Success STORIES Success STORIES アトメルジャパン合同会社 アトメルジャパン合同会社 AtmelがCortex™-M系マイコンファミリを拡充。 開発環境 Studio 6を通じて 使いやすさを追求。 るとともに、Ethernetをはじめとするコネクティ タおよび 10 ビット /350kSPS の D/A コンバータ、 ビティ機能を充実させた点が特徴である。 16 ビット× 2 または 32 ビット× 1 に構成を変え インダストリアル、M2M (Machine-to-Machine) 、 られるタイマー / カウンタなどを内蔵する。A/D ビルマネージメントシステムやホームマネージ 8ビットの AVR マイコンで有名な Atmel は、ここ 10 年ほど、ARM® ベースのマイコン製品およびマイクロプロセッサ製品の拡充を進 コンバータは上位品種の「SAM D20J」の場合で メントシステム、スマートエネルギーなど、高 めている。AVR シリーズで培ったローパワー技術などを盛り込みながら、ローエンドからハイパフォーマンスまでバランス良く品種 20 チャネルと多いので、センサーコントローラ 度な数値演算処理機能とコネクティビティ機能 を展開しているのが特長だ。2013 年に同社が新たに投入したのが、ARM Cortex-M0+プロセッサを搭載する「SAM D20」と、ARM としても最適といえるだろう。 の両方が求められる分野を対象に開発されたマ Cortex-M4F プロセッサを搭載する「SAM4E」である。センサーアプリケーションやインダストリアルアプリケーションに最適なこ れら新製品の概要を紹介しよう。 EEPROM ベンダーから マイコンベンダーへ なお、こうしたペリフェラルは AVR のペリ イコンで、コア周波数は最高 120MHz だが、よ フェラルアーキテクチャを踏襲しているため、 り高い周波数の品種も検討中である。「SAM3 シ AVR ユーザーが「SAM D20」に乗り換えた場合 リーズよりも高い性能を必要とするお客様から でも使いやすく感じられるはずだ。 引き合いが来ています」とガン氏は説明する。 マイコンベンダーとしての地位を固めつ 限り停止してパワーを抑える Atmel 独自の技術 つある同社が最近力を入れているのが、ARM 「SleepWalking™」な ど を 組 み 合 わ せ て、 業 界 キットが用意される(39 ドル)。デバッガ・プ 応した 10/100M Ethernet × 1 のほか、CAN × 2、 ベ ー ス マ イ コ ン の ポ ー ト フ ォ リ オ の 拡 充 だ。 トップレベルの低消費電力動作を実現した。消 ログラマを搭載し、USB パワーで動作するので USART × 4、USB Full Speed × 1、最高 33Mbps 評価ボードとしては「SAM D20 Xplained Pro」 コネクティビティとしては、IEEE 1588 に対 白物家電をはじめとしてさまざまな組込み 「Smart ARM-based Microcontrollers」を略した 費電流は通常の動作モードでは 150μA/MHz と 「SAM D20」の機能を手軽に試すことができる。 の SPI × 3、I2C × 2 の各インタフェースが搭載さ 用途に用いられている Atmel のマイコン。有名 「SAM」と い う ブ ラ ン ド で、ARM Cortex-M3 プ 小さく、タッチコントローラの動作を維持する また、アプリケーションノートやデザインガイ れる。暗号化 AES エンジンも組み込まれている な「AVR」マイコンのほか、同アーキテクチャ ロセッサを搭載した「SAM3」ファミリや ARM スリープモードでは 10μA 以下、さらに RTC と ドなどのドキュメント類ももちろん提供される。 ため、セキュアなリンクを確立できる。 をベースにしたタッチコントローラマイコン Cortex-M4 プロセッサを搭載した「SAM4」ファ 内蔵 RAM の状態を保持するモードでは 2μA に 「maxTouch」シリーズを含めると、同社のマイ ミリを展開するとともに、ARM926EJ を搭載し まで下がる。いずれも競合製品に比べて優れ コン業界でのシェアはワールドワイドで 3 位な た「SAM9」ファミリなどの上位製品も積極的に た数値だ。なお、動作電圧は 1.8V から 3.3V ± いし 4 位のポジションにあるといわれている(同 提供している。 10%である。 社調べ) 。 Cortex-M0+ 搭載の SAM D20 ファミリ Atmel が 2013 年 6 月に新たにラインアップに 追加したのが、ARM Cortex-M0+ プロセッサを搭 載したローエンド向けの「SAM D20」ファミリ アトメルジャパン合同会社 フィールドアプリケーションエンジニアリンググループ シニアフィールドアプリケーションエンジニア 工学博士 ガン ワン 氏 ARM PARTNERS SUCCESS アトメルジャパン合同会社 フィールドアプリケーションエンジニアリンググループ グループマネージャー ティエリ 帝理モロ 氏 統合環境 Studio 6 が 使いやすさを保証 センサーアプリケーションを想定して、12 Cortex-M4F 搭載の SAM4E ファミリ ビット /1MSPS の A/D コンバータを 2 系統内蔵 Atmel は「SAM D20」や「SAM4E」を含むす した。入力マルチプレクサの働きにより最大 24 べてのマイコン製品を対象に「Atmel Studio 6」 チャネルをサンプリング可能だ。また、デジタ という統合開発環境を無償で提供している。各 「SAM D20」の 特 徴 的 な 機 能 の ひ と つ が Atmel は ARM Cortex-M4F プロセッサを搭載 ル平均化機能を使うと、サンプリングレートは ペリフェラルに対応したドライバのライブラリ 「SERCOM」と呼ぶ「シリアル・コミュニケー した「SAM4E」ファミリもラインアップに追加 下がるが、実効分解能を最大 16 ビットに高めら 「Atmel Software Framework(ASF)」をツリー ション・モジュール」だ。内蔵のシリアルモ した。浮動小数点ユニットを持つ ARM Cortex- れるため、入力信号のダイナミックレンジが広 から簡単に参照できるなど、使い勝手に優れて ジ ュ ー ル を、 最 高 400kHz の I C イ ン タ フ ェ ー M4F プロセッサを同社製品として初めて採用す いアプリケーションにも適当だ。 いるのが特徴だ。 「Studio 6 のダウンロード数は 2 44 エ ン ジ ン、12 ビ ッ ト /350kSPS の A/D コ ン バ ー ス、最高 24Mbps の SPI、または最高 24Mbps の リリースから半年で 25 万回を超え、ユーザーか USART のいずれかに設定できる。 らも高い評価を得ています」と、同社グループマ また、AVR マイコンでおなじみとなっている ネージャーの帝理モロ氏は言う。8 ビットの AVR である。最高動作周波数は48MHzで、 「CoreMark」 「ペリフェラル・イベント・システム」と呼ぶ独 マイコンから32ビットのSAMシリーズまで統一 ベンチマーク値は最大 2.14 である。 「AVR マイ 自機能も搭載した。内蔵の GPIO、タイマー / カ した環境でソフトウェアを開発できるのも同社マ コンで培った内部アーキテクチャや設計しや ウンター、非同期タイマー(RTC) 、アナログコン イコンポートフォリオの訴求点のひとつだろう。 すさを継承したマイコンです」と、同社シニア パレータ、A/D コンバータおよび D/A コンバータ、 フィールドアプリケーションエンジニアのガン タッチコントローラ間で、マイコンコアを介さ ているという安心感が当社の魅力であり、製品 ワン氏は述べる。 ずにデータをやりとりできるのが特徴だ。コア 選定時の検討対象からは外せないというお客様 の処理をオフロードできるほか、消費電力の低 も少なくありません」と帝理氏は述べる。 た と え ば ロ ー パ ワ ー 技 術 も そ の ひ と つ だ。 ARM Cortex-M0+ プロセッサはもともとローパ ワーを謳っているが、さらに内部動作を可能な 実際に「マイコン業界でトップグループを走っ 減や転送に伴うレイテンシの最小化が図れる。 このほか、静電容量式タッチコントローラ 今後もこうした製品ラインアップの拡充に SAM4E 開発キット「SAM4E-EK」 よって顧客のニーズに応えていく考えだ。 ARM PARTNERS SUCCESS 45
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