情報通信大臣に スカウトされた役員 ﹁中国の脅威﹂よりも恐ろしい﹁韓国のソニー﹂ ﹁Oh! What a big LCD screen!﹂・・・・・・そ の 巨 大 液 晶 テ レ ビ を 見 た 誰 も がこうつぶ や い た 。 二 〇 〇 三 年 一 月 九 日 、ラスベガ ス の コ ン ベ ン シ ョ ン セ ン タ ー で華やかに 日本を脅かす 幕 を 開 け た イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ルCES ︵コンシューマー・エレクトロニクス・ショ ー︶での断トツの人気が、サムスン電子が AV/デジタル・メディア評論家 話、MP3プレーヤー付き携帯電話、6 3 驚きだ。サムスン電子は腕時計型携帯電 物凄かった。開発力がこれほどあるとは 話が持ち込まれたのは日本の莫大手家電 事であった。それも、主催者から初めに 電子に巡ってきたことは、歴史的な出来 マイクロソフトが務めた大役がサムスン 〇〇年はソニーアメリカ、二〇〇一年は タルAVのトレンドを決めていた。二〇 毎年、ここでの講演内容が、以後のデジ 基調講演をサムスン電子が取ったのだ。 Reiji Asakura 型ワイドプラズマ・テレビ、インターネ 絶対に不可能という常識を破り、54型と サムスン電子の54型試作機は、見据える ﹁CES全体を通じて、韓国勢の迫力が 能を可能にしたからだ。液晶では大型は ット家電⋮⋮など、これでもかこれでも メーカーだったが、そこが断ったから、 by 驚かないほうがおかしい。﹁ちやんと絵が したシャープを遥かに超えた! と、ま かという開発技術品のオンパレード。技 サムスンにお鉢が回ったというのが真相 text 麻倉怜士‖文 出ていたよ!﹂。私にそう報告した、日本 るで脾睨するかのように⋮⋮。 術革新に必死の形相だが、その迫力は、 だ。日本メーカーが、そんな大事なイベ DRAMで日本メーカーを凌駕し、大型は難しいといわれた液晶テレビで、 54型を製品化、そして、携帯電話ではノキアに次いで世界第二位のシェア。 躍進著しいサムスン電子の実態を取材するため筆者は韓国へ飛んだ。 したかな戦略 直前の昨年一二月末に発表した、世界最 大の54型ワイドの液晶テレビであった。 それまで最大サイズを誇っていた、韓 国国内のライバル、LG電子の52型をわ ずかにせよ抜き去った、話題の世界最大 液晶テレビが見られるとあって、サムス ン電子のブースは押すな押すなの大にぎ わい。 それより私が気になったのが、54型液 雄弁に指し示す場だが、ここ数年は、問 いう超大型サイズを実現したのだから、 ーであった。それは二〇〇一年のCES 違いなくサムスン電子がトレンドセッタ 世界一だ﹂ ントを断ってサムスンが漁夫の利を得た なんでこんなに話題なのか⋮⋮。不可 はサムスン電子のブースの隣はシャープ 晶テレビが置かれていた位置である。実 から始まった。それまでノーマークだっ 二〇〇二年のCESでは、サムスン電 まさにその37型の展示サイドに向けて、 機関のウェブニュースで、こう書いた。 のブースであった。液晶に賭けるシャー 子は名実ともに主役に躍り出た。開幕の CESは、デジタルAVのトレンドを ように設置されていたのだ。液晶で先行 プ。同社が最大サイズの37型を数十台、 たサムスン電子が一躍、このとき、スタ のテレビメーカーの技術者も、いた。 集中的にデモンストレーションしていた、 ーダムにのし上がった。私は、ある報道 130 PRESIDENT 2003.4.14
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