卵管癌肉腫 - 弘前大学大学院医学研究科/医学部医学科

第 25 巻第 1 号,2010 年
原 著
卵管癌肉腫
弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座
横 田 恵・横 山 良 仁・二 神 真 行
水 沼 英 樹
Carcinosarcomas and malignant mixed Müllerian tumors of the fallopian tube
Megumi YOKOTA, Yoshihito YOKOYAMA, Masayuki FUTAGAMI
Hideki MIZUNUMA
Department of Obstetrics and Gynecology, Hirosaki University Graduate School of Medicine
【現症】診察所見としては,茶褐色の帯下が
は じ め に
少量あり,子宮は正常大,子宮左側に双手拳
癌肉腫は婦人科腫瘍において稀な腫瘍であ
大の充実性腫瘍があり,可動性不良で著明な
り,発生場所の頻度は子宮内膜,
腟,
子宮頸部,
圧痛を認めた。
1)
卵巣の順である 。卵管発生の癌肉腫は非常
【検査】血清 CA125 は 73 IU/ml であった。
に稀であり,癌肉腫の 4 % を占めるにすぎ
消化管精査では特に異常を指摘されず,CT
2)
ない 。さらに比較的稀とされる卵管発生の
検査では長径 11 cm の充実性部分を主体と
悪性腫瘍の中でも癌肉腫は 2.4% にすぎない
する腫瘤が認められた。腹水と播種病巣も観
1)
と報告されている 。このように稀な疾患で
察され癌性腹膜炎が推定された。特記すべき
ある卵管癌肉腫の治療法は確立されていると
は,腫瘤が短期間で 5 cm から 11 cm に急激
は言えず,個別に対応しているのが現状と思
に増大したことであった。
われる。病理所見や治療方法を述べている卵
【治療】卵巣癌を疑い開腹した。腫瘤は腸管
管癌肉腫の英文での症例報告は,1970 年以
を巻き込んでいたため子宮全摘術,両側付属
降この 40 年間で 55 症例認められた
1−37)
。今
器切除術,S 状結腸切除術,直腸部分切除術,
回我々は,新たに卵管癌肉腫の 4 例を報告す
腹腔内腫瘍摘出術を行った。両側卵巣は正常
るとともに,その 4 例を加えた 59 例の臨床
大,腫瘤は左卵管発生で長径 13 cm 大にまで
的背景,病理診断,治療ならびに予後をレ
増大していた(図 1A)
。卵管内腔は pink-tan
ビューする。
色の脆弱な腫瘍組織で充満されていた。病理
所見は,腺癌の癌腫成分(図 1B)と軟骨肉
症例 1
腫の肉腫成分(図 1C)が認められ,卵管癌
57 歳女性,4 経妊 3 経産,閉経 52 歳。
肉腫Ⅲ c 期と診断された。術後は ifosfamide
【現病歴】約 1 年間持続する不正性器出血を
1 g/m2(Day 1-3)
,epirubicin hydrochloride
主訴に前医を受診した。子宮頸部細胞診,内
40 mg/m2(Day 1),CDDP 60 mg/m2(Day
膜細胞診ともに陰性であったが,経腟超音波
1)
(IEP 療法)を 4 週毎に 9 コース施行した。
検査にて骨盤内に 5 cm 大の充実性腫瘍が指
治療終了後,45 ヶ月間無病生存している。
摘され,2006 年 1 月に当科を受診した。
― 15 ―
青森臨産婦誌
卵管腫瘤
左卵巣
A
B
100μm
C
50μm
図 1 症例1の卵管癌肉腫の肉眼像,病理所見
A:摘出標本。左卵管由来の腫瘤像。B:腺癌成分。C:軟骨肉腫成分。
症例 2
傍大動脈リンパ節郭清を行った。肉眼的には
66 歳女性,3 経妊 2 経産,閉経 47 歳。
右卵管由来の腫瘤で長径 58 mm,卵管内腔
【現病歴】2007 年 5 月,2 ヶ月間続く下腹部
は 35 mm に拡張していた(図 2A)
。腫瘤割
膨満感と頻尿を主訴に前医の泌尿器科を受診
面は黄白色調で一部出血壊死巣が見られた
した。骨盤内腫瘍を指摘されたため当科を紹
(図 2B)
。病理所見では,腺扁平上皮癌であ
る癌腫成分(図 2C)と平滑筋肉腫,軟骨肉
介された。
【現症】診察所見としては,帯下は正常であ
腫である肉腫成分(図 2D)を認め,卵管癌
り,内診で下腹部に成人頭大の硬い腫瘤を触
肉腫Ⅲc 期と診断された。術後は,TC 療法
れ,可動性は不良であった。
を 4 週毎に 6 コース追加した。治療終了後,
【検査】経腟超音波検査で付属器領域に長径
27 ヶ月間無病生存している。
16 cm の腫瘤を認め,卵巣腫瘍が疑われた。
CT 検査では腹腔内に長径 2 cm 以上の播種
病巣も観察された。上部消化管および下部消
化管検査に異常はなかった。
子宮頸部細胞診,
子宮内膜細胞診とも陰性であった。CA125
症例 3
74 歳女性,3 経妊 2 経産,閉経 52 歳。
【現病歴】2007 年 6 月,1 週間以上不正性器
出血が続いたため当科を受診した。
は 330 IU/ml と高値であった。腫瘤の穿刺
【現症】診察所見では,ピンク色の帯下を認
細胞診で腺癌細胞が検出され卵巣癌疑いの診
め,子宮は前傾前屈で双手拳大であった。経
断となった。
腟超音波検査で内膜肥厚は認めず,子宮全体
【治療】術前化学療法として Paclitaxel 175 mg/
で 134 × 84 mm に腫大していた。
m2,CBDCA AUC5(TC) 療 法 を 4 週 毎 に
【検査】子宮頸部細胞診は LSIL,子宮内膜細
3 コース施行した。PR の効果を得ることが
胞診は陰性,子宮内膜組織診で悪性所見を認
でき,2007 年 10 月,子宮全摘術,両側付属
めなかった。CA125 等の腫瘍マーカーの上
器切除術,大網切除術,骨盤リンパ節郭清,
昇は認められなかった。骨盤 MRI 検査では
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第 25 巻第 1 号,2010 年
右卵巣
卵管腫瘤
A
B
C
100μm
D
50μm
図 2 症例2の卵管癌肉腫の肉眼像,病理所見
A:摘出標本。B:腫瘤の割面像。C:腺癌成分。抗癌剤効果のため壊死部分の無構造
部分の占める割合が広い。D:平滑筋肉腫成分。
左卵巣
A
B
100μm
C
50μm
図 3 症例3の卵管癌肉腫の肉眼像,病理所見
A:摘出標本。B:腺扁平上皮癌成分。C:花むしろ模様(storiform pattern)の線維
細胞から,円形の単核細胞,泡沫細胞,多核巨細胞などがみられる悪性線維性組織球
腫様の成分。細胞の異型性は著しい。
子宮体部前壁に 115 × 78 × 98 mm 大の腫瘤が
除術を施行した。肉眼的には左卵管を軸にし
あり,T2 強調像での信号が不均一で辺縁に
て腫瘤が形成されている状態であった(図
造影効果が認められ,子宮平滑筋肉腫疑いと
3A)。 腫 瘤 は 長 径 134 mm, 卵 管 内 腔 は 54
診断された。
mm に拡張していた。内腔は白色∼ピンク色
【治療】腹式単純子宮全摘術,両側付属器切
の脆弱な組織と壊死組織で完全に破壊さてれ
― 17 ―
青森臨産婦誌
腫瘍切除部位
右卵巣
左卵巣
B
A
C
100μm
D
20μm
図 4 症例4の卵管癌肉腫の肉眼像,病理所見
A:摘出子宮,両側卵巣。B:右卵管采由来の腫瘤とその割面。C:腺癌成分。D:リ
ンタングステン酸ヘマトキシリン染色で横紋を認める横紋筋様細胞(←)
。
る状態であった。病理所見にて腺扁平上皮癌
胞診で腺癌細胞が検出された。AFP が 239
の癌腫成分(図 3B),線維肉腫と悪性線維性
ng/ml と高値であった。
組織球症の肉腫成分(図 3C)が混在していた。
【治療】卵巣悪性腫瘍の術前化学療法として
術中腹水細胞診は腺癌細胞陽性,膀胱壁への
TC 療法を 1 コース施行したが,
PD であった。
肉眼的浸潤を認めたため,卵管癌肉腫Ⅱc 期
その後,内性器全摘術,S 状結腸切除術,上
と診断した。術後補助化学療法として IEP
行結腸切除術,右尿管部分切除術,大網切除
療法を 4 週毎 9 コース施行した。治療終了後
術を行い,完全手術が得られた。両側卵巣に
は 22 か月の無病生存であったが,腹腔内に
は病変はなく(図 4A)
,腫瘤は右卵管采から
小さな播種性病変が見つかったため再発と診
発生していた。肉眼的には,割面は灰白色で
断した。TC 療法を 4 週毎に 6 コース施行し,
一部に出血壊死を含んでいた(図 4B)。全体
初回治療から 38 ヶ月間経過し担癌生存中で
的に脆弱な組織であった。
病理所見としては,
ある。
腺癌の癌腫成分(図 4C)と軟骨肉腫,横紋
筋肉腫の肉腫成分(図 4D)が認められ卵管
症例 4
癌肉腫Ⅲc 期と診断された。術後は IEP 療法
71 歳女性,6 経妊 4 経産,閉経 48 歳。
を 4 週毎に 6 コース施行した。治療終了後ま
【現病歴】6 ヶ月間下腹部の違和感があり前
だ 3 ヶ月であるが臨床的寛解を得ている。
医を受診した。卵巣腫瘍を指摘され 2009 年
文献レビュー
10 月当科を紹介となった。当科受診時には
キーワードを carcinosarcoma ,malignant
不正性器出血も自覚していた。
【検査】子宮頸部細胞診,内膜細胞診とも
mixed müllerian tumor , fallopian tube
陰性であった。骨盤内の子宮右側に長径 70
として検索した結果,1970 年以降 37 の英文
mm の充実性部分を主体とする混合性腫瘤を
文献1−37) による 55 例が集められ,我々が経
認めた。腹腔内,骨盤腔内にも播種病巣を多
験した新たな 4 症例を加えた 59 例について
数認めた。右水腎症も認めた。腫瘤の穿刺細
検討した。これまでにもまとまった症例を
― 18 ―
第 25 巻第 1 号,2010 年
表 1 患者背景
用いた文献レビューが数編報告されている
が
1,
18,
22−24)
,症例数が少ないため臨床的背景
を述べるにとどまっていた。本論文では卵管
癌肉腫の適切な治療法を探るため,治療法別
の予後の解析を行った。
症例の背景を表 1 にまとめた。診断時の年
齢は 29 歳から 80 歳までの範囲で,中央値で
62 歳であった。初発症状として多かったの
は,腹痛または腹部緊満感(distension)で
47.9%,次に不正性器出血の 34.2% であった。
原発性卵管癌の triad は水様性帯下,下腹痛,
腹部緊満感とされているが,卵管癌肉腫では
水様性帯下は稀であり,性器出血が主症状で
あった。Weber ら23) は卵管癌肉腫の危険因
子として,未経産あるいは 1 経産までの出
産回数の少なさを報告している。1992 年の
Imachi らの報告22)では,卵管癌肉腫 24 例中
6 例(25%)が未経産婦人であった。今回の
レビューでは,Imachi らの報告以降の 27 例
中 7 例(25.9%)が未経産婦人であった。こ
れらの結果だけでは卵管因子などによる不妊
が卵管癌肉腫の危険因子とは断定できない
が,卵管炎や卵管水腫のような炎症性変化が
症例数
年齢(歳,中央値)
初発症状*
腹痛または腹部緊満感
不正性器出血,血性帯下
下腹部腫瘤感
他
組織型
同所性
異所性
不明
Stage
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Treatment
手術のみ
術後放射線治療
術後化学療法
術後放射線+化学療法
無治療
Outcome
生存
死亡
担癌生存
不明
59
62
35(47.9)
25(34.2)
5(6.9)
8(11.0)
21(35.6)
37(62.7)
1(1.7)
19(32.2)
13(22.0)
23(39.0)
4(6.8)
14(23.7)
13(22.0)
27(45.8)
4(6.8)
1(1.7)
28(47.4)
23(39.0)
4(6.8)
4(6.8)
*複数の患者は,2 つ以上の症状あり。括弧内の数値は%
を示す。
癌化に導いていることは否定できない。
組織学的に,肉腫成分においては homologous elements をもつものは 21 例(35.6%)
,
傾向であった。
heterologous elements を も つ も の は 37 例
1 例を除いた 58 例の症例で腫瘍摘出術が
(62.7%) で あ っ た。37 例 の heterologous
行われた。そのうち片側の付属器切除のみの
elements のなかで最も多かったものは軟骨
2 例を除く 56 例で,内性器全摘術を含む腫
肉腫で 28 例(75.7%)
,以下横紋筋肉腫の 8
瘍摘出術が行われていた。子宮全摘術と両側
例(21.6%),骨肉腫,脂肪肉腫,悪性線維組
付属器切除術が行われた症例が最も多く 23
織球症の 2 例ずつと続いた(複数の成分をも
例であり,子宮全摘術と両側付属器切除術に
つ症例もある)。卵管癌肉腫の腺癌は,原発
大網切除を加えた症例が 7 例,後腹膜リンパ
性卵管癌の腺癌と類似していた。しかし高分
節郭清を含む staging laparotomy が施行さ
化あるいは低分化の腺癌だけでなく腺扁平上
れた症例は 8 例であった。またⅡ,Ⅲ,Ⅳ
皮癌,明細胞腺癌,類内膜腺癌,扁平上皮癌
期で腸管合併切除など debulking surgery が
などの組織型も見られた22,24,25,28,32)。
施行された症例は 18 例あった。Optimal か
卵巣癌の FIGO 臨床期分類に当てはめる
suboptimal かの詳細は,残念ながら数編を
と,59 例中Ⅰ期が 19 例(32.2%)
,Ⅱ期が 13
除き不明であった。しかし,我々の 4 症例
例(22.0%),Ⅲ期が 23 例(39.0%)
,Ⅳ期が
はすべて optimal 症例であり全例生存してい
4 例(6.8%)であった。卵巣癌に比べⅡ期が
る。
多い傾向にあったが,概して卵巣癌と同様の
レビューを行った 59 例中,予後が記述さ
― 19 ―
生存率 (%)
青森臨産婦誌
観察期間 (ヶ月)
図5 卵管癌肉腫 51 例の 3 年生存率
生存率 (%)
Stage I/II (n=27)
Stage III/IV (n=24)
P = 0.26
観察期間 (ヶ月)
図6 卵管癌肉腫のⅠ/Ⅱ期とⅢ/Ⅳ期症例の 3 年生存率の比較
れていてある程度把握できる 51 例を対象と
ていた。手術のみが 14 症例(手術単独群)
,
して予後を調査した。観察期間は治療終了
手術後に放射線治療が行われたものが 13 例
後 3 ヶ月から 205 ヶ月と症例によりばらつ
(放射線治療群)
,手術後に化学療法が行われ
きがあったが,平均観察期間が 34.5 ヶ月と
たものが 27 例(化学療法群)
,手術後の放射
いうことから 3 年生存率を算出した。まず,
線治療と化学療法の併用が 4 例(放射線化学
51 例の 3 年生存率は 54.8% であった(図 5)
。
療法併用群)であった(表 2)
。文献レビュー
Ⅰ/Ⅱ期症例とⅢ/Ⅳ期症例に分けて 3 年生
の症例集積であるため化学療法群でⅢ/Ⅳ期
存率をみてみると,Ⅰ/Ⅱ期(27 症例)では
症例が多いというバイアスがかかっているこ
62.7%,Ⅲ/Ⅳ期(24 症例)では 39.8% であっ
とは避けられないが,予後が明確に記載され
た(図 6)(期別の有意差はなし)。Ⅰ/Ⅱ期
ている症例での 3 年生存率の比較では,手術
の原発性卵管癌と卵巣癌の 5 年生存率は各々
単独群で 36.4%,放射線治療群では 58.3%,
95%,76%,Ⅲ/Ⅳ期の原発性卵管癌と卵巣
化学療法群で 53.9%,放射線化学療法併用群
癌 の 3 年 生 存 率 は 各 々 59% と の 報 告 が あ
では 100% であり,手術単独群と化学療法群
る
38)
。治療的背景が違うものの卵管癌や卵
の間で有意差が認められた(Wilcoxon 検定,
巣癌に比べ卵管癌肉腫では,進行例では当然
p < 0.05)
(表 2)
。また,放射線化学療法併
のこと,早期例であっても予後が悪いことが
用群は手術単独群に比べ生存率が良い傾向が
確認された。
みられた(Wilcoxon 検定,p = 0.06)
(表 2)。
59 例中 58 例で治療方法が明確に記述され
放射線治療群,化学療法群,放射線化学療法
― 20 ―
第 25 巻第 1 号,2010 年
表2 治療法別の臨床進行期,肉腫成分,予後
治療法
(症例数)
進行期
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
肉腫成分
同所性
異所性
予後*
3 年生存率(%)
(14)
手術後
放射線治療
(13)
手術後
化学療法
(27)
手術後
放射線化学療法
(4)
6
3
5
0
6
5
2
0
6
3
15
3
1
1
2
0
5
8
4
9
11
16
1
3
36.4
58.3 a)
53.9 b)
100 c)
手術のみ
*生存期間が明確に記述されている症例のみを対象とした。したがって手術のみの群のうち 5
例,化学療法群のうち 2 例が予後解析から除外されている。手術のみの群で肉腫成分の不
明例が 1 例あり。異所性で 1 例が無治療。
a)対手術のみ P = 0.17,b)対手術のみ P < 0.05,c)対手術のみ P = 0.06
表 3 術後化学療法あるいは放射線化学療法で使用されたレジメン
化学療法群(n=27)
白金製剤を使用しない併用療法(n=6)
vincristine+actinomycin-D+cyclophosphamide
vincristine+actinomycin-D+doxorubicin+sendoxan
vincristine+actinomycin-D+doxorubicin+dacarbazine
+methotrexate+chlorambucil
cyclophosphamide+vincristine+doxorubicin+dacarbazine
tegafur+carmofur
白金製剤を使用した併用療法(n=20)
cyclophosphamide+doxorubicin+cisplatin
cyclophosphamide+cisplatin
cyclophosphamide+carboplatin
paclitaxel+carboplatin
paclitaxel+cisplatin
paclitaxel+doxorubicin+cisplatin
ifosfamide+epirubicin+cisplatin
不明(n=1)
放射線+化学療法群(n=4)
cyclophosphamide+doxorubicin
cyclophosphamide+doxorubicin+vincristine
vincristine
doxorubicin+cisplatin
2
1
1
1
1
8
1
1
5
1
1
3
1
1
1
1
併用群の間では生存率に差は認められなかっ
そこで,化学療法群ではどのようなレジメ
た。化学療法群ではⅢ/Ⅳ期症例が 2/3 を占
ンが用いられていたかを調べてみた(表 3)
。
めていたが,放射線治療群のⅢ期症例の 2 例
白金製剤ベースの多剤併用療法が 20 症例,
はいずれも治療終了 8 ヶ月後と 12 ヶ月後に
白金製剤以外の多剤併用療法が 6 症例であっ
3,18)
。したがって,特に卵管癌肉腫
た。白金製剤の使用の有無で予後に違いがあ
進行例においては,術後に化学療法を行うこ
るかどうかを調べてみると,Ⅰ−Ⅳ期の全症
とが有効であると思われる。
例の 3 年生存率は白金製剤使用では 63.1%,
死亡した
― 21 ―
青森臨産婦誌
A
生存率 (%)
白金製剤あり (n=20)
B
P = 0.20
白金製剤なし (n=6)
観察期間 (ヶ月)
生存率 (%)
白金製剤あり (n=14)
白金製剤なし (n=3)
P = 0.43
観察期間 (ヶ月)
図 7 白金製剤の併用の有無による 3 年生存率の比較
A:Ⅰ−Ⅳ期全進行期での生存率の比較。B:Ⅲ/Ⅳ期での生存率の比較。
白金製剤無使用では 20.8%(図 7A)
,Ⅲ/Ⅳ
は 41.0%,heterologous tumor では 61.7% と
期の進行例に限定すると 3 年生存率は白金製
heterologous tumor で予後がよい傾向にあっ
剤使用では 53.3%,白金製剤無使用では 0 %
たが有意ではなかった(p = 0.11)
。腹腔内
であった(図 7B)。有意差検定では差が認め
播種病巣や転移病巣の組織型は,記述されて
られなかったものの,白金製剤を用いること
いる 22 症例中 21 例が漿液性腺癌や腺扁平上
で生存期間の延長が得られる可能性が示唆さ
皮癌などの癌腫であり,1 例のみが腺癌と軟
れる。一方,パクリタキセル+白金製剤とそ
骨肉腫の混在であった。したがって,腺癌の
の他の白金製剤との併用を比べてみても差は
分化度や組織型が予後を規定している可能性
なかった(データ示さず)
。しかし,観察期
が推定されるが,文献的なレビューでは限界
間は短いものの,我々が使用した IEP 療法
があった。
ではⅢ期例であっても 3 年以上の無病生存期
間が得られており,今後期待されるレジメン
考 察
の一つになると思われる。一方,放射線化
婦人科領域の癌肉腫の中で最も頻度が高い
学療法併用群では,白金製剤の使用の有無に
子宮癌肉腫の治療においては,手術による病
かかわらず 4 例とも 3 年生存が達成されてい
巣の摘出とともに,再発・再燃を減少させる
る。今後の症例の蓄積が必要であるが,卵管
ため術後補助療法を行うことが原則とされ
癌肉腫の術後治療に放射線治療と化学療法の
ている。術後に化学療法を選択する場合は
sequential な治療法,あるいは化学療法同時
ifosfamide,白金製剤,パクリタキセルなど
放射線治療も選択肢の一つになる可能性を秘
を含む併用療法が望ましい39−41)。一方,術後
めている。
放射線療法の有用性も指摘されている42)。比
組織学的に,homologous tumor と heter-
較的頻度が高い子宮癌肉腫であっても標準的
ologous tumor と で 予 後 に 差 が あ る か 調 べ
治療法が確立されていないのが現状である。
てみた。3 年生存率は homologous tumor で
癌肉腫はその名のとおり同一組織に癌と肉
― 22 ―
第 25 巻第 1 号,2010 年
腫が混在し,癌組織は主に分化度の低い腺癌
わ れ る。1990 年 以 前 は 卵 管 癌 肉 腫 の
であることが多い。肉腫成分は平滑筋肉腫や
腫 を相手にした治療戦略だったと思われ
肉
線維肉腫などの同所性のものばかりでなく,
る。したがって vincristine,actinomycin-D,
軟骨肉腫や横紋筋肉腫のような異所性成分を
cyclophosphamide,doxorubicin といった肉
含むこともある。上皮成分(癌腫)と間質成
腫性病変に適応のある薬剤が中心となって
分(肉腫)の境界を明瞭に区別することは
いたものと推察される。1990 年の半ばには,
多くの場合困難である。両組織の由来につい
癌肉腫は同一細胞起源であり癌組織から肉腫
て,最近の分子生物学的検討や臨床病理学的
成分が分化しているのではないかという研究
研究から,癌肉腫は単一細胞起源であり腫瘍
成果が発表されはじめた 43,44)。それに加え子
発生の過程で上皮様形態を示す部分と間質様
宮癌肉腫にシスプラチンが有効であるという
形態を示す部分に分化すると考えられるよう
GOG の結果が示され39),cyclophosphamide,
になった 43−45)。
doxorubicin,cisplatin のいわゆる CAP 療法
このような背景から,原発性卵管癌に対し
で卵管癌肉腫が治療された報告が多かったも
て有効な治療法が卵管癌肉腫においても有
のと思われる。2000 年に入るとパクリタキ
効であることが推測される。現在,原発性
セルが子宮癌肉腫に有効であるということが
卵管癌の標準治療は上皮性卵巣癌に準じて,
示され注目を集めた40)。したがって 2000 年
cytoreductive surugery と術後パクリタキセ
以降は卵管癌肉腫の術後治療にいわゆる TC
ルとカルボプラチンの併用化学療法である。
療法,TP 療法が使用された症例報告が相次
今回の卵管癌肉腫の治療のレビューにおいて
いだのであろう。今回のレビューで,術後化
は,1990 年の初めまでは術後放射線治療も
学療法において白金製剤を含む併用療法と白
しくは白金製剤を含まない多剤併用化学療法
金製剤を含まない併用療法とで 3 年生存率を
が主体であった。その後は白金製剤を含む多
比較すると,全進行期では 63.1% 対 20.8%,
剤併用療法が主体となり,2000 年に入ると
Ⅲ/Ⅳ期の進行症例では 53.3% 対 0 % であっ
パクリタキセルと白金製剤の併用療法が多く
た。限られた症例数での比較であるため有意
なっていた。治療法別に予後を見てみると,
差はでなかったが,白金製剤を含むレジメン
手術療法単独ではたとえ早期であっても治癒
が卵管癌肉腫の治療に有効な可能性が高い。
は難しいと判断される。手術単独群と比べ予
一方,TC あるいは TP 療法によって治療成
後が有意差をもってよかったのは術後化学療
績が改善されなかったことは,今後の症例の
法群のみであったが,これは限定された症例
集積による再検討が必要と思われる。
数のためであり,ほかの 2 つの治療群も手術
症例数は少ないものの,自験例の IEP 療
単独群に比べ明らかに治療成績は良好であっ
法が卵管癌肉腫の有望なレジメンの一つにな
た。また術後放射線療法と化学療法の治療予
る可能性がある。1 例は観察期間が短いもの
後はほとんど同じであったが,これは化学療
の TC 療法不応例にもかかわらず寛解導入に
法群ではⅢ期,Ⅳ期の進行例が圧倒的に多
成功している。その他 2 例も 45 ヶ月と 22 ヶ
かったためと推測される。それにもかかわら
月の無病生存を得ている。子宮癌肉腫のデー
ず術後の放射線療法群と化学療法群の生存率
タ で あ る が,ifosfamide と cisplatin の 奏 効
が変わらないということは,卵管癌肉腫に対
率が高い結果が GOG から報告されている39)。
して術後化学療法の優位性を支持するもので
しかしながら,卵管癌肉腫のようなレアケー
ある。術後放射線療法が行われた 2 例のⅢ期
スでの報告は自験例が初めてであり,今後の
症例はいずれも 12 ヶ月以内に死亡している。
症例集積に期待したい。
化学療法において使用される抗癌剤の
今回のレビューで判明した,もう一つの卵
変遷は時代背景を反映しているものと思
管癌肉腫の術後治療で有望な治療戦略は,放
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青森臨産婦誌
5)
Acosta AA, Kaplan AL, Kaufman RH. Mixed
Müllerian tumors of the oviduct. Obstet
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射線治療と化学療法の併用療法である。報告
は 4 例と少ないが,Ⅲ期が 2 例含まれている
にもかかわらず 4 例とも 3 年無病生存を達
6)
Manes JL, Taylor HB. Carcinosarcoma and
mixed Müllerian tumors of the fallopian tube:
Report of four cases. Cancer 1976; 38: 1687-1693.
成し,論文の記述ではすべての症例で 5 年
間無病生存である。用いた化学療法では白
金製剤を併用したり併用しなかったりのレ
7)
Jain U. Mixed mesodermal tumor of the
fallopian tube: Report of a case and review of
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ジメンが混在しているが,興味深い結果であ
る。
子宮癌肉腫の後方視的研究結果であるが,
子宮癌肉腫 41 例の術後補助療法に関して,
8)
Oka M, Bassett EP, Gross S. Malignant mixed
Müllerian tumors. NY State J Med 1978; 78:
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ifosfamide+cisplatin の化学療法群,放射線
治療群,ifosfamide+cisplatin+ 放射線治療群
9)
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Carcinosarcoma of the fallopian tube: A case
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の 3 群を比較したところ,5 年生存率は化学
療法群 22%,放射線治療群 51%,化学療法+
放射線治療併用群 75% であり,化学療法と
放射線治療の併用が癌肉腫の予後改善に寄与
している可能性が示されている46)。
まとめると,卵管癌肉腫は稀な疾患であり,
標準治療を確立することは容易ではない。原
発性卵管癌や上皮性卵巣癌と比べ予後は明ら
かに不良であり,それらと異なる治療戦略が
求められるだろう。早期の病状でも再発を来
しやすい疾患であるが,術後に白金製剤を含
む化学療法を行うことが現時点で最も有力な
治療である。予後改善に寄与する刷新的な治
療法を確立するため,多施設から症例を集積
し,それを解析することが今後の重要課題と
なろう。
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