第16節 津波警報・注意報等の伝達体制の整備

津波災害対策編
第2章 津波災害予防対策
第 16 節 津波警報・注意報等の伝達体制の整備
第16節 津波警報・注意報等の伝達体制の整備
大規模な災害が発生した場合には、短時間に大量の情報が発生することになる。よって、
市及び防災関係機関はその情報を迅速・的確に判断し、未然に災害を防止するための手段を
講ずるなどの防災対策に反映しなければならないことから、これらの情報を迅速、的確に効
率よく収集・伝達を行うための連絡網の整備が必要である。
主 な 実 施 担 当 防災対策課、総務課、秘書広報課、福祉総務課
1 伝達体制の整備
市は、津波警報・注意報等に応じた市民等への情報伝達は、次の方法により早急に周
知徹底を図る。その際、複数の手段・伝達責任者の確保に努める。
津波に関する情報の伝達の伝達方法
津波警報等の
種類
大津波警報
津波警報
津波注意報
発信内容
伝達経路
・津波の到達予想時刻
・予想される津波の高さ
・即時に高台等へ避難すること
・全避難所が開設されているこ ア 防 災 行 政 無 線 ( 屋 外 型 )
(J-ALERT)
と
・現状で把握している危険情報 イ 緊急速報メール、エリアメ
(津波の到達状況(到達地点、 ール、災害情報メール
その高さ))
ウ 自主防災組織注)
エ ラジオ・テレビ
・津波の到達予想時刻
オ コミュニティFM(ラジオ
・予想される津波の高さ
石巻)
・現状で把握している危険情報
(津波の到達状況(到達地点、
その高さ))
注)大津波警報、津波警報において自主防災組織から伝達する場合は、津波到達時間を考慮し、巡回者
の安全が確保できる場合のみとする。
2 伝達手段の堅牢化及び多重化・多様化
(1) 多重な情報伝達手段の確保
市は、さまざまな環境下にある職員や市民等に対し、津波警報・注意報等の伝達手
段として、防災無線(屋外型)の整備を促進し、耐震化、停電対策、燃料切れへの備
え等の堅牢化を図るとともに、サイレン、広報車のほか、関係事業者の協力を得なが
ら、戸別巡回、ラジオ(コミュニティFM放送を含む)、テレビ、市ホームページ等、
多数の手段を確保し、迅速な避難行動がとれるよう避難路、避難場所の周知を図る。
- 75 [石巻市地域防災計画]
津波災害対策編
第2章 津波災害予防対策
第 16 節 津波警報・注意報等の伝達体制の整備
(2) 確実な伝達方法の確保
市は、気象庁からの津波警報・地震情報等の迅速かつ確実な受信のため、全国瞬時
警報システム(J‐ALERT)等を整備すると共に、同報無線との自動起動を推進
する。
また、市は、障害に強い伝達体制の整備と併せ、いわゆるプッシュ型の情報伝達も
充実させるとともに、雑音に強い高品質な音声での通話・放送が可能となるようデジ
タル化を推進する。
(3) 自動車運転者対策
市は、走行中の自動車に対し、大津波警報・津波警報の発表状況、浸水想定区域、
交通規制や迂回路、避難場所等に関する情報を伝達する手段として、カーラジオ、カ
ーテレビ、カーナビゲーションシステム等の車載機器を活用した方策を検討する。
(4) 海域海岸利用者対策
市は、海域海岸利用者に対し、防災行政無線やサイレンが聞こえにくい場合に備え、
色や光等視覚的に危険が迫っていることを伝達できる手段の普及に努める。その際、
他地域の状況を踏まえつつ、可能な限り統一的な手法が用いられるよう考慮する。
(5) 災害時要援護者対策
市は、字幕放送や手話放送、多言語放送等に加え、高齢者、障害者、外国人等の災
害時要援護者が災害時に安全を確保し、必要な情報を入手し得る方策について、十分
検討を行うよう努める。
3 伝達内容の検討
市は、津波警報、避難指示等を市民に周知し、迅速・的確な避難行動に結びつけるよ
う、避難指示等を命令口調で伝えるなど避難の必要性や切迫性を強く訴える表現方法や
内容、予想を超える事態に直面した時への対処方法等についてあらかじめ検討する。そ
の際、高齢者や障害者等の災害時要援護者や一時滞在者等に十分配慮する。
4 多様な条件下の考慮
市は、夜間、休日の情報伝達体制や、行楽期の海岸における多数のレジャー客への情
報伝達体制、港湾で就業時間中の水産事業者及び港湾労働者への情報伝達体制など、多
様な条件下を考慮した伝達体制を整備する。
5 遠地津波の考慮
市は、強い揺れを伴わないいわゆる遠地津波に関しては、市民の避難意識がない状態
で突然津波が押し寄せることのないよう、災害発生時刻によらず、津波警報・注意報等
や避難指示等の発表・発令・伝達体制を整える。
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