高島治子先先生 :JAMA 2013; 309(21) : 2240 - 2249 胃バイパス術は、軽∼中等度肥満の糖尿病も寛解させる Roux-en-Y Gastric Bypass vs Intensive Medical Management for the Control of Type 2 Diabetes, Hypertension, and Hyperlipidemia 【背景】糖尿病が治るということで注目されている、高度肥満 2 型糖尿病患者に対する外科手術。中 程度の肥満でも治すのか?という疑問に答える研究結果が発表されました。 【方法】 BMI30-39.9 の軽∼中等度肥満(平均 BMI 34)の 2 型糖尿病(DM)患者 120 人を対象に、 生活習慣介入と薬物療法を行う医学管理群(n=60)とその上に Roux-en-Y 胃バイパス術を加える 減量手術群(n=60)での、糖尿病、脂質異常、高血圧コントロール効果を無作為で検討しました。 【結果】主要評価項目である、複合目標(HbA1c<7.0%、LDL コレステロール<100mg/dL、収縮 期血圧<130mmHg)の達成率は、減量手術群 49%、医学管理単独群 19%で(オッズ比 4.8)、 HbA1c<6.0%では、44%と 9%でした。体重の 1 年間の変化は、減量手術群 26%、医学管理群 7.9%の減量でした。重篤な有害事象は、減量手術群 22 例、医学管理群 15 例で、 重篤でない有 害事象として、減量手術群では栄養障害の頻度が増加していました。 【結論】このように、これまで、動けないくらいの高度肥満の 2 型糖尿病患者に対する外科手術は、 減量、糖尿病寛解、心血管イベントの減少などの有効性の報告があいつぎましたが、軽∼中等度 の肥満患者でも、概ね結果は良好であり、今後は、有害事象との兼ね合いが問題となりそうです。 長崎大学病院でも、消化器外科の先生を中心に、Sleeve gastrectomy が倫理委員会を通過しまし た。BMI>35 の患者さんが適応です。少々足りない方は、もう少し頑張りましょう。。 (文責 阿比留)
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