悪質業者に狙われやすい「新成人」 平成 27 年1月 19 日 成人式を迎えられた皆さん、おめでとうございます。今日は成人になったばかりの若者 に目立つトラブルについてお話しします。たとえばこんな事例です。 友だちから誘われた先で、投資用教材のDVDを勧誘された。断りきれずに契約したが、 代金 60 万円が払えないと言うと、旅行に行くという理由で、学生ローンでお金を借りるよ うに指示され、60 万円を借りて支払った。しかしDVDの使い方を教えてもらえず、誰か を紹介すれば一人につき 10 万円を渡すということばかり強調される。解約してお金を返し てほしい。 友だちや先輩などからマルチ商法の勧誘を受けたケースです。思うように投資で儲から ず多額の借金が残ったが、借金を返済しようとして友だちを紹介すれば、その友だちとの 人間関係を壊しかねません。 また、別の事例では、 SNSで知り合った女性から「会ってお茶でもしよう」と誘われた。女性はアクセサリ ーのデザイナーという話で、仲良くなって女性の勤めるアクセサリーの販売事務所に行っ たら、高額なアクセサリーを勧められた。断りきれずに契約書にサインしてしまい、高額 なので支払えないと言うと、クレジットカードを作ってキャッシングするように言われた。 これは、デート商法と言われる手口です。知り合って好意を寄せたら、相手の目的は商 品の勧誘だったというケースです。 成人になると、未成年と違ってお酒が飲める、タバコが吸える、選挙権が行使できるな ど、できることが増えますが、契約という行為においては、未成年と成人では、劇的に立 場が変わります。 つまり、法律で保護されている未成年とは違って、成人が契約すると簡単に取り消すこ とができなくなります。また、お金を持っていなくても、クレジットカードを作ったり、 キャッシングの契約が自由にできます。 悪質業者はそこにつけ込んで、未成年者である間はわざと勧誘せずに、成人したとたん に高額な契約を結ばせるという手口を使います。 支払いには借金を勧めてきますが、借金ができるということと、借金を返せることはま ったく別のことです。よく考えて契約しましょう。 事例のようなトラブルでは、クーリング・オフできる場合がありますので、ご相談くだ さい。
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