人権だより25 平成26年5月 市川市立下貝塚中学校 日本における平成26年度の人権啓発重点目標 みんなで築こう ~考えよう 人権の世紀 相手の気持ち 育てよう 思いやりの心 ~ 新聞記事から人権について考える① ニュージーランドの先住民族マオリの女性が北海道 左の囲みの記事は、ニュージーランドの先 入浴を断られていたことが12日、分かった。女性 住民族であるマオリ族の女性が、顔に家系 側は「尊厳を傷つける人種差別だ」と批判する一方、 や社会的地位を示す『モコ』と呼ばれる入 れ墨があったため、北海道の温泉施設から 施設側は一律の対応であることを強調している。 『入浴お断り』を受けたという記事です。 (2013 年9月13日付・毎日新聞) 恵庭市の温泉施設を訪れた際、顔の入れ墨を理由に 『入れ墨をしている方はお断り』 日本のプールや温泉などのルールの一つに、左の看板のような『入れ 墨をしている方は入場、入浴をお断りします』というものがあります。 なぜこのような理由があるか、考えたことはありますか? かつての日本では、『入れ墨=暴力団』という考えがあり、多くの人々 が入れ墨をした人とのトラブルを恐れているということから、トラブ ル防止の意味で入場・入浴禁止のルールができたのではないかと考え られています。今回の件でも温泉施設側は『入れ墨に威圧感や恐怖感 を覚える人がいる。入れ墨が見えれば、一律にお断りしている。』と 言っています。 代表者は訴えます。『本来は幅広い客層に楽しん でもらいたいが、入れ墨の背景までは判断できず、 一線を引かないと信頼を失う』と。 マオリ族の女性は訴えます。『東京オリンピックでは、ニュージーラン ドから同じような入れ墨をした選手がたくさん来る。日本人は自分たち と異なる伝統に思いやりを持ってほしい』と。 マオリ族の方の入れ墨 ここで考えてみましょう。 もしあなたが、この温泉施設の代表者だとしたら、どういう結論を出しましたか? あなたは入れ墨しているのでお断り、と判断しますか? あなたは日本人ではないので、特別にどうぞ、と判断しますか?
© Copyright 2024 Paperzz