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TESTING AROUND THE CLOCK
Dr. Robert Fromm、
Continental Automotive GmbH社
Test Bench
Automation
テストベンチの自動化
Continental Automotive社が高速エンジン制御を評価
効率がますます向上すると同時に、増え続けるエンジン制御機能の数に応えて複雑さの度合いを増すエンジン開発では、柔軟性や
データスループット、速度の面で、テストベンチにおけるエンジン制御の障害が高くなっています。そのような背景を踏まえて、
Continental Automotive社では、Regensburgのテストセンターで、高速なテストベンチ方式のエンジン制御をリアルタイムの環
境で評価しました。
Continental Automotive社のパワート
レイン部門は、Regensburgのテストセン
ターのテストベンチだけでなく、世界各地
の拠点で、エンジン管理システムのテスト
と適合に関わっています。開発分野や適合
分野のサービスプロバイダ業務の一環で、
テストセンターはテストベンチ装置を提供
して、週に7日24時間態勢で自動化された
円滑なテストベンチ操作を保証しています。
テストセンターは Regensburg にある
Continental Automotive社のテストツー
ル部門がバックアップしています。一元化
されたテストツール部門では、計測業務や
テストベンチ自動化のための手法、ツール、
データ管理の開発、正当性の立証、流通、
メンテナンスを手がけています。
テストセンターが提供する主なサービスは、
エンジンECUの基本的な暫定適合のための
計測です。インジェクション、イグニッ
ション、シリンダチャージのエンジン制御
特性を決定するため、テストセンターでは
最新のエンジンテストベンチを利用して、
さまざまなエンジン機種を対象に一連のテ
ストを実施しています。たとえば、指標作
成計測では、ノッキング限度、燃焼中心、
R E A LT I M E S
J 2/2010–1/2011
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計測システム
高速エンジン制御
テストベンチ
(RPM、トルク、圧力、
温度など)
排出ガス
ACS
ASAM ACI
自動適合システム
燃料
消費量
テストベンチ
オートメーション
指標作成
システム
I/O
CAN / EtherCAT
テスト
エンジン
CAN / EtherCAT
制御ロジック
GUIとサービス
(計測装置の管理、
(MATLAB®/Simulink®
ACSモデル)
スクリプト処理など)
EtherCAT
I/O
適合システム
ASAM MCD-3 MC
ETK / CAN
INCA-MCE付き
INCA
(組込み状態での
既存の接続
ES910
計測適合)
新しい接続
Continental Automotive社におけるエンジンテストベンチの高速エンジン制御(模式図)
既存のテストベンチ環境(灰色)を新しいシステム、ドライブ、接続(青)で強化したもの。
対応する最適点火角度を、負荷とエンジン
測操作にそれを対応させます。この状況で
測システム、エンジン管理信号に必要です。
回転速度の関数として自動的に判定しま
は、テストベンチの制御の良し悪しで、全
テストセットアップでは、テストベンチ方
す。
自動測定作業の安定性だけでなく計測した
式の制御とエンジン制御間の接続リンクと
データの品質にも決定的な影響が出ます。
してINCAシステムを使用します。
テストベンチによるエンジン制御
制御のぶれ幅を小さくするため、制御サイ
INCAは、標準的なASAP3インターフェー
エンジンの基本ECU暫定適合がない場合、
クルはできるだけ短くする必要があります。
スでテストベンチに接続します。可変バル
テスト中のエンジンの動作はエンジンテス
コントローラのリアルタイム動作には、一
ブ制御やターボチャージャなど多くのアク
トベンチそのものが行います。計測の開始
方ではサイクル周期、コントローラの数、
チュエータが特徴の最近のエンジンのテス
時に、最適な設定を行うため、一時的な措
送信信号の量に必要であり、他方ではコン
トでは、エンジンの高速回転時にデータ量
置としてコントローラを定義し、実際の計
トローラ間で送信される信号の帯域幅、計
が大量になりASAP3インターフェースの帯
ECU
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TESTING AROUND THE CLOCK
域幅だけではテストベンチの安定した動作
測 前 に 、 ASAM MCD-3 MC V2.2
将来の展望
を保証できなくなります。この厳しい現実
リアルタイムの環境では、テストベンチ自
イム環境の評価を余儀なくされました。
DCOMインターフェースを通じて、INCA
と INCA-MCE( Measurement and
Calibration Embedded)アドオンにより
ES910モジュールを自動的に構成します。
強力なリアルタイム環境
評価で分かったこと
手 法 と適 合 手 法 を実 行 できるプラット
新しい環境のコントローラは、MORPHEE
2010年当初から始まった新しいリアルタ
イム環境の評価は2010年半ばで無事終了
しました。今では新しいコントローラはPC
上のオフラインのSimulink®でモデル化で
フォームを用意しました。
に直面したレーゲンスブルクの専門家は、
テストベンチ環境における強力なリアルタ
体が高速エンジン制御を実施します。さら
に、新しいソリューションでは、道路走行
時と同じ一時的な状態で、テストベンチ上
のエンジンの動作に合わせて革新的な計測
2汎用テストベンチ自動化システムのリア
ル タ イ ム 環 境 に お け る M AT L A B ®/
Simulink®モデル形式の入出力ブロックで
統合されています。HiLシステムのプロトタ
き、テストベンチ環境に直接統合できます。
ころです。それはRegensburgのテストセ
イピングを連想させるやり方で、テストベ
これにより新しいコントローラ機能の開発
ンターで前向きに検討されています。この
ンチ方式のコントローラの開発とテストは
とコントローラライブラリの構築を大幅に
フェーズは、通常のテストベンチ操作にお
®環境で行うことができます。最
加速することができます。ミリ秒サイクル
けるシステムテストとして位置付けられて
終的なシステム統合は、テストベンチで行
のリアルタイム通信のおかげで、高度に最
おり、同時にテスト担当者はこれによって
います。リアルタイム対応のドライバが、
適化された複雑なすべてのエンジンを疑似
システムスキルと専門的知識を深めます。
Simulink®コントローラをCANで指標作成
システムに接続し、またEtherCATフィー
ルドバスでETASのES910.3ラピッドプロ
ECU品質で操作できます。高い制御品質に
このフェーズが終了後、世界の他の拠点に
より、無人で強固なテストベンチも長期に
展開します。
トタイピング/インターフェースモジュー
点やプロファイルも、簡単に、繰返し組み
ルに接続します。従来のASAP3/INCAイ
込むことができます。この環境で何が重要
ンターフェースはEtherCAT/ES910接続に
であるかが把握され、それによってサブシ
置き換わりました。ES910モジュールは、
ステムとコンピュータインフラストラク
物理地からECUのアドレスベースの2進法
チャの統合を最適化する技術的なソリュー
値にリアルタイムで変換します。毎回の計
ションの基盤が確立されました。
Simulink
渡って安心して運用できます。既存の動作
課題
エンジンの暫定適合時、エンジンECUからの制御がない場合、テストベ
ンチで安定して運用するには、ターボチャージャや可変バルブ制御を装
備した複雑なエンジンが必要となります。
ソリューション
テストベンチ方式の制御システム、計測システム、ECU I/O間のミリ秒
サイクルのリアルタイム通信があれば、十分に高い制御品質を達成でき
ます。そのために、テストベンチ自動化システムとINCA間のASAP3
インターフェースを、リアルタイム対応のES910.3ラピッドプロトタイ
ピング/インターフェースモジュールに置き換えている最中です。
メリット
新しいソリューションでは、毎日24時間/1週間休みなしで安定した
予測可能なテストベンチ操作ができます。リアルタイム環境は、
動的適合の新しいアプローチの技術基盤になります。
次の段階では、リアルタイム環境の持ち運
び可能な自動化システムを実施していると