ICTの活 - 附属情報処理教育センター

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ICTの活⽤
〜実物投影機〜
北海道⽴教育研究所附属情報処理教育センター
http://www.ipec.hokkaido-c.ed.jp/
ICTの活⽤
○ICTは教科、授業の⽬標を達成させるための道具の⼀つ
ICTは、あくまでも教科、授業において、その⽬標を達成させるための道具の⼀つでしかありません。
授業においては、教師によるしっかりとした授業設計を⾏った上で、授業を円滑に進めたり、効果的に
展開したりするためにICTを活⽤することが⼤切です。
○ICTそのもので、学⼒を向上させることはない
ICTは、教師が「⼤きく⾒せたい」「⼦どものイメージを広げさせたい」
「教師による説明や指⽰の時間を短縮させて、⼦どもの活動の時間を多くとり
たい」などといった、教師の思いを実現させてくれる道具の⼀つです。
しっかりとした授業設計、学習指導がなされ、その上でICTを効果的に活
⽤することにより、⼦どもたちに「説明がわかった」「興味・関⼼が⾼まった」
「⾃分の考えが深まった」などと実感させた時に、⼦どもたちの持っている⼒
を伸ばすことができるのです。
単にICTを使っただけでは、学⼒は伸びません。教師の指導⼒の中に組み
込まれることによって、⼦どもたちの学⼒向上につながっていくものです。
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ICTの活⽤
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○まずはICTを活⽤し、拡⼤投影
ICTで⼤きく投影することは、教師の「発問・指⽰・説明・ノート指導
・発表・板書」等の教授⾏為を⽀援するツールになります。
しかし、単に⼤きく投影すればよいというわけでなく、「何を」「どう」
映し、「どう話す」のかが重要となってきます。ICT活⽤を含めた、教材
研究が⼤切になってきます。
ここで取り上げる「実物投影機」は、プロジェクタや⼤型ディスプレイと接続し
て、簡単に拡⼤投影できるICT機器の⼀つです。
本資料を参考に、各学校において、「実物投影機」の有効活⽤を図っていただけ
ればと思います。
実物投影機の活⽤
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⼤きく投影し、視覚的情報を共有!興味・関⼼が⾼まり、児童⽣徒の視線が注⽬!
「ここを⾒て!」
実物投影機を活⽤し、教科書の⽂字、絵、図、表などを教室前⽅に拡⼤提⽰することにより、⼦どもた
ちの顔が上がり、視線が集中します。
また、教師が説明する際に、⾔葉にして表現しづらかったこと、
指⽰に時間がかかっていたことなどが、実物投影機で説明したいも
のを焦点化し、⼤きく投影することで、「ここを⾒て」という⼀⾔
で、視覚的情報とともに伝えやすくなり、解決されることがありま
す。
教師だけが活⽤するわけではありません。⼦どもたちがお互いの
ノートに書いてある考えを⼤きく提⽰、共有することもできます。
⼦どもたちにとって、「わかる」「できる」授業の実現として、
ICT活⽤のはじめの⼀歩として、実物投影機を授業に活⽤してい
ただければと思います。
実物投影機の活⽤
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実物を!⼿元を!操作を!必要な箇所を!…⼤きく投影!!
⼤きく投影されたものを指し⽰しながら説明!
基礎・基本の定着のために!
児童⽣徒の交流に!
児童⽣徒と同じ教材・教具を提⽰し、共有!
例えば…
・ノート
→ ⼀度ノートに書いたものを⿊板に書かずとも、⼤きく
投影して交流!
例えば…
・教科書、地図帳、ドリル、ワークシートなどの⼀部を拡
⼤提⽰(教科全般)
・鉛筆、筆の持ち⽅(国語、教科全般)
・原稿⽤紙やノートの書き⽅、使い⽅(国語、教科全般)
・辞書や辞典の⾒⽅、引き⽅(国語、教科全般)
・分度器、コンパス、定規などの操作(算数・数学)
・作図(算数・数学、図⼯、美術、技術・家庭など)
・ミシンの使い⽅、縫い物、針、包丁などの使い⽅(家庭)
・楽器の奏法(⾳楽)
・理科で使⽤する⽤具操作、実験における⼿順や⽅法(理
科)
・カッターナイフ、彫刻⼑などの使い⽅(図⼯、美術など)
…など
みんなに⾒られることから、丁寧にノート作りをしよ
うという意識が⽣まれる!(ノートの⾒本も知ること
ができる!)
⾃分のノートを⾒ながらの説明のため、表現を⼯夫し
ようという意識が⽣まれる!
・作品
→ ⾃分が⼯夫したところを⼤きく拡⼤して説明!(表現
の⼯夫)
…など
実物投影機の活⽤
実際の授業における例として…
学習の流れ 活⽤⽬的例 学習活⽤例として…
導
⼊
想起
前時の学習内容や写真などを拡⼤提⽰し、前時を想起する。
動機付け
絵、図、表、⽂字などを拡⼤提⽰し、他の⼦どもの気付きや⾒⽅などを発表し、
全員で共有する。
教科書やワークシートの⼀部などを拡⼤提⽰し、今から学習することを共有す
る。
課題提⽰
展
開
説明・指⽰ 絵、図、表、⽂字、教具の操作、⼿元の操作及び作業、ワークシートなどを拡
⼤提⽰し、細かな説明や指⽰を加え、今からおこなうことの共通理解を図る。
交流
⼦どもの考えが書かれたノートやワークシートなどを拡⼤提⽰し、交流する。
⽐較
スクリーンに写真やノートなどを並べて⽐較し、様⼦や考えの違いに気付く。
理解の深化 スクリーンに教科書の⼀部、教材、教具などを拡⼤提⽰し、そこに書き込みな
がら説明をする。
終
末 振り返り
(まとめ)
操作、⼿順、基礎・基本事項などの再確認をする。
教科書、ワークシートなどを拡⼤提⽰し、学習を振り返る。
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実物投影機の活⽤
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「何を」「どこを」「どう」映し、「どう」話すのか
実物投影機で映し出す際に、単に投影すればよいというわけではありません。映し出す「もの」、その
映し出した「場所」 、カメラの⾓度、そして、教師が発する⾔葉や指し⽰す箇所によって、⾒ている側の
⼦どもたちの印象や受け⽌め⽅が変わってきます。
例えば、単に教科書を投影し、「ここを⾒て!」と教師が発しても、⼦どもたちは「どこを⾒るの?」
となってしまいます。⾒る場所をクローズアップし、指や⾔葉で具体的に指し⽰すことによって、⾒てい
る側の理解を得られることになります。
ここを⾒て!
…?どこ?
左の画像で、「ここを⾒
て!」だけでは、仮に指を
指して発話したとしても、
余計な情報が多すぎます。
単にスクリーンに投影し、
指⽰・説明があいまいだと
⼦どもたちが混乱する結果
となります。
「今から○ページの上の段△⾏⽬を読
んでもらいます。」「スクリーンを⾒て、
ここから(※その箇所に指で指し⽰しな
がら)⼀緒に読みましょう。」「この⾔
葉の意味は…」などといった教師側のね
らいに沿った具体的な指⽰・説明があり、
その指⽰・説明に基づく画像の箇所がク
ローズアップされれば、余計な情報が少なくなり、⾒ている側の理解も進むことになります。
読んだり、説明したりしたい箇所以外
に、情報がある場合は、紙などで必要箇
所以外を隠すと、より情報が絞られてよ
いです。
※本⽂中写真
・「平成25年度 新しい先⽣のために 学校教育の⼿引」(平成25年4⽉ 北海道教育委員会)P.91引⽤
実物投影機の活⽤
書き込む
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隠す
実物投影機を活⽤するに当たって、単に映し出すだけでなく、⼯夫⼀つで書き
込むこともできます。
クリアーファイル
映し出す教科書や地図帳、ノートなどに、透明クリアファイルや透明シートを
被せることによって、書き込むことが可能となります。
書き込む際は、⽔性のボールペンや蛍光ペンなどを使⽤します。書き込んだ線
や⽂字は、ティッシュで簡単に拭き取ることができます。
また、知識を確かめたい、余計な情報を隠し
たいなどという時に、付箋紙や紙などで⽂字を
隠し、クリアファイルを被せることにより、紙
の浮きを押さえてから映し出すことも考えられ
ます。
※本⽂中写真
・「平成25年度 新しい先⽣のために 学校教育の⼿引」(平成25年4⽉ 北海道教育委員会)P.91〜92引⽤
実物投影機の活⽤
「静⽌物」だけでなく、「動き」や「場⾯」も投影
実物投影機は、静⽌物を投影するだけでなく、「動き」や「場⾯」を投影することもできま
す。
「動き」では、例えば、筆運び、楽器の奏法、コンパスや定規の使い⽅、カッターナイフ、
彫刻⼑、はさみなどの使い⽅などを投影するということが考えられます。ゆっくり動きを⾒せ、
何に注⽬するのか、説明を加えながら⾒せることにより、⼦どもたちの理解を図ることができ
ます。
「場⾯」では、例えば、鉛筆や筆の持ち⽅、給⾷配膳、机上整理⽅法、道具箱の整理
⽅法、模範指導、学習における姿勢、明⽇の予定などを投影することが考えられます。
SDカードなどのメモリカードに記録できる機能が備わった実物投影機であれば、デ
ジタルカメラやビデオカメラと同じような機能を持つことになり、その時の「動き」や
「場⾯」を記録しておくことができます。
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まとめ
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そこにある実物や事象を⼤きく投影できる実物投影機
実物投影機を活⽤して、⼤きく投影することにより、⼦どもたちは正⾯を向き、視覚的情報
と教師によるわかりやすい⾔葉により、指⽰や説明が通りやすくなります。
また、効率化という⾯で⾔えば、⼦どもに発表させる際に、ノートに書いた
ものをさらに⿊板に書かせるのでなく、ノートそのものを投影したり、教科書
の問題をそのまま⿊板に書くのであれば、その問題を投影するとどうでしょう
か。⽣み出された時間を、⼀問でも多く問題を解かせたり、漢字や⽤語を覚え
たり、⼦どもが考えたり、話し合ったりする活動時間や、知識の確認をするな
どの時間に充てることによって、⼦どもたちにとって有効な学習時間となりま
す。
実物投影機などのICT機器を有効に活⽤することにより、⼦どもたちの⼒を伸ばすことに
つながり、さらに、このような機器を活⽤して、⼦どもたちに発表させる場⾯を多く取り⼊れ、
焦点を絞った発表の⽅法について指導し、他者の発表を⾒聞きする中で、発表のために表現を
⼯夫し始め、説明する⼒が付いてくるものと考えます。
まとめ
ICT機器の積極的活⽤を!
ICT機器の中でも、実物投影機は、複雑な操作を必要とはしません。誰でも簡単に操作が
できるものです。
何よりも実物投影機は、⼦どもたちの表情を⾒ながら操作できます。⼦どもたちの表情の変
化を⾒ながら指導できるので、⼦どもたちのつまずきにも即座に対応ができます。
せっかく機器が導⼊されているのに活⽤しないでは、何の意味もありません。授業の中に取
り⼊れ、活⽤してみることが⼤切です。
導⼊した際には、授業、教科の⽬標を達成させるために、
そして、何よりも⼦どもたちのために、機器の特性をとらえ
た上で、最⼤限それを⽣かして授業を進めていただければと
思います。
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