様式2 平成27年度国際交流促進事業助成 報告書 部局名 プロジェクト名 工学研究科 国際的膜工学研究・教育・産学連携プログラムの強化に基づく神戸 大学「グローバル・エクセレンス」の実現と国際的プレゼンスの向 上 実 施 時 期 平 成 27年 4月 1日 ~ 平 成 28年 3月 31日 代 表 者 所 属 部 局 っ 職 名 先端膜工学センター 兼 セ ン タ ー 長 工工学研究科応用化学専攻 兼 氏 名 松山 秀人 教授 実施内容 1.国際プラットフォームの拡充 2.膜工学国際ワークショップの開催 3.海外研究者の受入 4.共同研究の実施と成果の発表(共著論文) 5.海外研究者による講演会の開催 6.国際研究プロジェクトの申請 7.大学院生国際シンポジウムの共同開催 実施成果 1.国際プラットフォームの拡充 ヨーロッパ膜研究機関(Institut Européen des Membranes)およびシドニー工科大学膜センター (Center for Technology in Water and Wastewater)と学術協定を締結した。 2.膜工学国際ワークショップの開催 iWMK2016(International Workshop on Membrane in Kobe 2015)を主催した。 3.海外研究者の受入 中国およびオーストラリアからの3人の研究者を受け入れた。 4.共同研究の実施と成果の発表(共著論文) Setiadi教授(バンドン工科大学環境研究センター)、共著論文(受理済み) Ni教授(北京大学環境科学・工程学院)、共著論文(受理済み)、戦略的国際科学技術協力推進 事業2013-15 Wang教授(清華大学膜センター)、共著論文(受理済み) 5.海外研究者による講演会の開催 Prof. Wang(清華大学膜センター)、平成27年8月と平成28年2月 Matthew Senior Researcher(ビクトリア大学イノベーションセンター)、平成27年6月 6.国際研究プロジェクトの申請 マレーシア工科大学膜センターとはJST・JICAのSATREPS(地球規模の環境課題の解決に資する研 究)に応募した(平成27年10月)。また、浙江大学膜センターとは、JSTおよびMOST(中国科学 技術部)による戦略的国際科学技術協力推進事業に申請した(平成28年1月)。 7.大学院生国際シンポジウムの共同開催 中国・清華大学で開催された大学院生国際シンポジウムを共催した(参加者合計30人)。 (実施成果詳細) 1.国際プラットフォームの拡充 膜センターは平成27年度において、ヨーロッパ最大の膜研究機関であるヨーロッパ膜研究機関 (Institut Européen des Membranes)および膜研究が活発であるシドニー工科大学の膜工学センタ ー(Center for Technology in Water and Wastewater)と学術協定を締結した。これにより、合計 10 ヵ所の海外膜拠点と連携が出来上がったことになる。 2.膜工学国際ワークショップの開催 膜センターは平成27年11月に、これまで構築し た国際プラットフォームを活用して、神戸大学を中心 とした 2 回目の膜工学国際ワークショップ iWMK2015 (International Workshop on Membrane in Kobe, iWMK)を開催した(会場:瀧川記念学術交流会館)。 平成26年度は海外協定先の 4 ヵ所を含め五つの膜セ ンターの参加であったが、平成27年度においては一 層規模が拡大し、全ての海外協定先が参加し神戸大学 の膜センターを含めて合計 9 ヵ所のセンターが参加す る規模となった。iWMK2015 参加者は合計96人である (そのうち海外参加者は18人)。ワークショップで は各機関から膜工学研究の最新動向に関する発表がな されたとともに、神戸大学の膜センターが主導した連 携活動会議も行われた。その会議では、共同研究はもちろん学生交換や Double Degree に関する議論 も行われ、平成28年度の実施を目指して学生交換の具体的なプランが出来上がった。 参加した海外膜研究機関一覧: 漢陽大学膜センター(韓国)、中原大学膜センター(台湾)、清華大学膜センター(中国)、Victoria 大学イノベーションセンター(オーストラリア)、浙江大学膜センター(中国)、バンドン工科大学 環境センター(インドネシア)、マレーシア工科大学膜センター(マレーシア)、香港科技大学環境 センター(香港) 3.海外研究者の受入 平成27年度において膜センターは協定先から合計3人の海外研究者を受け入れた。まず平成27 年8月と平成28年1月に、中国の清華大学から世界で高く評価されている王暁琳(Xiaolin Wang) 教授が来校し、共同研究の遂行、学生への指導および講演会を行った。また平成27年6月に、オー ストラリアのビクトリア大学から Matthew シニア研究員(准教授相当)が共同研究の実施のため来校 し、約 1 週間膜センターにて共同研究を実施した。さらに平成28年 1 月よりは、中国の浙江大学と の連携をもとに先方膜工学センターから方立峰(Lifeng Fang)研究員を受け入れ、現在膜センター の一員として活躍してもらっている。 4.共同研究の実施と成果の発表(論文) 膜センターは平成27年度において三つの海外研究機関とともに共著論文を発表した。まずインド ネシアのバンドン工科大学環境センターの Setiadi 教授とは、Desalination and Water Treatment 誌 に Low-cost water treatment system using submerged という論文を投稿した(2015年9月30 日にオンライン掲載)。また中国の北京大学の Ni 教授とは、Bioresource Technology 誌に Mitigated Membrane Fouling of Anammox Membrane Bioreactor by Microbiological Immobilization という論 文を投稿した(2016年2月 1 日に掲載)。さらに中国の清華大学の Wang 教授とは、Journal of Membrane Science 誌に Understanding the Thermally Induced Phase Separation Process via a Maxwell-Stefan Model という論文を投稿し受理された。2016年7月 1 日掲載される予定である。 5.海外研究者による講演会の開催 平成27年8月および平成28年2月にて、清華大学の Wang 教授 (王暁琳)による講演会を開催した。Wang 教授による講演会の内容は、 学生はもちろん企業の研究者にとっても重要で、研究の参考となるも ので、講演後は活発な議論が行われた。 また、平成27年6月には、ビクトリア大学の Matthew シニア研究 員による講演会を開催し、Molecular Dynamics Simulation に関する ビクトリア大学の研究動向について紹介してもらい、Matthew 研究員 と膜センターの研究者・学生との交流を行った。 6.国際研究プロジェクトの申請 膜センターは積極的に国際規模の研究プロジェクトに取り組み、平成27年度では二つの協定先と ともに国際研究プロジェクトを申請した。まずマレーシア工科大学膜センターとは JST・JICA の SATREPS(地球規模の環境課題の解決に資する研究)に応募した(平成27年10月)。また、浙江大 学膜センターとは、JST および MOST(中国科学技術部)による戦略的国際科学技術協力推進事業に申 請した(平成28年1月)。これらの事業は日本と外国との協力協定をもとにした大型研究プロジェ クトの代表的なものである。採択されれば、海外との共同研究は一層進み、国と国との間の規模まで 発展し、さらなる研究成果を上げることが期待される。 7.大学院生国際シンポジウムの共同開催 国際共同研究コンソーシアムおよび学生交換プログラムの実現に向けて、膜センターは国際プラッ トフォームを活かし、平成25年度より4大学間 (台湾・中原大学、韓国・漢陽大学、中国・清華大 学、日本・神戸大学)で大学院生のシンポジウムを 開催している。平成27年度では、持ち回りのため 清華大学にて開催した(4大学で合計30人規 模)。学生による学術発表や議論とともに、4大学 間での Double Degree に関する議論もなされ、具 体的な計画を策定した。また前述の膜工学国際ワ ークショップ(iWMK)の際に、膜センターは全て の海外協定機関と議論を行い、平成 28 年より学生 交換を実施することに全員が合意した。現在交換 プログラムの実施に向けて手続きを調整してい る。
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