第3章 応答スペクトル

スペクトル
プリズムを通して現れる太陽光スペクトル
太陽光線(白色光)
第3章 応答スペクトル
プリズム
⾚、橙、⻩、緑、⻘、藍、紫の7⾊に分解
赤の波長:8000A(オングストローム)
紫の波長:4000A
1Åは10-10m = 0.1ナノメートル(nm) =
100ピコメートル(pm) と定義されている。
スペクトル:複雑な組成を有するものを、単純な成分に分解し、その
成分を、それを特徴づけるある量の⼤⼩の順に従って並べたもの。
虹とは、⾚から紫までの光の
スペクトルが並んだ円弧状の光
である。
1666年
空気中の⽔滴によって、太陽
の光が屈折、反射されるとき
に ⽔滴がプリズムの役割をす
に、⽔滴がプリズムの役割をす
るため、光が分解して複数⾊
(⽇本では七⾊とされる)の帯
に⾒える。⾬上がり、⽔しぶき
をあげる滝、太陽を背にして
ホースで⽔まきをした時などに
良く⾒ることができる。
Isaac Newton
空に架かった虹
滝の水飛沫による虹
最も広い意味でのスペクトル(Spectrum)とは、複雑な
情報や信号をその成分に分解し、成分ごとの大小に従って
配列したもののことである。2次元以下で図示されることが
多く、その図自体のことをスペクトルと呼ぶこともある。
様々な領域で用いられる用語で、様々な意味を持つ。
数学や物理学では時間信号をフーリエ級数展開したとき
数学や物理学では時間信号を
リ 級数展開したとき
の各調波成分の振幅の大きさを周波数の関係から見たもの
という意味で用いられる
。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鉄の輝線スペクトル
電離あるいは励起された原子から放射される光は、原子内の電子のエネルギー準位が量子化されているため、ある特定の波長だけ
に限られている。このような光はプリズムで分光すると離散的ないくつかの光の線となる。この光の線を輝線といい、輝線からな
るスペクトルを輝線スペクトルという。
地震波が持つ耐震工学上重要となる特性
•
•
•
•
最大振幅
継続時間
包絡曲線
波数
•
•
振動周期
エネルギ
波形を⾒て分かる
波形を⾒ただけでは分からない
1⾃由度系モデルの運動⽅程式:
応答スペクトル
(Response Spectrum)


応 答 ス ペ ク ト ル : あ る 地 震 波 d2φ/dt2 に 対 し
て 、 1質点ばね系モデルの減衰定数
1質点ばね系モデルの減衰定数h
質点
系
減衰定数 h と固有周
有周
期Tを変化させ、
期Tを変化させ
、 求めた応答の最⼤値をプロッ
トした曲線を応答スペクトルという。
トした曲線を応答スペクトルという
。
spectrum, spectra, spectral analysis
m
m
d 2z
dt 2
2
dy
 ky  0
dt
d 2   y 
dt 2
2
m
c
c
dy
 ky  0
dt
2
d y
dy
d 
c
ky  m 2
dt
dt
dt2
2
dy
d 
2
 2h
 y   2
2
dt
dt
dt
d y
パラメータは減衰定数h
パラメータは減衰定数
hと固有円振動数
と固有円振動数ω
ωだけ
エルセントロ地震波の
加速度応答スペクトル
h=5〜10%
構造物の固有周期
地震応答スペクトル
■ 【問題】
■ 固有周期が1秒で、減衰定数hが5%の1
エルセントロ波の加速
度応答スペクトル
質点ばね系の構造物に、EL CENTRO波が
質点ばね系の構造物に、EL-CENTRO波が
最⼤加速度326ガルで⼊⼒した場合、最⼤
加速度は何ガルになるか。
【問題
問題】
】
上図に⽰した加速度応答スペクトルを⾒て、耐震⼯学的に
留意すべき事項について述べよ。また、構造物の固有周期
をどのようにすると、耐震性の⾼い構造物となるか。

地震応答スペクトル(Earthquake
地震応答スペクトル(
Earthquake Response
Spectrum) :G. W. Housner(
Housner(1940
1940)
)

応答スペクトル(Response
応答スペクトル(
Response Spectrum)
エルセントロ地震波の
速度応答スペクトル
h,T))
◆(相対)変位応答スペクトル:Sd (h,T
◆(相対)速度応答スペクトル:Sv (h,T
h
h,T)
T)
T)
◆(絶対)加速度応答スペクトル:Sa (h,T
h,T))

等しい減衰定数 h と固有周期 T を有する構造物
は 、 同じ地震波動を受けると、
同じ地震波動を受けると、構造物の⼤⼩に拘ら
ず、同じ変位
同じ変位、
、速度
速度、
、加速度となる
加速度となる。
。
エルセントロ地震波の
変位応答スペクトル
建物の設計に⽤いられる代表的な地震記録
Sd
1995年兵庫
県南部地震記録
Sa
【問題】
固有周期が2秒と0.5秒の建物が隣接して建
てられている。この建物に、EL-CENTRO波
が326ガルで⼊⼒した場合、両者の最⼤応答
特性の違いについて述べよ。なお、両建物の
減衰定数hは ともに5%とする
減衰定数hは、ともに5%とする。
T  2.0s
T  0.5s
加速度応答スペクトル
変位応答スペクトル
エルセントロ地震波の
応答スペクトル
速度応答スペクトル
地震応答スペクトル
Sd 
1

Sv 
T
SV
2
Sv  Sv
Sa   Sv 
変位、速度、加速度

変位
y  Acos(t   )

速度
ddy
 Asin(t   )
dt

加速度
d2y
dt
2
2
  Acos(t   )
2
Sv
T