の最新
サーバとともに、これらのサーバを相互に接続す
る超高密度スイッチング・ルータとして『Brocade
MLXe-32』が新たに導入されている。
超高密度のポート構成と 100GbE への
いち早い対応が MLXe の採用理由に
StarBED3 を支える新システムでは、少数の超高
密度スイッチング・ルータで数多くのサーバをフ
ラットに接続することがネットワークの要件とされ
た。NICT 北陸 StarBED 技術センター センター
長の三輪信介氏は、このような特殊なネットワー
ク構成を必要とする背景を「典型的なデータセン
ターでは、コア・エッジ型のカスケード構造によっ
てエッジ側に多数のポート数を確保するのが一般
的です。しかし、StarBED3 で要求される非常に
複雑な実験を行おうとすると、カスケードの段数
に応じてネットワーク性能が劣化してしまいます。
このため、できる限り多くのサーバを少数のスイッ
チング・ルータに集約する必要があったのです。
そして、多数のサーバによる膨大な通信をスムー
ズに裁けるだけの優れたスループットとパケット処
理性能も不可欠でした」と説明する。
StarBED3 では、サーバ 1 台あたり 4 ポートの
1 ギガビットイーサネット(GbE)ポートを搭載す
る計画だったことから、ルータ側には合計 2,208
ポート(= 552 台 ×4 ポート)の同時接続環境
を用意しなければならなかった。当時、1 台の筐
体でこれほどのポート数を確保できるネットワー
ク製品は入手できなかったが、業界最高レベル
の超高密度を誇る Brocade MLXe-32 なら 2
台の筐体で達成できることが分かった。ここでポ
イントになったのは、これらの筐体間を接続する
インターコネクト技術として、最先端の 100 GbE
をいち早く導入できることだった。
独立行政法人 情報通信研究機構
北陸 StarBED 技術センター
テストベッド研究開発室 副室長
北陸 StarBED 技術センター センター長
博士(情報科学)
三輪 信介氏
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サーバ
StarBED2へ
StarBED2へ
サーバ
100GE
MLXe32
サーバ250台(4 1GbE)
MLXe32
サーバ250台(4 1GbE)
1 GbE
100 GbE
国内最大規模100 GbE テストベッドStarBED3システム構成イメージ
三輪氏は、100GbE の接続環境をいち早く採用
2011 年より稼働を開始している StarBED3 の
した理由について「多数のサーバが集約された
新システムでは、最 終 的に 2 台 の Brocade
ルータ同士を接続する場合、これらのサーバが
MLXe-32 が導入された。そして、それぞれの
たった 1 台のルータ内に集約されているかのよう
MLXe-32 には 1GbE×4 ポートを備えた半 数
なネットワーク性能を引き出さなければなりませ (226 台)
ずつのサーバ群が接続されている。サー
ん。当時は、次世代のインターコネクト技術とし
バあたり4 本の物理ポートを設ける理由は、これ
て 40GbE と 100GbE が登場していましたが、 らのポートを自由に組み合わせることで、それぞれ
40GbE では通信性能にボトルネックが生じる可
の実験にあった高度なネットワーク構成を柔軟に
能性がありました。だからこそ、100GbE にこだ
とれるようにするためである。さらに、多数のサー
わってネットワーク製品を選定しましたが、その
バを集約している MLXe-32 同士は、100GbE×
当時、100GbE の接続環境を私たちの希望スケ
2 ポート(合計 200Gbps)によって相互に接続
ジュールに最終的に対応してくれたメーカーはブ
されている。そのほか、複数本の 10GbE ポート
ロケードでした」と語る。
を通じて StarBED2 世代の旧システムにも接続し
ている。これにより、新旧システムをまたがる大規
MLXe の優れた処理能力によって
模なネットワーク実験にも対応する。
地球規模の高度なネットワーク実験も可能に
NICT は、先代の StarBED2 において Brocade
2012 年 4 月現在、StarBED3 の新システムで
は、地球規模の広大なネットワークを模倣したエ
BigIron RX シリーズをすでに採用していたが、こ
ミュレーションなど、最先端のネットワーク実験が
こでの稼働実績が大きな後押しとなり、StarBED3
世代でもブロケード製品の採用を決めている。三
数多く実施されている。三輪氏は、
「インターネッ
輪 氏は、ブロケードに寄 せる強い 信 頼 感を
トを構成する AS(ISP などに相当する自律システ
「StarBED2 のときには、性能要件に関する私の
ム)は、現在 3 万 6000 以上あります。このた
要望もファームウェアの改修ですぐに応えてくれる
め、インターネット全体を実験ネットワーク上で
など、特に技術面での対応で深く協力していただ
緻密に模倣しようとすると、十数万リンクにも及
きました。今回の StarBED3 世代でも、100GbE
ぶ非常に複雑なネットワークトポロジが構成され
をはじめとする、最新の技術情報をいち早く提供し
ます。これほどの規模になると、StarBED2 では
てくれたおかげで、StarBED3 のネットワーク設計
なかなか対応しきれませんでしたが、MLXe-32
を迅速に進められました」と述べている。
で支えられた StarBED3 なら遅延なくスムーズに
実験を進められます」と笑みを漏らす。
日本主導の新世代ネットワーク技術や
OpenFlow 関連の実験環境としても期待
NICT は、ICT 分野に関わる日本で唯一の公的
機関として、現在のインターネットに代わる新世
代ネットワーク技術の研究開発にも積極的であ
る。そして、このような新世代のネットワーク向け
て開発されたプロトコルスタックやアプリケーショ
ンのスケーラビリティを検証するテストベッドとし
ても StarBED3 をさらに活用していく計画だ。
三輪氏は、NICT が手がける新世代ネットワー
ク技術の意義を「インターネットはすでに技術的
な限界を迎えつつありますが、それを乗り切るた
めに海外の後継技術を採用すれば、日本独自の
技術が皆無の状態に陥ります。そこで NICT は、
まったく新しいネットワーク技術をゼロから作り
上げていくクリーンスレート・アプローチ(白紙
からのアプローチ)によって、日本が先頭を走れ
るような独自の技術を生み出そうとしています。
すでに画 期的な技 術が次々と登 場しており、
StarBED3 上で実証実験も進められています」
と力説する。
北陸 StarBED 技術センターは、これからのクラ
ウド時代に求められる標準技術としてOpenFlow
の動向にも注目している。ブロケードは、自社製
品に対する OpenFlow への対応をすでに発表し
ており、MLXe シリーズも OpenFlow 準拠に向
けた作業が進められているところだ。
これに対し、三輪氏は「近い将来、MLXe-32
が OpenFlow に対応してくれれば、2000 ポー
トを越える OpenFlow 対応機器が手に入れられ
ることになります。そこには、500 台以上のサー
バ(プロセッシングエンティティ)が接続されて
いるため、世界最大規模の非常に面白いネット
ワーク実 験 を実 施 できるでしょう。そして、
OpenFlow に限らず、NICT がクリーンスレート
アプローチによって開発した Software-Defined
Network の新技術を検証する大規模テストベッ
ドとしても活用できたらと考えています」と将来の
展望を語る。
NICT 北陸 StarBED 技術センター Web サイト
http://starbed.nict.go.jp
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