奥多摩 赤指尾根

奥多摩 赤指尾根
報告:西片
 日程
2012 年 2 月 26 日(日) 曇り
 メンバー 上村 L : 林、古川(幹)、西片、
峰谷橋のバス停で降りて急坂を上がる。ほどなく軽トラが後ろか
ら上がってきた。「ワン、ワン!」と、追い越しざま、荷台から元
気よい挨拶。すぐに見えなくなったが、尾根の登り口で軽トラが待
っていた。「どちらへ?」「赤指尾根を上がります。」「そうかい。そ
れでは林道の先で(犬を)放すからよろしく。今日は散歩させにきたのだよ。」「・・・熊ですか。」「う
ーん、熊もいるよ。他もね。」まあルートも異なるし、今日のメンバーはみなスリムで、シカに間違えら
れることはあっても熊に間違えられる人はいない(?)。予定どおり尾根を上がることにした。
最初の 981m と、次の 1,075m のピークを越える。ときどき、「パン、パーン!」と猟銃が鳴り、山
にこだまする。犬の鳴き声が続く。地図読みと狩猟の同時進行だ。ひょっとすると追われる者は私達は
勢子と思っていたかもしれない。さて、その先の 1,104m は、思わぬ失敗をした。ピークに上がる道が
直進しておらず、直下でぐるっと回ってピークに上がっていたのである。
方向感が狂ってしまい、上がってきた道の先へ続いている道(=奥多摩湖
へ下る別の道)が正しいルートと勘違いしてしまった。FM さんは「こっ
ちだと思うよ。」と、もう一つの尾根を指している。地図とコンパスで確認
したところ、なんとそのとおりであった。三方に 120°間隔で尾根が張り
出すピークでは、直線的にぴーくに上がるか、回り込みながら上がるかで、
正面に見える尾根が異なる。方向感覚が狂い、歩いて来た道の先が正しい
と思ってしまう。直前で方位確認してから尾根に上がるぐらいの慎重さ、
疑い深さを持たなければ。
帰路は標高 1,300m 地点から峰林道へ向け
て下った。斜めに傾いた登山道には雪が凍りつき、アイゼンがなければ通
行できなかった。地図では尾根をぐるっと巻いた後に小さな沢を 50m下る
はずだったが、実地は急傾斜地のトラーバスが続いて少しずつ標高を下げ
ていた。樹林帯の下は航空写真に写らないため、技師がハンドライトする
という。そのような場所では点線の登山道を追いかけるのではなく、むし
ろ地形図に登山道を描き込むつもりの方がよいと思う。
まもなく林道歩きとなった。どんどん進む。ようやく民家が出てきた。
ふと、目の前を横切った男性が何かを自宅前に置いたのが見えた。なんと
それは、バラしたばかりの二本の鹿の足だった。しかも赤い塊がついているではないか。ようやく理解
した。雪の稜線に無数の足跡があった理由を。私達が地図読みをしている間、赤指尾根には厳粛な時間
が流れていたのである。
コースタイム:峰谷橋バス停 9:15-尾根へ上がる分岐 9:32-雨乞山 10:18-(1228m)12:05-赤指山
13:00-登山道合流点 13:21-林道 14:35
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