改 革 か ら 進 化 へ

(案)
改 革
か ら
進 化
県 立 中 央 病 院
地域貢献の進化
新 成 長 戦 略
経営システムの進化
へ
県立つくしが丘病院
医療機能の進化
処遇困難領域に対
する精神科医療の
実施
4 つ の 柱
施設インフラの進化
挑 む
精神科医、精神保
健指定医の育成・
招聘
青 森 県 病 院 局
外来等を中心に
した精神科医療の
拡充
4 つ の 柱
財務状況の改善
目
第1
次
基本方針
1
県立病院経営計画の骨子
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2
取組の方針
(1) 県立中央病院『新成長戦略
4つの柱』 ・・・・・・・・・・・・
1
(2) 県立つくしが丘病院『挑む
4つの柱』 ・・・・・・・・・・・・
2
3
計画期間
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
4
計画の目標
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
5
計画の管理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
第2
県立中央病院『新成長戦略
4つの柱』の概要
・・・・・・・
3
第3
県立つくしが丘病院『挑む
4つの柱』の概要
・・・・・・・
15
第1
基本方針
1 経営計画の骨子
青森県病院局は、2011 年度から 2014 年度までの、4年間の経営計画(新成長プラン)を策定しました。
本計画は、これまでの「県立病院改革プラン」
(平成 19 年度∼平成 22 年度)を発展的に見直し、病院局の新たな進化をテーマとして
います。
それは県立病院のミッションを、「改革」という「負の遺産との戦い」から、「進化」という「新たな価値観の創造」へ展開していくも
のです。
基本コンセプトは、
「開かれた県立病院 新たな医療モデルを目指す県立病院」です。
2 取組の方針
(1) 県立中央病院『新成長戦略 4つの柱』
新成長戦略として「地域貢献の進化」、「医療機能の進化」、「経営システムの進化」、「施設インフラの進化」を4つの柱と位置付け、
個別事業を計画的に進めていきます。
① 地域貢献の進化
新成長戦略の最も重要なテーマとして掲げており、医療連携、情報発信、地域医療支援等について、人的交流を含め、他の医療機
関との連携を一層強固なものに作り上げつつ、更に開かれた病院へ進化していきます。
② 医療機能の進化
県民の皆様から期待の大きい、高度医療、専門医療、救急医療等についても引き続き取り組んでいくことで、信頼される病院へ進
化を続けていきます。
③
④
経営システムの進化
最適な医療を提供するための必要な投資を行うとともに、
効率的な経営システムへと進化を遂げながら、経営改善を続けていきます。
施設インフラの整備
近未来の医療システム・病院経営システムに対応できるよう、基盤整備を積極的に推進していきます。
また、施設資源を有効に活用する等、医療環境の改善に取り組みます。
-1-
(2) 県立つくしが丘病院『挑む 4つの柱』
本県唯一の県立精神科病院として、「処遇困難領域に対する精神科医療の実施」、「外来等を中心にした精神科医療の拡充」、「精神科医、
精神保健指定医の育成・招聘」、「財務状況の改善」について、将来目標に向け取り組みを進めていきます。
①
処遇困難領域に対する精神科医療の実施
措置入院・応急入院等の処遇困難症例への対応に加えて、精神障害者の社会復帰の推進につながる、精神科急性期治療機能の充実
等にも取り組んでいきます。
②
外来等を中心にした精神科医療の拡充
入院医療中心から外来医療中心へという精神科医療の方向性は、外来機能の充実・強化を前提としており、児童青年期外来の開設、
外来患者に対する作業療法の実施、再入院防止と地域生活支援を目的とした訪問看護の充実等々、各種の外来患者サービスの提供と
併せて取り組んでいきます。
③
精神科医、精神保健指定医の育成・招聘
県立つくしが丘病院の取り組みを全国に発信するとともに、県内外の若手医師に対して、次世代の医療モデルを具体的にかつ積極
的に示していくほか、精神保健指定医の育成に役割を果たしていきます。
④
財務状況の改善
精神科病院の経営は、診療報酬制度上難しい経営を強いられる構造になっていますが、地方公営企業法全部適用メリットを生かし
つつ、県立中央病院との協力関係を築きながら、収益性の向上と費用の節減に取り組んでいきます。
3 計画期間
平成 23 年度から平成 26 年度までの4か年とします。
4 計画の目標
(1) 県立病院として期待される医療機能の強化を図ります。
(2) 良質な医療を提供していくため、経営の一層の効率化を図ります。
5 計画の管理
各年度において、各種環境要因の変化への対応を含めた行動計画(短期計画)を策定し、計画を着実に実行していきます。
-2-
第2
県立中央病院『新成長戦略
4つの柱』の概要
A.地 域 貢 献 の 進 化
A−1
医療連携部の設置
他の医療機関との更なる連携強化や、受診される患者さんの一層の利便性向上を図るために、外来予約、地域医療連
携、患者・家族相談支援の業務を一体的に運用する「医療連携部」を設置します。
A−2
戦略的な広報活動の展開
開かれた県立病院、信頼される県立病院、魅力ある県立病院を積極的にPRするため、ホームページの充実や多様な
広報媒体の発掘などに努め、患者さん向け、医療関係者向け等、対象にあわせた情報発信を戦略的に展開します。
A−3
総合診療の充実・向上
本県の総合診療を充実・向上させるため、地域医療の担い手である総合診療医への支援を行うとともに、総合診療に
対する医療関係者や県民の理解と普及に取り組みます。
A−4
医師招聘への取組
高度医療、専門医療、救急医療、総合医療、地域医療支援等、県立病院として求められる医療機能を向上させ、新た
な医療モデルを構築する中で、魅力ある病院作りを目指します。ことに、若手医師に対しては研修体制、特に後期研修
の充実に取り組みます。
また、医師リクルート情報の一元化等、医師招聘の窓口となる体制の強化を図ります。
A−5
神経難病医療の確保
県内では神経難病の専門医が不在な地域が少なくありません。そのような地域の医療の質を高めるとともに、患者さ
んに対して専門医療を受ける機会の増加を図るため、神経難病ネットワーク外来の開設等に取り組みます。
さらに、難病医療の向上や研究の推進等を前提に、本県の難病医療体制の充実策について検討していきます。
-3-
A−6
メディコトリムの推進
脱メタボリック症候群を実現するため、医療の側からの介入プロジェクト「メディコトリム」を推進します。県民対
象のフォーラムや身近な市町村での「出張メディコ」を実施して普及に努めます。
A−7
治験の強化
わが国における最新医療の標準化に貢献するため、開発中の医薬品等の有効性や安全性を確認する「治験」に、積極
的に取り組みます。
B.医 療 機 能 の 進 化
〈がん診療センター〉
B−1 がん診療センターの機能強化
都道府県がん診療連携拠点病院として地域がん診療連携拠点病院等との連携強化を図り、技術支援や情報発信を行う
とともに、緩和ケアの推進、がんの地域連携クリティカルパスの整備等に取り組みます。更に、各診療拠点病院を中心
メンバーとしたオンコロジーセミナーを定期的に開催するとともに、診療情報の共有化に向けた基盤整備を図ります。
また、基幹病院としての業務を集約化し、各拠点病院との院内がん登録事業を効率的に運用するため、「がん診療セ
ンター企画運営室」を設置します。
B−2
外科組織体制の構築
患者の受診動向の変化を背景とした業務内容の変化や、各がん種ごとの専門性に対応するため、消化器外科、乳腺外
科等の領域について、外科組織体制の再構築を行います。
B−3
外来治療センターの充実
化学療法を行っている外来通院患者さんの急増と、今後のさらなる需要に対応するため、外来治療センターの拡張を
図るとともに、認定看護師の育成や化学療法オーダリングシステムの導入を図ります。
-4-
B−4
緩和ケアの充実強化
標準的な緩和医療(ケア)を提供するため、緩和ケア認定看護師等の育成のほか、医療連携を前提とした緩和ケア勉
強会の開催等に取り組んでいきます。
B−5
がん患者への口腔ケア
がん治療、ことに侵襲的な化学療法の開始前後の口腔診査により、感染源となる部位及び口腔清掃状態等のチェック
を実施し、必要に応じて指導や治療を行います。
B−6
血液疾患ユニットの設置
本県唯一の成人血液疾患に対する移植治療施設として、また造血器悪性疾患やその他の血液疾患に対する中核的な施
設として、専門スタッフの確保や無菌治療環境の改善等について、一層の機能強化に取り組みます。
また、HIV 中核拠点病院の指定を受け、本県の HIV 診療体制の構築や啓発活動等に貢献します。
B−7
バイオバンクの充実
がん組織や血漿その他の検体を一括保存・管理し、がん治療の開発及び研究に活用するため、専門的な知識を有する
スタッフの育成に努めます。
〈循環器センター〉
B−8 循環器センターの機能強化
心臓の機能低下によって引き起こされる身体的・精神的ダメージを、運動等によって改善するため、心臓リハビリテ
ーションの実施について地域連携を視野に入れつつ検討していきます。
さらに、緊急も含めた診療件数の増加に対応するため、将来的な方向性として、アンギオ室の増設について検討を行
っていきます。
B−9
心臓血管外科部門の強化
必要なスタッフの確保と手術件数の増加を図ることにより、お待たせしない、お断りしない心臓血管外科の実現に取
り組みます。
-5-
〈脳神経センター〉
B−10 脳神経センターの機能強化
脳卒中診療の拠点病院として、急性期医療を充実させるため、SCU(ストロークケアユニット)の整備について検討
します。
B−11
B−12
B−13
脳卒中超急性期治療への貢献
本県が全国1位となっている脳卒中死亡率の改善に寄与するため、予後に重要な意味を持つ、超急性期の治療を速や
かに提供できるよう、救急診療ネットワークの構築を目指します。
脳血管内治療への取組
増加傾向にある脳血管内治療の一層の強化に取り組みます。
臨床神経生理検査機能の強化
脳波、各種誘発脳電位(感覚、視覚、聴覚、運動)、神経伝達検査、誘発筋電図、針筋電図等の、神経生理学に係わ
る診断技術や診断精度の向上に取り組みます。
〈糖尿病センター〉
B−14 糖尿病センターの機能充実
増加する糖尿病教育入院患者に対応するため運動指導等の教育内容の充実を図るとともに、フットケア外来の実施に
取り組みます。
B−15
眼科手術の充実
糖尿病領域で増加している網膜剥離、糖尿病網膜症、黄斑円孔、硝子体出血、黄斑上膜等への対策として、硝子体手
術の一層の充実に取り組みます。
-6-
〈救命救急センター〉
B−16 救命救急センターの充実強化
救急医の計画的な増員を図るとともに、救急部、総合診療部、ICU(集中治療部)を一体的に運用して、HCU(ハイ
ケアユニット)やドクターヘリ運行への対応を行います。
〈総合周産期母子医療センター〉
B−17 NICU(新生児特定集中治療室)の機能強化
ハイリスク新生児の増加に対応するため、NICU の収容能力を段階的に向上させるとともに、小児科病棟に HCU(ハ
イケアユニット)に準じる病室を整備し、NICU からの受入れを行います。
また、成育医療に関連し、当院としてとり得る貢献のあり方について将来構想を検討していきます。
B−18
総合周産期診療医育成プログラムの開始
産科救急(ALSO)の講習会のプログラムを開始し、当院での臨床研修を終了した研修医が、地域での一般臨床を行
った際に、適切な対応ができるような研修体制を提供します。
B−19
助産機能の強化
周産期外来センターとして、当院以外で分娩を予定している紹介妊婦に対する助産外来の機能強化を図ります。
また、妊産婦と助産師(学生)が共に学ぶ環境を整備し、安全で快適な助産の提供に向けた教育システムの実施に取
り組んでいきます。
〈 リウマチ膠原病内科 〉
B−20 リウマチ診療の水準向上
本県のリウマチ膠原病診療の改善を図るためには、専門医の偏在や専門医療機関の不足を補う必要があります。この
ため、院内の診療機能の一層のレベルアップを図るとともに、病病連携によって、専門的指導を目的とした共同診療、
定期的症例カンファレンス等を実施し、センター的病院としての役割を担っていきます。
-7-
〈 婦 人 科 〉
B−21 婦人科の機能強化
婦人科悪性腫瘍の診療機能の向上に取り組むとともに、婦人科骨盤機能外来や女性専用病棟の設置等、将来的な婦人
科治療のあり方について検討していきます。
〈 リハビテーション科 〉
B−22 リハビリテーションの充実
患者さんの予後とQOLの改善を図るため、入院患者さんの多様なリハビテーションニーズに対応できる体制を整備
します。さらに、本県のリハビリテーションに関わる医療資源を視野に入れつつ、当院として担うべきリハビリテーシ
ョン機能を明確化するための将来構想を検討してきます。
〈放射線部〉
B−23 画像診断機能の強化
診療機能のレベルアップを図るため、3T-MRI や血管撮影装置等の画像診断装置を計画的に整備します。また、移動
導線の短い効率的な機器配置を実現します。
B−24
画像診断の地域支援
へき地医療をサポートするため、画像診断支援を目的としたネットワークの構築について検討していきます。
〈 病 理 部 〉
B−25 病理標本の電子化
病理標本の画像診断情報を電子化し、電子カルテ上で共有化できるようにします。
B−26
病理細胞診断業務の充実
細胞診検体の院内取り扱いの一元化を進め、検体観察の機会の増大を図ることにより細胞検査士(サイトスクリーナ
ー)の資格取得に取り組みます。
また、FISH 法を中心とした遺伝子増幅、遺伝子融合検索を取り入れます。
-8-
B−27
診断ネットワークの検討
ネットワークを利用した病理診断カンファレンスや病理相談を可能とする環境の構築について、検討を開始します。
〈臨床検査部〉
B−28 総合超音波検査室の機能強化
増加する一方の超音波検査(エコー検査)に対応するため、院内全体の必要性や緊急性を考慮しながら、検査装置の
増設、検査要員の教育とその確保に努めていきます。
〈輸血部〉
B−29 アルブミン製剤の管理
アルブミン製剤の管理や適正使用に係る業務を薬剤部ではなく輸血部において総合的に担当します。
〈手術部〉
B−30 手術室の効率化
手術待ち患者さんへの対応策として、全身麻酔以外の手術枠の拡大について検討していきます。
さらに、手術器材のキット化による周辺業務の簡素化、ピッキングリストによる手術材料の標準化、器材カート導入
による人員の配置見直し等を通じて、一層の効率化に取り組んでいきます。
〈臨床工学部〉
B−31 臨床工学部の機能強化
医療の安全性確保という観点から ME(臨床工学技士)へのニーズは増加し多様化しています。このため、計画的な
増員、幅広い技術の習得、専門性の追求等により、高度専門医療への対応を図っていきます。
〈栄養管理部〉
B−32 栄養管理業務の効率化と業務の充実
栄養管理計画書等作成業務の電子化による業務の省力化により、各種栄養指導の充実を図るとともに、NST の体制を
整備して実施します。
さらに、喫食率の向上を目的に、病棟でのサテライトキッチンを実施します。
-9-
〈 薬 剤 部 〉
B−33 薬剤業務の機能強化
全病棟における抗がん剤のミキシングに対応するとともに、薬剤管理指導への取り組み強化、病棟における薬品管理
への関与等に積極的に取り組みます。
B−34
後発医薬品切り替えの推進
後発医薬品については、第一に安定供給・安全性等を確認し、さらには他の医療機関の切り替え状況等も参考にしな
がら、積極的な切り替えを図っていきます。
B−35
医薬品の適正管理
薬剤管理業務の効率化を図るとともに、診療報酬改定による薬品費の動向に迅速に対処するため、薬剤管理のシステ
ム化を推進します。
〈 看 護 部 〉
B−36 専門性の高い人材育成
看護の質の向上、専門性の高い医療への対応、若手看護師のキャリアアップの動機づけ等を図るため、専門看護師・
認定看護師を育成するとともに、各種研修会への参加により、看護師の資質の向上を図ります。
B−37
病棟と外来の一元化
病棟と外来の情報の共有や患者さんへの指導・教育の一貫性、応援移動や緊急対応の円滑化、専門性の発揮によるケ
アの充実等を目的とし、外来診療科の再配置に伴って病棟と外来の看護業務の一元化を図ります。
〈新分野の医療〉
B−38 臨床研究への取組
当院の4センター(がん診療、循環器、脳神経、糖尿病)や各診療科における臨床研究を推進するとともに、医療レ
ベルの向上を目的とする臨床研究センターの設置も視野に入れた臨床研究体制の整備に取り組みます。
- 10 -
B−39
再生医療への取組
末梢血幹細胞採取の臨床応用が進む再生医療について、幹細胞処理、保管、管理等を行う専門的知識を持ったスタッ
フ(臨床検査部)の養成等について、院内の環境整備を図りながら取り組みます。
B−40
新たな手術方法の検討
「da Vinci サージカルシステム」等、より安全で患者さんにとって負担の少ない手術法の導入について、その可能性
を検討していきます。
B−41
感染管理組織の強化
感染管理の専門家によって構成される「感染管理室」(仮称)を設置し、迅速な危機管理対応、医療関連感染の更な
る低減、感染症診療コンサルテーションシステムによる感染症診療の支援等、感染対策機能を強化していきます。
C.経営システムの進化
C−1
経営参画意識の醸成
診療報酬制度等の各種医療保険制度や、病院経営に関する知識の習得を目的としたセミナー等を開催するとともに、
職員の意識調査等を実施して、経営参画意識の醸成に努めます。
さらに、新成長プランの進捗状況等の情報提供を行い、職員全員が同じ目的意識を共有するような環境づくりに努めま
す。
C−2
DPC 時代に対応した経営分析機能の強化
持続的かつ安定的な病院経営をサポートするため、診療内容や収益及び費用に関する経営分析システムを活用した評
価を実施するとともに、ベンチマーク手法により他医療機関との比較分析を行います。
このため、適時適切に経営管理を行うための委員会等を設置します。
- 11 -
C−3
未収金対策の強化
未収金対策として、未収金の早期納入や分割納入への相談を強化するとともに、悪質と思われる対象者については法
的な手段を講じて、回収に努めます。
また、未収金の発生防止として、休日・夜間においても請求書を発行するようにしていきます。
C−4
勤務形態の検討
職員の労働環境を改善するため、各部署の業務実態を踏まえつつ、フレックスタイム制や交替制勤務の見直し等につ
いて検討していきます。
C−5
物品管理の強化
物品管理に係わる人材の育成や、物品管理のノウハウを高め、業務の質の向上を図ります。
また、在庫管理の徹底により、期限切れ等のロスの防止、倉庫スペースの縮小、看護師の物品管理業務の負担軽減等を
図ります。
C−6
滅菌業務の強化
滅菌業務に係わる人材の育成により、品質管理の向上を図ります。
さらに、手術部の消毒・滅菌業務の中央化を推進することにより、手術部看護師の業務を軽減するとともに手術件数増
加への対応を図ります。
C−7
医師事務作業補助者の業務拡大
医師の事務作業の負担軽減と処遇改善を図るため、医師事務作業補助者の一層の活用を図ることとし、医師事務作業
補助者の業務拡大を行います。
併せて、医師事務作業補助者の業務の調整や教育等の管理全般を行う部署を明確にし、業務の質の向上に取り組みます。
C−8
看護補助者の活用
看護職員の負担の軽減及び処遇改善を図るため、病棟において入院患者の療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入
浴、移動等)を行う、看護補助者の活用を図ります。
- 12 -
C−9
C−10
経営計画の進行管理
新成長プランの着実な達成を図るため、単年度毎の短期計画を策定します。
また、県立病院経営評価会議による外部評価を実施し、達成状況等について検証を行います。
これらについては、ホームページ等を通じて広く院内外に情報公開し、開かれた県立病院となるように努めます。
経営評価指標の設定
収支計画に係わる各種経営指標を設定し、目標管理の手法により経営改善が進むように取り組んでいきます。
D.施設インフラの進化
D−1
診療情報管理の機能強化
「医療の質の向上」や「経営の効率化」を推進するため、病院業務のIT化に積極的に取り組むこととし、
「医療情報
管理室」を設置します。
「医療情報管理室」では、カルテ管理の中央化やペーパレス化推進等による診療情報管理体制の
整備、記録内容の適正化による診療情報の質的な向上と活用、DPC やクリティカルパス等による診療プロセスの最適化、
がん登録等の情報サービスの充実に取り組みます。
D−2
外来診療科の再編成
センター化に対応した入院診療と外来診療の一貫性の確保や、関連診療科の集約による関連診療科間の連携の円滑化
を図るため、外来診療科の再編成を行います。
D−3
医師等公舎の利活用促進
未使用及び利用者の少ない公舎の廃止や利活用方法について検討し、公舎の維持管理に伴うコストの削減を図るとと
もに、ニーズはあるものの老朽化等により環境悪化の著しい公舎については、改修や統合等によって居住環境の改善を
図っていきます。また、近々増加が予想される短期研修医や学生のための宿泊施設も劣化が激しく、改修等を含めその
改善策を検討していきます。
- 13 -
D−4
医局スペースの見直し
診療部門のセンター化等により、院内のチーム医療が促進されています。このため、医師がより一層コミュニケーシ
ョンの取り易い環境にするとともに、医師の増員により狭隘化している医局スペースを改善するため、医局の大部屋化
を行っていきます。
D−5
環境に配慮した対策の強化
給食調理室や食堂厨房等から排出される生ゴミの減量化や、高効率変圧器の導入や LED 照明による使用電力量の削減
に取り組み、CO2 の削減と省エネ対策に積極的に取り組みます。
D−6
県立中央病院院舎の将来構想
計画期間内に建築後30年を経過する県立中央病院の院舎について、将来的な構想について検討していきます。
- 14 -
第3
県立つくしが丘病院 『 挑む 4つの柱 』の概要
E.処遇困難領域に対する精神科医療の実施
E−1
措置入院、応急入院等への対応強化
県立精神科病院の責務として、他の設置主体が対応困難な領域に対する精神医療である、処遇困難症例への対応が求
められています。今後、処遇困難、特に措置・応急入院等への体制強化に向けて、地域精神医療に貢献していきます。
E−2
処遇困難患者等の受入体制の確保
処遇困難として紹介される患者さんの受け入れを積極的に行うため、精神保健福祉士や臨床心理士等のコメデイカル
スタッフの充実に取り組み、他の医療機関や関係施設・関係諸機関との連絡会開催等による医療連携機能の強化を図り
ます。
E−3
精神科急性期治療機能の充実強化
短期的かつ集中的に急性期患者に対する治療を行う「急性期治療病棟」を効率的に運用するため、退院後のフォロー
に向けた訪問看護、退院前訪問指導、受け入れ調整を図るための入退院調整を実施するほか、疾患に合わせた適切な治
療を提供するためクリティカルパスの作成を検討していきます。
E−4
長期入院患者の退院促進
入院中心の医療から外来中心の医療へ、という精神科医療の目指す方向性に沿って長期入院患者の社会復帰を促進す
るため、他の精神科病院・社会復帰施設・公的機関との連携のもと、退院支援の充実強化を図っていきます。
- 15 -
E−5
身体合併症患者への対応強化
入院患者の高齢化に伴い身体合併症患者の増加傾向が顕著となっていることから、県立中央病院との連携のもとに、
身体合併症に対する治療への対応を積極的に実施していきます。
E−6
専門医療の提供機能の強化
認知症患者の増大が予測されることから、認知症疾患医療センターとして、「鑑別診断」、「問題行動への対応」、
「身体合併症への対応」、「急性期精神症状への対応」等について、県立中央病院と連携を取りながら地域の医療機
関にとって診療のバックボーンとなるように、専門医療の提供機能の強化を図ります。
E−7
地域連携・情報センター機能の充実
地域における認知症疾患の保健医療水準の向上に寄与するため、認知症疾患医療センターとして、認知症疾患医療
連携協議会・研修会の開催、保健医療・介護機関等関係機関との連携協議と情報共有、認知症に関する情報の普及啓
発、住民からの相談への対応等、地域連携機能と情報センター機能の充実を図ります。
F.外来等を中心にした精神科医療の拡充
F−1
院外処方箋FAXサービスの実施
外来患者数の増加による調剤待ち時間が長くなることが懸念されることから、待ち時間の短縮を図るため、院外処方
箋を当院から院外調剤薬局にFAX送信するサービスを提供します。院外処方の推進により、外来患者さんへの利便性
向上とともに、入院患者さんへの服薬指導等の新たな業務への対応が可能となります。
F−2
薬剤管理指導の拡充
精神疾患の治療に当たっては、適正な服薬管理が治療効果を高めます。このことから、服薬指導が可能な入院患者に
対し、対象者の拡充に取り組んでいきます。
- 16 -
F−3
児童青年期医療の充実
本県の児童青年期精神医療の中核施設として専門医の確保を行ってきたが、心理検査の実施等で医師をサポートする
コメディカルの役割が重要であることから、臨床心理士を確保し、児童青年期医療の充実に向けて取り組んでいきます。
F−4
退院前訪問指導の強化と訪問看護の充実
急性期治療病棟の開設により、退院患者数が増加しています。
このため、退院後の家庭等での受入環境等を整えるための退院前訪問指導を強化するとともに、再入院の防止と地域
社会で安定した生活の支援を行う訪問看護を実施するため、スタッフの充実と効率的な訪問活動に向けた体制整備に取
り組んでいきます。
F−5
精神科リハビリテーションの充実
精神科病院における作業療法等のリハビリテーションは、社会復帰に向けた重要なプログラムとなります。
今後は、精神科急性期医療の推進や外来中心の医療等のニーズの変化を踏まえ、急性期治療病棟、外来患者への作
業療法、集団精神療法等の各種プログラムを作成するとともに、適切な実施体制を確立してリハビリテーションの充
実に取り組みます。
F−6
医療安全体制の充実
良質な医療や看護の提供にとって、医療安全対策の重要性はますます高まっています。
このため、ゼネラルリスクマネージャーを配置し、医療安全に関する教育・指導や情報提供、院内研修等の充実を図
っていきます。
F−7
接遇の向上
良質な医療の提供にとって、医療を提供する側と医療を受ける側との信頼関係が重要です。
このため、接遇向上委員会の設置、接遇トレーナー養成研修への参加、院内研修の実施、接遇マニュアルの作成等
の事業を実施し、接遇向上に向けた職員の意識改革に取り組みます。
- 17 -
G.精神科医、精神保健指定医の育成・招聘
上記の二つの柱を打ち立てるためには医師を中心とする医療スタッフの充実が不可欠となります。そこで、以下の医師招聘
の取り組みを県立つくしが丘病院の挑む柱としました。
G−1
積極的な情報発信による医師招聘の取組強化
本県は精神科医師の地域偏在や絶対数の不足が問題となっています。このことから、当院が本県で唯一児童青年期病
床を有していること、本県唯一の認知症疾患医療センターであること、精神科応急入院指定病院であること等、当院の
精神科医療に果たしている役割や機能をホームページ等で広く全国に発信し、本県に精神科医師を積極的に呼び込むよ
う取組を行います。
G−2
医師公舎の利活用による医師招聘の取組強化
当院の医師公舎は東北新幹線新青森駅に比較的近い場所にあり、その地の利を生かして、医師招聘の一環として、研
修医や病院見学等で当院を訪れる医師の宿泊施設としての利活用を検討します。
G−3
精神保健指定医の育成強化
不足している精神保健指定医の確保に向けた取組として、精神科病院等での一定の臨床経験が必要な精神保健指定医
を目指す医師に対して広く門戸を開放し、当院のみならず県内医療機関への医師供給に一定の機能を果たすこととし、
関係機関との連携のもと、研修プログラムの作成、募集要項の作成等を行います。
- 18 -
H.財 務 状 況 の 改 善
H−1
外来部門の収益性の向上
入院中心の医療から外来中心の医療へのさらなるシフトを進めるとともに、精神科医師の確保、専門外来の充実、待
ち時間短縮による患者サービスへの取組、看護や検査等のコメディカルスタッフの充実等、外来診療部門の一層の充実
強化に向けた取組により、外来収益の改善に努めます。
H−2
入院部門の収益性の向上
他医療機関からの処遇困難患者等の積極的な受け入れや、社会復帰施設等との退院促進等を目的とした連携により、
病床利用率の確保と平均在院日数の短縮に取り組み、入院収益の改善に努めます。
H−3
費用の節減
電気・空調設備の監視機能による省エネの徹底、衛生材料等の県立中央病院との共同化、保守・点検業務等の委託業
務の見直し等、費用に係る全般的な見直しを行い、費用の節減に取り組んでいきます。
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