改正割賦販売法施行規則の骨子 経済産業省商務流通グループ 取引信用課 1. 支払可能見込額調査義務及び過剰与信防止義務 (1) 個別クレジット ① 調査項目及び調査方法 i) 年収 消費者からの自己申告又は推定年収によること。ただし、 イ) 世帯の生計を主として維持する者(以下「世帯主」という。 ) と生計を一つにする配偶者であって、年収が103万円以下で ある者(以下「専業主婦等」という。)が日常生活において通 常必要とされる商品を購入等する場合 ロ) 専業主婦等が日常生活において通常必要とされない商品を購 入等する場合であって、世帯主の同意がある場合 ハ) 世帯主と生計を一つにする二親等以内の親族(以下「学生、老 親等」という。)が商品を購入等する場合であって、世帯主等 の同意がある場合 イ、ロ)専業主婦等から世帯主の年収を申告させること又は世帯主 の年収を推定すること。 ハ)世帯主等から世帯主の年収を申告させること又は世帯主の年収 を推定すること。 ii) 預貯金 支払可能見込額を算定するため、必要があると認められる 場合、消費者からの自己申告によること。ただし、専業主婦等及び 学生、老親等の取扱いについては、年収と同様(推定による方法を 除く)とすること。 iii) クレジット債務 指定信用情報機関を利用するとともに、自社への クレジット債務の支払状況を確認すること。ただし、 イ) 専業主婦等が日常生活において通常必要とされる商品を購入 等する場合 ロ) 専業主婦等が日常生活において通常必要とされない商品を購 入等する場合であって、世帯主の同意がある場合 ハ) 学生、老親等が商品を購入等する場合であって、世帯主等の同 意がある場合 イ、ロ)専業主婦等から世帯主の債務を申告させること等 ハ)世帯主等から世帯主の債務を申告させること等 1 iv) 借入の状況 自社で有する借入の状況に関する情報等について確認 すること。ただし、住宅の建設若しくは購入に必要な資金の借入が ある場合、②の「持家なし」とみなして算定すること。 v) 商品の価値 支払可能見込額を算定するため、必要があると認めら れる場合、担保価値を合理的に算定すること。 vi) その他 その他支払可能見込額に影響を与える客観的な事項につい て、合理的に算定すること。 ② 生活維持費 生活維持費としては、以下のとおりとすること。ただし、消費者の居 住地域等を勘案して定めることができる。 (万円) 4 人世帯以上 3 人世帯 2 人世帯 1 人世帯 持家あり 年 200 169 136 90 持家なし 年 240 209 177 116 i) 専業主婦等が、世帯主の同意を得ずに、日常生活において通常必要 とされない商品を購入等する場合又は世帯主と同居する学生、老親 等が商品を購入等する場合については、生活維持費をないものとす ることができる。 ii) 世帯主と生計を一つにする配偶者であって、年収が103万円を超 える者(以下「共働きの配偶者」という。)が商品を購入等する場合 又は世帯主であって、生計を一つにする配偶者の年収が103万円 を超える者については、生活維持費を減額して算定することができ る。 ③ 居住用資産 自宅及び自宅の敷地とすること。 ④ 消費者の支障を生ずることがない場合 i) 支払可能見込額調査義務及び過剰与信防止義務において消費者の保護 に支障を生ずることがない場合 消費者が特定商取引類型(訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売、特 定継続的役務提供、業務提供誘引販売をいう。以下同じ。 )以外の取引 2 による10万円以下の生活に必要とされる耐久消費財を購入する場合 とすること。 ただし、指定信用情報機関を利用することにより、 イ) その時点で、支払の義務が履行されないと認められる場合 ロ) 日常生活において通常必要とされない分量の商品を購入する 場合 この限りでない。 また、消費者の保護に支障を生ずることがない場合に該当すること (契約年月日、指定信用情報機関が保有する特定信用情報を使用して 行った調査の結果等を含む。)を書面又は電磁的記録により、個別クレ ジット契約の最終返済日まで、保存すること。 ii) 過剰与信防止義務において消費者の保護に支障を生ずることがない場 合 イ) 消費者が生活に必要とされる耐久消費財を購入する場合であって、 支払可能見込額調査により得られた事項並びに当該商品の用途、過 去の同種の商品の利用の状況その他の消費者が当該商品を生活に おいて必要とする事情及び当該消費者の生活の状況に関し当該消 費者から調査した事項に基づき、当該商品が当該消費者の生活に必 要であること及び当該消費者が当該商品を購入する意思を有する こと並びに当該商品の価格及び数量が当該消費者の生活水準に照 らして相当であることを確認した場合とすること。 また、⑤のとおり、調査記録を保存すること。 ロ) 消費者若しくは消費者の親族の生命若しくは身体を保護するため に、緊急に必要と認められる商品の購入若しくは役務の提供を受け る場合であって、支払可能見込額調査により得られた事項及び当該 消費者が当該商品若しくは役務を生活において必要とする事情に 関し当該消費者から調査した事項に基づき、当該消費者が当該商品 の購入若しくは当該役務の提供を受ける意思を有すること並びに 当該商品若しくは当該役務の価格及び当該商品の数量若しくは当 該役務の回数が当該消費者の当該商品若しくは当該役務を必要と する目的に照らして相当であることを確認した場合とすること。 また、⑤のとおり、調査記録を保存すること。 ⑤ 調査記録の作成保存 契約年月日、支払可能見込額調査の結果(指定信用情報機関が保有する 3 特定信用情報を使用して行った調査の結果を含む。)等について、書面又 は電磁的記録により、個別クレジット契約の最終返済日まで、保存するこ と。 (2) 包括クレジット ① 調査項目及び調査方法 i) 年収 消費者からの自己申告又は推定年収によること。ただし、 イ) 専業主婦等にカード等を交付等する場合 ロ) 学生、老親等にカード等を交付等する場合であって、世帯主等 の同意がある場合(当該カード等の有効期間内のみ有効なもの とする。) イ) 専業主婦等から世帯主の年収を申告させること又は世帯主の年 収を推定すること。 ロ) 世帯主等から世帯主の年収を申告させること又は世帯主の年収 を推定すること。 ii) 預貯金 支払可能見込額を算定するため、必要があると認められる場 合、消費者からの自己申告によること。ただし、専業主婦等及び学生、 老親等の取扱いについては、年収と同様(推定による方法を除く)と すること。 iii) クレジット債務 指定信用情報機関を利用するとともに、自社へのク レジット債務の支払状況を確認すること。ただし、 イ) 専業主婦にカード等を交付等する場合 ロ) 学生、老親等にカード等を交付等する場合であって、世帯主等 の同意がある場合(当該カード等の有効期間内のみ有効なもの とする。) イ) 専業主婦等から世帯主の債務を申告させること等 ロ) 世帯主等から世帯主の債務を申告させること等 iv) 借入の状況 自社で有する借入の状況に関する情報等について確認 すること。ただし、住宅の建設若しくは購入に必要な資金の借入があ る場合、②の「持家なし」とみなして算定すること。 4 v) その他 その他支払可能見込額に影響を与える客観的な事項につい て、合理的に算定すること。 自社の包括クレジット債務が5万円以上である場合であって、カード等 を有効期間を超えて交付等する場合、これに先立って、6月以内に指定信 用情報機関を利用するとともに、自社へのクレジット債務の支払状況を確 認すること。加えて、カード等交付時から有効期間内に消費者から届け出 られた事項を基礎として支払可能見込額調査をすること。 ② 生活維持費 生活維持費としては、個別クレジットと同じとすること。ただし、消 費者の居住地域等を勘案して定めることができる。 (万円) 4 人世帯以上 3 人世帯 2 人世帯 1 人世帯 持家あり 年 200 169 136 90 持家なし 年 240 209 177 116 i) 世帯主と同居する学生、老親等にカード等を交付等する場合について は、生活維持費をないものとすることができる。 ii) 共働きの配偶者にカード等を交付等する場合又は世帯主であって、生 計を一つにする配偶者の年収が103万円を超える者については、生 活維持費を減額して算定することができる。 ③ 居住用資産 個別クレジットと同様とすること。 ④ 消費者の保護に支障を生ずることがない場合 支払可能見込額調査義務及び過剰与信防止義務において消費者の保護 に支障を生ずることがない場合 i) 30万円以下の極度額のカード等を交付等する場合。ただし、指定信 用情報機関を利用することにより、 イ) その時点で、支払の義務が履行されないと認められる場合 ロ) 自社の包括クレジット債務が50万円、他社を含めた包括クレ ジット債務が100万円を超える場合 この限りでない。 また、消費者の保護に支障を生ずることがない場合に該当すること 5 (契約年月日、指定信用情報機関が保有する特定信用情報を使用して行 った調査の結果等を含む。)を書面又は電磁的記録により、カード等の 有効期間内又は当該カード等を利用した全ての与信契約の最終の返済 日まで、保存すること。 ii) 消費者の求めに応じ、当該消費者が購入する商品若しくは提供を受け る役務の目的及び特定の加盟店を利用することを確認した場合であ って、一時的に極度額を増額する場合として以下に掲げる場合 イ) 増額期間が2ヶ月以内である場合であって、2倍までの極度額 の増額(例:海外旅行、鉄道の定期、引越(それに伴う家具購入 等を含む)、自動車購入用の頭金) ロ) 短期間に臨時収入が認められる場合であって、当該臨時収入に 照らして相当な増額(例:結婚式) ハ) 消費者若しくは消費者の親族の生命若しくは身体を保護するた めに、緊急に必要と認められる商品の購入若しくは役務の提供を 受ける場合(例:緊急医療費) また、消費者の保護に支障を生ずることがない場合に該当すること (増額年月日、増額期間、増額した額、当該消費者が購入する商品若し くは提供を受ける役務の目的、増額期間利用があった特定された加盟店 等について記録した書面又は電磁的記録を含む。)を書面又は電磁的記 録により、カード等の有効期間内又は当該カード等を利用した全ての与 信契約の最終の返済日まで、保存すること。 iii) 有効期間内に消費者がカード等を紛失し、改めて交付等する場合 ⑤ 調査記録の作成保存 契約年月日若しくは極度額を増額した年月日、支払可能見込額調査の結 果(指定信用情報機関が保有する特定信用情報を使用して行った調査の結 果を含む。)等について、書面又は電磁的記録により、カード等の有効期間 内又は当該カード等を利用した全ての与信契約の最終の返済日まで、保存 すること。 6 2.加盟店調査義務 (1) 調査の時期及び対象者 ① 個別クレジット業者が特定商取引類型を行っている販売業者等と新規 に加盟店契約を締結しようとする場合には、当該販売業者等に対して調 査を行うこと。 ② 個別クレジット業者が消費者と特定商取引類型に係る与信契約を締結 しようとする場合には、消費者等に対して調査を行うこと。 ③ 消費者からの特定商取引類型を行う販売業者等に関する苦情件数の発 生割合が類似の他の特定商取引類型を行う販売業者等より相当程度多 いこと又は苦情の内容が特定商取引法に定める禁止行為等に該当する おそれがあること等の場合には、当該販売業者等に対して調査を行うこ と。 (2) 調査の項目 ① (1)①の調査は、次の第1表の調査を行うこと。 (第1表) 調査事項 ⅰ)基礎的情報 調査方法(調査内容の基準) イ 特定商取引類型の分類 ロ 名称、住所、電話番号、代表者氏名 ハ 営業所の住所、電話番号 ニ 主たる営業・販売活動を行う地域 ⅱ)商品・役務の内容 イ 勧誘書類(勧誘に際して消費者に提示するもの) ロ 商品等に係る性能・品質・効果・効能に関する苦情・相談に応じて、その根拠資料 ⅲ)履行体制 イ 過去1年の販売実績 ロ 直近の決算書等により信用状況を確認(第三者機関に確認又は同等程度の調査) ハ 特定継続的役務提供、連鎖販売、業務提供誘引販売に関し、業務の持続性 ⅳ)特商法上の処分状況 イ 過去5年間における特商法に基づく指示、業務停止命令又は罰則の有無 ロ 役員について、過去5年間における特商法に基づく指示、業務停止命令または罰金 刑を受けた法人の役員の経歴の有無等 ⅴ)コンプライアンス・苦情処理 イ コンプライアンス体制に関する組織及び執行体制 ロ 苦情処理体制に関する組織及び執行体制 ハ 消費者の保護に欠ける行為に関する情報等の状況(第三者機関に確認) 7 ② (1)②の調査は、次の第2表の調査を行うこととし、調査にあっては、 電話等の方法によること。 (第2表) 調査事項 ⅰ)商品・役務の内容、数量 調査方法(調査内容の基準) イ 契約申込書面に記載されていない付帯サービス、付帯条件の有無。 ロ 契約申込書面に記載した商品・役務、数量、支払総額などが消費者本人の真意 に基づくものであり、販売業者の勧誘行為による困惑・誤認によるものでないこと。 ハ 商品・役務に係る内容(性能、品質、効果、効能、必要数量など)について、断定 的な説明の有無(有る場合はその根拠を速やかに調査すること)、消費者にとっての 不利益事項等の有無。 ニ 上記イ~ロ以外に申込者の契約意思の形成に主要な影響を及ぼしたものがあ る場合、断定的な説明の有無(有る場合はその根拠を速やかに調査すること)。ま た、当該事項に申込者にとって不利益事項等がある場合、申込者の認識の有無。 ホ 将来価値の不確実性に関し、消費者にとっての不利益事項等がある場合、申込 者の認識の有無。 ⅱ)クーリング・オフ イ 申込者が契約申込日を認識しているか。 ロ 損害賠償、違約金の取決め等に関し、記載内容と異なる説明をするなどクーリン グ・オフの妨害行為の有無。 ⅲ)「連鎖販売取引」及び「業務提供誘 イ 連鎖販売契約及び業務提供誘引販売契約において、商品購入代金、入会金、 引販売」関連 研修費、保証金等の特定負担の内容、金額。 ロ 連鎖販売契約において、マージン、紹介料、リクルート料、スポンサー料等の特 定利益に係る算定方法、前提条件等が消費者に示されていること。 ハ 業務提供誘引販売契約において、業務提供利益の前提条件等が消費者に示さ れていること。 ⅳ)上記ⅰ)~ⅲ)以外の特定商取引 イ 契約の申込をさせ、又は撤回若しくは解除を妨げるため、申込者を威迫・困惑さ 法及び消費者契約法に規定する行為 せる行為の有無。 ロ 申込者が販売業者等に対しその住居から退去すべき旨又は勧誘をしている場 所から退去する旨の意思表示を示したにもかかわらず、従わないこと。 ③ (1)③の調査は、苦情の内容に応じて、第1表及び第2表に掲げる事 項ついて必要な調査を行うこと。 (3) 調査記録の作成保存 調査年月日、記録作成日、調査の結果等について、書面又は電磁的記録 により、作成後5年間保存すること。 8 3.業務の運営に関する措置 (1) 個別クレジット ① 情報の適正な取扱い 個別クレジット業者が取り扱う情報の適正な取扱いを確保するため、以 下を定めること。 i) 消費者に関する情報の安全管理、従業者の監督及び当該情報の取扱い を委託する場合には、その委託先の監督について、当該情報の漏えい、 滅失又はき損の防止を図るために必要かつ適切な措置を講ずること ii) 信用情報機関から提供を受けた特定信用情報を、消費者の支払可能見 込額調査以外の目的のために利用しないことを確保するための措置 を講ずること iii) 消費者に関する人種等の特別非公開情報を、必要と認められる目的以 外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講ずるこ と ② 業務委託 個別クレジット業者が個別クレジットに関する業務を第三者に委託す る場合は、当該業務の内容に応じ、以下の措置を講ずることを定めるこ と。 i) 当該業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる能力を有す る者に委託するための措置 ii) 受託者に対する必要かつ適切な監督等を行うための措置 iii) 受託者が行う当該業務に係る利用者等からの苦情を適切かつ迅速に 処理するために必要な措置 iv) 受託者が当該業務を適切に行うことができない事態が生じた場合に は他の適切な第三者に当該業務を委託する等、当該業務に係る消費者 の保護に支障が生じること等を防止するための措置 v) 個別クレジット業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、当該業務 に係る消費者の保護を図るため必要がある場合には、当該業務の委託 に係る契約の変更又は解除をする等の必要な措置を講ずるための措 置 ③ 訪問販売による過量販売となる個別クレジット契約の防止 個別クレジット業者は、過量販売契約となりうる契約を締結しようと する場合、消費者に当該契約の締結を必要とする特別な事情があるかど うか、訪問販売業者に消費者が当該契約の締結を必要とする特別な事情 9 があるかどうかを確認すること等を通じ、過量販売契約に係る与信契約 の締結を行わないこと。 ④ 苦情処理 i) 個別クレジット業者は、消費者からの苦情の原因究明及び必要に応じ 業務の改善措置を講ずること ii) 個別クレジット業者は、消費者からの販売業者等に関する苦情件数の 発生割合が類似の他の販売業者等より相当程度多いこと又は苦情の 内容が特定商取引法に定める禁止行為等に該当するおそれがあるこ と等の場合に苦情の内容に応じて、当該販売業者等の調査を行うこと (2) 包括クレジット ① 情報の適正な取扱い、②業務委託、③苦情処理 個別クレジットと同様の規定を設けること。 10 4.登録制の導入等 (1) 個別クレジット ① 申請書類 社内規則等などの登録の審査の際に必要となる書類を定めること。 ② 申請書類に記載する役員の範囲 取締役等と同等以上の支配力を有する者で役員に該当する者は、当該法 人の総株主等の議決権の100分の25又は親会社の総株主等の議決権の 100分の50を超える議決権を保有する個人等とすること。 ③ 登録拒否要件 ⅰ)不正な行為等をするおそれがあると認められる法人 登録取消し処分に係る行政手続法に基づく通知があった日以後に廃 業届けをした法人等とすること。 ⅱ)公正かつ的確な実施を確保するために必要な体制 イ) 支払能力調査、加盟店調査等を円滑に実施できる体制が整備さ れていること ロ) 個別クレジットの公正かつ的確な実施を確保するための社内規 則等を定めていること ハ) この法律の規定若しくはこの法律の規定に基づく命令又は社内 規則等を遵守するための体制が整備されていること ニ) 苦情を適切かつ迅速に処理するための体制が整備されているこ と (2) 包括クレジット 個別クレジットと同様の規定を設けること。 11 5.指定信用情報機関 (1) 特定信用情報提供等業務を行う者の指定等 ① 特定信用情報提供等業務を行う者を指定する要件の規模及び基準 以下5つを定めるとともに、財産的基礎の要件として、純資産額が5億 円以上であることを定めること。 特定信用情報の規模 省令で定める基準 加入包括クレジット業者の数 50以上であること 加入個別クレジット業者の数 30以上であること 保有する包括クレジット及び二月 1兆5千億円以上であること 払購入あっせんに係る債務の合計 額 保有する個別クレジット及び翌月 3兆円以上であること 一括払いの個別クレジットに係る 債務の合計額 保有する契約商品名(契約権利又 400万件以上であること は契約役務の場合にあっては、当 該権利又は当該役務の種類)の合 計件数 ② 指定申請の添付書類 加入包括クレジット業者又は加入個別クレジット業者の名称、役員の履 歴書等を記載した書類を定めること。 ③ 役員の兼職等の制限 指定信用情報機関の役員の兼職を禁止する法人として、包括クレジット 業者・個別クレジット業者・貸金業者・債権回収会社・債務保証業・リー ス業者を定める等とすること。 ④ 兼業の承認申請等、業務の一部委託の承認申請、業務規程、業務及び財 産に関する報告書 上記について定めること。 ⑤ 特定信用情報提供等業務に関する記録の作成保存 基礎特定信用情報の提供を依頼した加入クレジット業者の名称、提供し た基礎特定信用情報の内容等について、電磁的記録により、作成後3年間 12 保存すること。 (2) 指定信用情報機関の加入包括クレジット業者、加入個別クレジット業者 ① 基礎特定信用情報 i) 消費者本人の属性情報 イ) 氏名(ふりがなを付す) ロ) 住所 ハ) 生年月日 ニ) 電話番号 ホ) 勤務先の商号又は名称 ヘ) 運転免許証の番号(加入包括クレジット業者又は加入個別クレ ジット業者が入手した場合に限る) ト) 本人確認書類の記号番号(加入包括クレジット業者又は加入個 別クレジット業者が入手した場合に限る) ii) その他の基礎特定信用情報 イ) 包括クレジット (一) 年間請求予定額 (二) 包括クレジット債務又は包括クレジットの手数料の支払 の遅延の有無 ロ) 個別クレジット (一) 契約商品名(契約権利又は契約役務の場合にあっては、 当該権利又は当該役務の種類) (二) 契約商品の数量(契約権利又は契約役務の場合は、契約 権利を行使し得る回数若しくは期間又は役務の提供を受 けることができる回数若しくは期間) (三) 年間請求予定額 (四) 個別クレジット債務又は個別クレジットの手数料の支払 の遅延の有無 ② 同意を不要とする場合 加入包括クレジット業者又は加入個別クレジット業者が加入指定信用情 報機関に購入者等の特定信用情報の提供依頼をする場合に、次に掲げる時 前に締結した包括クレジット又は個別クレジットに係る契約及びその時前 に締結した包括クレジット又は個別クレジットに係る債権の管理に必要な 13 場合を定めること。 i) 包括クレジット業者又は個別クレジット業者と特定信用情報提供契 約を締結している信用情報機関が指定を受けたとき ii) 包括クレジット業者又は個別クレジット業者が指定信用情報機関と 特定信用情報提供契約を締結したとき ③ 同意に関する記録の作成保存 同意に関する記録について、書面又は電磁的記録により、当該同意に基 づき指定信用情報機関が特定信用情報を保有している間保存すること。 14 6. クレジットカード番号等の保護 (1) クレジットカード等購入あっせん業者の安全管理義務 クレジットカード番号等の保護のためにクレジットカード等購入あっせん 業者が講じなければならない安全管理措置の基準として、以下を定めること。 ① クレジットカード番号等単体であっても、個人情報保護法に規定されて いる安全管理(組織的、人的、物理的、技術的)や従業者の監督を行う よう規定すること ② クレジットカード等購入あっせん業者及び立替払取次業者又はクレジ ットカード番号等保有業者においてクレジットカード番号等の漏えい 等が発生した場合は、当該クレジットカード番号等を用いた不正使用の 防止策を講ずること ③ 自社においてクレジットカード番号等の漏えい等が発生したときは、ク レジットカード番号等の漏えい等の再発防止のために必要な措置を講 ずること (2) 立替払取次業者の安全管理義務 クレジットカード番号等の保護のために立替払取次業者が講じなければな らない安全管理義務の基準として、上記(1)①及び③を定めること。 (3) クレジットカード等購入あっせん業者及び立替払取次業者のクレジッ トカード番号等保有業者に対する指導その他の措置 ① 販売業者等 クレジットカード等購入あっせん業者及び立替払取次業者が販売業者 等に対して行わなければならない指導その他の措置の基準として、以下の とおり定めること。 i) クレジットカード番号等の漏えい等が発生した場合に備え、全ての販 売業者等に対し、あらかじめ以下の措置を講ずること イ) 販売業者等においてクレジットカード番号等の漏えい等が発生 した場合は、速やかに、その旨をクレジットカード等購入あっ せん業者又は立替払取次業者に対して連絡することが可能な連 絡体制を構築すること ロ) 販売業者等の委託先(数次委託先を含む)においてクレジット カード番号等の漏えい等が発生した場合は、速やかに、その旨 を当該販売業者等を通じ、クレジットカード等購入あっせん業 15 者又は立替払取次業者に対して連絡することが可能な連絡体制 を構築すること ハ) 販売業者等においてクレジットカード番号等の漏えい等が発生 した場合は、当該販売業者等に対して、ⅱ)に掲げる事項につ いて指導を行う旨を通知すること ニ) 販売業者等の委託先(数次委託先を含む)においてクレジット カード番号等の漏えい等が発生した場合は、当該販売業者等を 通じ、当該委託先に対して、ⅱ)に掲げる事項について指導を 行う旨を通知すること ii) クレジットカード番号等の漏えい等を発生させた販売業者等に対し 指導しなければならない事項として、以下を定めること イ) クレジットカード番号等の漏えい等の再発防止のために必要な 措置を講ずること ロ) 従業者にクレジットカード番号等を取り扱わせるに当たっては、 当該クレジットカード番号等の安全管理が図られるよう、当該 従業者に対する必要かつ適切な指導を行うこと ② 販売業者等の委託先 クレジットカード等購入あっせん業者及び立替払取次業者が販売業者 等の委託先に対して行わなければならない指導の基準として、クレジット カード番号等の漏えい等を発生させた販売業者等の委託先に対し、当該販 売業者等を通じ、①ⅱ)に掲げる事項について指導すること。 ③ クレジットカード等購入あっせん業者及び立替払取次業者の委託先 クレジットカード等購入あっせん業者及び立替払取次業者が自社の委 託先に対して行わなければならない措置の基準として、クレジットカード 番号等の取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託され たクレジットカード番号等の安全管理が図られるよう、委託先(数次委託 先を含む)に対する必要かつ適切な監督を行うこと。 16 7.認定割賦販売協会 (1) 加盟店情報交換制度 会員が認定割賦販売協会に報告する事項は、以下のとおりとすること。 ①販売業者等が特商法で規定する禁止行為等を行ったため当該販売業者等 との契約を解除した場合は、当該販売事業者等との契約の解除に関する もの ② 2. (2)③、3. (1)④ⅱ) (包括クレジットも同様)に該当する場合 において当該販売業者等を調査する事由等に関するもの (2) 申請書類 認定申請に必要な添付書類を定めること。 17 8.その他 (1) 書面交付 ① 個別クレジット ⅰ)販売業者等による販売契約締結書面の交付 個別クレジット業者及び販売業者等の連絡先として住所のほか電 話番号も認める等その他記載事項を定めること。 ⅱ)個別クレジット業者による与信契約申込書面及び与信契約締結書 面の交付 書面記載事項を定めること。 ⅲ)クーリング・オフ妨害の解消のための書面の交付 クーリング・オフ妨害の解消のための書面を受領した日からクー リング・オフの起算が始まること等について書面記載事項等を定め ること。 ⅳ)電磁的方法による提供を行う場合における消費者への確認 書面記載事項を電磁的方法により提供する場合において、消費者 の電子計算機のファイルに記録されたことの確認は、文書、口頭、 電話等又は電子情報処理組織を使用する方法等で行うこと。 ② 包括クレジット ⅰ)包括クレジット業者による書面交付 包括クレジット業者及び販売業者等の連絡先として住所のほか電 話番号も認める等その他記載事項を定めること。 ⅱ)販売業者等による書面交付 イ) 販売業者等の連絡先として住所のほか電話番号も認めるととも に、頭金の額等の事項を削除すること。 ロ) 現金販売価格が一万円以下又は直ちに全部の履行が行われるこ とが通例である役務については、役務の提供期間等の一部事項 について記載しないことができる等。 (2) 取引条件表示 包括クレジット 支払総額の具体的算定例等について取引条件表示事項として定めるこ 18 と。 (3) 所要の修正 ① 報告の徴収について、新たに認定割賦販売協会から毎事業年度3月以内 に、前事業年度の事業報告書及び当該事業年度の事業計画書等を提出さ せること等。 ② 形式的な修正等について、所要の修正をすること。 19 (参考)改正割賦販売法施行規則の考え方 今般の割賦販売法の改正は、高齢者等に対し個別クレジットを利用した訪問 販売などによる被害が深刻化していること等の消費者被害に対処するため、過 剰与信防止や加盟店調査等をクレジット業者に義務づけている。 具体的細則を定める省令の策定に当たっても、消費者被害の救済という法律 が求める趣旨を踏まえた実効性のある規制が求められる。ただし、クレジット 取引が持つ消費者の利便性と消費者の適正な購買意思を阻害することのないよ う、健全な事業活動に対する過剰規制とならないような規制内容とすることが 同時に求められる。 具体的には、過剰与信防止義務については、クレジット業者が様々な審査項 目に基づき総合判断して与信を行っている実態を踏まえ、年収、預貯金、クレ ジット債務などを例示とした上で、各クレジット業者が自ら与信判断を行う枠 組みとなっている。省令の策定に当たっては、クレジット業者による恣意的な 判断を通じて過剰債務が生じないよう生活維持費に関しては具体的な数値を定 める一方で、健全な取引を行っている事業者にとって適切な与信が可能となる ように、必須調査項目は最低限とし、消費者からの自己申告等により得られた 情報や指定信用情報機関を利用して得られた情報を基礎として事業者が支払可 能見込額を算定することとしている。 加えて、消費者の保護に支障を生ずることがない場合として、消費者利便に 配慮するとともに現行の与信実務を踏まえ、高額の耐久消費財に対する個別ク レジットについて丁寧な審査を前提として与信付与を認めること、少額の耐久 消費財については簡易な審査により与信付与を認めること、30万円以下のク レジットカードについては簡易な審査により発行を認めること等の措置を講ず るなど、きめ細かな制度設計としている。 また、加盟店調査義務に関しては、不適正与信の排除、悪質加盟店の排除と いう法の趣旨を踏まえた、実効性のある調査事項、調査方法を定めるとともに、 クレジット業界の自主ルールと合わせて消費者被害を未然に防止するための制 度設計とするなど、健全な事業活動を行う個別クレジット業者、加盟店が適切 に経済活動を行えるような環境を整えている。 このように、今般の法改正に伴う省令の策定に当たっては、消費者保護を図 ることと健全な事業活動に対する過剰規制とならないことを両立させることに 最大限配慮しているところである。本法の運用に当たっては、上述の趣旨が真 に実現されるよう国も事業者も心がけていくことが重要である。 国民生活の安全・安心の確保は政府の最重要課題の一つであり、今次成立の 運びとなった改正割賦販売法に沿って、消費者や生活者の目線に立った消費者 20 保護政策を抜本的に充実・強化していくことが重要である。このため、行政機 関が関係機関と連携しつつ、適切な法の執行を図るとともに、変化するトラブ ルの実態を随時把握して、迅速に対策を講じることが必要である。 また、法制度の周知・広報も重要な課題であって、消費者・事業者をはじめ、 関係者の理解が進み、制度が利活用されるよう広報活動に注力する必要がある。 さらに、今回の法改正によって、クレジットに関する消費者保護がより一層 推進されるとともに、消費者がクレジット取引についての安心感を高め、これ らの利用・促進が図られることが強く期待される。 21
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