「シリーズ公益法人制度改革2」 保険業法 保険業法改正の影響 共済事業は、契約者から金銭(掛金)を預かり、一定の事故が発生した場合には確実に 契約を履行(給付)することが求められる事業であります。そのため契約者(会員)等の 保護の観点が重要であるとして、2005年の改正で、法的根拠法を持たない無許可共済 を規制するために、規制の対象を不特定多数を対象とする事業に限っていたものが、特定 メンバーを対象とするものを含めることとなりました。 また、保険業法上の新たな枠組みとして、一定の規模の範囲内で少額・短期の引受けの みを行う者について「少額短期保険業者」の制度が創設されました。 民法34条に基づいて法人格を取得し、主務官庁の認可・監督を受け、公益法人として 運営してきた当会は、今回の公益法人制度改革により一般財団法人に移行すると、主務官 庁の監督がなくなることから法的根拠法を持たない無許可共済と同様のこととなり保険業 法の適用を受けることとなります。 保険業法の適用を受けることとなると保険業者としての登録が求められ、「少額短期保 険業者」であってもそのハードルは高く、業者登録ができなければ、互助会のような共済 事業を実施している団体は、大きな事業転換をしなければならなくなります。 「大きな事業転換」とは、保険業法の適用から除外される方法でありますが、除外され るためには一般の保険会社のように「業」として行うのではなく、当会の各種の給付金額 を、一定の人的・社会的関係に基づき、慶弔見舞金等の給付を行うことが社会慣行として 広く一般に認められているもので、社会通念上、妥当な金額(10 万円以下)にしなければ なりません。 他にも給付事業を廃止し、保険会社と団体保険契約を締結するなどの方法が考えられま すが、保険料支払いに見合った給付が行えるかなど費用対効果を含めいろいろなリスクが 予想されます。 金融庁では、政策会議で健全な共済団体の運営に支障がでないよう、法規制では共済事 業と保険会社とを分けて考えるべきとの意見が出され、2010年1月より特例民法法人 を対象として、調査が開始され、今国会へ保険業法の改正案が提出される見通しですが、 互助会などの共済団体にとっては今後の動向が注視されるところです。 *特例民法法人・・・民法により法人となった公益法人は、平成20年12月1日に施 行された公益法人制度改革関連3法により、平成25年11月 30日までに公益財団(社団)法人または、一般財団(社団)法 人に移行することとなります。 移行までの間は特例民法法人として位置づけされてます。 -1-
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