平成19年度 総合問題 (第二部 商経学科) 13:00~14:30 注意事項 1 試験開始の合図があるまで,問題冊子,解答用紙に手を触れてはいけません。 2 この問題冊子は 12 ページで,解答用紙は2枚あります。 3 試験開始の合図があったら,まずページ数,枚数を確認し(足りない場合は,手を挙げて 監督者に知らせること) ,全部の解答用紙に受験番号を記入してください。 4 試験中に,印刷の不鮮明な箇所やページの脱落などに気づいた場合は,手を挙げて監督者に知 らせてください。 5 解答は,解答用紙の所定の欄に記入してください。 6 この問題冊子にある余白のページは,下書きなどに利用してかまいません。 7 試験終了後,問題冊子と受験票は持ち帰ってください。 ― 第二部商経 12―1 ― 1 以下の問いに答えなさい。 問1 日本の女性の年齢別労働力率は,20 代と 40 代という二つのピークを持ついわゆる「M字型 カーブ」を描いている。このようなカーブは,日本の女性のどのようなライフスタイルを示し ているか,簡潔に述べなさい。 問2 図1に示されるように 1987 年と 2002 年のM字型カーブを比較すると,くぼみが浅くなって いることが分かる。このような女性の就業形態の変化とその要因について,図1・図2・図3 を参考にして述べなさい。 問3 表1は,20 歳から 34 歳の既婚女性の就業と生活に関するライフスタイルの理想と現実の格 差を示したものである。 理想のライフコースとされる3つのコースのうちどれか1つのコースを選び,そのライフコ ースを実現する場合に予想される障害と,実現のための必要条件について,あなたの考えを述 べなさい。 解答欄(1)に選択したコース名,(2)に(1)を選択した場合に予想される障害,(3) に実現のための必要条件,を書きなさい。 ― 第二部商経 12―2 ― 図1 女性の労働力率の推移 (%) 90 2002 年 77.3 80 65.6 70 60 61.9 57.1 50 1987 年 40 30 20 10 0 15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 75~ (歳) (備考)1.総務省「就業構造基本調査」により作成。 2.対象者は 15 歳以上の女性。 3.各年齢層の労働力率は、 「(有業者+無業者のうち就業希望者で求職活動をしている者)/各年齢層総人口」により算 出。 ― 第二部商経 12―3 ― 図2 25~29歳女性の労働力率の推移 % ◆:独身者 100.0 91.9 80.0 93.6 93.7 93.3 ×:子どものいない既婚者 ■:全体 77.3 72.5 69.2 74.9 65.0 60.0 67.5 68.6 60.3 61.9 59.4 52.7 55.2 ●:末子年齢 3〜5 歳の既婚者 40.0 38.3 36.7 37.2 35.8 ▲:末子年齢 3 歳未満の既婚者 20.0 0.0 1987 1992 1997 2002 (備考)1.総務省「就業構造基本調査」により特別集計。ただし「全体」については総務省「就業構造基本調査」に より作成。 2.対象は 25〜29 歳女性で,「独身者」 「子どものいない既婚者」「末子年齢 3 歳未満の既婚者」「末子年齢 3〜5 歳の既婚者」 「その他」のグループに分類し,各グループの労働力率を算出している。労働力率は, グループごとに「 (有業者+無業者のうち就業希望者で求職活動をしている者)/各グループの総人口」に より算出。 3. 「独身者」は,2002 年は配偶者なし,97 年以前については未婚と離死別の合計。 4. 「子どものいない既婚者」は,配偶者を有する者で末子年齢 14 歳以下の者と同居していない者。 5. 「末子年齢 3 歳未満の既婚者」は,配偶者を有する者で末子年齢 3 歳未満の者と同居している者。 6. 「末子年齢 3〜5 歳の既婚者」は,配偶者を有する者で末子年齢 3〜5 歳の者と同居している者。 7. 「その他」については記載を省略。 ― 第二部商経 12―4 ― 年 図3 25~29 歳女性の構成比の変化 (年) 37.6 1987 独身者 16.5 33.1 5.5 7.3 子どものいない既婚者 末子年齢3歳未満の既婚者 その他 末子年齢3~5歳の既婚者 58.4 2002 0 20 14.8 40 60 20.6 80 5.2 1.0 100 (%) (備考)1.総務省「就業構造基本調査」により特別集計。 2.対象は 25〜29 歳女性で,「独身者」 「子どものいない既婚者」「末子年齢 3 歳未満の既婚者」「末子年齢 3〜5 歳の既婚 者」 「その他」のグループに分類し,各グループが 25〜29 歳女性人口に占める割合を算出。 3. 「独身者」は,2002 年は配偶者なし,1987 年については未婚と離死別の合計。 4. 「子どものいない既婚者」は,配偶者を有する者で末子年齢 14 歳以下のものと同居していない者。 5. 「末子年齢 3 歳未満の既婚者」は,配偶者を有する者で末子年齢 3 歳未満の者と同居している者。 6. 「末子年齢 3〜5 歳の既婚者」は,配偶者を有する者で末子年齢 3〜5 歳の者と同居している者。 7. 「その他」は上記3〜6に該当しない者。 ― 第二部商経 12―5 ― 表1 子育て世代の女性のライフコース (%) 現実のライフコース(理想のライフコースごとの内訳) 継続就業コース 再就職コース 専業主婦コース 計 理想のライフコース 継続就業 コース 62.3 28.6 9.1 100.0 再就職 コース 18.4 55.6 26.0 100.0 専業主婦 コース 15.0 50.0 35.0 100.0 希望どおり ( (備考) 部分) 1.内閣府「若年層の意識実態調査」 (2003 年)により作成。 2. 「あなた,あるいはあなたの妻の理想とするライフコースはどれに一番近いですか。また,実際にはどうなっ ていますか。あるいは実際にどうなりそうですか。 」という問に対する回答の割合を示したもの。 3.選択肢のうち「結婚し子どもを持ちながら働き続ける」を継続就業コース,「出産退職し大きくなったら再び 働く」 「結婚退職し,出産後再び働く」および「結婚退職し大きくなったら再び働く」を再就職コース,「出産 退職する」 「結婚退職する(子どもを持つ)」および「結婚退職する(子どもを持たない) 」を専業主婦コース として集計した。なお, 「結婚しないで働き続ける」 「結婚するが,子どもを持たずに働き続ける」 「結婚し,子 どもが大きくなってから初めて働く」 「結婚前・後とも働かない」 「その他」「無回答」は記載を省略。 4.回答者は,全国の 20〜34 歳の既婚女性 344 人。 注)この調査に関しては, 「現実」のライフコースはどうなりそうかという予測をも含んでいるために,実際に実現されているライ フコースとは,必ずしも一致していない可能性がある。 (図1〜図3および表1は, 「平成 18 年度 国民生活白書」より作成。一部表現を改めたところが ある。) ― 第二部商経 12―6 ― 2 資料を参考にしながら,下の問いに答えなさい なぜ,私たちは貨幣を使うようになったのでしょうか。古代の人が自給自足の生活をしてい る間は,他人と品物を交換する必要はありませんでしたが,そのうち,自分の物と他人の物と を交換して,欲しい物を手に入れるようになりました。これは,物々交換と呼ばれています。 ところが,こうした物々交換では,希望する物を持っている相手を探す手間が大変ですし, うまく出会ったとしても,こちらが相手の欲しい物を持っているとは限りません。このため, 皆が,「これでは不便だ」と思い始めたのです。 そこで,「物品貨幣」と呼ばれるものが考え出され,例えば,狩猟用具の矢じり,食料の稲, 衣料となる麻布,さらには装飾品の原料となる砂金などが用いられました。しかし,これらは 実際に使う際には面倒な点が多くありました。そこで,金・銀・銅などの金属による物品貨幣 が作られるようになります。これがコインの先祖で,その後,現在使われている 500 円玉や 10 円玉のような硬貨と,紙のお札へと発展していったのです。 (日本銀行金融研究所貨幣博物館の資料「お金の豆知識 貨幣の起源」を参考に作成) 問1 貨幣が広く利用されるためには,多くの人にとって使いやすいものでなければなりませ ん。使いやすい貨幣とはどのようなものであるか,説明しなさい。 問2 「貨幣」 「お金」から連想する英単語を5語書きなさい。 問3 世の中のほとんどの物は,お金と交換で手に入れることができますが,なかには値段が ついていない無料のものがあります。以下に挙げる2つのものも無料で手に入れることが できますが,なぜ無料で手に入れることができるのでしょうか。それぞれの理由を違いが わかるように説明しなさい。 ・コンビニ等に置いてある無料の求人案内誌 ・街中で配られる新聞の号外 問4 表1は,2000 年から 2006 年までの日本銀行が発行している硬貨の種類別の流通量を表 したものである。また図1は,非接触型 IC 搭載の携帯電話端末(おサイフケータイ)の契 約台数の推移と,おサイフケータイ利用可能店舗数の推移を表したものであり,図2の円 グラフは,電子マネーの 1 か月当たりの利用額である。さらに,その下の表2は,主要企 業が発行しているポイントやマイレージなどの「企業通貨」の推計が,日本の主要業種だ けで 2005 年度で年間 4500 億円を越えることを示している表である。 これらの図表を参考にしながら,通貨はどのように移り変わり,使用されていくように ― 第二部商経 12―7 ― なるでしょうか。硬貨の流通量の傾向や,私たちの生活の中での通貨のあり方の変化など, あなたが気づいたことを3つ述べなさい。 表 1 日本銀行が発行した硬貨の種類別流通量(単位:億円) 年月 五百円 2000.01 14,920 2001.01 15,463 2002.01 16,150 2003.01 16,946 2004.01 17,552 2005.01 18,365 2006.01 18,512 百円 五十円 9,806 2,298 9,848 2,285 9,982 2,286 10,052 2,300 10,156 2,297 10,267 2,290 10,364 2,268 十円 2,068 2,059 2,067 2,066 2,071 2,076 2,075 五円 630 629 628 626 623 617 610 一円 406 407 409 409 408 407 408 (日本銀行が公表している「通貨流通高」より作成) 図 1 非接触型 IC 搭載の携帯電話端末(おサイフケータイ)の契約台数の推移と おサイフケータイ利用可能店舗数の推移 (「平成 18 年度 情報通信白書」 ) ― 第二部商経 12―8 ― 図2 電子マネーの利用額 (1 か月当たり) 2.8% 5.5% 21.7% 31.9% 20.8% 17.3% 500円未満 5,000円未満 1,000円未満 1万円未満 3,000円未満 1万円以上 (「平成 18 年度 情報通信白書」 ) 表2 国内主要業界の「企業通貨」発行額推計(2005 年度) 業界 クレジットカード(業界全体) 携帯電話(上位 3 社) 航空(上位 2 社) ガソリン(主要 3 社) 家電量販店(上位 10 社) 総合スーパー(上位 5 社) 百貨店(上位 10 社) コンビニエンスストア(主要 3 社) ドラッグストア(上位 5 社) 総額 年間発行額 (億円) 1458.1 873.7 749.5 476.7 306.4 292.4 274.3 49.2 39.5 4519.7 (野村総合研究所の調査より。一部改変。なお,小数点第二位 を四捨五入したため,各項目の合計と総額は一致しない。 ) ― 第二部商経 12―9 ― ― 第二部商経 12―10 ― ― 第二部商経 12―11 ― ― 第二部商経 12―12 ―
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