「SAP HANA」実装により会計処理の 高速化を実現した

Vodafone
「SAP HANA」実装により会計処理の
高速化を実現した、大型SIの成功事例
Vodafoneは世界最大のテレコミュニケーション企業の一つです。
世界30カ国にまたがる4億人もの顧客に対して50以上のネットワーク・
パートナーとともにサービス提供を行っています。ここでは、数多くの
Vodafoneのプロジェクトの中から、
「SAP HANA」導入の成功事例を
ご紹介します。
Vodafoneの事業上の課題
すでに行われていたビジネス基幹システム
プロジェクトの成功を基に、Vodafoneでは
世 界に広 がる全 て の 事 業 会 社における
決算処理を加速化する必要性が高まって
いました。月末締め処理にかかる時間を
短縮できれば、会計上のパフォーマンスを
高め、
コストを削減し、意思決定を強化する
ことに加えて、最終的な収益にポジティブ
な影響を与えて、Vodafoneの会計プロセス
を世界標準の卓越したものへと変革する
ことができるのです。Vodafoneで当時採用
していたデータ入力の手段は、
多くのマニュ
アル作業が介在しており、
またSAP Business WarehouseとSAP ECCの間でのデータの
読 み 込 みも複 数 回 実 行 する必 要が あり
ました。プロジェクトには2つの主要な目的
がありました。1 つ目は SAP システムから
データを抽出し、それをグループ全体の
財務・会計統合システムへロードするスピー
ドを加速すること。2つ目はユーザーがデー
タを提出する前に、統合システム上でエ
ラーを認識し修正できるように、
シミュレー
ションレポートを提供することでした。
アクセンチュアの支援内容
アクセンチュアはVodafone、SAPと緊密に
連携し、より速い月末締め処理を実現する
ため、SAP のインメモリ・デ ータプラット
フォームであるHANAを導入しました。アク
センチュアのイノベーション・ラボが解決に
向けたアプローチ方法を検討し、
計画の段階
では SAP のカスタマ ー・ソリューション・
アダプション・チームが中心となりました。
HANA のインメモリ技 術により、デ ータ
ウェアハウスからローカルメモリへのデー
タ転送を行うことなく膨大なデータを分析
することが 可 能 な た め 、複 雑 な 分 析 や
トランザクションをほとんどリアルタイム
で実行し、意思決定やレポート作成の迅速
化を実現することが可能となります。
HANAの機能性の高さを実証するために、
アクセンチュアは導入を3 つのフェーズに
分け、その第1フェーズとしてEVOを使用し
ている全ての事業会社への展開に先駆け、
まずはスペインにある事業会社への導入
を開始しました。
第1フェーズではHANAのソリューションが
そ の 正 確 なレポ ート作 成と全 体 的 な パ
フォーマンス改 善によって Vodafone の
期待に沿うことが可能であるということを
実 証しなければなりませ んでした。この
フェーズでの結果は大きな成功を収めま
した。エンド・ツー・エンドのライフサイクル
においては、総勘定元帳データの転送から
データ抽出の処理に既存プロセスで150分
かかっていました。同じ処 理を HANA の
インメモリでは最大で6分までに短縮し、概
ね96% の処理時間削減を実現することが
できました。
HANA 導入による成功事例がはっきりと ハイパフォーマンスの実現へ
検証され、アクセンチュアチームは EVOを
使用しているVodafoneの他の事業会社へ
の展開となる第2フェーズを開始しました。
システム・インテグレーターとして、
アクセン
チュアはHANAのアーキテクチャや必要な
ハードウェアの設定とともに、初期に実施
される機 能 面での 要 件 定 義 の 調 査やソ
リューション設計、実装、ライブ化した後の
サポートなどを含む、プロジェクトの全ス
テージの 実 施に責 任を負 いました。第 2
フェーズにとって鍵となるステージは、広範
囲にわたるEVOの対象領域にHANAを実装
し、全てのHANAのエンドユーザーに対して
適切なアクセス権限の付与、最高レベルの
パフォーマンスを実現するためのデータ
モデ ルの 最 適 化 、そして Excel 形 式での
最適なレポートフォーマットの作成でした。
この第2フェーズは、実際の月末締め処理と
同じ作業負荷を完全に再現したパフォー
マンステストで締めくくられました。第2フェ
ーズは約 50 人に対してライブ化しました。
そして第3フェーズでは機能を追加し、対象
アクセンチュアについて
世 界 に 広 がる全 ユ ー ザ ー へ の 展 開 は 、 アクセンチュアは、経営コンサルティング、
Vodafoneが事前に予測していた通り、全
テクノロジー・サービス、アウトソーシング・
ての事業会社が月末締め処理を遅れなく
サービスを提供するグローバル企業です。
実行できるほどの桁違いのスピードをもた
29万3千人以上の社員を擁し、世界120カ国
らしました。HANA をベースにした新しい
以 上 の お 客 様にサ ービスを提 供して い
ソリューションの実装により、月末締め処理
ます。豊富な経験、あらゆる業界や業務に
において1日/24時間分の作業時間短縮を
対応できる能力、世界で最も成功を収めて
実現しました。これは驚異的なスピード化
いる企業に関する広範囲に及ぶリサーチな
です。データ転送については、これまでの
どの強みを活かし、民間企業や官公庁の
ソリューションと比較して96% の処理時間
お客様がより高いビジネス・パフォーマンス
の 削 減が可 能になりました。HANA での
を達成できるよう、その実現に向けてお客
データ処理は標準的なビジネス・ウェアハウ
様とともに取り組んでいます。2013 年 8 月
ス(BW)の1000倍もの処理能力です。これ
31日を期末とする2013年会計年度の売上
高は、286 億 USドルでした( 2001 年 7 月19
制御された統合システム環境下、処理サイ 日NYSE上場、略号:ACN)。
グループ全体でうまく
により、Vodafoneは、
クルを通じて、より迅速に意思決定を行う
ことが可 能になり、またその意思決定を
支援するための質の高いレポートを手に入
れました。そして会計担当の従業員は付加
価値が高く、戦略的な業務に集中し、時間を
アクセンチュアの詳細は
www.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細は
www.accenture.com/jpをご覧ください。
割けるようになりました。
となる全てのローカル市場の350人のエン
このプロジェクトの成功により、経営指標な
ドユーザーに対してライブ化しました。
どの他の業務エリアに対しても HANA の
テクノロジーを活用することや、
ビジネス・
ウェアハウス(BW)をHANAのシステム構成
(EVO: Vodafoneが全世界で展開する、会計、人事、
サプライチェーン領域での業務改革プログラムの
の中に移行するなど新たな可能性が次の
フェーズとして広がる計画です。
総称。)
アクセンチュア株式会社
通信・メディア・ハイテク本部
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