82080 リチウム(棒状) 2003 年 12 月 17 日 製 品 安 全 デ ー タ シ ー ト JUNSEI 1, 化学物質等及び会社情報 会社名 純正化学株式会社 本社住所 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町 4-4-16 電話番号 03-3270-5413 FAX 番号 03-3270-5461 担当部門 営業本部 学術担当 担当者 菅野英奇 緊急連絡電話番号 03-3270-5413 FAX 番号 03-3270-5461 E-mail: [email protected] url: http://www.junsei.co.jp 作成日 2001 年 7 月 5 日 改訂日 2003 年 12 月 17 日 整理番号 82080 製品名 (化学用) リチウム(棒状) Lithium, sticks 2, 組成、成分情報 単一製品・混合物の区別:単一製品 化学名:リチウム 化学式:Li CAS No:7439-93-2 含有量:100% 化審法:対象外 安衛法:対象外 3, 危険有害性の要約 分類の名称 1. 自然発火性物質。 2. 禁水性物質。 危険性 ─ 危険度を 0∼4 の 5 段階で表示 火災 1(要注意) 人体 3(危険大) 反応 3(危険大) 1. 可燃性である。 有害性 ◇吸入した場合… 1. 粘膜および皮膚に炎症と痛み。体内に多量のリチウムを摂取するとき、吐き気、衰弱、無関心、筋肉 のふるえ、筋肉れん縮、昏睡状態。 ◇皮膚に触れた場合… 1. 皮膚にただれを起こす。 ◇眼に入った場合… 1. 眼にただれを起こす。 1/1 82080 リチウム(棒状) 2003 年 12 月 17 日 2. 特に眼は非常に危険である。失明危険がある。 4, 応急措置 眼に入った場合 1. 眼に入った場合はただちに 10∼15 分間水で洗浄する。 2. そのため、まぶたを親指と人さし指で拡げ、同時に眼をあらゆる方向に動かす。 3. 医師を、場合によっては眼科医を災害現場に呼ぶ。 皮膚に付着した場合 1. この物質でぬれた衣服部分、靴および靴下を急いで脱がせ、それらを遠ざける。 2. この物質と接触した身体部位を継続的に多量の水で洗浄し、続いて無菌の包帯で包む (熱傷用包帯を使用しない)。 吸入した場合 1. 傷病者を新鮮な空気の所に移し、安楽に待機させ、窮屈な衣服部分をゆるめてやる。 2. 呼吸停止の場合はただちに呼気吹き込みまたは器具による人工呼吸、場合によっては酸素吸入。 3. 傷病者の身体を冷やしてはならない。 4. 意識喪失の危険がある場合、待機や搬送は安定な側臥位で行う。 5, 火災時の措置 消火方法 1. 注水厳禁 ◇消火要領… 1. 水、二酸化炭素、四塩化炭素または他のハロゲン化物を消火に使用しないように留意する。 2. 乾燥砂、乾燥石ぼくおよび乾燥セメントが消火剤として適当である。 ◇消防活動装備… 1. 防護衣。 2. 空気呼吸器。 3. 循環式酸素呼吸器。 4. ゴム長靴。 5. 防火服。 消火剤 1. 乾燥砂、乾燥石ぼく、乾燥セメント。 6, 漏出時の措置 1. 漏洩:危険を伴わない場合は、漏洩部をふさぐ。 2. 流水:飲料水、用水および冷却水の取水者に了解を求める。 3. 停留水:周囲を遮断する。すべての発火源を取り除く。危険地域内の乗物を移動させる。 4. 陸上:まず乾燥砂で覆い、乾燥した容器に入れ、搬出する。雨天および湿気がある場合は、生じた 混合物は防止堤で囲み、ポンプで汲みとる。この場合には、住宅地域および工業地域のすべての低い 場所にある空間をふさぐ。すべての発火源を取り除く。 7, 取扱い及び保管上の注意 取扱い 1. 腐食性。 2. 引火性固体。熱源、火花、裸火との接触禁止。 3. 水との接触禁止。 2/2 82080 リチウム(棒状) 2003 年 12 月 17 日 4. 吸入を避ける。 5. 眼、皮膚、衣服との接触を避ける。 6. 取扱後完全に洗浄。 7. アルゴンガス下で取扱・保管。 8. 水と反応して引火性・爆発性の水素ガスを発生する。 保管 1. 空気に敏感。 2. 密封。冷乾燥場所に保管。 ◇EU リスク警句(R).EU 安全勧告(S) R:14/15-34 S:(1/2-)8-43-45 8, 暴露防止及び保護措置 管理濃度:設定されていない。 ◇安全管理上の留意事項… 1. 乾燥した天候の場合、金属リチウムからあらゆる湿気を遠ざける。 2. 雨天および湿気のある場合は危険地域内では、機械を停止し、発火物を除去し、喫煙を禁止し、裸 火を消し、火花を発生する電気器具や開閉器を作動させない。 3. 周辺空気と無関係の(重装備の)呼吸防護器具および全身防護服を着用する。 4. 防災活動に無関係なすべての人々を風上方向に遠ざける。 5. 下水溝または船の排水管に入った放置リチウムにより、腐食性の混合物および爆発危険が生じるこ とに注意する。 6. 専門家を呼ぶ。 7. 水路では航行を遮断する。陸上では危険地域を遮断する。住宅地域および工業地域の居住者に警 告する。 8. 湿気がある場合および雨天のときは、危険地域から避難し、大きな安全地帯を設定する。風向を慎 重に観測する。 設備対策 1. 局所排気。 2. 安全シャワー。 3. 洗眼器。 ◇安全管理・ガスの検知… 1. 測定器 2. 検知管 保護具 1. 局所排気または呼吸用保護具。 2. 保護手袋。 3. 保護衣。 4. 安全ゴーグル。 9, 物理的及び化学的性質 外観等 1. 最も軽い金属、銀白色。 2. ナトリウムなどアルカリ金属の性質をもち、活性で水と激しく反応して水素を発生する。 3. 地殻構成元素の 0.004%を占め広くうすく存在する。 3/3 82080 リチウム(棒状) 2003 年 12 月 17 日 4. 主な鉱石名とその LiO2 含有量は次の通りである。 ◇アンブリゴナイト(2LiF・Al2O3・P2O5)(7∼9%)、スポジューメン(Li2O・Al2O3・4SiO2)(4∼7%)、ペ ターライト(LiO2・Al2O3・8SiO2)(3∼4.5%)、レピドライト[2(KLi)F・Al2O3・3SiO2](3∼4%)。 沸点:1,336℃ 融点:180℃ 引火点:なし。 発火点:179℃以上 比重又は嵩比重:0.534 溶解度:水と反応する。 10, 安定性及び反応性 ◇加熱・燃焼… 危険性有 1. 火災の際、火災源を覆う濃い白色の、不透明な煙霧が発生する。 2. 燃焼は空気、酸素、窒素および二酸化炭素と結合して起こる。 3. リチウムは高温の場合、湿気を含むコンクリート、砂およびその他の物質と反応する。 ◇水との接触… 危険性有 1. 金属リチウムは水と接触すると、非常に激しく反応する。 2. 水中に沈降しないで、水面を浮遊し、はねまわる。 3. その際、燃えやすい水素ガスおよび強い腐食性の水酸化リチウムが生じる。 4. 水素は発火する。 5. 密閉空間では爆発も起こりうる。 6. 水は水酸化リチウムを溶解し、その腐食性をもつようになる。 ◇空気との接触… 危険性有 1. 可燃性の固体。固体金属として空気中で、融点(179℃)以上に加熱されることにより発火。 2. 粉末状または粉塵のリチウムはすでに室温(20℃)で自然発火する。 3. この金属は空気中で強烈な赤色の光を発して燃える。 ◇混触等… 危険性有 1. すべての湿気と接触しないようにする。 2. 金属リチウムをつかむときは、乾いた手袋のみを用いなければならない。 3. リチウムはしばしば溶融状態(約 540℃)に保ち、不活性ガスで覆って輸送される。 4. 漏洩のときは、その溶融物が空気と接触するとただちに、常に自然発火が起こることを考慮しておか ねばならない。 5. 高温の場合、湿気および水を放出しやすいすべての物質と接触するとき、激しい反応が起こる。 6. 金属リチウムは、アルコールおよび希釈した酸類と接触するとき激しく反応する。この物質は液体ア ンモニア、メチルアミン類およびアミルアミン類に溶解する。 11, 有害性情報 ◇皮膚に触れた場合… 1. 皮膚にただれを起こす。 ◇眼に入った場合… 1. 眼にただれを起こす。 2. 特に眼は非常に危険である。失明危険がある。 4/4 82080 リチウム(棒状) 2003 年 12 月 17 日 ◇吸入した場合… 1. 粘膜および皮膚に炎症と痛み。体内に多量のリチウムを摂取するとき、吐き気、衰弱、無関心、筋肉 のふるえ、筋肉れん縮、昏睡状態。 変異原性 その他の試験;陽性 12,環境影響情報 生態影響 ◇水質汚濁… 1. 水生生物に毒性作用を及ぼす。魚類に対しては 100 mg /l で有毒、小甲殻類で 16 mg /l、植物は 0.2 mg /l から。 13, 廃棄上の注意 1. 不活性雰囲気下で、適当な溶剤中で、乾燥ブタノールに注意しながら添加する。化学反応が激しく、発 熱する。燃え易い水素および炭化水素ガスの排気に対する準備が必要である。この溶液を酸水溶液で中 和する。固形残渣をろ過し、危険物排気処理地に埋める。ろ液はアフタバーナーおよびスクラッバ付きのイ ンシナレータの中で焼却。 14, 輸送上の注意 国連分類:4.3 (水反応可燃性物質) 容器等級:Ⅰ 国連番号:1415(リチウム、自然発火性を有しないもの) 15, 適用法令 〔金属リチウム〕 ◇消防法… 第 2 条危険物第 3 類アルカリ金属第 2 種自然発火性物質及び禁水性物質(50 kg )(塊状)、 ◇毒物劇物取締法:非該当 ◇PRTR法:非該当 ◇労働安全衛生法… 施行令別表第 1 危険物(発火性の物) 安衛法通知有害物(施行令、別表第九の番号):非該当 ◇IMDG… (P.4345)クラス 4.3 等級Ⅰ 旅客禁止 ◇ICAO/IATA… クラス 4.3 等級Ⅰ 旅客禁止 PAT 禁 CAO412(15 kg ) ◇危規則… 第 3 条危険物告示別表第 6 可燃性物質類・水反応可燃性物質 K- 上・下/禁止 等級 1 ◇航空法… 施行規則第 194 条危険物告示別表第 6 その他の可燃性物質 J- 等級 1 旅客禁止 ◇港則法… 施行規則第 12 条危険物告示水反応可燃性物質 ◇TSCA… 5/5 82080 リチウム(棒状) 2003 年 12 月 17 日 有り ◇EINECS… 2311025 16, その他の情報 参考文献 ①化学品安全管理データブック 増補改定第2版(化学工業日報社) ②メルクインデックス13版 5542 コメント 記載内容は当社の最善の調査に基づいて作成しておりますが、記載のデータや評価に関しては必ずしも安 全性を十分に保証するものではありません。 全ての化学製品には未知の有害性が有り得るため、取扱いには細心の注意が必要です。ご使用者各位の責 任において、安全な使用条件を設定くださるようお願いします。また、特別な取扱いをする場合には、新たに 用途,用法に適した安全対策を実施の上でご使用下さい。 6/6
© Copyright 2024 Paperzz