白黒 つけます! いまさら聞けない 後藤佳苗 あたご研究所 ギモン解消! 法令クイズ ※本文では以下のように表記しています。 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運 営に関する基準(平成 11 年 3 月 31 日付 厚生省令第 38 号)⇒運営基準 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運 営に関する基準について(平成 11 年 7 月 29 日付老企第 22 号)⇒解釈通知 Goto Kanae 行政保健師として保健所や県の介護保険課 に勤務したのち、2005 年にあたご研究所を 設立。ケアマネジャーの研修講師として全 国で活躍。近著に『法的根拠に基づくケア マネ実務ハンドブック』(中央法規)など。 vol. 1 ? 疑問 課題分析(アセスメント)は 必ず 利用者宅で行 わなければいけないの? 近隣事業所のケアマネジャーの中に、 A 2. 原則として、 利用者の自宅で利用者と面接の上、 実施しなければならない 解説 アセスメント実施上のルールは、運営基準 第 13 条第 7 号に示されています。 「最近、法改正されて、アセスメントは自宅で実施する必要がなくなった」と、 自宅以外のサービス事業所等での面接でアセスメントを行っている人がいます。 介護支援専門員は、前号に規定する解決す 確かに、入院中に依頼を受けた新規の利用者が、休日や祝日に退院し、 べき課題の把握(以下「アセスメント」とい その日からベッドを活用するときなどには、院内でのアセスメントで ケアプラン原案を作らないといけない場合などもあります。 このような事例は特例と考えていましたが、 自宅以外の場所でもアセスメントができるのでしょうか。 う。) に当たっては、利用者 の 居宅 を 訪問 し、利用者及びその家族に面接して行わな ければならない。この場合において、介護 支援専門員は、面接の趣旨を利用者及びそ 介護支援専門員は、解決すべき課題の把握 (以下「アセスメント」という。)に当たっては、 利用者が入院中であることなど物理的な理 由がある場合を除き必ず利用者の居宅を訪 問し、利用者及びその家族に面接して行わ なければならない。(略) 2012(平成 24) 年 4 月に、太字・下線の部 分が通知に追加となりました。 の家族に対して十分に説明し、理解を得な このため、「物理的 な 理由」がある場合に ければならない。 は、自宅以外での場所によるアセスメントの (下線・強調等は筆者。以下同じ) 実施や家族だけとの面接等が認められること もある、と考えます。 Q アセスメントの実施場所に関して 最も適切なものを1つ選んでください。 1. 必ず利用者の自宅で利用者と面接の上、 実施しなければならない 2. 原則として、 利用者の自宅で利用者と面接の上、 実施しなければならない 3. 46 利用者の自宅で利用者と面接しなくても アセスメントを実施したと認められる ですから、クイズの答えは、「2. 原則とし て」が最も適切と判断しました。 しかし、アセスメントの実施について示さ すなわち、アセスメントの実施場所は「利 れている運営基準第 13 条第 6 号では、「ケア 用者の居宅、面接すべき相手(被面接者)は、 マネジャーは、利用者の安全確保(事故予防) 「利用者および家族」です。 と自立支援のために、自宅での様子も確認の 上、環境を評価し、解決すべき課題を把握し では、なぜクイズの答えは「1. 必ず」では なければならない」とされています。 なく「2. 原則として」なのでしょうか ? 物理的な理由のため、初回のアセスメント 「必ず」と「原則として」の線引きを理解 を自宅で実施できなかった場合や、利用者と するため、解釈通知 第 2 の 3 の(7) 課題分 面接できなかった場合などは、自宅でのアセ 析における留意点を確認します。 スメントも早めに追加で実施するなどの工夫 が必要と考えましょう。 vol.17_no.04 / 2015.4 47
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