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JAPAN
御中
通販による個人輸入での購入物品に対する関税についての質問書
<本質問に至る経緯>
当方は米国の TEVA 社製 サンダルをインターネット通販により購入しました。
物品の購入代金、送料は購入手続き時に決済済みでしたが受領に際して御社に関税¥4300+消費税¥300 として
¥4600 を支払いました。
これは税務当局の直接的な指示ではなく御社の判断により請求されたものと解しますが、
この支払いに疑義を感じたところから以下を質問します。
御社から受け取った輸入(納税)申告控によりますと仕入書価格$54、運送費は$59.95 で合計$113.95 に対し
表記換算レートは¥83.94/$との事で評価額は切り上げ¥9565 と計算されます。
とすれば 「1006 課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について(カスタムスアンサー)」
の趣旨に沿って本件物品は免税対象として扱われるのが妥当ではないかと考えます。
それにも関わらず課税対象とみなされたのは
(参考)「関税を免税しない物品」として定められている物品の主なものカスタムアンサー1006 項中の
「革製のカバン、ハンドバッグ、手袋等、編物製衣類、スキー靴、革靴及び本底が革製の履物類等」
を参照して御社の判断により請求されたと考えられ、御社作成の輸入(納税)申告控でも税表番号が
6403.99-1-(2)と示されていました。
これは「履物(本底がゴム製、プラスチック製、革製又はコンポジションレザー製で、甲が革製のものに限る。
)
」
と定義されていますところから本件物品が革靴と判断されたものと思われます。
しかしながら当方が現品を確認したところ、本底を含めゴム、プラスチック、化繊製の基材部に対して
革が一部貼られているものの、甲部分に貼られた革部分は面積として半分若しくはそれ以下(或は後述のとおり
革材の一部が補強品として計算上は対象外とも解釈できる余地が有る)であり使用材質の構成比からも
<甲が革製のものに限る>とする革靴に分類するには相当な無理があると思われます。
としますと本件物品はカスタムアンサー1006 項が示すとおり本来は免税として扱われるべきであり
税表番号 6403 による課税対象とした御社の判断は失当であると考える次第です。
<当方が主張する根拠>
本件物品が革製品、若しくは革靴と判断するか否かの根拠は関税当局による実行関税率表中 64 類についての
類注を参照するのが妥当であると考えます。それは判断基準が具体的な定義として示されている事によります。
この類注によりますと
3 この類においては、次に定めるところによる。
ゴム又はプラスチックには、織物その他の紡織用繊維製品であって、肉眼により判別できる程度のゴム又は
プラスチックの外面層を有するものを含む。この場合において、ゴム又はプラスチックの外面層を有する
結果生ずる色彩の変化を考慮しない。
「革」とは、第 41.07 項及び第 41.12 項から第 41.14 項までの物品をいう。
4 3 の規定に従うことを条件として、甲の材料は、外面に占める面積が最も大きい構成材料により
決定するものとし、附属品及び補強材(例えば、アンクルパッチ、縁取り、装飾品、バックル、タブ及び
アイレットステー)を考慮しない。
本底の構成材料は、地面に接する面積が最も大きい材料により決定するものとし、 附属品及び補強材
(例えば、スパイク、バー、くぎ及び保護物)を考慮しない。
と示されています。
さらに「甲」の定義として関税当局の関税率表解説、及び分類例規からそのまま「
」内に抜粋引用します。
「64 類
この類においては、若干の例外(この総説の最後に記述されている除外例を参照)を除き 64.01 項から 64.05 項
までの各項には、形状及びサイズ、特に用途、製造方法及び構成材料の如何を問わず各種のタイプの履物
(オーバーシューズを含む。)を含む。この類の履物には、底の付いていないもろい材料(紙、プラスチック
シート等)で足又は靴を覆う使い捨ての物品を含まない。これらの物品は、構成する材料により該当する項に
属する。
(A )履物には、甲が単に調節できるひも又はリボンから成るサンダルから大股まであるブーツ(甲の部分が
脚部及び大腿部をカバーし、よりよく保持するために、甲の上部を腰に結びつけるために、ひも等を有している
こともある。
)までの範囲のものを含む。
この類には、次の物品を含む。
(1 )通常、室内用若しくは外用の平底靴又はヒールの短靴
(2 )アンクルブーツ、ハーフブーツ、ニーブーツ及びサイブーツ
(3 )各種のサンダル、エスパドリル(本底が植物性組物材料で、甲がキャンバス製の短靴)、
テニスシューズ、ジョギングシューズ、バススリッパその他のカジュアルシューズ」
とのことから本件物品も革製品のサンダルとして該当するか否かを検証する必要があると考えます。
続けて関税当局の類注、分類例規を引用しますと
「(B )この類に含まれる履物は、石綿を除き、ゴム、革、プラスチック、木、コルク、紡織用繊維(フェルト
及び不織布を含む。
)、毛皮、組物材料等のいかなる材料であってもよい。また 71 類の材料をいくらかの割合で
含んでいてもよい。 ただし、この類の限定により、64.01 項から 64.05 項までの各項に所属を
決定するのは、本底及び甲の構成材料である。
」
とあります。 本底は明らかに樹脂製で非革ですからこれ以上、論ずる余地が無いのは明らかですので
「甲」部分が判断の要点になります。
「(D )この類の履物の所属の決定に当たっては、甲の構成材料も考慮する必要がある。
甲とは、靴又はブーツの底より上の部分をいう。ただし、プラスチックの成型した底を使用したある種の
履物又はアメリカンインディアンのモカシンタイプの靴のように底及び甲の全部又は一部が単一の材料片で
作られたものは、本底と甲との区別が困難になっている。このような場合、甲は足の横及び上部を
覆う部分とする。甲の大きさは、足部及び大腿部を含む脚部全体を包むもの(例えば、漁師用ブーツ)
から、簡単なひもから成るもの(例えば、サンダル)まで多種多様である。
甲が二以上の構成材料から成る場合には、当該物品の所属の決定は、甲の外面に占める面積が
最も大きい構成材料により決定する。この場合、アンクルパッチ、保護用又は飾り用ストリップ
又は縁取り、その他の装飾品(例えば、タッセル、ポンポン、ひも)
、バックル、タブ、アイレット
ステー、ひも又はスライドファスナー等の附属品及び補強材を考慮しない。裏張りの構成材料は、
所属の決定上何ら影響を及ぼさない。」
ここから実際に当方が受領した当該案件現品の写真により革製品として判断できるか否かを検証します。
どこからが「甲」部分であるかは先の 64 類注
項目(D)と分類例規に示されたイラスト解説
による記述から右写真-1 の矢印部が示す素材
接合部の線より上の範囲と解します。
これは該当する先端樹脂部は足指の裏が
靴底に接する部分より上の範囲で爪側を
保護していることから類注で示される所の
「足の横及び上部を覆う部分」に該当するとの
判断によります。
写真-1 矢印先端の接合境界から上を甲、下を底と考える。
またこの部分は下写真-2 のA部で示すとおり、赤矢印の境界により本底に該当するB部と分けられた部材で
構成され「つま先」から「かかと」まで一体化していることからこのA部は外観構成上、「甲」として
扱うべきものと判断します。
右図
64 類分類例規格
に示された
イラスト解説
写真-2 Aは甲、赤矢印部を境にBは底と解する。
Cは補強材とも解される。
これは次の写真-3 でも見て取れるように内股側からも本底と矢印部による境界を持った製造工程上に必要な
別の部材との組み合わせであると判断します。
従って「本底」と「甲」の定義から写真-2 でのA部が「甲」の構成材料として疑う余地は無いと考えます。
写真-3 ①化繊メッシュの基材部
②、③革貼部。 互いに分離されている部材であることに着目せよ。
重要な事は本件物品の基材が何であるかを考えるにあたり上写真-3 の①で示された織布メッシュ部が
「つま先」から「かかと」まで一体の足袋の如く足裏が接する面に取り付けられている事です。
これは右写真-4 でも明白です。
写真-4 基材は織布メッシュである。
そしてF部は留め具としての部分品とみなしますから材質を
検討する上で計算外になると考えます。
従って本件物品の実質は <商品名の中に「LEATHER」との文字が
含まれているにしても合成樹脂製の本底に同様の合成樹脂と織布を
基材にして甲の表面一部に革を貼ったもの>であり、
「甲の材料は、外面に占める面積が最も大きい構成材料により決定する
ものとし、附属品及び補強材(例えば、アンクルパッチ、縁取り、装飾品、
バックル、タブ及び アイレットステー)を考慮しない。」
との関税率表類注と分類例規から 外面に占める面積を判断すれば
革部よりも非革部が上回る事は明白であると述べる次第です。
とすれば当然に革製品と分類することに錯誤があるものとして
1万円以下の物品に対する免税、即ち 関税定率法
第14条18号が適用されるものと主張します。
更に付け加えるならば写真-3 での前側革部②の縫い付けが足を入れる縁取り部分に届かず、且つ基材となる
一体化した織布メッシュ部分とトリミング(側面の切り取り穴空き)で写真-3 の②と③の革貼りが
分離されている事に注目します。
下の分類例規が示す所に拠れば特に写真-3 の③部分は補強材として外観面積の計算上には考慮されない事に
なりますから尚更に外面に占める面積として本件物品を革製品として扱うには全く無理であると考えます。
「64 類 2.靴の甲の構成材料を決定するための面積計算について
靴の甲の構成材料を決定するための面積計算については、関税率表第 64 類注 4(a)の規定「甲の材料は、
外面に占める面積が最も大きい構成材料により決定されるものとし、附属品及び補強材(例えば、アンクル
パッチ、縁取り、装飾品、バックル、タブ及びアイレットステー)を考慮しない。」が考え方の基礎となるが、
当該規定の解釈については次のとおりとする。
1.外面に占める構成材料とは、附属品及び補強材は除外して「基材」の構成比で判断する。すなわち、附属品
及び補強材と認められるものについては、これらを取り外して靴の基礎となる構成材料で面積比を計算する。」
以上のことから御社に対して本件物品を免税として扱うべきとの当方の主張が適法なものかどうかの判断を
あらためて求めるものであります。 異なる見解がありますならば個々具体的に指摘していただくと共に
参照すべき法令条項或いは通達、例示等を教示いただければ幸いです。
要諦は
下記
あ)~う)に対する御社の判断になると考えます。
あ)基材はどの部分の何と考えるか。 当方は写真-3 で示すところの織布メッシュ部①と主張する。
い)写真-2 のC部(写真-3 の③部)は基材に対する補強材としてみるべきで材質を判断する上の面積には
計算されない。
う)写真-4 のF部は固定具としての部分品であり材質決定の計算には含めない。
この結果、計算されるべき革部 対 非革部との面積比率から本件サンダルは非革製品と主張する。
以降の手続きは下記を希望します。 当方への連絡は電話、文書、MAIL等手段は問いません。
1) 当方の主張が妥当と判断される場合は支払った関税費用の払い戻し方法についての説明を連絡していただく事。
2) あるいは御社の判断により本件物品が革製品として扱うとして 当方の前 1)項に応じかねないのであれば
その判断責任部署名 か代表職制名を郵送所在地と共に示していただく事。
(この場合は 御社の示す見解を検討した上で当方の主張がより、合理と判断した場合は後日、返金を
求める為の催告書を送付させていただきます。
)
以上、宜しくお願い申し上げます。