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平成28年1月10日発行
脳神経センター 脳神経外科 根本 匡章
准教授(平成4年・東邦大学卒)
急性期出血性脳血管障害の外科治療
当院の脳卒中患者受け入れの特徴
地域連携施設の先生方には大変お世話になっております。当院は1次救急から3次救急まで、救急医療に従事し
ています。そのため脳卒中に関しましては、Walk-inで来院される症例から重度な意識障害で救急搬送される症例
まで幅広い治療を行っています。
図1
出血性脳血管障害の治療について
脳卒中のうち、発症直後より意識障害が強く、生死に関わるような発症をす
る疾患は出血性脳血管障害と考えられます。出血性脳血管障害は大きく脳出血
とくも膜下出血に分かれます。脳出血におきましては、機能的予後の改善を促
せる手術手技はありませんので、基本的には生命予後の改善を視野に入れ、手
術適応を判断しております。つまり、保存的加療を主体に、早期リハビリテー
ションを目指して加療を行っております。一方脳神経外科的加療が主体となる
のは、くも膜下出血であります。現在くも膜下出血の手術加療は、破裂脳動脈
瘤に対して、血管内手術でのコイル塞栓術と、開頭術によるクリッピング術が挙げられます(図1)
。当科での治
療手段については、個々の症例で判断し、ベストな方法を選択して行っております。
当科のくも膜下出血治療実績および治療指針
くも膜下出血の予後は発症時の意識レベル、つまり重症度に関連しております。
当院では軽症例から重症例まで幅広い治療実績があります。当院に受診または搬送
されたくも膜下出血は、来院時すでに救命困難な症例も含め過去7年で230例でし
た。良好な予後が得られた症例は全体で44.3%でした。しかし発症時軽症であった
症例に限りますと、実に81.3%に予後良好が得られております。重症例におきまし
ては、特に発症時血腫量が多く脳内血腫を形成するくも膜下出血は、未だ予後不良
とされています(図2)。しかし緊急にてクリッピングおよび血腫除去術を行うこと
で、良好な予後が得られる症例も少なからず存在するのは事実です。当科で加療し
たくも膜下出血のうち血腫を形成するくも膜下出血は36.1%占めておりました。その
多くの予後はやはり不良でしたが、31.3%に予後良好群が存在しておりました。当科
図2
では、重症度の高いくも膜下出血に対しても可能な限り積極的に加療を行い、良好
な予後が得られるよう努力しております。そのためにも適切な治療がすぐに提供できるように環境を整えておりま
す。当科は日中に限らず、夜間も単科で当直体制をとっておりますので、遠慮なくご相談、ご紹介いただければと
思います。よろしくお願いいたします。
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発行元:地域医療支援センター