第10号[平成26年12月発行] - 岡山県立岡山大安寺中等教育学校

岡山 大 安寺 中 等教 育 学校
相談室 便 り
(保 護者 の方 もお読 み くださ い)
★☆ ★ 第 1 0号 ★ ☆ ★
2014 年12月発 行
☆ 生 徒の 皆さ んへ ☆
2 学 期 も 終 わ り に 近 づき ま し た 。 白 鷺 祭 か ら今 日 ま で 、 振 り 返 っ て みる と た く さん の 出
来 事 が 蘇 っ て く るこ と と 思 い ま す 。 こ こ では 、 5 年 生 ( 1 期 生 )が 体 験 し た 「 自 分を 見 つ
め 直 す 」 L H R につ い て 紹 介 し ま す 。 で きれ ば 、 友 達 や お 家 の 方と ペ ア に な っ て やっ て み
て く だ さ い 。 自 分を 振 り 返 る よ い き っ か けに な り ま す よ 。 5 年 生の 人 も L H R の 時と は 相
手 を 変え て やっ て みま し ょう 。 新た な 気づ き が得 ら れる こ とで し ょう 。
★ 用意 す るも の
メ モ用 紙 筆 記 用具
★ 進め 方
次 の文 章 の空 欄 に言 葉 を入 れ て、 1 分間 で でき る だけ た くさ ん 自分 の
こ と を話 し てく だ さい 。 聴く 側 の人 は 、空 欄 に入 っ た言 葉 をメ モ して く
だ さ い。 お 互い に 役割 を 交代 し なが ら 進め ま す。
文 章は 次 の4 つ です 。
1 私は(
)で す 。
2 私は(
)で は あり ま せん 。
3 お 前 は(
) だ ! ※ 自分 に 向か っ て自 分 で言 う 。
4 私は(
)に な りた い 。
お互いに全部の質問を答え終えたら、メモを相手に返してあげましょう。
感 じ たこ と や考 え たこ と 、気 づ いた こ とを 話 し合 っ てく だ さい 。
私 た ち は 、 多 くの 人 と の 関 係 の 中 で 生 活し て い ま す 。 ど ん な 人と つ な が っ て い るか で 自
分 の 言動 が 違っ て くる と いう こ とは、少し 考 えれ ば わか り ます ね。親 と 自分 、友 達と 自 分、
先 生 と 自 分 … な ど。 相 手 や 状 況 に よ っ て 現れ る 自 分 が 異 な っ て いる の は 当 然 で し ょう 。 い
つ も 同 じ で い る 方が む し ろ 不 自 然 で す 。 また 、 私 た ち の 身 体 は 日々 変 化 し て い て 、細 胞 も
刻 々 と 生 ま れ 変 わり 、 昨 日 の 自 分 と 今 日 の自 分 は 絶 対 に 同 じ で はな い の で す 。 い わば 「 無
常 」 で あ る の が 自 分 と い う 存 在 な の で す か ら 、「 私 は ○ ○ で す 」 と 自 分 を 定 義 づ け て い く
こ と は 、 実 は と ても 難 し い こ と で す 。 大 人で も 、 1 分 間 で ど れ だけ 自 分 を 語 れ る でし ょ う
か … 。私 は 、ど れ もせ い ぜい 6 つか 7 つま で でし た 。み な さん は いか が でし た か?
「 自 分 を 見 つ め直 す 」 と は 、 自 分 の 思 考の 特 徴 や 癖 を 見 直 し 反省 す る こ と に な りが ち で
す が 、 こ の ワ ー ク は ぜ ひ 「 自 分 の 良 さ を 発 見 す る 」「 強 み を 見 つ け て い く 」 こ と に つ な げ
て ほ し い と 思 い ます 。 そ し て 、 そ の 「 良 さを 活 か し て 、 自 分 だ から こ そ で き る 何 かを 見 つ
け よ う」 と いう 意 欲に つ なげ て くれ た ら嬉 し いな と 思っ て いま す 。
新 し い 年 が 、 そこ ま で 来 て い ま す ね 。 今年 を 大 事 に 締 め く く り、 し っ か り と 振 り返 り を
し て お き ま し ょ う 。 頑 張 っ た 自 分 に ○ を あ げ ま し ょ う 。( い ま こ れ を 読 ん で い る こ と 自 体
○ で す 。) そ し て 元 気 に 新 年 を 迎 え て く だ さ い ね 。( 教 育 相 談 室 大 西 由 美 5 年 ・ 国 語 科 )
"Did you have fun today?"
"Yes, I did."
これは英語の教科書に出てきた表現です。ここ最近1年生の英語の教
科書には have fun, have a good time, enjoyなど「楽しむ」に関連した単語や熟
語が続けて出てきました。教科書に登場するキャラクターたちは日々を楽しく過ごして
いるようでうらやましいですね。
私には小学校1年生の息子と保育園に通う4歳の娘がいます。仕事から帰ったら「た
だいま」と同時に「今日楽しかった?」と尋ねています。すると「楽しかったよ~。○
○ちゃんとままごとしたんよ」「業間休みに鬼ごっこした!」と,2重音声で答えてく
れます。ニコニコしながら話してくれる姿を見て,仕事の疲れも癒され,ホッとひと安
心することができます。
ある日,いつものように玄関を入り,私が「ただいま~」というやいなや,娘が
「ママ~今日学校楽しかった?^0^」
「・・・う,うん。」満面の笑みでされた突然の質問に,わたしは驚きと動揺を隠せず,
何ともいえない答えを返してしまいました。私がいつも彼らにしている質問にすぐに答
えられないなんて・・・そして,自問自答します。「私って今日楽しかったっけ?」
子どもたちには毎日楽しく過ごしてくれることを何よりも望んでいます。それが私に
とっての安心材料です。逆はどうなんでしょう。家族が楽しく過ごしてくれるときっと
うれしいですよね。しかし,毎日楽しいことばかりではありません。学校では「今日は
授業あまりうまくいかなかったな。」家では「今日もまた散らかして・・・」うまくい
かずイライラしたり,思うようにならずモヤモヤしたり・・・何もかもスムーズにいけ
ばいいのにと思うこともしばしばです。
ある著書でこんな言葉に出会いました。
子どもは「いう通り」にならないが,「する通り」になる
大きな共感と同時に深いため息をもたらす言葉でした。「早くご飯食べなさい!」「はや
く着替えなさい!!」何度言っても私のイライラレベルを上げるだけ。なかなか言うこ
とは聞いてくれません。では「する通り」は?実際に私がイライラしているときほど,
子どもたちは落ち着きがなかったり,具合が悪くなったり。逆に私に心に余裕があると
子どもたちも笑顔が増えるんです。不思議なくらい「する通り」なっています。きっと
「楽しむ」ということもこれに当てはまるのでは?子どもたちに「楽しく過ごしなさい!」
といっても無理な話。仕事,家事,育児と毎日忙しい中でも,充実して過ごしている様
子を見せることで子どもたちには「楽しそう」と伝わってくれたらいいですね。そして,
何よりも楽しいと思えることを見つけることも大切にしたい。毎日は無理でもちょっと
ずつ・・・一日でも多く「楽しかったよ」と言えるようにしたい今日この頃です。
"Did you have fun today?" 皆さんは今日一日どうでしたか?
(教育相談係 1年英語科 竹花
『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子著 幻冬舎
博子)
2012
3学期 スクールカウンセラーの来校予定日のお知らせ
前期課程生対象 1/15(木)1/22(木)1/29(木)2/4(木)2/19(木)
2/26(木)3/5(木)3/12(木) 3/19(木)
後期課程生対象 1/28(水)2/12(木)3/24(火)
スクールカウンセラーは 倭 和子(やまとかずこ)先生です。
保護者の方のご相談もお受けします。教育相談室・保健室にお申し込み
ください。相談室も相談をお受けしています。(086-255-5013)
笑う門に来るのは福だらけ
教諭
中本
真弓
ここ1か月ほど,私はずっと風邪をひいていました。どんなに薬を飲んでも,でき
るだけ睡眠をとるようにしても,なかなか治らず,苦しみ続ける毎日でした。年をと
ると治りにくいと聞くので,「ああ,もうそういう年なんだな。」と思いました。
しかし,あるときテレビを見ていると,「笑い」が病気の予防や治療に効果がある
という話が耳に入ってきました。「そんな話,信じられるか。」と半信半疑で聞いてい
ましたが,実は医学的な根拠があるそうです。
体内に侵入してくるウィルスなど,体に悪影響に及ぼす物質を退治しているのが,
「NK細胞(ナチュラルキラー)細胞」というもので,人間の体内に50億個存在す
るそうです。これが活発に働くことによって感染症にかかりにくかったり,ガンにも
かかりにくかったりするそうです。私たちが笑ったときには,脳内で,情報伝達物質
である「善玉神経ペプチド」が生産され,血液やリンパ液を通じて体中に流れ出し、
NK細胞に付いて活性化させるそうです。しかし逆に,ストレスを感じるとNK細胞
の働きは弱くなり,免疫力ダウンにつながるのだということです。
実験結果にも明確に表れており,20~62歳の男女18名に,約3時間漫才や新
喜劇を見て大いに笑ってもらい,直前と直後でNK細胞の働きの度合いをチェックす
ると,18人中14人の人のNK細胞の活性値が上昇しました。
「笑い」は,病気を予防・治療する以外にも,脳の働きを活性化させる,血行促進,
自律神経のバランスが整う,筋力アップ,鎮痛作用など驚くべき効果があるそうです。
しかし,「笑え」と言われても,そんなに笑えることばかりではないと思う人もい
るでしょう。なんと,たとえ「作り笑い」であっても効果があるそうです。面白くな
くても,できるだけ笑顔をつくるようにしてみるとよいそうです。「めったに笑わな
いね。」と昔からよく言われてきた私だから,今回風邪に苦しみ続け,こんなに自分
の免疫力のなさを痛感することになったのだと思います。
私は,昨年度の相談室だよりで,感動で「泣くこと」をおすすめしました。これも,
ストレス解消のためにかなりよいことですが,これから,インフルエンザの流行する
時期を迎えるので,「笑い」も努力して増やしていかなくてはいけないと,この話か
ら強く思いました。
たとえ,うまくいかないこと,失敗があって笑えないときにも,「これは将来,振
り返ってみたときに笑い話になるな。」と考えると,ストレスにもなりにくいのです。
「笑う門には福来たる」ということわざがありますが,幸福感だけでなく,他のい
ろいろな福を私たちに運んできてくれる「笑い」を大切にしたいなと思っています。
(なかもとまゆみ・教育相談係・3年国語科)
「親からもらう花の種」
教諭 田上 桂子
私が最近、聞いた話でなるほど、と感じた話を書きたいと思います。私は、最近中学生の
息子を持つお父さんと話す機会がありました。そのお父さんは、息子を学校に車で送る時、
ある病院の前を通ってくるそうです。その病院の前には、いつも路上駐車している車があり
ました。そのためその道路は、よく交通渋滞になることが多かったそうです。そんな状態を
みたお父さんは、息子に聞きました。
「渋滞の原因は、あの路上駐車している車のせい。じゃ
あ、あの車は、悪い車なのかな?」息子は、答えます。
「みんなの迷惑になっているし路上駐
車は、良くないから悪い車なんじゃないかな?」とそんな会話をしている時、一台の車が病
院の前に停車しました。そして中からは、まだ小さな子供を抱いた母親が急いで病院に駆け
こんでいきました。その光景を見たお父さんは、さらに息子に質問をしました。
「じゃあ、今
の母親のように一刻も早く病院で受診しなければいけない人があそこに車を止めるのは、本
当にいけないことなんだろうか?」
息子は、
この質問をされて考え込んでしまったそうです。
確かにこの話の中で交通ルールから見れば、病院の前に車を止めることは、悪いことにな
ります。しかし、病院に一刻も早く着かなければならない人からすれば、そこに止めてでも
病院に行こうとするのは、やむを得ない事になるのではないでしょうか。
お父さんが息子に伝えたかったのは、良いか・悪いかだけで物事を考えては、いけないと
いうことを伝えたかったのです。
物事の見え方は一つではないということ、見る方向によって同じことでも見え方やとらえ
方は変わってくるということです。そんな、話を聞きながら自分が思っていることをこれか
ら大きく育っていく息子に伝えているお父さんと息子の関係は、とてもいい親子関係だなと
思うと同時に素敵だなと感じました。きっと中学生の彼も様々な経験を通して大人となり社
会の一員として働いていきます。彼が様々な場面で物事を判断する際に、きっとお父さんが
話したことは、彼が判断するうえで重要なものになるのでしょう。
親とは、子供に様々な種を与えることができるのだと、色んな種を子供に与え、それを子
供がどんな花に咲かせるのか楽しみにしているのです。また、親は出来る限り多くの種を子
供に渡したいと考えているのではないでしょうか?お父さんの話を聞きながら、私は自分の
娘にどんな種を渡せるのだろうか、どんな花を咲かせてもらいたいだろうかと考えました。
私が娘にあげられるものは、自分が今まで経験してきたことしかありません。何を伝えどう
判断してもらうか、自分が経験してきた中でここだけは、考えてほしいというものを子供に
伝えているのでしょう。きっと、皆さんも普段の生活の中で保護者の方から様々な種をもら
い自分の中で育てている最中でしょう。どの種を大きく育てるのかは皆さんが判断するしか
ありません。
最後に多くの事が良いか・悪いかだけでは、判断できないこともあるということを覚えて
おいてほしいです。その中でより良い選択をし、自分の種を育ててください。
(たのうえけいこ・教育相談係 2年保健体育科)