OP 全日本 2015 江の島 海上レスキューマニュアル(Rev.1) 第 47 回全日本 OP 級セーリング選手権 海上レスキューマニュアル(Rev.1) 2015 ALL JAPAN CHAMPIONSHIP IN ENOSHIMA 平成 27 年 11 月 江の島ヨットクラブジュニア レース委員会 Rev.1 改訂(7-Nov-2015) OP 全日本 2015 江の島 海上レスキューマニュアル(Rev.1) レスキュー艇の業務 レスキュー艇は、レースに参加している選手・役員の海上安全の保持・救助、及び故障ヨットの曳航 等を主として行い、レース運営全般の海上安全管理を担当する。 レース実施時以外は、レース艇の安全通行を確保する。 レスキュー艇の所属 ○本大会での編成 名 称 レスキュー1(メジャラー兼務) 艇 名 艇長名(予定) Buddy 竹内(EYCJ) レスキュー2(レスキューリーダー艇) ミニエイボン 石原(EYCJ) レスキュー3 白ゴム 榊原(JODA) レスキュー4 ゴム太郎 黒田(EYCJ) レスキュー艇(RC)の搭載品 種 類 搭 載 品 内 訳 連絡用 無線機(351MHz帯)、携帯電話 救助用 曳航ロープ、シーナイフ、ボートフック、あか汲み プライヤー、シャックルキー、ガムテープ、ビニールテープ 記録用 クリアーケース(マニュアル等入れ)、バインダー、筆記用具、メモ用紙 その他 メガホン、ライフジャケット、クーラーボックス、アンカー ホイッスル、小型船舶法定備品、熱中症・脱水症状対策(OS-1) 海上安全担当部 各艇の役割・責任 メジャラー艇(レスキュー1) 海面でのレスキュー艇としての活動に加え、海上計測艇(メジャラー)としての任務を果たす。 レスキューリーダー艇(レスキュー2) 海面でのレスキュー活動を行うと共に海上安全総指揮艇としての任務を果たす。各レスキュー艇への 救助指示。海面の救助情報、海面状況の把握、取りまとめ。本部船、陸上本部との情報交換。 レスキュー艇(レスキュー3、4) 海面でのレスキュー活動。レース艇の異変監視、及びその際のレスキューリーダーへの報告。海面の 警戒艇。レース中の海面に侵入が予想される船舶に対しての監視活動。対象船舶を発見次第、注意を 呼びかけ、レース海面への侵入、レースの妨げを防ぐ。 責任の範囲について 各エリアのレスキュー艇が責任をもって救助する。ハーバーからレースエリアまでの間など責任の所 在が不明確なエリアではレスキューリーダー艇がどのレスキュー艇が救助するかを指示する。海面の レスキュー状況の把握はレスキューリーダー艇の責任とする。 1 OP 全日本 2015 江の島 海上レスキューマニュアル(Rev.1) 救助艇の配置 1 出港時 レース艇の出艇前に本部船からの無線指示により順次出港し、レース艇の監視を行いながらスタート ライン風下付近まで移動し待機する。レスキュー1、2はマーシャルブイを設置する。 2 レース中 (1)マークが設置され次第、 「レスキュー艇配置図」の定位置に移動する。風力、潮流により流された 場合にもできるだけ定位置に復帰し、所定の位置でレース艇の監視・レスキュー活動をおこなう。 (2)定位置外への移動が必要になった場合、レスキューリーダー艇に連絡し、了解を取り移動する。 (3)レスキューリーダー艇は各レスキュー艇の位置を常に把握しておく。 3 昼食 各レスキュー艇は、業務に支障のない時間帯に昼食を摂る。 4 帰港 レース艇の帰港に合わせ、レスキューリーダー艇の指示により、最終帆走艇付近の監視を行いながら 帰港する。マーシャルブイはレスキュー1、2が回収する。各レスキュー艇は帰港後、レスキューリ ーダー艇に報告する。またレスキューリーダー艇は陸上本部に帰港報告する。 5 給油 出艇前に搭載燃料を確認する。燃料は前日に満タンに補給する。原則として各レスキュー艇の乗員が 自レスキュー艇の燃料の状態を常に管理、把握しておくこと。 レスキュー艇 配置図 1マーク オレンジ色、円筒型 60° 2マーク レスキュー1 レスキュー2 120° レスキュー4 レスキュー3 スタートアウター スタートライン 本部船 3マーク 2 OP 全日本 2015 江の島 海上レスキューマニュアル(Rev.1) 活動内容 1 監視 定位置内での異常艇(沈艇、救助要請艇、異常行動艇、危険海域への接近、レース艇・RC艇以外の レースエリア内への侵入)の監視を行う。 2 救助活動 (1) 次の「救助ランク表」を目安に救助活動を行う。 (2) グリーンフラッグの掲揚はレース委員会の判断にてレスキュー無線へ要請する。 レスキュー無線:351MHz帯デジタル簡易無線トランシーバー 救助ランクレベル 状 況 救 助 方 法 救助に関係する掲 揚フラッグ レベル1 な し レベル2 レベル3 グリーン旗掲揚 N旗掲揚 沈艇の目安 レスキュー艇と同数 以内 レスキュー艇の 2 倍 以内 レスキュー艇の3倍 程度 救助活動艇 RCレスキュー艇 RCレスキュー艇 各クラブ支援艇 全RC艇 各クラブ支援艇 曳 必要に応じRCレス キュー艇で曳航する 状況判断により人員 救助を優先する 艇アンカーリング、放 棄も考慮する 航 成績上位選手(2次選考会を目指す選手)が帆走可能な海況であれば極力レースを継続する。 3 曳航活動 トラブルなどで帆走不能になったレース艇は、レース委員会の指示により曳航活動を行う。 曳航不 能の時は、事故艇をアンカーリングした後、一旦避難した後に、後刻、曳航活動を再開する。 4 その他 帆走指示書の安全規定に沿って活動する。 (帆走指示書に変更があった時は、その変更項目に準じて変更する。) レース委員会は、救助を要すると判断した場合には、救助を必要とする選手の意向にかかわらず、救 助することができる。 これは救済要求の根拠にはならない。これは規則 62.1(a)を変更している。 全ての支援艇に対する救助活動の要請は、レース委員会艇に「緑色」旗を掲揚して通告する。この要 請があった場合、支援艇はコース・エリアに入ることができる。ただし、支援艇は規則 41(a)に基 づく場合を除き、レース艇に援助を与えてはならない。 3 OP 全日本 2015 江の島 海上レスキューマニュアル(Rev.1) 救助方法 1 救助対象艇 救助対象艇は次に示すとおりとする。(2)(3)(4)の場合は、救助要請がなくても、レスキュー艇はレ スキューリーダー艇に連絡の上、強制救助することを伝え、救助活動を行う。 (1)レース艇が笛を吹くかパドルまたは片腕を振って救助を要請しているとき、レスキュー活動に移 る。 (2)レース参加者が自艇より離れて漂流し、常識的に考え、乗員が自艇へ帰り着くことが不可能な時。 身体にケガ、あるいは意識朦朧になっている時。 (3)付近に危険な障害物(網、防波堤、暗礁)がある時。 (4)救助ランクレベル 3 が発動された時。(「レース中止」の指示がある。) 2 沈艇確認後の対応 (1)沈艇、異常艇を発見したら、他のレース艇の邪魔にならないよう接近して確認する。 (異常艇のいる時間・場所の確認) (2)人命救助を最優先にし、まず乗員の確認を行う。 (3)沈艇の選手が確認できないとき、直ちにレスキュー乗員を飛びこませ、確認する。(選手がシート に絡んでいる。沈艇起こしのため作業していて、艇体の下に潜っている場合もある。艇起こしを 手助けした時点で、艇は救助されたと見なされる。) (4)完全に転覆した状態で艇が動かない場合、マストが海底に刺さっていることが予想されるので、 艇体を逆に移動してみて確認する。 (5)「救助要請」か「救助不要」を確認する。 「救助要請」は、選手が笛を吹くかパドルまたは片腕を振って合図を送る。 「救助不要」は、レスキュー 艇が救助の必要有無を確認した際、片手を振るか、腕をクロスして拒否の姿勢を示す。言葉による確認 もある。 (6)「救助要請」の場合、レスキュー艇はレスキューリーダー艇に連絡し、救助活動を行う。 (7)「救助不要」の場合は、セール番号をレスキューリーダー艇に連絡する。 (8)救助を始めた時間・場所を確認する。 *強制救助の基準について ○ レース中に救助を受けたレース艇は、リタイア扱いとなる。 ○ レース終了後の救助は、レース艇がフィニッシュしたか否かを記録しているので、強制救助の確 認は必要ない。ただし、フィニッシュライン付近での沈艇救助は、他のレース艇とのトラブルに 留意しなければならない。 ○ 救助を行う際には、必ず選手に声をかけて、確認の上実施する。 *救助拒否の場合について ○ 救助を拒否し、レースを続行する意思を明らかにした場合、艇起こし等一切の注意は控える。身 体上の不調に留意して、経過観察する、又はレース終了時間を待つ。 ○ 上記に関わらず、レスキュー艇が選手または艇が危険な状態であること、または鳴りそうだと判 断した場合は、強制救助を行う。その場合「強制救助の理由」を伝え、拒否の場合も即刻レスキ ュー活動を開始する。その際、時刻と場所を当該艇とともに確認する。 4 OP 全日本 2015 江の島 海上レスキューマニュアル(Rev.1) 3 沈起しの方法 沈起こしは、できるだけ選手の作業を待って、ケガや疲労などでそれ以上の復旧作業ができないと判 断した場合にレスキュー艇乗員が手助けして行う。 (1)沈艇が網の近くなどの危険水域にいる場合、安全な箇所まで曳航してから作業する。乗員がシー トに絡んだ等、レスキューに支障がある場合、選手の同意をもらって、シーナイフ等で切断する。 (2)セールはシバーさせ、風がはらまない状態で作業する。 (3)沈艇を風上に向け、センターボードに乗って起こす。 (4)マストが海底に刺さっている場合、艇を風上、潮上に移動させながらゆっくり引き起こす。 (5)センターボードを海中に落としてしまった場合は、マストを持って引き起こす。 4 曳航、選手のレスキュー・移送 (1)レスキュー艇はレスキューリーダー艇に曳航先の指示を受ける。 (2)選手に曳航ロープ(バウラインロープ)を準備させる。 (3)センターボードを半分以上上げ、選手に操船させるが、不可能な場合はセンターボードを外し、 ラダーをセンターケースに入れて曳航する。 (4)曳航ロープがいずれにも絡んでいないことを確認した上で、 「曳航を開始する」旨を乗員(周囲の 乗組員)に伝え、曳航を開始する。 (5)レスキュー艇に選手を乗せる場合は、レスキューリーダー艇の指示を受け、移動・下船させる。 (6)レスキューしたセール番号、クラブ名、選手名、時刻、レスキュー手順を記録しておく。 注)選手による操船が不可能な場合、艇よりマストを抜いて曳航する場合があるが、マストを抜く際 のマストホール破損が懸念されるため、極力マストを抜かないで曳航することが望ましい。 そ の場合、スプリットやブームバングのテンションをルーズにするといった対処を行ない、セール がはらまないようにすること。(コーチミーティング時に各クラブコーチ・監督と相談し方針を 再確認します。) 5 艇体の放棄 (1) ケガや意識不明など救急措置が必要な場合は、レスキュー艇はレスキューリーダー艇の指示によ り)、艇を放棄し陸上本部に急行する。 (艇体は他のレスキュー艇に引き継ぐ。他のレスキュー艇 がいない場合は、アンカーリングして放置する。) またこの場合、本部船から陸上本部へ連絡す る。 (2)救助ランクレベル3が発動された場合、人命救助を優先し、必要により艇体放棄も止むを得えな い。 (3)放棄艇は艇体をアンカーリングすることで流出を防止し、二次災害を防ぐ。 6 救助終了の連絡 (1)救助ランクレベル3になると、レースが中止される場合が多いが、トップ艇がフィニッシュして いる場合は、レースは継続されている。レース中であってもレスキュー艇の緊急連絡を優先させ、 他の運営艇の緊急連絡以外は控える。 (2)救助が終了したときは、救助完了時刻をレスキューリーダー艇に連絡する。 (3)再配置に復帰したときも、レスキューリーダー艇に連絡する。 7 レース中止時 さらに、救助要請艇が増えていくような状況になった場合、レースは中止され,全 RC 艇および各ク ラブ支援艇が救助にあたるが、指揮命令権はレース委員会へ移る。 5 OP 全日本 2015 江の島 海上レスキューマニュアル(Rev.1) 8 救助ランクレベル2、3の時 救助ランクレベル2、3の状況になった場合、各クラブ支援艇も救助に入っているため、連携して活 動する。なお支援艇は無線機器を所有していない場合もあるため、口頭で依頼することになる。 通信 1 連絡系統図 大会事務局 本部船 陸上本部 レスキューリーダー艇(レスキュー2) レスキュー1 レスキュー3 レスキュー4 各クラブ支援艇 各クラブ支援点は本部船および各RCレスキュー艇にグリーン旗を掲揚したと同時にレース海面に 入りレース艇の救助活動を行う。 2 通信・報告 (1) レスキュー艇の通信は、レスキュー無線(351MHz帯)を使用する。 (2) レスキュー艇同士の無線交信は極力避ける。連携し救助活動する場合はこの限りではない。 (3) レース中の選手からリタイアの申告を受けた場合は、レスキューリーダー艇に「セールナンバー、 クラブ名、時刻」を無線で報告する。 また、リタイアの申告が実施中のレースか、その日に行 なわれる全てのレースか確認すること。 (6)レスキューリーダー艇は、陸上本部および本部船に救助内容、リタイア状況を連絡する。 救命胴衣の着用 乗員は、離岸から着岸まで救命胴衣をつけなければならない。 救助報告記録 レスキュー艇は、救助内容(時刻、場所、セール番号、クラブ名、状況)を記録する。荒天等でそ れが困難な場合、レスキューリーダー艇に無線連絡し、救助内容の記入を要請する。 6
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