はじめに∼ 相続をめぐる最近の状況 最近の相続をめぐる紛争の状況 相続財産の51.2%、半数以上が、「土地」や「家 相続財産の内訳 屋」など不動産で占められています。 まずは、最近の相続の状況を確認していきまし 生前に相続について検討をしていない場合、不 ょう。 動産は分割が難しいため、残された家族がもめて 【図表1】は、平成24年の相続財産の内訳です。 しまうケースもあるようです。 【図表1】 相続財産の内訳 分割が難しい 不動産が 5割超 その他 11.1% 土地 45.9% 現金・預貯金等 25.4% 有価証券 12.3% 家屋 5.3% 国税庁「平成24年分の相続税の申告の状況について」より作成 遺産分割でもめることも…… この10年で約1.9倍に増加しています。 また、遺産分割事件の件数(家事調停・審判) では改めて、相続に関する紛争について見てみ も、この10年で約1.4倍に増加しています 【図表2】 。 ましょう。 相続における家事調停で話し合いがつかず、調 ここでは、統計データを基に、最近の相続をめぐ 停が成立しなかった場合には、審判手続きに移り る紛争の状況を確認します。 ます。審判では、裁判官が遺産に属する物又は権 「平成24年度司法統計」(最高裁判所)により 利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して、 ますと、家庭裁判所への相続関係の相談件数は、 結論を示すことになります。 【図表2】 家庭裁判所への相続関係の相談件数と遺産分割事件(家事調停・審判) 相続関係の相談件数 遺産分割事件 件 200,000 15,286件 14,029件 12,265件 150,000 11,223件 154,160 件 172,890 件 174,494 件 件 15,000 12,000 9,000 100,000 90,629 件 6,000 50,000 0 3,000 平成14年 平成19年 平成23年 平成24年 0 (注)相続における家事調停とは、相続人等の間の遺産分割に関する争いについて、家事審判官(裁判官) と民間から 選ばれた調停委員が間に入り、非公開の場で、それぞれから言い分をよく聴きながら、話合いによって適切で妥 当な解決を目指す手続きをいいます。 最高裁判所「平成24年度司法統計」より作成
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