このままでは、親の付添は無くならない! 分離教育は差別と見なされない! 差別解消法を実行力のあるものにするために 障害者差別解消法の基本方針のパブコメが始まりました。 http://www8.cao.go.jp/shougai/kihonhoushin_iken.html 差別解消法には各則がないため、具体的な規定はガイドラインにゆだねられています。ガイドラ インは大きく言うと基本方針、対応要領・対応指針の3つです。基本方針にそって、各省庁が対応 要領をつくり、各自治体が対応指針をつくります。ですから、今回示された基本方針は、おおもと になるものです。差別解消法が実効性を持てるか、骨抜きにされるかはこの基本方針にかかってい ます。 10月20日の政策委員会にはじめて基本方針(素案)が示されましたが、それには委員から158 もの修正意見が出されました。その後3回の議論を重ね、基本方針(原案)となってパブコメにか けられました。 全国連では、親の付添や分離教育の強制は差別になるという意見を委員に訴えて来ました。そう した意見も政策委員会で議論はされましたが、取り入れられていません。このままでは、親の付添 や本人の意向を無視した就学決定は、差別だと見なされなくなってしまいます。そのようなことに ならないように、全国から沢山の意見をおくって、障害者権利条約や障害者基本法の理念が具体的 に活かされるような内容にしていかなくてはなりません。 今回は、異例なことですが、パブコメ終了後に政策委員会が開かれることになっています。パブ コメの意見を取り入れて、再度修正されたものが年明けに閣議決定されて確定となるのです。です から、意見が多く出されることが重要です。数は力になります。どんな形でもいいので、とにかく 意見を出して下さい。ただし、同じ書き方をすると、すべて1つとして、はねられてしまいます。 全国連としては、以下のように問題点をまとめてみました。 (以下の太ゴシックの部分が私たちの意 見の要点です。 )それらを参考にして、みなさんそれぞれの言葉で、ご自身の体験に基づいて、具体 的に、ここをこういう風にこう直して欲しいというふうに書いて送ってください。限られた時間と 人員で検討していますので、もっと、問題点があると思います。これだけでなく、おかしいと思う ところは、どんどん意見を送って下さい。わかりやすく、教育に関する意見と明記した上で、1件 について1枚で、お一人で何枚も出して下さい。よろしくお願いします。送られた意見は、全国連 にも、FAXやメールで送って下さい。 ① p3 Ⅱ 1 法の対象範囲(1)障害者 最後に、 「障害者の家族も対象とする」を追加する。 委員会では、多くの委員から提案されていましたが、原案には入っていません。差別は当事者だ けでなく、その家族も様々な形で受けています。保護者の付添の強制はその典型です。付添のため に、仕事を辞めたり、健康を害したり、経費の負担もかかっています。それぞれの経験を具体的に 書いて、家族も対象となるように書いて下さい。 ② ①と同じ部分 最後の行の「障害児には成人の障害者とは異なる支援の必要性がある」の後に、 「とり わけ、意見表明である、意見表明のための支援が必要である」を追加する。 障害者権利条約7条では、子どもの権利条約で保障されている意見表明権に加えて、その権利を実現 するために支援が提供される権利を保障すると書かれています。7条が活かされるように明記するべき です。 ③ p4 Ⅱ 2 不当な差別的取扱い(1)不当な差別的取扱いの基本的な考え方 ① 最後の「なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措 置は、不当な差別的取扱いではない。 」の部分で、必要の前に「本人が望む」を追加す る。 誰が何をもって平等ととらえるのでしょうか。特別支援学校へ行くことが「平等」に教育を受け ることだという論理がまかり通ってしまいます。特別支援教育にお墨付きをあたえることにつなが ります。就学の時不当な差別的な扱いについての体験を具体的に書いて下さい。 ④ p4 Ⅱ 2 不当な差別的取扱い(2)正当な理由の判断の視点 4 行目「第三者の権利利益」を削除する。 普通学級からの排除の理由に「まわりの子に迷惑をかける」と学校から言われてきました。本来 ならば学校や行政が対応すべきことを怠っていることを棚に上げて、まわりの子や親を味方につけ て、排除することを正当化してきました。差別は、当事者間の問題です。第三者の権利利益は削除 するべきです。 ⑤ ④と同じ部分 「正当な理由に相当するのは、障害者に対して、障害を理由として、財・サービスや 各種機会の提供を拒否するなどの取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたも のであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。」を「正当な理由が あると認められるためには、障害者が差別を受けることによって失う権利・利益を上 回る事情があるという真にやむを得ないと認められる場合でなければならない。」にす る。 さらに、 「総合的・客観的に判断する」を「障害者が失う権利・利益の性格や重大性と 比較考量して客観的に判断する必要がある。」にする。 ④は「第三者の権利利益」を削除することですが、⑤は、正当な理由の判断を学校の都合でさせ てはいけないということです。 ⑥ p6 Ⅱ 3 合理的配慮(2)過重な負担の基本的な考え方 「過重な負担については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ごとに、以下 の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要 である。 」を「過重な負担については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ご とに、具体的場面や状況に応じて、障害者が合理的配慮を受けられないことによって 失う権利や利益と比較考量してもなお、やむ得ないとされるほどの負担が生ずる場合 を意味するものとする。 」にする。 さらに、 「行政機関等及び事業者は、過重な負担に当たると判断した場合は、障害者に その理由を説明するものとし、理解を得るよう努めることが望ましい。」を「行政機関 等及び事業者は、過重な負担に当たると判断した場合は、障害者にその理由を説明し、 理解を得るよう努めることとする。さらに解決に向けて、代替え案や改善計画も含め た協議していく。 」にする。 これまでも、「予算が無い」ということを理由で、介助員や看護師を付けられないから、保護者 が付添ってくださいと言われてきました。まだ、「合理的配慮」という新しい概念が十分に浸透し ていないので、簡単に「過重な負担」と判断されています。私たちは、単に、介助員を付けてほし いと要求しているのではなく、様々なかたちで解決できる方法があるはずですから、一緒に考えて いくことが大切です。でも、そうした、話し合いにすら対応しようとしない学校や行政もあります。 ⑦ p10 Ⅴ 3 啓発活動(地域住民等に対する啓発活動② 「障害のある児童生徒が、その年齢及び能力に応じ、可能な限り障害のない児童生徒 と共に、その特性を踏まえた十分な教育を受けることのできるインクルーシブ教育シ ステムを推進しつつ、 」を削除し、 「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられ ることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するために」 を挿入する。 「インクルーシブ教育システム」は、権利条約の「インクルーシブ教育」ではなく、特別支援教 育です。特別支援教育の推進ではなく、P2(1)法の考え方に書かれているように、「障害の有 無によって分け隔てられることなく」を明記すべきです。 意見提出期限 平成 26 年 11 月 26 日(水)~12 月 25 日(木) 意見提出方法 御意見は、理由を付して、次に掲げるいずれかの方法により提出してください。 ・インターネット上の意見募集フォーム(締切日必着) ※文字化け等を防ぐため、半角カナ、丸数字、特殊文字は使用しないでください。 ・郵送の場合(締切日当日消印有効) 〒100-8914 東京都千代田区永田町 1-6-1 中央合同庁舎第 8 号館 内閣府障害者施策担当「意見募集」係 あて ・ ファクシミリの場合(締切日必着) FAX 番号 03-3581-0902 内閣府障害者施策担当「意見募集」係 あて 封筒表面に「障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意 見」と朱書き 注意事項 以下の事項を記載する(様式 任意) ・件名: 「障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見」 ・氏名(法人の場合は、法人名及び連絡担当者名) ・意見(理由も含め 1,000 文字以内) ・年齢 ・性別 ・所属等
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