邪気,けがれを祓い,神座を清めるための舞です。 天照大神の弟の素戔鳴尊は,乱暴の限りを行い天上界 から追放されます。出雲地方を旅する途中,斐伊川の上 流にさしかかったとき,足名椎・手名椎・稲田姫に出合い ます。ところが稲田姫には,まもなく悲しい出来事が起こ ると知らされます。八岐大蛇が出てきて,姫を飲み殺す のだと聞かされます。そこで素戔鳴尊は一計を案じました。 大山昨命に毒酒を作らせ,その酒を大蛇に飲ませ,酒に 酔った大蛇を格闘の末退治し目出度く稲田姫と結ばれる 物語です。 広島県の東部の瀬戸内海沿岸から山間部 へと広い地域で伝承されている備後神楽は, もともと修験者の流れを持つ神楽太夫によっ てもたらされたといわれています。山波神楽は 明治の初め神楽太夫から伊勢系の神楽を受 け継ぎながら荒神神楽として村人が奉納した のが始まりです。平成9年には尾道市の無形 民俗文化財に指定されています。現在では, 18の演目を保存伝承し,約30名の団員にて活 動しています。
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