麻生太郎内閣総理大臣 様 消費者委員会設置に関する要請書

消支北41号
平成21年7月21日
麻生太郎内閣総理大臣
様
消費者委員会設置に関する要請書
特定非営利活動法人
消費者支援ネット北海道
理事長 瀨川 信久
TEL011−221−5884
FAX011−221−5887
長年、消費者・消費者団体の悲願であった「消費者庁及び消費者委員会設置法」
が成立し、今秋に設置されることになりました。従来の産業育成保護の行政から消
費者重視へ大きく転換しようしています。多くの消費者・消費者団体が期待をこめ
て、今後の展開を注視しているところです。
7月1日、消費者庁と消費者委員会の設立を準備する参与の人事が発表されました。
私たち消費者団体は、真に消費者委員会が消費者重視の立場から建議・勧告する組織
となるよう切に願っております。
つきましては、新設される消費者委員会について、以下の通り要請いたします。
1.消費者委員会設立準備参与会議の役割と審議内容を公開すること。
設立準備参与会議の役割は、消費者委員会の活動内容の詳細や事務局体制、委員会
人事などの重要事項を話し合うことだと認識しております。
しかし、その全容が明らかにされていません。
そこで、参与会議への一般消費者や報道機関の傍聴を認め、議事録をホームページ
に公開するなどして、できる限り参与会議の審議内容を国民に公開してください。
2.設置法や国会の附帯決議に基づいて、消費者委員の選任方法と消費者問題に精
通した人選をすること。
消費者委員会の機能としては、「独立して職務を行う」、「重要事項について建議
等」を行うことが期待されています。これを実際に行うには、消費者の状況を把握し、
今起こっている消費者問題を敏感にとらえて、必要な施策を独自に考案して勧告する
ことができなければなりません。そのためには、そうした問題をくみ取れる人たちが
直接委員としているか、またはそうした消費者目線にたった活動をしている人々や団
体と委員会とが太いパイプを持っていなければなりません。
そのような人選、あるいは消費者団体からの問題提起を受け止める仕組みが必要で
あり、問題提起を受け止めてこれを調査し、独自に必要な施策を構想して提言・勧告
をするだけの職務を行える経験と知識を持った人が委員の中核メンバーに必要であ
り、参院付帯決議にもあるような常勤的職務を行える人であることが必須です。また
事務局スタッフにも、それなりの人的なボリュームが必要です。
このような趣旨から、委員の選任及び委員長の選任は従来の枠組みに捉われること
なく、真に消費者の声を代弁できる委員の選任をしてください。
3.消費者委員会が期待される機能を発揮できるよう、十分な事務局体制と消費者
委員会関連予算を確保すること。
参議院附帯決議第11項で、事務局については財政上の措置を含めた機能強化を図
ることと十分な人員を確保することが定められています。
国会審議を経て消費者庁から独立した消費者委員会がその機能を十二分に発揮す
るためには、現在の事務局職員2人体制ではまったく不十分です。消費者委員会が独
自性を発揮しかつ迅速に行動できるよう、十分な事務局体制とともに予算確保を準備
するよう努めてください。
以上