2 市場における自動車排出ガス対策の推進

2 市場における自動車排出ガス対策の推進
市場では、特に一酸化炭素と二酸化窒素の濃度が高い特徴があります。
こ れ ら は 、場 内 へ 出 入 り し て い る 大 型 貨 物 自 動 車 や 、場 内 で 生 鮮 食 料 品 の 分
荷に用いられている小型特殊自動車の排出ガスによる影響と考えられます。
特 に 、小 型 特 殊 自 動 車 は 、平 成 19 年 10 月 以 前 は 法 規 制 の 適 用 外 と さ れ 、排
出ガス対策が非常に遅れていました。
そ こ で 、東 京 都 中 央 卸 売 市 場 で は 、市 場 内 で 使 用 さ れ る 自 動 車 を す べ て 登 録
制とし、新たに導入するターレットは電動車のみ、フォークリフトは電動車
又は低排出ガス車とすることを義務づけています。
(1) 車 両 登 録 制 度 の 導 入
平 成 17 年 5 月 に 東 京 都 中 央 卸 売 市 場 条 例 及 び 規 則 を 改 正 し 、場 内 で 使 用 す
る自動車等は、あらかじめ知事への登録を義務づけることとする法的規制措
置1を導入しました。これにより、市場内へ入場する車両の管理が容易にな
り、搬入搬出車両の規制対応状況等を把握できるようになりました。また、
場内における不法駐車・不法占拠の防止等、場内交通の円滑化を図ることに
も役立っています。
なお、産地からの車両は出荷証明等の提示をもって登録に代えることとし
ています。
登 録 の基 準
小型特殊自動車
① タ ー レ ッ ト: 電 動 車 の み
② フ ォ ー ク リ フ ト: 電 動 車 又 は 特 殊 自 動 車 排 出 ガ ス 規 制 2 に 適 合 す る 車 両
(低排出ガス車)
低排出ガス車の排出ガス規制値
物 質
規制値
窒素酸化物
(NOx)
0.6g/kwh 以 下
炭化水素
(HC)
0.6g/kwh 以 下
一酸化炭素
(CO)
20.0g/kwh 以 下
小 型 特 殊 自 動 車 以 外 の自 動 車
・関係法令に適合していること
1
2
小型特殊自動車に対する登録基準は、条例の施行日以前に登録したものには適用しない。
「 道 路 運 送 車 両 の 保 安 基 準 の 細 目 を 定 め る 告 示 」等 の 一 部 改 正 に よ る 。平 成 19 年 10 月 1 日 か ら 適
用 ( た だ し 、 継 続 生 産 車 及 び 輸 入 車 に つ い て は 平 成 20 年 9 月 1 日 か ら 適 用 ) 。
- 14 -
登録されていない自動車の使用者に対しては、次の手続により使用中止
命令を行うこととしています。
違 反 事 実 の確 認 及 び自 動 車 登 録 を指 導
(継続反復的に使用されていることが確認された場合)
違 反 通 知 書 を交 付
(引き続き使用されていることが確認された場合)
使 用 中 止 命 令 書 を交 付
(2) 小 型 特 殊 自 動 車 の 低 公 害 化 施 策
ガ ソ リ ン ・ L P G 特 殊 自 動 車 に つ い て は 、 平 成 19 年 10 月 1 日 か ら 国 に
よる排出ガス規制が実施されていますが、東京都中央卸売市場では、国の
排 出 ガ ス 規 制 に 先 が け て 、 平 成 17 年 度 か ら 都 独 自 の 排 出 ガ ス 基 準 を 設 定 1
し、低排出ガス車の認定を行うなど、小型特殊自動車の排出ガス対策を進
めてきました。
平 成 17 年 5 月 以 降 は 、市 場 内 で 使 用 す る 車 両 を 新 た に 導 入 す る 場 合 、タ
ーレットは電動車のみ、フォークリフトは電動車又は低排出ガス車とする
ことを義務付けています。
電 動 車 ・低 排 出 ガス車 の内 訳
年
度
総台数
排 出 ガス
電動車
フォーク
(各 年 度 2 月 1 日 現 在 単 位 :台 )
電動化率
低減車
ターレ
フォーク
計
ターレ
計
19
4,602
1,980
6,582
2,809
596
3,405
18
4,784
1,989
6,773
2,498
539
17
4,804
1,935
6,739
2,258
16
4,853
1,833
6,686
1,937
フォーク
低公害化率
ターレ
フォーク
計
フォーク
計
595
61.0%
30.1%
51.7%
60.2%
60.8%
3,037
329
52.2%
27.1%
44.8%
43.6%
49.7%
416
2,674
119
47.0%
21.5%
39.7%
27.6%
41.4%
264
2,201
0
39.9%
14.4%
32.9%
14.4%
32.9%
注 )低 公 害 化 率 とは、電 動 車 及 び低 排 出 ガス車 の台 数 を総 台 数 で除 したものをいう。
1
以下のアかイのいずれかの条件を満たすものを低排出ガス車として認定した。
平 成 15 年 6 月 30 日 付 中 央 環 境 審 議 会 「 今 後 の 自 動 車 排 出 ガ ス 低 減 対 策 の あ り 方 に つ い て ( 第
6 次 答 申 )に お け る ガ ソ リ ン・L P G 特 殊 自 動 車 に 係 る 許 容 限 度 設 定 目 標 値 を 達 成 し て い る も の 。
イ 排 出 ガ ス 低 減 の た め の 措 置 を 講 じ て い な い 同 等 の 車 両 と 比 較 し て 70%以 上 の 排 出 ガ ス 低 減 効 果
が認められるもの(「東京都中央卸売市場自動車登録要綱」の別表で指定)。
イ は 、 平 成 19 年 9 月 末 ま で 適 用 。
ア
- 15 -
動力区分別 小型特殊自動車台数の構成比
(平成20年2月1日現在)
内 の値 は、低 公 害 化 率
築地市場
食肉市場
大田市場
豊島市場
淀橋市場
足立市場
板橋市場
世田谷市場
北足立市場
多摩NT市場
葛西市場
全市場計
0%
52.0%
60.9%
68.7%
50.0%
76.2%
81.6%
57.0%
62.1%
63.6%
53.1%
61.6%
60.8%
電動車
20%
40%
低排出ガス車
60%
LPG
80%
ガソリン
100%
ディーゼル
全 市 場 の 合 計 値 を 動 力 区 分 別 に み る と 、 L P G 13.3% 、 ガ ソ リ ン 25.4% 、
デ ィ ー ゼ ル 0.6% と 比 較 し て 、電 動 車 51.7% 、低 排 出 ガ ス 車 9.0% と な っ て お
り、低公害車両の割合が多くなっています。
(%)
市場別低公害化率の推移
(各年度2月1日現在)
90.0
築地市場
食肉市場
大田市場
豊島市場
淀橋市場
足立市場
板橋市場
世田谷市場
北足立市場
多摩NT市場
葛西市場
全市場計
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度
- 16 -
動力区分別小型特殊自動車台数の推移 (各年度2月1日現在)
内 の値 は、低 公 害 化 率
(台)
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
ディーゼル車
ガソリン車
LPG車
低排出ガス車
電動車
合 計
41.4%
49.7%
60.8%
28.0%
29.4%
32.9%
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
19年度
109
3,180
1,543
0
1,877
99
3,009
1,708
0
2,004
65
2,732
1,688
0
2,201
63
2,374
1,509
119
2,674
53
2,113
1,241
329
3,037
38
1,670
874
595
3,405
6,709
6,820
6,686
6,739
6,773
6,582
中央卸売市場では、小型特殊自動車の低公害化を促進するため、前述の
車両登録制度のほか、以下の施策を行っています。
1
①
小型特殊自動車等の電動化等推進補助事業(平成 4 年度∼)
事業者がガソリン車等の内燃機関式車両(低排出ガス車を除く。)を
廃止し、その代替として購入又はリース契約によって新たに電動車を導
入 す る 際 、そ の 費 用 の 一 部 を 補 助 し 1 、電 動 車 へ の 切 替 え を 促 進 し て い ま
す 。 平 成 19 年 度 の 補 助 台 数 は 、 約 1,750 台 ( う ち 、 新 規 購 入 約 50 台 、
新 規 リ ー ス 約 400 台 、 残 り 継 続 リ ー ス ) で し た 。
②
充 電 場 所 の 施 設 使 用 料 の 減 免 ( 平 成 15 年 度 ∼ )
充電場所として専用に使用する場合は当該場所の施設使用料を免除し、
自動車等駐車場と兼用する場合は駐車場の使用料の減額を行うことによ
り、内燃機関式車両から電動車への切替えの促進を図っています。
これにより場内の小型特殊自動車の充電場所が特定され、車両管理が
容易となっています。
③
ク リ ー ン ゾ ー ン の 設 定 と 巡 回 指 導 ( 平 成 16 年 10 月 ∼ )
平 成 16 年 10 月 、 低 (定 )温 卸 売 場 や 低 (定 )温 倉 庫 等 の 閉 鎖 的 な 空 間 を
業界と申し合わせの上「クリーンゾーン」として指定し、ゾーン内では
電動車以外の小型特殊自動車の使用を禁止しました。
平 成 17 年 8 月 ∼ 平 成 19 年 9 月 は 、 低 排 出 ガ ス 車 導 入 の 際 に も 補 助 を 行 っ た 。
- 17 -
そ の 後 、業 界 と の 協 議 が 整 っ た 場 合 に は 順 次 、追 加 指 定 を 行 っ て お り 、
平 成 20 年 1 月 に は 、新 た に 葛 西 市 場 で 約 4,560 ㎡ を 追 加 指 定 し た こ と で 、
平 成 19 年 度 末 現 在 、淀 橋 市 場 を 除 く 10 市 場 で 約 41,500 ㎡ が 指 定 さ れ て
います。
クリーンゾーンの趣旨の徹底を図るため、施設入口にポスターを掲示
し 、 定 期 的 に 巡 回 指 導 を し て い ま す 。 平 成 19 年 度 は 5 月 、 9 月 、 11 月 、
2 月 に 巡 回 指 導 を 行 い ま し た が 、下 表 の と お り 、複 数 の ク リ ー ン ゾ ー ン で
内燃機関式車両が使用されていました。
ポスター掲示位置の工夫や場内放送の実施などを通じ、引き続きクリ
ーンゾーンの周知と電動車使用の徹底を図っていきます。
ク リ ー ン ゾ ー ン 指 定 箇 所 及 び 平 成 19 年 度 巡 回 指 導 結 果
( 面 積 : 平 成 20 年 3 月 31 日 現 在 )
市場名
主な指定箇所
面積(㎡)
違反
車両数
東 京 都 冷 蔵 庫 、 ◎ 仮 設 卸 売 場 A2 棟 第 一 低 温
築 地 市 場
卸 売 場 、○ 旧 第 一 低 温 卸 売 場 、◎ 第 二 低 温 卸
10,272.4
16
1,792.0
0
5,250.81
12
豊 島 市 場 第 一 定 温 卸 売 場 、○ 第 二 定 温 卸 売 場 、低 温 倉 庫
1,930.0
1
足 立 市 場 大 物 低 温 卸 売 場 、第 二 低 温 卸 売 場 、冷 蔵 庫 棟
2,976.3
0
8,193.7
2
882.3
2
2,749.18
3
1,234.1
0
6,209.78
0
41,490.57
36
売 場 、勝 ど き 駐 車 場 塩 干 合 物 卸 売 場 、◎ 勝 ど
き駐車場低温倉庫、塩干物冷蔵庫
食 肉 市 場
大 田 市 場
板 橋 市 場
世田谷市場
北足立市場
センタービル地下 1 階・1 階冷蔵庫、
センタービル 3 階加工場
○青果部定温卸売場、水産物部定温卸売場、
花き部定温倉庫
青果部低温卸売場、○青果部仲卸低温倉庫、
花き棟荷捌場
○青果部低温卸売場、○低温倉庫、
花き棟定温倉庫
○青果部低温卸売場・予冷庫、
◎仲卸組合定温倉庫
多摩ニュー
○低温倉庫
タウン市場
葛 西 市 場
合
青 果 部 低 温 卸 売 場 、定 温 卸 売 場 、定 温 荷 捌 場 、
花き棟プレハブ冷蔵庫
計
◎ 印 は 平 成 19 年 度 の 4 回 の 巡 回 指 導 の う ち 、 2 回 以 上 違 反 車 両 が あ っ た 箇 所 、 ○ 印 は い ず れ か の
巡回指導で違反車両のあった箇所。
- 18 -
クリーンゾーンポスター
④
充電設備の設置
電動車に必要な充電設備を整備しています。充電設備は、卸売場や仲卸店
舗内に設置する場合と、市場内に専用の充電場所を確保して設置する場合と
があります。充電設備は、電動化の進捗状況に合わせ、計画的に整備してい
ます。
充電中のターレット(築地市場)
⑤
利用者ニーズに合った製品開発の働きかけと普及活動
充電時間の短縮や一度の充電で長時間の使用が可能な電動車の開発につい
て、メーカーへ働きかけを行っています。その結果、充電時間の短縮、強力
なモーターの採用、防錆加工仕様、ゴムマットを敷いた車両等が開発されて
きました。
このほか国に対して、内燃機関式車両と遜色のない電動車の開発に対する
支援等を行うよう、提案要求を毎年行っています。
- 19 -
⑥
フォークリフトの低公害化への取組
フォークリフトは、ターレットに比較して高出力が求められますが、過度
の負荷により、短時間で電池量の急激な減少が生じるケースがあることなど
から、電動化が遅れていました。そこで、中央卸売市場では電動化以外の低
公害化について、様々な角度から検討を進めてきました。
国 は 、平 成 15 年 6 月 の 中 央 環 境 審 議 会 第 6 次 答 申「 今 後 の 自 動 車 排 出 ガ ス
低 減 対 策 の あ り 方 に つ い て 」に 基 づ き 、平 成 19 年 10 月 1 日 か ら 、ガ ソ リ ン ・
LPG特殊自動車の排出ガス規制を実施していますが、東京都中央卸売市場
は 、よ り 早 急 な 改 善 が 必 要 と の 観 点 か ら 、平 成 17 年 度 に 従 前 の 内 燃 機 関 式 車
両の排出ガスを低減させたものを独自に低排出ガス車として認定し1、導入
を図ってきました。
認定検査方法や基準については、検査要綱2で次のとおり規定しました。
認 定 検 査 の 結 果 、窒 素 酸 化 物 に つ い て は 99% 以 上 、一 酸 化 炭 素 に つ い て も
75% 以 上 の 低 減 効 果 が 得 ら れ 、 大 幅 に 排 出 ガ ス が 浄 化 さ れ ま し た 。
認定検査の方法及び基準
項
目
内
容
対
象
ガソリン又は液化石油ガスを燃料とするフォークリフト
基
準
一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物のそれぞれの物質について、
排出ガス低減のための措置を講じていない同等の自動車に比べて
70% 以 上 の 排 出 ガ ス 低 減 効 果 が 認 め ら れ る も の
測定方式
ISO8178-4
C2 モ ー ド に 準 拠 し た 排 出 ガ ス 測 定 方 式
認定検査結果の一例
窒素酸化物
低減措置を講じていないもの
低減措置を講じているもの
〔排出ガス低減率〕
炭化水素
一酸化炭素
14.86g/kWh
3.57g/kWh
34.11g/kWh
0.02g/kWh
0.28g/kWh
6.69g/kWh
99.7%
92.2%
76.5%
低排出ガス車としての認定は、フォークリフトの型式指定によって行い、
平 成 19 年 4 月 時 点 で 、日 産 自 動 車 株 式 会 社 、株 式 会 社 豊 田 自 動 織 機 、三 菱 重 工
業株式会社、コマツフォークリフト株式会社、住友ナコマテリアルハンドリン
グ 株 式 会 社 、 T C M 株 式 会 社 の 6 社 23 型 式 の フ ォ ー ク リ フ ト を 認 定 し ま し た 。
1
2
15 頁 脚 注 参 照 。
「東京都中央卸売市場小型特殊自動車排出ガス低減装置性能認定検査要綱」
- 20 -
低 排 出 ガ ス 車 は 、 平 成 17 年 8 月 か ら 導 入 さ れ 、 平 成 20 年 2 月 1 日 現 在 、
595 台 が 登 録 さ れ て い ま す ( 築 地 市 場 131 台 、 大 田 市 場 361 台 、 淀 橋 市 場
62 台 、北 足 立 市 場 22 台 等 )。大 規 模 市 場 の う ち 広 大 な 敷 地 面 積 が あ る 大 田
市 場 で は 一 日 の 走 行 距 離 数 が 求 め ら れ る た め 、電 動 車 よ り 低 排 出 ガ ス 車 の 需
要が高くなっています。
なお、中央卸売市場に導入された低排出ガス車については、識別のために
「低排出ガス車」ステッカーを貼付しています。
電動車ステッカーと低排出ガス車ステッカー
(3)
アイドリングストップ対策
東京都では、環境確保条例により、適用が除外される一定の場合を除き、
自動車を駐停車するときにはアイドリングを行ってはならないと規定してい
ます。
市場関係車両が行うアイドリングには、交通渋滞等によるアイドリング、
時間調整(待機)のためのアイドリング、冷凍・冷蔵庫稼動のためのアイド
リングなど、様々な要因が考えられるため、中央卸売市場では、それらの要
因に応じて対応を進めてきました。
- 21 -
①
交通渋滞等への対策
渋 滞 が 起 き な い よ う 、場 内・場 外 車 両 の 混 雑 解 消 に 努 め て い ま す 。ま た 、
円滑な交通の妨げとなる不適正な駐車を行わないよう、指導しています。
②
時間調整(待機)のためのアイドリングの防止
卸 売 会 社 へ 集 荷 物 品 の 荷 下 ろ し が 速 や か に 行 え る よ う 指 導 し 、場 内 待 機
時間の短縮を図っています。
③
冷 蔵 ・冷 凍 庫 稼 動 の た め の 外 部 電 源 供 給 設 備 の 設 置
一 部 の 市 場 で は 、駐 停 車 中 の 貨 物 自 動 車 の 冷 蔵・冷 凍 庫 の 動 力 電 源 と す
るため、外部から電力を供給する外部電源供給設備を設置しています。
食 肉 市 場 の 94 口 の ほ か 、 築 地 市 場 、 大 田 市 場 、 淀 橋 市 場 、 足 立 市 場 に
も 設 置 さ れ て お り 、 平 成 20 年 4 月 1 日 現 在 、 上 記 5 市 場 で 125 口 の 外 部
電 源 供 給 設 備 が 設 置 さ れ て い ま す 。( 卸 売 会 社 が 設 置 し た も の を 含 む 。 )
■
外部電源供給設備を使用するメリット
・環境負荷の低減
風 通 し の 悪 い 場 所 で の 長 時 間 の ア イ ド リ ン グ は 、排 出 ガ ス が 滞 留 す る
た め 、市 場 で 働 く 人 々 の 健 康 被 害 の 要 因 と な り ま す 。駐 車 中 の 長 時 間 の
ア イ ド リ ン グ を せ ず に 済 む こ と に よ っ て 、健 康 被 害 を 防 止 し 、大 気 汚 染
の低減に貢献できます。
ま た 、温 室 効 果 ガ ス 発 生 量 を 、ガ ソ リ ン や 軽 油 の 燃 焼 に よ る 場 合 と 電
気 の 使 用( 発 電 所 に お け る 換 算 ベ ー ス )に よ る 場 合 と で 比 較 す る と 、電
気のほうがはるかに少ないため、地球温暖化対策としても有効です。
・経済的負担の低減
ア イ ド リ ン グ に は 一 定 の 燃 料 が 必 要 で あ り 、外 部 電 源 供 給 設 備 の 使 用
に は 電 気 が 必 要 で す が 、両 者 に 要 す る 費 用 を 比 較 す る と 、外 部 電 源 供 給
設備を利用するほうが経済的負担が少なくなります。
・騒音の低減
外 部 電 源 供 給 設 備 か ら 電 源 を 調 達 し て 保 冷 す る た め 、エ ン ジ ン を 停 止
することができ、アイドリングによる騒音が発生しません。
・防犯面の効果
ア イ ド リ ン グ 中 は エ ン ジ ン キ ー を 差 し 込 ん で お く 必 要 が あ る た め 、運
転 者 が 自 動 車 か ら 離 れ る 場 合 に 防 犯 上 の リ ス ク が あ り ま す が 、外 部 電 源
供給設備を使用する場合は、エンジンキーを抜くことができます。
- 22 -
■
外部電源供給設備に係る課題
卸売市場には、多くの冷蔵・冷凍車が出入りするため、外部電源供
給設備の使用はアイドリングストップ対策として効果的です。
一 方 で 、現 在 使 用 さ れ て い る 外 部 電 源 供 給 設 備 を 本 格 的 に 実 用 化 し て
いくには、次のような問題点もあります。
○現状における課題
・ 現 在 の 車 両 及 び 外 部 電 源 供 給 設 備 で は 、冷 凍 ・冷 蔵 庫 の 予 冷 ・ 保 冷 の
た め の 電 力 と 、運 転席(キャビン)内の冷暖房のための電力を同時に供給
す る こ と が で き な い 。そ の た め 、荷 の 積 み 下 ろ し や 、そ の 順 番 待 ち 等 の
理 由 で ド ラ イ バ ー が キ ャ ビ ン で 待 機 す る 場 合 は 、キ ャ ビ ン 内 の 冷 暖 房 の
ためにアイドリングを行うことになってしまう。
○現在の外部電源供給設備を複数の事業者が使用する場合の課題
・ 給電口の形状が異なると、車両によっては使用できない場合がある。
・ 電 気 使 用 料 金 の 請 求 先 確 定 や 設 備 破 損 時 の 対 応 の た め に 、使 用 者 を 特
定し、記録する必要がある。
・ 既 存 の 外 部 電 源 供 給 設 備 は 、電 気 量 を 使 用 の 都 度 計 量 す る 仕 組 み で な
い た め 、1 回 の 使 用 ご と の 電 気 使 用 量 に 対 し て 電 気 料 を 徴 収 す る こ と が
困難である。
外部電源供給設備を使用中のトラック
- 23 -
■
外部電源式アイドリングストップ給電システム
現 在 、ト ラ ッ ク 駐 車 時 の 車 内 冷 暖 房 用 に 、外 部 か ら 直 接 電 力 供 給 を 行
うことによりアイドリングストップが可能となるシステムが開発され、
平 成 19 年 10 月 か ら 全 国 7 休 憩 施 設 で 50 基 の 給 電 ス タ ン ド( 1 基 に つ き
2 台の車両へ給電が可能)が設置され、運用が始まっています。1
利 用 の 際 は 、ド ラ イ バ ー が 携 帯 す る I C カ ー ド( 専 用 の 利 用 者 認 証 カ
ー ド )で 認 証 し 、利 用 デ ー タ が 電 力 会 社 の 専 用 サ ー バ ー に 送 ら れ 、電 気
料は後日、利用者(運送会社等)あてに請求されます。利用者は、給電
シ ス テ ム を 使 用 し た 車 両 、 時 間 、 場 所 、 電 気 量 、 電 気 料 及 び CO2 の 削 減
量等を毎月把握することができます。
こ の シ ス テ ム を 開 発 し た 事 業 者 は 、全 国 の ト ラ ッ ク ス テ ー シ ョ ン や 高
速道路のサービスエリア等を今後の導入候補地としています。
こ れ を 踏 ま え 、 国 に お い て は 広 域 的 観 点 か ら 、 平 成 19 年 度 に 、 地 球
温 暖 化 対 策 の 新 た な ビ ジ ネ ス モ デ ル と し て 、こ の シ ス テ ム 事 業 へ の 補 助
を行っています2。
現 在 の と こ ろ 、 こ の シ ス テ ム は 、 運 転 席( キ ャ ビ ン ) 内 の 冷 暖 房 用 の
電 源 を 供 給 す る も の で あ り 、冷 凍 ・ 冷 蔵 庫 の 予 冷 ・ 保 冷 の た め の 電 源 を
同 時 に 供 給 で き る シ ス テ ム に つ い て は 、車 両 へ 搭 載 す る 装 置 を 設 置 す る
スペースの問題等から未だ検討段階にあります。
市場では、車両又は自動車設備メーカーなどにより進められている、
外部電源設備に接続した際に冷凍・冷蔵庫部分と運転席の冷暖房装置の
両方が稼動する車両用空調設備の技術開発に対する国の支援を求める
とともに、外部電源設備に対応可能な車両の導入状況を見極めながら、
各市場の実情に応じた設備の拡大設置を図っていくこととしています。
ま た 、豊 洲 新 市 場 で は 待 機 車 両 の 運 転 手 控 室 が 整 備 さ れ る 計 画 で あ る
た め 、 ア イ ド リ ン グ ・ス ト ッ プ 対 策 と し て の 実 効 性 が 期 待 で き る こ と か
ら積極的に外部電源設備を設置し、アイドリングによるCO2 排出防止
を推進していきます。
(4)
1
2
不正軽油対策
① 不正軽油とは
不正軽油とは、主にディーゼル車の燃料として使用される軽油に、脱
税を目的に重油や灯油を混ぜ、軽油と偽り販売されているものです。
不 正 軽 油 の 製 造 や 販 売 、使 用 は 、軽 油 引 取 税 の 悪 質 な 脱 税 行 為 で あ る と
と も に 、デ ィ ー ゼ ル 車 等 の 排 出 ガ ス 中 の 有 害 物 質( 粒 子 状 物 質( P M )や
窒 素 酸 化 物 ( N O x) ) を 増 加 さ せ て 環 境 に 悪 影 響 を 与 え 、 都 民 の 生 命 や
健 康 を 脅 か し ま す 。ま た 、製 造 過 程 で 発 生 す る 強 酸 性 の 硫 酸 ピ ッ チ が 適 正
東 京 電 力 ㈱ と 日 野 自 動 車 ㈱ が 共 同 開 発 し 、神 奈 川 県 の 東 神 ト ラ ッ ク ス テ ー シ ョ ン で の 実 証 試 験( 平
成 17 年 8 月 ∼ 18 年 10 月 ) を 経 て 運 用 が 始 ま っ た 。
環境省が「地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベータ事業」に選定。
- 24 -
に 処 理 さ れ な い ま ま 放 置 さ れ て 、深 刻 な 土 壌 汚 染 を 起 こ し て い る 事 例 も あ
ります。
東 京 都 で は 、 不 正 軽 油 を 撲 滅 す る た め 、 平 成 12 年 9 月 か ら 不 正 軽 油 撲
滅 作 戦 を 展 開 し 、 ま た 平 成 13 年 4 月 か ら は 環 境 確 保 条 例 を 施 行 し 、 重 油
や重油混和燃料の使用・販売を規制しています。
■典型的な不正軽油のしくみ
大気汚染!
重油
軽油
軽油引取税を
脱税!!
不正軽油
(出典:主税局ホームページ)
( 出 典 :主 税 局 ホ ー ム ペ ー ジ )
②
市場としての取組
大型車両が全国から集まる中央卸売市場は、不正軽油の流通形態を探る
ために抜取調査を行う場として適しているため、主に出荷車両や市場から
の配送車両に対して、抜取調査を実施しています。また、調査時には、不
正軽油を「買わない・使用しない」よう、ドライバーに直接呼びかけを行
っています。
中 央 卸 売 市 場 で の 抜 取 調 査 の 結 果 、 平 成 18 年 度 の 混 和 軽 油 検 出 率 は 約
1% 、 平 成 19 年 度 は 約 3% と な っ て い ま す 。
19 年 度
18 年 度
17 年 度
16 年 度
抜取調査年月日
市場名
平 成 19 年 8 月 28 日
築地市場
62 本
混和本数
0本
平 成 19 年 6 月 22 日
大田市場
74 本
混和本数
4本
平 成 18 年 9 月
4日
築地市場
77 本
混和本数
0本
平 成 18 年 6 月 23 日
大田市場
75 本
混和本数
2本
平 成 18 年 1 月 19 日
築地市場
75 本
混和本数
5本
平 成 17 年 6 月 20 日
大田市場
103 本
混和本数
5本
平 成 17 年 1 月 27 日
築地市場
97 本
混和本数
7本
平 成 16 年 8 月 25 日
大田市場
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抜取本数
118
本
抜取調査結果
混 和 本 数 11 本