日鐵物流株式会社

IBMお客様導入事例
日鐵物流株式会社
事業継続対策として業務システムを二重化
資源の有効活用と、
運用の効率化も同時に実現
日鐵物流では、全国に展開する物流拠点の業務システムが君津計算機セン
お客様情報
ターに一極集中しており、事業継続対策・災害対策の観点から、以前よりシステ
ムの二重化が検討・計画されていました。そんな折、東日本大震災が発生した
こともあり、計画は緊急性をもって実行に移されました。
新たに兵庫県の広畑自社ビル内にサーバー室を設け、君津計算機センターと
同等のシステムを準備するとともに既存システムの再検討を行うことでサー
バー集約を実施。
また両拠点にNASを導入し、バックアップデータの同期を行
い、
テープレス環境を実現。事業継続対策とともに、資源の有効活用と運用の
効率化にもつながるプロジェクトとなりました。
業務システムの一極集中から脱却
震災を機に二重化プロジェクトを実行
新日鐵グループを中心とした鋼材や重量物・容大物の輸送を担う日鐵物流では、全
国に展開する物流拠点の業務システムが千葉県の君津計算センターに一極集中し
日鐵物流株式会社
● 本社所在地
〒104-0033
東京都中央区新川1-23-4
http://www.ns.-log.co.jp
1942年(昭和17年)に前身となる広畑港運㈱として設立
以来、新日鐵グループをはじめ多くのお客様へ重量物を中
心とした海上輸送、陸上輸送、港湾物流による物流サービ
スを提供。さらに国内外への事業拠点の展開による物流
ネットワークの構築や、これまで培ってきた技術力とお客
様の視点に立ったソリューション提案力により、サービス対
象を海陸一貫輸送や国際輸送へと発展させてきた。
現在はさらなるお客様満足度の向上に向け、現場力、技術
力の強化を中心に基盤強化を図り、お客様により一層の安
ていました。事業継続対策の観点から、以前よりシステムの二重化が検討されてきま
したが、2011年3月11日の東日本大震災を経験し、計画が緊急性をもって実行に移さ
れました。物流ソリューション部 システム課長である藤下 貴司氏は、
「房総半島に位置する君津計算機センターは、常に地震や津波のリスクがあります。
震災を機に上層部からも、
とにかく急げという指示が出ていました。」
と当時を振り返
ります。
また、
プロジェクト推進のパートナーとしてIBMを指名した決め手を、物流ソリューショ
ン部 課長代理である髙橋 悟氏は次のように話します。
「もともとマシン自体がIBM製でしたので、
その経験と知見が活用できることが一番で
した。
また災害対策としてスピードが肝心でしたので、我々が望んでいた工期で完了
できるという提案をいただき、決定しました。」
心と信頼を付加した物流サービスが提供できるよう日々取
実際のところ、他社の提案は経営の求める期日には間に合わないものばかりだった
組んでいる。
そうです。
こうして同社では、事業継続対策、災害対策の一貫として業務システムの二重化プ
ロジェクトがスタートしました。
既存システムの見直しも同時進行
サーバー集約で資源の有効活用も実現
まずは君津計算機センターとほぼ同等の業務システムを構築・設置する拠点を兵庫
県の広畑自社ビル内に定め、二重化用のシステムを準備するとともに、君津計算機セ
ンターの既存システムの再検討を行いました。
「実は今回の二重化をきっかけとして、既存システムの見直しを行い、整理できた
ことも大きな成果のひとつでした。システムを再検討し、分散していたサーバーを
BladeCenterにまとめたことで、サーバー台数はもちろんUPSなども減らすことがで
き、
それまで4本だったラックを2本に集約できました」
(髙橋氏)。
一方、広畑サーバー室のシステム構築・設置も順調に進み、当初の工期通り二重化
運用へ移行することができました。
「IBMの支援により短期間でプロジェクトを遂行することができました。全社共通の業
務システムは完全に二重化が完了しました。運用も非常に順調で、
ほとんどの社員は
システムが切り替わったことに気付いていないんじゃないでしょうか」
(藤下氏)。
新たにNASを導入しバックアップを同期
テープレスを実現し、運用効率も大幅アップ
プロジェクトのポイント
●
経営の求める短期間でのシステム二重化を実現
●
既存システムの見直しによる資源の有効活用
●
また今回の二重化プロジェクトのポイントのひとつが、両拠点にNASを導入し、バック
アップデータの同期を図るというものでした。
「NASの導入により、人手の介入がほとんどなくなりました。以前はテープでバックアッ
NAS導入によるシステム運用の効率化
プを取っていたため、担当者によるデイリーの作業が必要でした。それがNASに替
IBMの支援により短期間でプロジェクトを
遂行することができました。運用も非常に
順調で、ほとんどの社員はシステムが切り
替わったことに気付いていないと思います
わったことで、完全なテープレス環境が実現しました」
(髙橋氏)。
さらに髙橋氏は、
「 NAS導入の効果はもちろんですが、今回のプロジェクトを通して
サーバー構成や電源まわりなども見直していただきましたので、運用が非常にスムー
ズになり、
リモート管理が可能になりました。実際、二重化以降は君津・広畑の両拠点
に一度も出向いていません。」
と話します。
「NASの便利さを実感しています。すでに各拠点に置いてあるファイルサーバーのバック
アップにも活用を始めましたので、HDDを増強しようかと考えているところです」
(藤下氏)。
今回の業務システム二重化プロジェクトは、災害時の事業継続対策を主な目的とし
たものでしたが、当初の目的を達成すると同時に、
日々の運用の効率化にも大きく寄
与することになりました。
物流ソリューション部
システム課長
藤下 貴司
氏
対象を広げ、更なる二重化にも着手
将来的にはクラウド化も検討へ
こうして二重化プロジェクトを終えたばかりの同社ですが、すでに次なる展開も始まっ
既存システムの見直しを行い、整理するこ
とができました。
システムを再検討し、分散
していたサーバーをまとめたことで、それま
で4本だったラックを2本に集約できました
ています。今後の業務について藤下氏は、
「まずは今回手を付けられなかったオフコ
ン機(AS/400)の老朽更新と二重化です。すでにマシンは購入済みですので、順次
同期を図る作業を行っていきます」
と話します。
また同社では将来展望としてシステムのクラウド化も視野に入れています。
「事業所内のスペースには限りがあり、電源設備も十分とは言えません。
また、
ますま
す進む業務のグローバル化から、海外拠点でのインフラ整備も必要です。今回は二
重化を行いましたが、事業継続対策の観点からも、今後は
『持たない』
という方向性、
つまりはクラウドという流れではないかと考えています」
(藤下氏)。
物流ソリューション部
課長代理
髙 橋 悟
氏
お問い合わせは、弊社及びビジネス・パートナー営業担当員へご連絡ください。
IBMのIT事業継続・災害対策のサービスについての詳細情報は
下記のWebサイトでご覧ください。
ibm.com/services/jp/ja/it-services/bcrs.html
プロジェクトメンバーの皆様
©Copyright IBM Japan, Ltd. 2012
〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町19-21
Produced in Japan
September 2012
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このカタログの情報は2012年09月現在のものです。仕様は予告なく変更される場合があります。
記載の事例は特定のお客様に関するものであり、全ての場合において同等の効果が得られることを意味するものではありません。
効果はお客様の環境その他の要因によって異なります。
製品、サービスなどの詳細については、弊社もしくはビジネス・パートナーの営業担当員にご相談ください。
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