国連における小型武器への対応

第 2 回 オリ合宿勉強会
2010/5/1/Sat
国連における小型武器への対応
文責:小堀一樹
【プレゼンの目的】
・国連の総会について知ろう!
・国連での小型武器の議論の流れについて知ろう!
・各国の主張のジレンマについて知ろう!
1.機能と権限
・加盟国・安保理に対して「(①勧告)」を行う
⇒この勧告に(②法的拘束力)はない
2.役割
・(③世界中)を視野に入れた、
包括的な解決策を提示する。
3.構成
・(④192)の加盟国によって成り立っている。
・代表的な委員会は C1~C61まであり、それぞれの役割が決められている。
総会での議論の意味
1. 総会の教育的な意味
2. 国際社会の道義としての定着
⇒何度も出ている「勧告」を無視することは国際社会において非難の的になる
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第1 委員会:軍事・安全保障、第2 委員会:経済・金融・社会、第3 委員会:人権・人道・文化、第4
委員会:政治・非植民地化、第 5 委員会:行財政、第 6 委員会:法律
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第 2 回 オリ合宿勉強会
2010/5/1/Sat
【前回のおさらい】
今会議の議題は、
(⑤小型武器の非合法取引)
Prevention of the Illicit Trade in Small Arms and Light Weapons
[小型武器の特徴]
・製造が安価
・小型で軽量
・取り扱いが容易
こん
・殺傷能力が高い
and more…
・丈夫で手入れが簡単
上記の特徴故の被害が・・・
[小型武器による被害]
・紛争の激化や長期化
・・・「人々が簡単に武器を所有できる」環境は、治安の悪化や、紛争の激化・
再発へと直結する。
・子ども兵の増加
・・・子どもが兵士として小型武器を手に前線で戦わされるようになった。
・テロなどの犯罪の増加
・・・テロ攻撃の手段として、最もよく使われているのは小型武器である。
『非合法』ってなんぞ?(定義)
ⅰ.小型武器が(中略)国内法で違反とみなされているとき。
ⅱ.安全保障理事会が決定した、「武器禁輸措置」に反して取引されたとき。
ⅲ.刻印(マーキング2)がなされてないとき。
ⅳ.国家の適当な機関からの許可証や認可なしに、製造・取引がなされたとき。
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個々の武器の銃身等に刻まれるマークのこと。その記録を正確に管理することで、武器の所在を明確に
し、また追跡のための重要な手段になる。
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第3章
2010/5/1/Sat
国連における小型武器への対応
•米ソが(⑥小型武器)を大量生産
冷戦
•不要になった小型武器が安く世界中に出回る
冷戦終了
小型武器蔓
延
ミクロ軍縮
の提唱
•紛争国等に行きわたり、紛争の激化、長期化の原因に
•子ども兵の出現
•マリ共和国がガリ国連事務総長(当時)に小型武器回収
を要請。それを受け、ガリ事務総長が提唱。
2001年 国連小型武器会議
(⑦行動計画)の採択
2005年 OEWG3第3回実質会合
トレーシング4に関する国際文書を採択
今回のプレゼンで
は、主にここを扱い
ます!
2006年 小型武器行動計画検討会議
成果文書が採択されず失敗に終わる
ATT締結に向けた議論の開始の決定
今ここ
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『Open-Ended Working Group』各国代表者からなるトレーシングに関する検討グループ。
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トレーシング(追跡)とは、文字通り、非合法に流通している武器が回収・押収された場合、それらの武
器が如何なるルートにて、武器製造国或いは輸出国から流出したかを追跡すること。
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「軍縮」と「ミクロ軍縮」の違い
「軍縮」・・・戦略的安定を実現する目的として、軍備管理・軍縮をとらえる
「ミクロ軍縮」・・・軍備管理・軍縮を平和構築や平和強制と言った広義の意味でのプ
ロセスの一部に位置付ける
つまり
「軍縮」・・・兵器の規制や制限
「軍縮」・・・兵器の規制や制限
「ミクロ軍縮」・・・国際平和構築の一部
いままでに、何回も会議が行われているが、(②法的拘束力)を持つ取り決めはいまだない。
なんで!?
(⑧国内法)の違いを盾に、国際法の策定に消極的な国が反発している。
第4章
国連小型武器会議行動計画とジレンマ
この章の目的
2001年7月に開催された国連小型武器会議(正式名称:小型武器非合法取引のあらゆる側
面に関する国際会議 The United Nations Conference on the Illicit Trade in Small
Arms and Light Weapons in All Its Aspect)と、(⑦行動計画)について見ていく。
また、その後の2006年に開催された国連小型武器行動計画履行検討会議の失敗の理由、各
国のジレンマを見ていく。
2001年7月
国連小型武器会議
・はじめての小型武器に関する議論が行われた。各国の状況と問題点が世界に認識された。
・『行動計画』が採択される。
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『行動計画』概要
Programme of Action to Prevent, Combat and Eradicate the Illicit Trade in
Small Arms and Light Weapons in All Its Aspects:PoA
1.非合法取引に関する具体的措置
・取引規制のための法整備
・(⑨DDR)5(武装解除・動員解除・社会復帰)の実施
・各国のデータ収集
・小型武器に関する教育・啓蒙
2.国際協力と支援
3.フォローアップ措置
・2006年までに行動計画の履行状況を確認する。
2006年6~7月
国連小型武器行動計画履行検討会議
United Nations Conference to Review Progress Made in the Implementation
of the Programme of Action to Prevent, Combat and Eradicate the Illicit
Trade in Small Arms and Light Weapons in All Its Aspects
・行動計画のフォローアップのひとつ。履行状況の検討や、改定を目的とした会議。
・行動計画を引き続き履行していくことがあらためて確認された。
しかし、議論は合意に至らず、成果文書は残されなかった。
その結果・・・
・2006年以降、小型武器についての会議をどうするかという決定がなされなかった。
・行動計画の履行は、事実上各国の責任において施行することになってしまった。
・世界での意見がまとまらなかったため、その後の会議の足並みも乱れてしまった。
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Disarmament, Demobilization, Reintegration
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【各国・地域の対立構造】
EU/日本/アフリカなど
・国際法策定に積極的
・会合の設定などイニシアティブを
取って行動している
VS.
中東など紛争当事国
・自決権や自衛権の強調
・国際法設定に消極的
アメリカ
・私的保有の権利が認められる
べき
・自由貿易に支障をきたす
・国際法設定に消極的
【まとめ】
・国連の総会では、色々な議題を話し合っている。
・グループ間の対立により、小型武器の会議は一時足並みを崩してしまった。
<次回予告>
2週間後はいよいよオリ合宿本番です!
ということで、来週の5月8日のプレゼンは、「会議で話しあうこと」=「論点」についての解説
をします!
論点解説は非常に重要かつ、会議がとっても分かりやすくなるので、是非参加してください!
お待ちしてますー♪
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