[前書] 本シナリオは「艦これRPG」(原作・監修:「艦これ」運営鎮守府、著:河嶋陶一朗/冒険企画局、出版:KADOKAWA/富士 見書房。以上、敬称略)のシナリオになります。実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。 本シナリオをプレイするためには「艦これRPG 着任ノ書」「艦これRPG 建造ノ書 壱」と、「艦これRPG 出撃ノ書」または艦 これRPGサポートページにて公開されているミニサプリメント「島」が必要です。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------シナリオ名「タウイタウイ復興支援作戦」 【シナリオスペック】 ・艦娘人数:四名。(※増減する場合、海域マップ、および、敵艦隊の編成見直しを要す) ・推奨レベル:艦隊の平均レベルが2。 ・プレイ時間:四~五時間 ・リミット:2 ・任務:現地住民を護衛するとともに、近海哨戒を行う 敵泊地の有無を確認し、あれば、これを叩く 【前提】 ・本シナリオでは「着任ノ書」および「建造ノ書 壱」「出撃ノ書」の一部ルールを使用しています。 ・本シナリオは「建造ノ書・壱」に付属しているシナリオの後日談となっています。 以下の条件を満たさない場合、そのままの使用はできかねますので、導入フェイズを下記条件にあてはまるよう、 アレンジする必要があります。 ①直近で台風またはそれに類する自然災害が発生した ②鎮守府近隣が、上記自然災害によって家屋倒壊などの深刻な被害が生じ、復旧が困難である ・本シナリオとなる鎮守府は「タウイタウイ州の前線にある零細鎮守府」をイメージしており、別途「タウイタウイ泊地本 部」がある設定となっております。シナリオ内では、当該施設を「本部」と呼称しているため、この部分は適当に変更し てください。 【準備】 このシナリオでは、シーンエディットした以下のイベントカードを使用します。 1サイクル目:交流、日常、ほのぼの、作戦、任務、遠征 2サイクル目:交流、日常、航海、演習、作戦、任務 [あらすじ] 鎮守府一同は、タウイタウイ泊地周辺の復興支援および鎮守府立て直しのため、周辺にある小島に資材(具体的に はヤシ科の木材)を取りに行きたいという現地住民の護衛をすることになる。 道中、問題なく護衛を完了するが、帰り道、輸送艦に対する敵潜水艦の攻撃を受け艦隊戦となる。 艦隊戦後は、深海棲艦がどこから来たか、周辺に泊地を作っているのではないか、という推測の元、近隣哨戒を行う ことになる。 【導入フェイズ】 ※今回新規参画の艦娘がいる場合、「補充要員」の形で、本部または直近の支部から回されたものとする。また、鎮 守府の立て直しを行うための日本人スタッフおよび現地スタッフ数名が派遣される。 「さて、見てもらって分かる通り、鎮守府を含めて台風の被害が酷い」 台風一過の青空の下、ありあわせの木材で作った机(のようなもの)を前に、椅子(らしきもの)に腰掛け、提督はあ なた達にそう言います。 先日の台風により、あなたたちの鎮守府は甚大な被害を被り、強固な作りをしていた機密資料や資材置場を格納す る一部施設を除いて、(つまり、提督室やあなたたちの居住場所も含めて)ボロボロになっています。 居住区域については、現地住民の助けもあって、雑魚寝できる程度の仮設備ができています。 ※提督が変態という名の紳士であったり、施錠できない場所での雑魚寝に抵抗がある場合、秘書官同伴であれば、 機密区域での寝泊りも可能です。ただし、資材保管庫は厳重に施錠されているため、ギンバイはできません。 「ということで、鎮守府については本部から専門のスタッフを呼んで、修繕してもらうことになったんだが、周辺住民はそ うもいかん。そこで、人道支援活動の一環として、木材を得るために向こうにある小島に行くことになった」 「なお、この活動は正式な任務として、本部に申請中です。口頭では承認されているので、事務作業はこちらでやって おきます」 提督の発言に、横に控えていた秘書官が付け加えます。 (要するに、資材がもらえるということです。秘書官は、もらえる資材の量がどの程度になるかを交渉中です) 「基本的な段取りを説明するぞ。 行きは小型のモーターボートが何隻かあるので、島の男連中はこれに乗っていく。ので、これを護衛してもらう。これ には現地語がわかる俺と本部の男連中も何人かでついていく。 向こうに着いたら、男連中はひたすら木こりになる。 その間、お前たちには、小島の周辺に敵がいないかの哨戒を頼みたい。 帰りは本部の連中が乗ってきた小型の輸送艦を向かわせる。これには(秘書官といればNPC艦娘)に護衛について もらう。 そして、資材を積んでみんなで帰る。何か質問は?」 Q.目的地は? A.「あそこに見える小島だ。モーターボートなら、片道小一時間というところだろう」 Q.作戦開始時刻は? A.「そうだな。昼食後・・・13:00としよう。帰りは日が暮れる頃だろうな」 Q.通信手段は? A.「通常通り、無線を使ってくれ。俺も持っていくから、俺、鎮守府、お前たちの相互で連絡が可能にしておく」 Q.鎮守府を空けることになっても問題ない? A.「あー・・・まあ、大丈夫だろう。本部スタッフも何人か残るし、機密区域は施錠してるしな」 (特に質問がなくなったら) 「台風の時の連中が近くに潜んでるかも知れん。十分、注意してくれ」 ◆任務「現地住民を護衛するとともに、近海哨戒を行う」を渡してください。 ◆導入フェイズは終了となります。キャラクター間の感情値を1点上昇させてください。 【鎮守府フェイズ】 ◎小島に出発! このイベントは、1サイクル目開始前に発生します。 作戦予定時刻となり、あなたたちと提督が集合場所である浜辺に向かうと、現地住民達、本部スタッフ(これは日本人 と現地住民が半々。どちらも武装しています。)が集合しています。 提督は彼らに挨拶をすると、本部スタッフと一緒にモーターボートに乗り込み、小島に向けて出発します。 幸い、何事もなく、小島に到着します。 「よし、じゃあ、手筈通り俺達は、森林伐採に勤しむから、お前たちは近隣哨戒を頼むぞ。ん、いや、ちょっと待て」 (現地住民と現地語で話す提督) 「『台風で折れた木材があるかもしれないから、もしあったら持ってきてくれると嬉しい』だそうだ。余裕があったら探して みてくれ。じゃあ、よろしく頼む。何かあったら、連絡してくれ」 以降、1サイクル目となります。 1サイクル目の海域マップと、各マップのイベントは以下となります。 [海域マップイベント] Aマス:台風で折れたものと思われる流木ダマリを見つける。これを持って帰れば、現地住民に感謝されるだろう。 →機動(5航海/8)で判定を行う事。他に何かいい指定個性があれば、それでもよい(負けず嫌い、など)。 成功したら、アイテム「流木」を入手できる。 このアイテムは、重複してもつことはできない(つまり「一人が荷物持ちになる」ことは不可)。 このアイテムを所持したまま艦隊戦を行った場合、回避に-1のペナルティを受ける。 (艦隊戦開始時点で廃棄することは可能。行動消費なし) このアイテムを所持したまま艦隊戦を行った場合、回避に-1のペナルティを受ける。 (艦隊戦開始時点で廃棄することは可能。行動消費なし) 難易度と達成値との差分値が、一番大きいPCが、一番多くの流木を入手したことになり、他のPCから賞賛される。 上記以外のPCは、上記PCに対して、感情値を1点上昇させる。 同値で1位が2名以上いる場合、他PCは好きな方の感情値を1点上昇させること。 このイベントは1回しか発生しない。 Bマス:輸送船の残骸らしきものを発見する。何か役に立つものがあるかも? →整備(5航海/12)に誰か一人でも成功したら、アイテム「資材箱」を入手できる。 資材箱を始点または鎮守府に持ち帰れば、ランダムで選択した資材が1D6個手に入る。 このアイテムを所持したまま艦隊戦を行った場合、回避に-1のペナルティを受ける。 (艦隊戦開始時点で廃棄することは可能。行動消費なし) このイベントは1回しか発生しない。 Cマス:この辺りは海流が早いようだ。気を付けて進まないといけない。 →機動(5航海/8)または海図(5航海/9)で判定する。 「流木」または「資材箱」を持っているPCがこの判定に失敗した場合、これらを落としてしまう。 ◎輸送船の到着 このイベントは、1サイクル目が終了したタイミングで発生します。 日が西に傾くころになって本島方面から、小型輸送船と(秘書官およびNPC艦娘)が、こちらに向かってくるのが見える。 どうやら、事前に提督が秘書官に連絡を取っていたようだ。 輸送船が小島近海に停泊すると、現地住民達が縄でくくった木材をモーターボートに積んだり、直接泳いで積みに行く。 さて、全員に索敵(5航海/4)で判定をしてもらうこと。 それとは別に、ランダムでPCから1人を選ぶこと。 判定が終了したら、以下について説明する。 ①判定に成功したPCは、小型輸送船に向かう雷跡を発見する。雷跡を発見したPCは、魚雷に対して「主砲」または「副 砲」により攻撃を行うことができる。これに成功すれば、輸送船に対する雷撃を防ぐことができる。 ②ランダムで決定したPCは、この雷跡に一番近い位置にいるPCである。このPCは、判定に成功していなくても、身体を 張って魚雷を「受けとめる」ことができる。この場合、雷撃3のダメージを受けるが、輸送船に対する雷撃を防ぐことが できる。 ただし、①の行動をとった場合、輸送船をかばうことはできない。 引き続き、以下、敵艦隊との艦隊戦となる。 ◆艦隊戦1 カ級elite×1 ☆旗艦 駆逐ロ級×4 ※戦場表を決定する場合、台風一過であるため「悪海象」「悪天候」は発生しない。 これらの結果となった場合、同航戦になる。これは、以降の艦隊戦でも同じである。 なお、この艦隊戦ではPCが命中判定、または、回避判定に1差で失敗しそうな場合、現地住民から1点分の「声援」が 飛ぶ。 この「声援」は、AマスのイベントでPCの半数以上が「流木」を持ってきている場合は、2回分。 そうでない場合は1回分のみとする。 演出としては、以下のようなものとなる。 ・現地住民の応援の声が届き、艦娘のモチベーションがあがる ・本部スタッフが重火器による支援射撃を行う。ダメージは入らないものの、注意をそらすことができる 艦隊戦終了後、 ・艦隊戦に勝利した ・艦隊戦前の雷撃を防いだ 以上の条件を満たしている場合、任務「現地住民を護衛するとともに、近海哨戒を行う」を成功したものとします。 以上の条件を満たしている場合、任務「現地住民を護衛するとともに、近海哨戒を行う」を成功したものとします。 ◎しばしの休息と、次の任務 上記イベント終了後、引き続き以下のイベントが発生します。 敵深海棲艦を退けたあなた達は、輸送船を護衛し、無事、鎮守府に戻ってくることができた。 鎮守府には燃料×3、弾薬×3、鋼材×1、ボーキサイト×1が報酬として支払われる。 「ひとまず、お疲れさん。今回拾ってきた物資で、ある程度の復興はできるだろう」 「敵の深海棲艦だが、おそらく、前回襲ってきたやつの残党だな。前回見た奴はあれで全部か?」 「単に残った中ではぐれた連中が襲ってきたというだけなら、それでいいんだが・・・付近に巣をつくられると厄介だ。一 旦、休憩を取った後、敵残党の哨戒を行ってもらいたい」 時刻は既に夜と言っていい時間になりつつある。 あなたたちは、休息を取り、翌朝から作戦行動に移ることになった。 ※ここで、シーン外ではありますが、一旦、入渠、補給、開発をしてよいことにします。 ◆任務「敵泊地有無の確認を行い、あれば、これを叩く」を渡してください。 以降、2サイクル目となります。2サイクル目用のイベントカードをPLに渡してください。 2サイクル目の海域マップは末尾の海域マップ②となります。 これは、敵艦隊の来た方角および該当方面にある敵泊地となりそうな陸地を提督がピックアップしたマップです。 各マップのイベントは以下となります。 [海域マップイベント②] Aマス:ここは浅瀬が多く、入り組んだ場所のようだ。慎重に行動すべきだろう・・・ →索敵(5航海/4)で判定する。 艦隊の誰か一人でも成功した場合は「T字有利」で、全員が失敗した場合は「T字不利」で、以下敵艦隊との艦隊戦と なる。 ◆艦隊戦2 雷巡チ級×1 ☆旗艦 駆逐ロ級×4 なお、このマスは浅瀬が多く、動きにくいため、敵味方ともに回避-1の修正を受ける。 また、NPC側には2か所、耐久力5点の島が存在する。どこに存在するかは、ランダムで決定すること。 Bマス:渦潮マス。このマスに侵入した場合、燃料を1D6消失する。 Cマス:ぐるりと島を一周するも、敵泊地らしきものは見当たらない。ここには何もないのだろうか・・・? →索敵(5航海/4)で判定する。 誰か一人でも成功すると敵艦載機(偵察機)が飛んでいるのを発見する。 偵察機はあなた達の姿を認めると、Dマスの方向に飛んでいく。 対空または超対空により、制空値9以上の目を出すことができれば撃墜することができる。 偵察機を発見し、かつ、撃墜した場合、決戦フェイズで戦場表を「T次有利」に変更することができる。 偵察機を発見したが、撃墜できなかった場合、特に有利・不利は発生しない。(お互い、警戒状態での開戦となる) 偵察機を見つけられなかった場合、決戦フェイズの戦場表は「T字不利」になる。 Dマス: ゴリッ、ゴリッという奇妙な音が響いていた。それは肥え太った深海棲艦が島を削り、泊地を形成する音だった。 周囲には護衛艦として、軽巡、駆逐が立ち並び、上空には虫のような有機的なフォルムをした敵艦載機が数多く飛 行していた。 →決戦フェイズとなる。 Cマスのイベントが発生している場合、戦場表が変わる可能性があるため、注意すること。 決戦フェイズではNPC側に1か所、耐久力5の島が存在する。どこに存在するかは、ランダムで決定すること。 ◆決戦フェイズ ◆決戦フェイズ 輸送ワ級elite×1 ☆旗艦 軽母ヌ級×1 軽巡ホ級×1 駆逐ハ級×2 ※勝利条件は、敵旗艦の撃破となります。 決戦フェイズに勝利した場合、任務「敵泊地有無の確認を行い、あれば、これを叩く」が成功したことになります。 【終了フェイズ】 ◎PC達が決戦フェイズで勝利した場合 「なるほど。後顧の憂いを断てたってわけだな。それはよかった」 提督は満面の笑みで君達を迎える。 あなたたちは、敵前線基地を事前に壊滅させたことによる報酬として、各資材3を得ます。 ◎PC達が決戦フェイズで敗北した場合 「なるほど。それは、ちと厄介なことになりそうだな・・・」 提督はあなたたちの無事を喜んだものの、報告を聞くにつれ、渋面になってしまいます。 「短期的には問題ない。が、泊地整備が終わると戦艦、空母といった大型艦が来る懸念がある。今回はダメだったが、 早いうちに叩かないとまずいな」 どうやら、今回の任務は再チャレンジすることになりそうです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------[後書] 本シナリオは提督を務めた冴川(Twitter:@haiiro_sae)の自作シナリオになります。 そこそこ細かい部分まで書いていたため、整形して公開してみることにしました。 内容は前半で人道支援活動を行い、後半でちょっかいをかけてきた深海棲艦を倒す、という話になっています。 前提に記載の通り、建造ノ書 壱収録シナリオの後日談になりますが、鎮守府の条件があえば使える(?)と思います。 本シナリオは、前回シナリオにて、うちの鎮守府が火の車状態となったため、「稼ぎ回」として作成したシナリオになりま すので、相当ヌルいシナリオになっています。 (一応、シナリオ目的は「残党狩りを行う」という内容なので、大型艦はいない、という建前はあります) 実プレイでは、(艦隊構成が大和、扶桑改、飛龍、電という"重めの"艦隊になったこともありますが)艦隊戦ではノーダ メージ、損傷はアクシデント表によるものだけ、前回の教訓を生かして補給を上限いっぱいまで行うも、3~4回程度、 開発する余力が出る程度のヌルさでした。 もう少し難易度を上げる場合、 ①決戦フェイズの軽空母を増やす ②艦隊戦2の駆逐1隻を重巡eliteに変更 などの対応をするとやや刺激的になるのではないかと思います。 また、本シナリオでは「建造ノ書 壱」の敵深海棲艦と「出撃ノ書」から島ルールを使用しています。 ※島ルールについては、前書にある通りサポートページで公開しているルールでも代用できます。 今回、うちの卓では初の使用になりましたが、電が「釘付け」により、軽空母や雷巡を島に引き寄せて、損傷を負わせ る、という、まさしく「いじわる」な使い方を見せてくれました。 このように「島」の使用は航行序列変更する戦術アビリティの価値を上げ、戦術に幅を持たせることができるため、 使ってみると面白いかと思います。 以上。
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