パルスニューラルネットワークを用いた音識別 システムの開発

パルスニューラルネットワークを用いた音識別
システムの開発
森田英樹(京セラ) 図子博紀 桐生昭吾(東京都市大学)
岩田彰(名古屋工業大) 吉田征夫(ワイエスデイ)
(概要)
近年 PC や専用機器を用いた音声識別が実用化されている。しかし、これら一般的
な音声認識で用いられるアルゴリズムは、音源のスペクトル解析をすることによりそれら
の特徴を算出したり、音源の統計的な性質を複雑な数式で求めたり、膨大なデータベ
ースを元にそれらと比較して音源の種類を特定したりと、重い処理を行っている。本論
文で扱う音識別システムは、前述した手法のように音声の細かな種類までは識別でき
ない場合があるが、非常に少ない演算とアルゴリズムの組み合わせで構成されている
ため、安価で小規模なハードウェアで実現可能である。また、ニューラルネットワークを
採用しているので、識別したい音の種類を自由に変更できるという利点もある。この様
にウェアラブルかつフレキシブルなシステムは、聴覚障害者や高齢者の聴力補助に応
用できると考える。それに向けて今回は、岩田らが研究開発する「ニューラルネットワー
クを用いた音識別システム」の識別率を保持、改善しつつも、ハードウェアリソースを削
減するための開発を行う。これに当たり設計したハードウェアやソフトウェア、また考案
したアルゴリズムとそのシミュレーション結果、実測結果についてここに論ずる。