Integrated Media Enterprise Media Enterpriseフレームワークの展望 www.avid.com/jp Integrated Media Enterprise Media Enterprise フレームワークの展望 メディア制作と配信ビジネスは、 常に大きく変化する環境 の中にあります。 この変化に対応していくために、 新しい 技術とビジネスフレームワークが開発されています。それ が 「Integrated Media Enterprise」 です。 Integrated Media Enterpriseには、以下のような特長 があります: • I新しいワークフローに焦点を合わせたアプローチでビ ジネスを改善し、 低リスクで新しいビジネスモデルを展 開します。 • I既存のメディアアセットとその価値を明確にし、 スムー スに再利用、 利益化することで、 ビジネスを可視化しま す。 • IWebサービスを使ってインジェスト、 制作、 アーカイブ、 配信といった工程を統合し、 協調作業の効率性を最大 化します。 この文書では、 メディア企業が今日直面している問題 と、 Integrated Media Enterpriseがそれらをどのように 解決するかについて説明します。 2 ビジネスの展望 技術の進歩とそのインパクトは、 テレビがラジオにとって 変わったときのような、 大きな変革をもたらします。 この 変化は、 本質的に以下のような特長を持っています: • オンラインやソーシャルメディアのような、 配信方法の 大きな変化 • 独立系プロデューサー、 各分野のプロフェッショナル、 さ らには世界中にいる市民ジャーナリストからの映像素材 • プロ/アマ分野の様々なツール • 新しい収益モデルに対応する組織変更 (このチャンスは 魅力的に見えますが、 とらえどころのない推移をしてい ます) Integrated Media Enterprise Media Enterprise フレームワークの展望 ワークフローとメディアの変化 配信の変化 アイデアが生まれてから視聴者がそれを見るまでの、 基 新しい配信方法の誕生は、 新しい収入のチャンスとと 本的な制作ワークフローは、 テレビ草創期から大きく変わ もに、 新しい困難とコストをもたらします。放送、 モバイ ってはいません。制作工程の一部はより効率的に、 非線形 ル、 Web、ソーシャルメディア、Blu-ray、IPといったそれぞ (ノンリニア) になりましたが、 それでも工程の全体はま だ直線的 (リニア) なままです。 コンセプトを創り、 素材を撮影し、 ビデオ・オーディオを編 集し、 送出所から配信する。収入源は広告収入、 または、 契 約料・視聴料です。 今日、 アイデアを作る段階で、 その番組が様々なメディア によって配信されることは、 既に考慮に入れられているの が普通です。 プロのプロデューサーだけがコンセプトを創 るのではなく、 また、 プロデューサーだけが番組を作るわ けでもありません。 ワークフローは直線的なものではな く、 協調作業の中で並行に行われる形に進化しています。 素材の再利用も、 後から必要に迫られて行うことではな く、 番組制作の初めから念頭にいれるべきことになってい ます。バージョン管理やメディア同士の関連性の管理は、 ここにおいて集中化されます。その工程においては、 様々 なプラットフォームが緊密に統合化されるべきです。 ワークフローが変わるのと同様、 フォーマットも変化を続 けています。一つのフォーマットをベースに設計されてい た制作パイプラインは、 今や拡散を続けるフォーマットと、 それらの関連性までを管理できなければならなくなって 2Mピク います。その幅は、 プロ用2Kデジタルカメラから、 れの配信方法に、 それぞれのツールとオペレーターが必 要です。 これは、 経理上の大きな負担となります。さらに は、 それぞれのプラットフォームにおいて、 収益化する方 法もタイミングも視聴者によって異なります。広告収入だ けでは、 これらすべてのプラットフォームをサポートする には不十分であり、 したがって、 企業全体の構造を大きく 変える必要があります。 Integrated Media Enterprise Integrated Media Enterpriseとは、Avidによってデザイ ンされた、 ビジネスプロセスのフレームワークのための技 術であり、 ワークフローとWebサービスによってサポート されます: • メディアの取得から制作、 アーカイブ、 配信に至るまで を統合し、 企業全体を縦断する協調作業を実現。作業の 透明性を高めます。 • 既存のメディアアセットとその価値を明確にし、 スムース に再利用、 利益化することで、 ビジネスを可視化します。 • モジュール式のオープン・アーキテクチャにより、 高い敏 捷性で、 新たなビジネス・チャンスに素早く対応できま す。 セルの携帯電話用カメラまで、 非常に幅広いものです。 素材は、 プロだけでなく、 アマチュアやフリーランスによっ ても撮影され、 コンテンツクリエイターも、 地理的に広い 範囲に散っています。 コンテンツを制作するためのツー ルは、 これらのフォーマットを幅広くサポートできるように なっていますが、 各素材のフォーマットや使用権利の管理 は、 どんどん複雑で難しいものになってきています。 3 Integrated Media Enterprise Media Enterprise フレームワークの展望 このフレームワークには、 数々の重要な要素が含まれて います: • オープン・メディア・カタログ アセットに関するすべてのメタデータと重要なコンポー ネントの収納場所です。 * グラフィック、 オーディオ、 ビデオ、 その他のアセットの メタデータを保管しています。単一ベンダーのデー タフォーマットだけに限定されず、 オープンです。今 日のメディア企業は広範なメーカーのツールを扱っ ており、 すべてがフレームワークにフィットしなければ ならないからです。 フレームワークがビジネスの目的を果たすためのもので ある以上、 特定のニーズに合うようにワークフローを構築 できなければなりません。 このワークフローは高度に柔 軟で、 ユーザーとシステムの間をシームレスにつなぎ、 管 理者にとっては作業のステータスの透明性が保たれてい る必要があります。 • 標準化されたオープンサービス Integrated Media Enterpriseは、単一ベンダーの機 器による一体型のシステムではありません。Service Oriented Architectureをベースにし、複数ベンダーの * あらゆる企業のニーズに合わせてカスタマイズでき 機器を標準的なマトリックスで統合できる柔軟なフレー るように、 柔軟性の高いデータモデルを採用してい ムワークなので、 ビジネスニーズに合わせて発展し続け ます。 られます。 * アセット間の関連やメタデータのレイヤー、 メタデー タとメディアのタイムコードベースの関連等を管理・ 維持できる、 豊富なデータモデルを用います。 • 高性能メディア・レポジトリ メディア・レポジトリは、 アセットの格納庫です。 * すべてのアセットを保管します。 * あらゆる種類のメディアを保管します。 * ディープアーカイブからリアルタイム・オンライン・ス トレージまで、 コストや性能に合わせて選ぶことがで き、 選んだストレージの種類によって役目が変わり ます。 • メディア交換 • サードパーティーエコシステム サードパーティーベンダーは、 標準的なプロトコルを 使ってWebサービスを作成・発行し、 必要な機能を追 加して組み込むことができます。Service Oriented Architectureがこれを可能にしています。 • 拡張性の高いハイブリッドモデル Integrated Media Enterpriseでは、そのサービスを ローカルネットワーク上のクライアントを通して、 あるい はクラウドを通して提供できます。制作と配信は、 同じ一 つの場所から離れる傾向が強まっており、 また、 制作者 と視聴者の距離も離れていますが、 どこにいても、 いつ でもメディアを見たいという要求は強くなっています。 これは一体型ではなく、 分散型のシステムです。 コン 企業は、 これらのサービスをクラウドで提供することに ポーネント間を接続する一般的なプロトコルを使った、 より、 いつでもどこでもメディアにアクセスすることが可 メディア変換のためのエンジンが含まれます。 能になるでしょう。 • 統合ツール ユーザーが、 インジェスト管理、 ロギング、 カタロギング、 検索、 ショットリスト作成、 権利確認、 編集、 フィニッシン グ、 レビュー、 承認、 送出管理といったタスクを実行する ための手段を提供します。効率的な協調作業のために、 これらのツールはフレームワークに組み込まれていま す。 4 • ワークフロー管理 Integrated Media Enterprise Media Enterprise フレームワークの展望 上記のすべては、 コンテンツ制作から権利管理、 アーカイ ブ、 配信にいたるまでの工程で、 放送局が必要としている Integrated Media Enterpriseが、ニュースを変 ソリューションです。Integrated Media Enterpriseフレ えます: ームワークの価値は、 これらの機能を提供でき、 全体をさ • 番組とWebの統合:放送用番組とWeb用コン らに効率的に統合できる点にあります。 テンツを別々に制作している余裕はありませ ん。Integrated Media Enterpriseフレームワーク Integrated Media Enterpriseの実践 では、 ニュースソースの入手から原稿作成、 再利用 ニュース まで、 一つのセッティングで対応できます。 事件は24時間起こります。視聴者はそれを一刻も早く見 • 地理的統合:大きな組織では、 街や国にまたがって たいと願っています。報道機関にとって、 ニュースを一分 制作チームが展開されています。統一化されたフ でも早く放送することは、 競合に勝つための最も有効な レームワークでタスク分散し、 ストーリーを共有す 手段です。 この傾向が、 ニュースを、 決められた時間の放 ることで、 効率性と反応性が高まります。 送からWeb配信の方向にシフトさせています。結果とし て、 新しいソースは検索エンジンやニュース集約サイト、 市民ジャーナリストからソーシャルネットワークに導入さ れてきました。今後も、 新しい技術が配信チャンネルの形 態やフォーマットを変えることがあり得るでしょう。そのた びに設備を一新することなしに、 これらの新しい変化に対 応する必要があります。 • アーカイブ再利用:ニュース素材の収集は、 費用の かかる作業です。効率的に管理されたアーカイブ 素材を素早く再利用することで、 費用を抑えなが らも、 番組をさらにリッチな内容にすることができ ます。特に新しいWebアウトレットでは、 リッチなバ ックグラウンド素材が、 視聴者を惹きつけることに 大きな役割を果たすでしょう。 5 Integrated Media Enterprise Media Enterprise フレームワークの展望 スポーツ 正しいメタデータを持った正しいフォーマットの素材の、 スポーツ専門ケーブルチャンネルの増加と、 スーパーボウ 複数チャンネルに対する同時配信は、 Integrated Media ルやワールドカップのような大きな試合により、 スポーツ 中継は、 放送局の主要な収入源の一つになっています。 ファンの熱狂度と、 スポーツやチーム、 選手に関するコン テンツに対する飽くなき欲求は、 大きなビジネスチャンス のコストでビジネスチャンスに対応することができます。 ポストプロダクション です。さらに、 放送局は近年、 「ハイライト・ファクトリー」の もし 「コンテンツがすべて」なら、 ポストプロダクションの ような、 メディア再利用の新しい地平を拓き、 シリーズの 役割は何でしょう?新しい環境では何をなすべきでしょ すべてを同時にカバーし、 ライブやオンデマンドWebスト う?それは、 コンテンツオーナーに対して、 アセットの開発 リーミングで活用しています。 と収益化をサポートするサービスを提供することです。 スポーツコンテンツのアーカイブ資産は大きな資産価 値をもっており、 無数のビジネスチャンスを生み出しま す。Integrated Media Enterpriseフレームワークなら、 それらの資産価値を簡単に管理・アクセスでき、 様々な部 署がこれを収益化するためのオペレーションを統合化で きます。新しいビジネスモデルを収益化するためのソリュ ーションを構築するのもスムースです。 コンテンツオーナー 「コンテンツがすべて」の世界では、 これをいかに収益化 するかという課題はもっとも重要な問題です。 コンテンツ クリエイターとオーナーは、 まだ誰も手をつけていない ユニークな分野は何かを探すことだけでなく、 それをい かに有効に活用するかについて、 常に考えています。その ためには、 まず手持ちの資産には何があるのかを明確に し、 それをいかに簡単に再利用するかを考える必要があ ります。アセットが正しいフォーマットになったら、 コンテン ツは正しいメタデータを付加され、 使われるべき場所で 使われるような準備をされる必要があります。 これらのメ タデータは、 制作途中で付加されたものとは独立した、 新 しいメタデータセットとして、 あるいはそのサブセットとし て存在します。 6 Enterpriseの主要な役割の一つです。これにより、最小 多くのコンテンツオーナーは、 ストレージ、 ポストプロダク ション、 アーカイブ、 配信のための包括的な設定よりも、 コンテンツ制作に重点を置いています。 このような、 コン テンツ管理に様々な付加価値を付けたいポストプロダク ションも、 Integrated Media Enterpriseフレームワーク を使うことができます。 ここで大切なのは、 物理的な設定 とユーザーとの分断です。もはやクライアントは、 作業を するためにポストプロダクションに訪れる必要はありませ ん。 クラウドベースサービスでは、 ユーザーがどこにいて もサービスを提供できるだけでなく、 世界中のどこに住 んでいるスタッフでも、 優秀であれば自分のプロジェクト に携わってもらうことができるのです。 Integrated Media Enterprise Media Enterprise フレームワークの展望 教育機関 さいごに Integrated Media Enterpriseの恩恵は、ビジネスの世 放送局、 ポストプロダクション、 コンテンツオーナー、 政府 界だけのものではありません。教育機関でも、 メディアフ 機関、 教育機関といった様々なお客様から、 同じ質問を受 レームワークの管理に対して大きな挑戦を迫られていま けます。 「施設、 技術、 ワークフロー、 ビジネスモデルを、 す。教育機関では、 多くの学生たちに安定して一定のカリ 将来の問題に即した形に変えるには、 どうしたらいいです キュラムを提供しなければならず、 また、 管理的または技 か?」。劇的に変化する環境においては、 単一ベンダーの 術的に難しい要素をできるだけ排除して、 マルチメディア 単一製品では、 もはやこの変化を乗り切ることはできま に触れさせる必要があります。学生の作品を簡単に確認 せん。 どの素材が使えるか、 どんな権利が絡んでいるか、 したり、 そのフィードバックを簡単に行う手段を提供する その素材にどれだけの価値があるか、 企業全体で協調 必要もあるでしょう。ある場合には、 キャンパスに通えな 作業を行うための習熟、 そして、 ビジネスチャンスに対応 い学生のために、 クラウドを通じて授業を提供する必要も するための機敏性。 これらを可能にするのがIntegrated あるかもしれません。 Integrated Media Enterpriseフレームワークは、より多 くのメディアをカリキュラムに活用し、 多くのフォーマット で素材を提供することで、 学生のこれらのニーズを満た します。 Media Enterpriseなのです。 スタート地点がどこであっても、 AvidはIntegrated Media Enterpriseの構築をお手伝いしま す。Integrated Media Enterpriseは、 今日のビジネス上 の挑戦を解決するだけでなく、 将来のチャンスをつかむ ためのソリューションです。 政府機関 政府機関でも、 受け取ったり作成したりするメディアの数 は増えています。様々な異なるフォーマットで届けられる メディアは、 それぞれに適切な認証を得る必要がありま す。 さらに、 付加されるメタデータの内容は、 機関によって異 なります。 これを解決する唯一の手段は、 メディアアセット に全体的な可視性を持たせることです。機関の外部にメ ディアを持ち出す時には、 そのメディアはセキュリティー を確保されていなければなりません。 Integrated Media Enterpriseの最大の利点は、既存 の、 あるいは機関間のアプリケーションに対してオープン なインターフェースを持っており、 柔軟なメディアフレー ムワークによりプラットフォーム間を橋渡しできるという ことです。 このオープンなアプローチで、 新しいワークフ ローへの展開を低リスクで実行に移すことができます。 7 www.avid.com/jp アビッド テクノロジー株式会社 〒107-0052 東京都港区赤坂2-11-7 ATT新館ビル4F ©2012 Avid Technology, Inc. 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