日本政府はイスラム国家との関係悪化を懸念し捜査打ち切りを命じたらしい。 そのためなのかミステリアスな殺人事件にもかかわらず警察発表だけで終わって し まい 、食 い下 がる マ スコミ はい な かっ た 。( 事件後 10 年 以上 経過 して か ら文 藝春 秋「 国 家が 封 印し た暗 殺犯 」2010 年 10 月 号 、麻 生幾「 悪 魔の 詩殺 人事 件 」があ る ) 世界中で翻訳者・出版社の関係者が標的となった暗殺事件や傷害事件、未遂事件 が多数発生し、イタリヤ、ノルウェ-では翻訳者が重傷を負ったが事件は未解決の ま ま 。 1993 年 、 ト ル コ 語 翻訳 者 集会 会 場が襲 われ 37 人 が死 亡 した 。 では作者であるルシュディ-氏の運命はというと、スコットランドヤ-ドが責任 を持って護り通した。 死 刑 を 命 じ た ホ メ イ ニ 師 が 死 去 し 、 イ ラ ン 政 府 政 権 も 代 替 わ り し 、 1998 年 、 イ ラン政府は今後一切「悪魔の詩」事件には関与しないと声明を出し、暗殺奨励の懸 賞金も廃止することを表明して、やっと沈静化した。 ルシュディ-氏はイギリス国籍のままだがアメリカに移住したらしい。 こ の た び の 映 画 は ム ハ ン マ ド を 冒 涜 す る た め の 映 画 ら し く 、「 悪 魔 の 詩 」 の 比 で はなく、反発はより激しいだろうから、制作者は勿論だが映画製作に携わった人達 全てが標的になる怖れがある。但し、ホメイニ師のようなカリスマ的な宗教指導者 が存在しないからどの程度の報復が指令されるかは判らない。 何よりも避けたいのは反イスラエルに火が付くことで、これ以上の対立の激化は 第五次中東戦争に発展しかねない、何とか沈静化を願うばかりだ。 この「悪魔の詩」事件に関しまた新たな動きが出てきたが、おそらく今回のムハ ンマド冒涜の映画が作製されたことに対する警告としての動きだろう。 イスラム教の預言者ムハンマドを風刺したとされる小説「悪魔の詩」の著者イン ド系英国人作家サルマン・ラシュディ氏は身を潜めていたが、騒ぎが沈静化し、殺 害 懸 賞 金 を 取 り 下 げ た が 、 9 月 16 日 の イ ラ ン 各 紙 に よ る と ラ シ ュ デ ィ 氏 殺 害 懸 賞 金 が再 び復 活、 しか も 50 万 ドル 増額 、 330 万 ド ル( 約 2 億 6 千 万円 )に し たと 伝え たから、同氏は再び身を隠さなければならなくなった。 フラ ンス でも 風刺 画 が売り もの の 週刊 誌シ ャル リ- ・ エブド は 9 月 19 日 の最 新 号で、1 面の風刺画は車いすに座るムハンマドを描き、車いすを押すユダヤ教徒と 一 諸 に バ カ に す る な と 声 を 合 わ せ て お り 、肢 体 が 不 自 由 な 白 人 と 屈 強 な 黒 人 が 偏 見 を越えて友情を温め合う大ヒット中の映画のパロデイを思わせる風刺画と他のペ- ジにもムハンマドを女性に見立てた風刺画を掲載、反米でも拡がりを見せる中、さ らに挑発するよな風刺画の掲載の意図は何なのだろうか。 フ ラ ン ス 政 府 は 「 フ ラ ン ス で は 表 現 の 自 由 は 保 障 さ れ る 」 と し な が ら も 、「 火 に 油を注ぐ」ような行為は慎むべきだと批判した。 「悪魔の詩」のような騒動に発展しないことを願うばかりだ。 「 悪 魔 の 詩 」 の 時 は 作 者 ・ 翻 訳 者 等 特 定 の 人 達 の 命 が 狙 わ れ た が 、今 回 の 騒 動 は 世 界の イス ラム 教国 に 波及 、イス ラム 教信 者 が大挙 して デ モ 、騒動 、暴動 に発 展し 、 多数の死傷者が出ており、更に反米運動に繋がってしまう怖れがある。 パキ スタ ン・ ビロ ウ ル鉄道 相が 映 画制 作者 を殺 害し た 者には 懸賞 金 10 万 ド ル( 約 - 21 -
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