13 都市計画法開発行為許可

13
都市計画法に基づく開発許可制度
(都市計画法)
制 度 の
要
点
開発行為(主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で一定面積以
上の土地の区画形質の変更)をしようとする場合には、あらかじめ知事等の許可を受けな
ければならない。 (法第29条第1項及び第2項)
※都市計画法の一部改正・・・P32-1~2を参照。
目
的
開発許可制度は、都市計画法に基づく市街化区域と市街化調整区域のいわゆる「線引き」
制度を担保するための制度であり、開発行為に際して許可を必要とさせることによって、
宅地について一定の水準を確保させるとともに、市街化調整区域にあっては、一定の要件
に適合するものを除き、原則として許可しないこととして、「線引き」制度の目的を達成さ
せることを目的としている。
また、市街化区域と市街化調整区域以外の区域についても適切な市街地形成を図る観点
から、「線引き」のされていない都市計画区域内及び都市計画区域外についても許可の対象
とされている。
対象地域
開発行為の場所に応じ、開発区域の面積が次表の面積以上の開発行為について許可が必要。
都
市
計
画
区
線引き都市計画区域
秋田市(※1)の都市計画区域及び
潟上市の都市計画区域
市街化区域
市街化調整区域
1,000㎡以上
全ての開発行為
※1
内容及び
必要手続
旧河辺町、旧雄和町の区域を除く。
域
内
都市計画区域外
非線引き都市計画区域
秋田市(※2)の都
市計画区域及び潟上
市以外の市町村の都
市計画区域
3,000㎡以上
能代市に限り
1,000㎡以上
※2
1ha以上
旧河辺町、旧雄和町の区域に限る。
1)開発行為とは
主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画
形質を変更する行為(造成等を行う行為)をいう。
①特定工作物とは
コンクリートプラント等の周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれのある工
作物(第1種特定工作物)、ゴルフ場や1ha以上のレジャー施設等(第2種特定
工作物)
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②土地の区画形質の変更とは
基本的には、切土、盛土等により土地に対して物理力を行使する行為をいい、
単なる樹木等の伐採行為や、基礎打ち及び土地の掘削等の建築物の建築工事と一
体不可分の工事と認められる行為については開発行為には該当しない。
また、建築物の建築を目的としない、単なる土地の分合筆、農地等の宅地以外
の土地の宅地化等は、原則として開発行為に該当しない。建築物の建築を目的と
する場合であっても、従前から建築物の敷地になっている土地において、造成工
事や道路等の設置を伴わずに区画を分割する場合には、開発行為には該当しない。
2)許可を必要としない開発行為
開発行為をしようとする場所及び開発区域の面積により許可が必要となる場合で
あっても、その開発行為の目的により許可不要となるものがある。
①市街化調整区域、非線引き都市計画区域内で行う開発行為で次に該当する建築物
を建築するための開発行為
ア)畜舎、温室等の農林水産物の生産又は集荷のための建築物
イ)種苗貯蔵施設、農機具等収納施設等の農林漁業の生産資材の貯蔵・保管のた
めの建築物
ウ)家畜診療のための建築物
エ)用排水機、取水施設等の農用地の保全・利用上必要な管理施設のための建築物
オ)建築面積が90㎡以内の建築物
カ)農林漁業を営む者の居住のための建築物
②駅舎等の鉄道施設、図書館、公民館、変電所などの公益上必要な建築物のうち開
発区域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を
図る上で支障がないとして政令で定める建築物を建築するための開発行為
③都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業の施行として行う開発行為
④非常災害の応急措置として行う開発行為、通常の管理行為、軽易な行為
3)開発区域が、二以上の許可対象面積の異なる区域にまたがる場合の取り扱い
①1ha以上の開発行為は、区域のまたがりに関係なくすべて許可対象とする。
②一の区域の開発面積が当該区域の許可対象面積以上である場合には、開発区域全
体が許可対象となる。
③それぞれの区域の開発面積が当該区域の許可対象未満であっても、開発区域全体
の面積が、一の区域の許可対象面積のうち最大であるもの以上である場合には、
開発区域全体が許可対象となる。
4)市街化調整区域における建築行為の制限(都市計画法第43条)
市街化調整区域内のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域において、2)の
適用除外に該当する建築物以外の建築物を建築しようとする場合には、許可が必要
となる。
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許可等の
基
準
(都市計画法第33条、第34条)
①技術基準(全ての開発行為に共通)
都市計画において定められた土地の用途への適合、道路及び公園等の構造及び配
置、排水及び給水施設の構造及び能力、開発区域における公共施設等と予定建築物
との用途の配分、防災安全措置、環境保全の措置、申請者の資力及び信用の有無、
工事施行者の工事完成能力の有無、関係権利者の同意の有無などについて、それぞ
れの基準に合致していること。
②立地基準(市街化調整区域における開発行為及び建築行為)
市街化調整区域に居住している者の日常生活に必要な物品等を販売する店舗や事
業所など、都市計画法第34条各号のいずれかに該当する建築物の建築を目的とす
る開発行為又は建築行為であること。
建築物の用途により、秋田県開発審査会において審議する必要のあるものがある。
処理日数
申請を受理した日からおおむね10日以内(開発審査会の議決が必要なものを除く。)
担当機関
秋田市、鹿角市、大館市、能代市、にかほ市、大仙市、横手市、湯沢市の区域について
は、当該市役所
それ以外の区域については、県各地域振興局建設部
罰 則 等
備
考
開発許可を受けないで開発行為をした場合、許可を受けないで開発行為の内容を変更し
た場合など、法令に違反する行為には罰則の適用がある。
手続きのフロー図は、次ページのとおり。
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都市計画法に係る開発行為の許可に関する手続きのフロー図
権限移譲市
の区域内
左以外の区域
申
請
※権限移譲市
者
申請前準備
申
請
申
市
権限の
移譲を
受けた
市
鹿角市、大館市、能代市、にかほ市
大仙市、横手市、湯沢市
①地権者等との同意
②関係機関との協議、同意
③関係図書の整備
請
町
経
:
村
※市街化調整区域内での開発行為
で一般包括的許可事由の場合に
付議する。
由
地域振興局
審
※
付議
秋
答申
開発審査会
田
県
査
許可(不許可)
申
請
者
(注)工事完了公告前に建築の工事
着手が必要な場合は、地域振
興局に別途承認申請が必要で
す。
許可後の
手 続 き
①工事着手→工事完了→工事完了届
②完了検査
③検査済証の交付
④工事完了公告
⑤公共施設の管理及び土地の帰属手続き
⑥建築確認申請→建築着手
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■ 都市計画法の一部改正に伴う開発許可制度の変更
1 公共公益施設関係(今回改正対象施設)
※許可対象規模以上であればすべて許可が必要
①学校(小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、
養護学校、幼稚園、専修学校、各種学校)
②社会福祉施設、更生保護事業施設
③医療施設(病院、診療所、助産所)
2 公共団体等が行う開発行為関係
(1) 国、許可権限を有する公共団体及び都道府県が設立した公社等並びに独立行政法人等が行う
開発行為
→ 開発行為には法定協議が必要となる。
【法定協議が必要となる開発協議】
学校、社会福祉施設及び医療施設に該当する施設、国が設置する庁舎(本府省、地方支分部
局の本庁)、県(単独公所を除く)の庁舎、市役所及び町村役場(分庁舎含む)、警察本部の本
庁舎並びに宿舎
【適用除外となる開発行為】
上記以外の直接その事務又は事業の用に供する建築物(市役所の出張所など)及び職務上そ
の勤務地に近接する場所に居住する必要がある職員のための宿舎
(2) 許可権限のない市町村が行う開発行為
→ 開発行為が必要となる。
【許可が必要となる開発協議】
学校、社会福祉施設及び医療施設に該当する施設、市役所及び町村役場(分庁舎含む)並び
に宿舎。
【適用除外となる開発行為】
上記以外の直接その事務又は事業の用に供する建築物(市役所の出張所など)及び職務上そ
の勤務地に近接する場所に居住する必要がある職員のための宿舎
3 市街化調整区域内における立地基準関係
①許可基準に周辺居住者のための公益上必要な建築物を追加。対象施設は学校、社会福祉施設、医
療施設だが、市街化調整区域周辺の居住者が利用する公共公益施設に限定される。
②大規模開発の基準を廃止。市街化調整区域内における大規模な開発行為は、地区計画又は集落地
区計画に適合していれば許可対象となる。
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4 大規模集客施設に係る開発許可関係
建築基準法の用途規制により、床面積1万㎡を超える店舗、映画館、アミューズメント施設、展示
場等大規模集客施設の立地が制限されることから、用途適合基準によって開発行為も制限される。
①用途地域等が定められている場合
現行大規模集客施設の立地が許容されている第二種住居地域、準住居地域及び工業地域内での
大規模集客施設の立地不可。
②都市計画区域内で用途地域等が定められていない場合(市街化調整区域内を除く)
大規模集客施設の立地不可。
③市街化調整区域内
大規模集客施設の立地不可。
④都市計画区域外
大規模集客施設の立地制限なし。
(参考)大規模集客施設に係る開発許可等制限の比較
現行(店舗)
改正後
50㎡超不可
150㎡超不可
500㎡超不可
1,500㎡超不可
3,000㎡超不可
用
途
制
限
な
し
地
用途地区の変更又は
地区計画(再開発等促
進区)決定が必要
原則不可
ただし、計画的大規模
開発は許可
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第 一種 中高 層住居専用地 域
第 二種 中高 層住居専用地 域
第 一 種 住 居 地 域
第 二 種 住 居 地 域
準
住
居
地
域
工
業
地
域
近 隣 商 業 地 域
商
業
地
域
準
工
業
地
域
同
左
大規模集客施設については、用途地
域の変更又は用途を緩和する地区計
画決定により立地可能
限
な
し
途
地
制
限
な
し
域
制
用
区
工
市
業
街
専
化
用
調
整
地
区
非線引き都市計画区域、
準都市計画区域の白地地域
- 32-2 -
域
域
同
左
大規模開発も含め、原則不可
地区計画を定めた場合、適合す
るものは許可
大規模集客施設については、用途
地域の指定により立地可能。非線
引き都市計画区域では、用途を緩
和する地区計画決定でも立地可能