戻る 資料―2 山野草の挿し木・挿し芽を楽しむ 挿し木・挿し芽のメカニズム 植物は、その一部を切り取られると、なくなった部分が細胞分裂を起こして再生 します。茎から根が出てくるのは、その良い例で、挿し木・挿し芽・根伏せはこのメカ ニズムを利用したものです。 挿し木・挿し芽の利点 実生繁殖は、交配して必ずしも親と同じものにならない場合がありますが、 挿し木・挿し芽は、親株と同じ遺伝子を持ったものが作れることと、種を蒔いて 増やすより生長が早く、早く花が楽しめるのが利点として挙げられます。 ゆりの仲間、コバイモ、ギボウシの仲間などを除くと、たいていの山野草は 挿し木、挿し芽ができますので、トライしてみると良いでしょう。 挿し木・挿し芽に適した時期 一般的には、春と秋です。これは地温が20℃位の頃が、発根しやすいからです。 また、発根には、空中湿度が大切です。このことから、梅雨の時期が、多くの植物 の挿し木・挿し芽に最も適した時期といえます。 挿し木・挿し芽の挿し穂 挿し木の“挿し穂”は、出たばかりの若枝より、枝の途中部分の熟枝が発根し やすい場合が多く、挿し芽の“挿し穂”は、茎のてっぺん部分の天芽(新芽)が 発根しやすいといわれています。わき芽から新芽が伸びるタイプの植物の “挿し穂”には、わき芽を使うこともあります。 “挿し穂”の作り方 1. 5~7 cm 位の茎を良く切れるカッターで切る。 2.下葉を 2 節ほど取り除く。大きい葉の場合、葉を半分くらいにカットする。 3.水切りして、一時間くらい水揚げし、水を吸わせて空気の進入を防ぐ。 水切りする場合、節の部分の真下でやや斜めにカットする。 水の代わりに、100 倍程度に薄めたメネデールなどの活力剤の溶液を 使ったり、切り目に発根剤を使うと更に発根率が良くなる。 挿し床の用土 小玉赤玉土、バーミキュライト、川砂、パーライトなどを単用する。肥料は挿し 穂を腐敗させる原因となるので、根が出るまで与えない。 茎挿しの方法 1. 用土の深さは6~8 cmくらいとし、あらかじめ挿し床に静に水を与えて おく。 2.茎挿しする前に挿し床に細い棒で穴を開けておく 3. 挿し穂は上下を間違えないよう、下葉を 2 節ほど取り除き、少なくとも 2 節は土に埋める。 4. 挿す位置は挿し床の縁に近い部分に沿うようにして、葉と葉が触れ合う 程度に挿す。 (葉からの蒸散を防ぎ、逃げた水分を再び葉が吸収できるようにするため) 5. ハンドスプレーなどで葉や茎、土全体に水をあたえて出来上がり。 挿し床の置き場所 半日陰で、雨の当らない風の避けられるところに置く。ちゃんと面倒を見る ためには、目の届き、挿し床の状況が日々見れる場所に置く。 水やり 用土が渇き気味のとき適量やる方がよく発根する。水のやりすぎは禁物 (刺し穂を腐らせる)。 空中湿度は比較的高めの方がよく根付くので、時々ハンドスプレーで茎や 葉に噴霧してやる。 鉢上げ(植え替え) 根付くまでの日数は、植物によって差があるが、大体 2 週間から1ケ月位。 十分に根付いたことを確認したら、苗の大きさに合った鉢や育苗用のポリ ポットに植えつけ、半日陰で育てる。根がうまく活着し、芽先が順調に生長を はじめたら、日の当る場所に移し、株を大きく育てる。 戻る
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