夏の音・蝉の声(児童朝礼での話)

夏の音・蝉の声(児童朝礼での話)
平成20年6月30日
浴衣姿でうちわ片手に盆踊
皆さんは,夏と言えばどんなことを思い浮かべますか。
りの様子を浮かべる人,朝顔,ひまわり,おしろいばな等の夏の花を思い浮かべる人も
かき氷,スイカ,トウモロコシ,そうめん,ところてん,冷や奴等も
いるでしょう。
夏らしいですね。
では,夏の音はどんな音でしょう。
花火の音,風鈴の音,雷,い
ろいろあるでしょう。
『 閑(しずか)さや 岩にしみ入(いる) 蝉(せみ)の声』
この俳句は,江戸時代に芭蕉という人が作った有名な句で,山形県にある山寺という
所で詠んだのがこの句だそうです。
蝉の声も夏の音です。
蝉には, ニイニイ蝉・ア
ブラ蝉・ミンミン蝉・ヒグラシ・クマ蝉・ツクツクボウシがいます。
では,芭蕉が聞いた蝉の声は,どの蝉だったのでしょうか。
『 閑かさや
岩にしみ入 蝉の声 』。
人の声もなく夏の澄み切った静かさを引き立たせている蝉は,どの蝉なのでしょうか。
一番よく耳にするからアブラ蝉だ。 さびしそうに鳴くからニイニイ蝉やヒグラシだ。
とか,人はいろいろ考えました。
芭蕉が山寺でこの俳句を作った時期を調べてみると,梅雨明けの頃だとわかり,答え
は ニイニイ蝉 でした。
初夏に ニイニイ蝉 ,夏真っ最中の盛夏にアブラ蝉,クマ蝉,
ミンミン蝉,ツクツクボウシ ,そして夏の終わりの晩夏にヒグラシという順になるから
です。土の中に5,6年いて大きくなり,自分で穴を掘って地上に出て脱皮して蝉の姿
となります。
声の限りに1週間ほど仲間を呼び続けると一生を終えてしまう蝉を,皆
さんも探して下さい。
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