韓 娟 - 日中医学協会

匂思恋思曹抑業
財団法人日中医学協会
2004年 度 共 同 研 究 等 助 成 金 一 在 留 中 国 人 研 究 者 一 報 告 書
2
0
0
5年 3月 8日
財団法人日中医学協会御中
貴財団より助成金を受領して行った研究テーマについて報告したします。
添付資料:研究報告書
指導責任者名:一一一前周…降最…一一一職名:一一一教援一一一
所属機関名:旦宇佐玄笠松担歯主部;!J.~思最税__~_~院生一・
〒 2
7
1
8
5
8
7
所
在
地
:
に
.
一
一
.
一
…
…
.
一
.
日
.
電話:人.…__Q
但生但
1 一__(位2鈴PωDλ_~_4~9.ι.一…__ 内線:…一一一一
1_助成金額:…… _____~Q_~________…ー円
2_ 研 究 テ ー マ
マウス口唇裂、唇顎口蓋裂発症に関与する染色体領域と候補遺伝子の特定
3
. 成果の概要
(
1
0
0字程度)
本研究は, A
/
W
y
S
n系統マウスにおけるコノレチゾン投与による唇顎口蓋裂の発症に関与する候補染色体およ
/
W
y
S
n系統マウ
び原因遺伝子の検出を目的に,連鎖マツヒ・ングを行った。その結果,コノレチゾン投与による A
1番と 1
4番上に存在することが示唆された。
ス唇顎口蓋裂の原因遺伝子がマウス染色体 1
4. 研 究 業 績
(
1
) 学会における発表
①
値
⑤(学会名・演題)
8
2
n
dG
e
n
e
r
a
lS
e
s
s
i
o
na
n
dE
x
h
i
b
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CADR・G
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a
c
i
a
lC
l
e
食i
nMouse
M
o
d
e
l
②
第4
2回日本小児歯科学会大会および総会・マウスにおける唇顎口蓋裂原因遺伝子の連鎖マッピング
③ 第 43回日本小児歯科学会大会および総会・ A系マウス唇顎口蓋裂の原因遺伝子が存在する染色体の再
検討
(
2
) 発表した論文
①
無
②(雑誌名・題名)
日本小児歯科学雑誌・ A
/
W
y
S
nマウスと C
3
H
/
H
eマウスにおける口唇裂、唇顎口蓋裂および口蓋裂の発症
率の検討
②
日本小児歯科学雑誌・コルチゾン投与によるマウス層顎口蓋裂の遺伝形式の検討
③
PEDIAT
則 CD
ENTALJOURNAL・D
e
t
e
c
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i
o
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r
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hp
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l
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t
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nA/WySnm
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c
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i
np
r
e
s
s
)
④ 日本小児歯科学雑誌・ A
/
W
y
S
n系統マウスにおけるコルチゾン投与による唇顎口蓋裂発症の候補染色体
の検出(印刷中)
- 1
3
8 -
一日中医学協会助成事業ー
A
/
W
y
S
n系統マウスにおけるコルチソン投与による唇顎口蓋裂発症の候補染色体の検出
研究者氏名
韓嫡
中国所属機関
中国天津市口腔医院
日本研究機関
日本大学松戸歯学部小児歯科
指導責任者
教授前田隆秀
共同研究者名
清水武彦,清水邦彦,松永利恵
要旨
A/WySn系統マウスにおけるコルチゾン投与による唇顎口蓋裂の発症が常染色体劣性遺伝性であることを著者
らは過去に報告している。本研究の目的は,コルチゾン投与による A/WySn系統マウス唇顎口蓋裂発症に関与す
る遺伝子が存在する候補染色体を検出することである。唇顎口蓋裂を発現する A/WySn系統と唇顎口蓋裂を発現
0
3
1匹から 37匹の唇顎口蓋裂を有するマウ
しない C3H/He系統間で遺伝学的な交配より得られた N2マウス胎仔 1
ス胎仔を用意した。 A/WySn系統と C3H/He系統間で多型を有する常染色体上に配置した 82個の Mitマ}カーを
1 番上の D11Mit298,
用い,遺伝子型の判定によるインターパルマッピングを行った。結果はマウス染色体 1
D11Mit145,D11Mit10および DllMit104と
, 1
4番上の D14Mit113,D14Mit34において有意に Aホモ接合体の高
い遺伝子型比が得られた。このことよりコルチゾン投与により A/WySn系統マウス唇顎口蓋裂を発症する感受性
1番と 14番に存在することが示唆された。
遺伝子がマウス染色体 1
KeyWords マウス,唇顎口蓋裂,候補染色体,インターパノレマッピング,コルチゾン
緒言:
ヒトにおいて口唇裂,口蓋裂(以下口唇口蓋裂)は最も発生頻度の高い先天顔面奇形であり,その発症率は
人種によって差異があるが,約 1
.
.
.
.
.
.
.
2
/
1
0
0
0であるトヘ妊娠期間にコルチコステロイドの全身また局所の使用
により新生児の口唇口蓋裂を発症する危険率が増加することが報告されている刊。様々な環境要因と複数の遺
伝因子と相互作用により,口唇口蓋裂を発症することは知られているが,原因遺伝子は未だ解明されていない
九九また,口唇裂は単独発症と,口蓋裂との合併発症があり,すなわち唇顎口蓋裂である。口唇裂,唇顎口蓋
9
)。唇顎口蓋裂児の機能的,審美的,心理的
裂,口蓋裂の各裂型別頻度では,唇顎口蓋裂が約 50%と最も高It's,
問題は大変強く,それらの発生機序と発生原因を解明することは極めて重要である。
マウスとヒトの高い遺伝的相向性より,マウスモデルにおいて疾息の責任遺伝子を同定できれば,ヒトにお
ける相同疾患の候補遺伝子を見出せる可能性がある
川。従って,ヒトの口唇口蓋裂の発生原因および発生機
1
0
.
序を解明するために,マウスを用いた研究が数多く行われている。
著者ら
は過去の研究にて,近交系の A/WySn系統マウスと C3H/He系統マウスを用い, 2系統聞の遺伝学的
1
2
)
な交配を行い,妊娠マウスにコルチゾンを投与し,その胎仔を観察したところ, A/WySn 系マウスと N2 パック
クロスマウスにおいて唇顎口蓋裂が認められ,C3H/He系マウスと交雑 F
Iマウスにおいて唇顎口蓋裂の発症は認
められなかった。また,唇顎口蓋裂を有する胎仔において性差は認められなかった。その結果より, A/WySn系
統マウスにおけるコルチゾン投与による唇顎口蓋裂の発症は常染色体劣性遺伝性であることが報告されている。
本研究では著者らは, A/WySn系統と C3H/He系統マウスの 2系統聞の遺伝学的な交配より得られた唇顎口蓋裂
を有する
N
。マウスの常染色体の遺伝子型について, D
N
Aマーカーを用いたインターパルマッピングを行い,コ
- 139 -
ルチゾン投与による A
/
W
y
S
n系統マウスにおける唇顎口蓋裂の発症に関与する遺伝子が存在する候補染色体につ
いて検討を行った。
材料および方法:
1.暦顎口蓋裂を有する N2マウス胎仔
国立遺伝学研究所および三協ラポサーピス株式会社より供与された A
/
W
y
S
n系統と C
3
H
/
H
e系統を交配し、交
雑F
Iマウスを得た。そして F
Iマウスを A
/
W
y
S
n系統マウスに戻し交配し、妊娠 1
1日目から 1
4日目までの 4日
間、妊娠マウスにリン酸緩衝生理食塩水に溶解した 2
5
m
g
/
m
lの酢酸コノレチゾン懸濁液、 1
0
0
m
g
/
k
g
/
d
a
yを腹部に
皮下投与した。妊娠 1
8 日目に妊娠マウスを頚椎脱臼により安楽死させ、 N2 パッククロスマウス胎仔を子宮か
0
3
1匹を得た。それらを実体顕微鏡下で観察したところ, 3
7匹
ら摘出し、生存胎仔の 1
1
2
1に唇顎口蓋裂を確認
し,今回の実験で用いた。
2
.D
N
Aマーカー
A
/
W
y
S
n 系統マウス, C
3
H
/
H
e系統マウスおよび F
Iマウスについて, M
o
u
s
eG
e
n
o
m
eD
a
t
a
b
a
s
e
5セン
(
h
t
t
p
:
/
/
w
w
w
.
j
a
x
.
o
r
g
/
) のデータを基準にし,マウス全常染色体上に配置された遺伝的距離が可及的に 3
チモルガン (
c
M
) を超えないように, 1
3
6個の M
i
t(
M
a
s
s
a
c
h
u
s
e
t
t
sI
n
s
t
i
t
u
t
eo
fT
e
c
h
n
o
l
o
g
y
) マーカーを選
/
W
y
S
nと C
3
H
/
H
eの 2系統マウス聞で多型を有する 8
2個 1
:
1
)
のM
i
tマーカーを確認し,今回の
択した。そのうち A
実験で用いた。
3
. 暦顎口蓋裂を有する N
N
Aの抽出
2マウス胎仔の D
L
a
i
r
dら 111の方法に従って,唇顎口蓋裂を有する 3
7匹の N
N
Aを抽出した。
2マウス胎仔の皮庸から D
4
. 暦顎口蓋裂を有する N2マウス胎仔の遺伝子型の判定によるインターパノレマッピング
T
a
K
a
R
a4
8
0t
h
e
r
m
a
lc
y
c
l
e
r(
T
a
K
a
R
a社)を使用し,唇顎口蓋裂を有する 3
7匹の N
N
Aを 8
2
2マウス胎仔の D
個の M
i
tマーカーの特定な領域について P
C
R法を用いて増幅した。 P
C
R産物を 4
%アガロースゲルにて電気泳動
5分間染色し、 uvライト下で撮影した後、 Aホモ (
A
=
A
/
W
y
S
n
)あるいは A
/
C
3
H
後、エチジウムブロマイドにて 2
ヘテロ (
A
=
A
/
W
y
S
n,C
3
H
=
C
3
H
/
H
e
) の遺伝子型を判定し,インターパルマツヒ・ングを行った。
5
. コントロール群(正常な口唇口蓋を有するマウス胎仔)における遺伝子型の判定
0匹の N
N
Aを抽出し,唇顎口蓋裂を有する N
上記の方法に従い,正常な口唇口蓋を有する 3
2
2マウス胎仔の D
マウス胎仔において Aホモ接合体遺伝子型の発現値の有意に高いところの M
itマーカーを用い、正常な口唇口
蓋を有する N2マウス胎仔の遺伝子型を判定した。
6
. 連鎖解析による候補染色体の検出
D
N
Aマーカーと原因遺伝子が連鎖していないと仮定すると, N2マウスの遺伝子型比は Aホモ接合体 :A
/
C
3
Hヘ
テロ接合体が 1 :1になる。この理論値と実際に得られた個々マーカー座位の N2マウス胎仔の遺伝子型発現値
.闘を有意水準として D
N
Aマーカーと原因遺伝子が存在する領域との
との差の検定にはが検定を用い,危険率 O
連鎖を評価した。
なお、本実験は日本大学松戸歯学部動物実験倫理規定に従った。
結果:
表 lに常染色体上に配置した 8
2個 M
itマーカーにおける唇顎口蓋裂を有する 3
7匹の N2マウス胎仔の遺伝子
型および連鎖解析の結果を示す。表 2に正常な口唇口蓋を有する 3
0匹の N2マウス胎仔における染色体 1
1番と
1
4番上の連鎖解析の結果を示す。
染色体 1
1 番においてが値が有意であったのは, 4
0
.
0
c
M[
6
9
.
1
M
b
p(
Mb
a
s
ep
a
i
r
)
] に位置するマーカーの
Dl
1M
it
2
9
8,5
7
.
5
c
M(
9
7
.
4
M
b
p
) に位置するマーカーの D
I
1
M
i
t
1
4
5,6
3
.
0
c
M(
1
0
4
.
3
M
b
p
) に位置するマーカーの
D
l
l
M
i
t
l
0および 7
9
.
0
c
M(
1
1
9
.
0
M
b
p
) に位置するマーカーの Dl
1M
it
l
0
4であった。特に D
l
l
M
it
lOにおいてはす
べての唇顎口蓋裂を有する N2マウス胎仔の遺伝子型は Aホモ接合体であり,最も高い Aホモ接合体の遺伝子型
- 1
4
0 -
比が得られた (Aホモ接合体:A/C3Hへテロ接合体 =37:0, ジ >33.11,p<O.OOOOI)。
染 色 体 14 番において
χ 2値が有意であったのは,
25.0cM (51
.8Mbp) に位置するマーカーの D14Mit113およ
び 40.0cM (63.4Mbp) に位置するマーカーの D14Mit34であった。
一方,コントローノレ群として正常な口唇口蓋を有する 30匹の N2マウスにおいて,染色体 1
1番と 14番 上に唇
顎口蓋裂を有する N
2マウス胎仔の遺伝子型が有意に A ホモ接合体の高い遺伝子型を得たところの Mitマーカー
を用い,遺伝子型を判定した。結果はいずれもが検定にて有意な検定値は認められなかった。
表 1 唇顎口蓋裂を有する
語
色
体
マーカー
DIMit294
DHlit251
DIMit48
DIMit26
DIMit227
D
I
M
it
l
5
1
2
l
l
it80
2 D
D2Mit323
D2Mit381
D2Mit272
D
2
M
itl32
D2Mit451
D
2
M
it
2
0
0
3 D
3
M
itl85
D
3l
1
it254
4 D4Mit291
D
4
M
it
8
4
D
4
M
itl46
D4Mit233
5
1
l
it419
5 D
D5Mit201
D
5
M
it406
D5Mit292
6
l
l
it223
6 D
D
6
M
itl84
D6Mit322
D6Mitl32
D6Mit366
7
M
it76
7
D7Mit247
D7Mit91
D
7
1
l
it
1
8
1
D
7
1
1
itl26
D
7
M
itl86
B
D
8
M
it
2
2
4
D8Mit65
D8M
it242
1
it91
D
81
1
0 DI0Mit3
DI0Mit1
1
5
DI0Mit230
。
マーカーの
位置
Mbp
c
M
.8
11
8
.
3
70.8
3
8
.
1
5
4
.
0 88.5
6
2
.
1 1
1
2
.1
5
8
.
3
.6 1
81
81
.1
1
01
.0 1
.1
1
0
.
0 21
65.3
31
.7
4
2
.
6
4
7
.
5 90.4
1
5
.
7
5
2
.
5 1
5
5
.
7
7
3
.
2 1
7
9
.
5
1
0
7
.
0 1
2
9
.
5
57.6
6
4
.1 132.6
.2
5.0 21
3
7
.
6 75.5
5
3
.
6 1
0
8
.1
7
6
.
5 143.6
.7
1
8
.
0 31
4
2
.
0 73.9
6
4
.
0 1
1
4
.
7
8
0
.
0 1
3
8
.
1
1
9
.
0 45.3
2
6
.
4
53.2
3
5
.
2
4
0
.
0 9
7
.0
5
0
.
5 1
1
5
.
6
1
0
.
5
3
.
4
1
6
.
0 25.6
4
6
.1
2
8
.
1
6
.7
3
7
.
0 6
5
0
.
0
6
4
.
0 1
1
8
.
2
1
7
.
0
32.0
2
2
.
5 4
2
.1
4
7
.
0 1
01
.1
6
7
.
0 1
2
3
.
8
28.9
21
.0
3
8
.
4
7
0
.
1
4
9
.
0 89.9
遺伝子型比
A
2
4
1
9
20
1
9
1
5
1
5
20
22
2
4
2
7
25
22
1
9
1
3
1
6
2
4
22
2
4
2
1
1
7
1
4
1
2
1
0
20
1
8
1
9
1
9
20
22
1
9
1
6
1
7
1
9
1
9
1
8
1
8
2
1
2
4
1
7
1
6
1
5
A
/
I
側
1
3
1
8
1
7
1
8
2
2
2
2
1
7
1
5
1
3
1
0
1
2
1
5
1
8
2
4
2
1
1
3
1
5
1
3
1
6
2
0
2
3
2
5
2
7
1
7
1
9
1
8
1
8
1
7
1
5
1
8
2
1
2
0
1
8
1
8
1
9
1
9
1
6
1
3
20
2
1
22
N2マウスにおけるマーカーとの連鎖解析
x
3.27
0.03
0.24
0.03
1
.3
2
1
.3
2
0
.
2
4
1
.3
2
3
.
2
7
7
.
8
1
4.57
1
.3
2
0.03
3.27
0.68
3.27
1
.3
2
3.27
0.68
0.24
2.19
4.57
7
.
8
1
0
.
2
4
0.03
0.03
0.03
0
.
2
4
1
.3
2
0.03
0.68
0.24
0.03
0.03
0.03
0.03
0.68
3
.
2
7
0.24
0.68
1
.32
染
色
体
マーカー
1
0 DI0Mit180
I
I
M
i
t
7
1
1
1 D
DI1Mit306
DIUlit298
1it
145
D11l
DIUUtlO
1it
104
D11l
1
2 D12Mit58
D12Mit233
D12Mit8
1
3
M
it
l
6
1
3 D
D13Mit64
D13Mit122
D13Mit231
D
1
3
1
l
i
t
l
0
8
it226
D13M
D13Mit78
1
4 D14Mit207
l3
D
1
4
1
1
i
t1
D
1
4
1
1
i
t
3
4
1
5 D15Mit175
D15Mit267
D15Mit
l
5
4
D
1
5
M
it
l
4
4
1
6
M
it
l
6
5
1
6 D
D16Mit4
D16Mit203
1
7 D17Mit213
D17Mitl73
D17Mit33
D17Mit49
D17Mit238
D17Mit96
1
8 D18Mit64
D18Mit12
D
1
8
M
i
t
5
1
D18Mit154
1
9 D19Mit69
D19Mit80
D
1
9
1
1
it
4
6
D19Mit70
マーカーの
位置
Mbp
dl
64.0 1
1
7
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9
1
.1
6
.
8
1
2
.
0 2
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.
1
40.0 69.1
67.6 97.4
63.0 104.3
79.0 119.0
6.0
1
7
.
2
52.0
58.0 1
0
8
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2
1
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39.0 73.6
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37.0 61
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遺伝子型比
A
1
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1
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・
・
A:Aホモ接合体遺伝子型; A/C3H:A/C3Hヘテロ接合体遺伝子型
a:p<O.005; b:p
<
O
.001 ; c:p
<
O
.00001
表 2 正常な口唇口蓋を有する
染
色
体
マーカー
1
1
D
ll
A
l
it298
D
1
1
M
it1
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DIHlitl04
マーカーの
位置
Mbp
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0
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1
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0
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0 1
N2マウスにおける染色体 11番と 14番上のマーカーとの連鎖解析
遺伝子型比
A
1
4
1
6
1
7
1
6
A
/
I
剖
1
6
1
4
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染
色
体
マーカー
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D
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M
it
1
1
3
D14Mit34
141
マーカーの
位置
Mbp
cM
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25.0 51
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3
.
4
遺伝子型比
x
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A
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I
剖
1
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1
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O
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3
A
1
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1
4
考察:
本研究得られた唇顎口蓋裂を有する
N
A/C3Hヘテロ接合体の発現値
2マウス胎仔の遺伝子型の Aホモ接合体 :
は理論値との有意な差が認められ,さらに正常な口唇口蓋を有する N
2マウス胎仔の遺伝子型の Aホモ接合体:
A
/
C
3
Hヘテロ接合体の発現値が理論値との有意差は認められなかった。このことから,マウス染色体 1
1番およ
4番上に Aホモ接合体の有意に高い遺伝子型比が得られたマーカーは, A
/
W
y
S
n系統マウスにおけるコルチゾ
び1
ン投与による唇顎口蓋裂発症の感受性遺伝子との連鎖が存在することが示唆された。
Juriloffら 15)は
, A
/
W
y
S
n系統マウスにおいて自然発生の口唇裂(唇顎口蓋裂を含める)の遺伝子がマウス染
1番と 1
3番に存在し,遺伝子座位として 1
1番に存在する主な c
lf
1と 1
3番に存在する clf2であること
色体 1
を報告している。本研究では,最も高い Aホモ接合体遺伝子型比を得たところはマウス染色体 1
1番上の D
l
l
M
i
t
l
O
(
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M,1
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M
b
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) が位置するところであり,自然発生口唇裂の主な遺伝子座位の c
lf
1が存在する領域と相
同であることを示した。ステロイドの投与 (
E
I
2
) によりマウス口蓋裂は高頻度に誘発されるが,口唇裂の発症
率はステロイドにより有意な変化がないことが報告されている川。また著者ら
は,マウス口唇の形成完成す
1
7
1
る(約 E
l1
.5
) 直前の E
1
1 目から妊娠マウスにコノレチゾンを投与し,高頻度の口蓋裂を誘発したが,口唇裂発症
率の増加は認められなかったことを報告している。従って,本研究の結果から得られた A/WySn系統マウス口唇
裂の発症はコルチゾンの影響でなく,口唇裂発症の関連遺伝子がマウス染色体 1
1番に存在することが考えられ
た
。
1
3
M
i
t
2
3
1を用い,唇顎
一方本研究では,自然発生口唇裂の遺伝子座位の clf2との連鎖を示したマーカーの D
7匹の N2マウス胎仔の遺伝子型を判定したところ,有意な検定値が得られなかった。即ちコル
口蓋裂を有する 3
/
W
y
S
n系統マウス唇顎口蓋裂の感受性遺伝子が D
1
3
M
i
t
2
3
1との連鎖は認められず, clf2はコ
チゾン投与による A
ルチゾン投与による A
/
W
y
S
n系統マウス唇顎口蓋裂発症の候補遺伝子座位として認められなかった。コルチゾン
投与による A
/WySn系統マウス唇顎口蓋裂の発症に関与する感受性遺伝子がマウス染色体 1
4番に存在すること
/
W
y
S
n系統マウスにおいて染色体 1
1番と 1
4番上に存在する遺伝子の相互作用により唇顎口蓋
が示唆された。 A
裂を発症すると推測された。
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c
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a
p
2
a18) (マウス染色体 1
3番
, 2
5
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c
M
), Tbxl01
マウス染
マウスの口唇口蓋裂に関する他の研究では, T
2
0
色体 1
9番
, 2
.
0
c
M
) が口唇裂の候補遺伝子として報告されている。 Tgfb2 )(
マウス染色体 1番
, 1
01
.5
c
M
),
3)(
2)(
D
l
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2
2
1
)(
マウス染色体 2番
, 4
4
.O
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M
),J
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x
12
マウス染色体 5番
, 2
1
.O
c
M
),Gabrb32
マウス染色体 7番
,
2
8
.6
c
M
),Pax924) (マウス染色体 1
2番
, 2
6
.O
c
M
),宿泊32;;) (マウス染色体 1
2番
, 41
.O
c
M
) および H
2領域 2則
(マウス染色体 1
7番
, H
-2S/H-2D領域)が口蓋裂の候補遺伝子として報告されている。また, ヒトの口唇口蓋
i】, T
裂に関する研究のうち, MSX12
G
F
B
228), TGFB327), σ~BRB3 29),J
I
T
H
F
R~U) (ホモロジーがマウス染色体 4番
,
7
6
.4
c
M
),T
G
F
A~I) (ホモロジーがマウス染色体 6番
, 3
5
.8
c
M
),BCL3~2) (
ホモロジーがマウス染色体 7番
, 6
.
5
c
M
)
および RARA33) (ホモロジーがマウス染色体 1
1番
, 5
7
.
8
c
M
) が候補遺伝子として報告されている。本研究では,
それらの遺伝子の近傍に位置する M
i
tマーカーを用い,唇顎口蓋裂を有する N。マウス胎仔の遺伝子型を判定し
a
r
aの近くに位置するマーカーの D
l
l
M
i
t
1
4
5において Aホモ接合体と A/C3Hヘテロ接合体の遺伝
た。その結果 R
子型比が 3
6:1であり,有意に Aホモ接合体の高い遺伝子型比が得られたが,最も高い連鎖を示す領域に含ま
られなかった。さらに他のマーカーにおいて,得られた Aホモ接合体と A
/C3Hヘテロ接合体の遺伝子型比が 1:
lの理論値と比較し,有意な検定値は認められなかった。即ちコルチゾン投与による唇顎口蓋裂の発症は,上記
の遺伝子との関連性は少ないものと恩われた。口唇裂の発症,また口蓋裂の発症は遺伝的な異質性が存在する
ことが考えられ,そしてコルチゾン投与により発症する唇顎口蓋裂は,口唇裂,また口蓋裂と違う遺伝子間の
相E作用により発症する可能性も考えられた。
文献:
1
) NatsumeN,
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注:本研究は, 2004年 3月 1
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回日本小児歯科学会大会』にて口演発表, 2005年 5月 27日『第 43回日本小児歯科学会大会』に
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)に掲載。
作成日:2005年 3月 8日
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